ドイツにおける付加価値税納税者番号 (VAT ID)

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  1. はじめに
  2. 付加価値税納税者番号とは何か
    1. VAT ID の構成要素
    2. VAT ID と納税番号、納税者番号の違い
  3. どのような場合に VAT ID が必要か
    1. リバースチャージ方式とは
  4. VAT ID が必要な場合と不要な場合
  5. VAT ID はどこに表示する必要があるか
  6. VAT ID の申請方法
  7. VAT ID の確認方法

異なる EU 加盟国の事業者間で取引を行う場合、関係国間で付加価値税を割り振るのは難しいことがあります。付加価値税納税者番号 (VAT ID) は、この制度を管理しやすくするためのものです。この記事では、VAT ID について事業者が知っておくべきことを、申請方法から確認方法まで一通り説明します。

この記事の内容

  • 付加価値税納税者番号とは何か
  • どのような場合に VAT ID が必要か
  • VAT ID が必要な場合と不要な場合
  • VAT ID はどこに表示する必要があるか
  • VAT ID の申請方法
  • VAT ID の確認方法

付加価値税納税者番号とは何か

付加価値税納税者番号は、ドイツ連邦中央税務局が、納税者番号とは別に事業者に付与する固有の識別番号です。VAT ID または VAT ID 番号と略される場合もあります。欧州連合域内で VAT 課税対象商品およびサービスを取引するには、この番号が必要です。各 EU 加盟国には、その国独自の VAT ID があります。

VAT ID の構成要素

付加価値税納税者番号は、各 EU 加盟国の国コードを表す 2 桁の文字 (英大文字) で始まります。これは国際化標準機構 (ISO) 3166 alpha-2 standard に基づくもので、ドイツ (Deutschland) の場合は「DE」です。ギリシャは例外で、VAT ID が「GR」ではなく「EL」で始まります。

このプレフィックスの後に、ドイツの 9 桁の VAT ID が続きます (例: DE123456789)。欧州委員会は VAT ID の形式に拘束力のある仕様を定めていないため、他の EU 諸国では数字部分の桁数は 2 ~ 12 桁とそれぞれ異なります。

ドイツでは、VAT ID 番号の確認 にチェックデジットプロセスを利用していますが、別のエラー検出プロセスを利用している国もあります。

VAT ID と納税番号、納税者番号の違い

ドイツには、以下の 3 種類の納税者識別子があります。

  • 納税者番号 (Tax ID)
  • 納税番号
  • 付加価値税納税者番号 (VAT ID)

VAT ID 番号が割り振られるのは事業者のみで、納税番号と納税者番号は個人または法人に割り当てられます。すべてのドイツ国民には、出生時に 11 桁の納税者番号が付与されます。この番号は一生涯有効です。納税者番号により、納税申告が正しい納税者に確実に関連付けられます。納税申告書を初めて提出したとき、または事業登録を行ったときに、税務署での処理のための納税番号が割り当てられます。この番号は 13 桁の標準的な形式で、ドイツ全土で適用されます。個人に付与される納税者番号は 1 つだけですが、納税番号は一生の間に複数所有する場合があります。たとえば、別の税務署の管轄区域に引っ越した場合、納税番号の変更が必要になります。

ドイツの長期的な計画では、納税番号を完全に納税者番号に置き換える予定ですが、実施時期はまだ不明です。

どのような場合に VAT ID が必要か

基本的に、他の EU 諸国の事業者と取引をする場合は VAT ID が必ず必要になります。以下のようなシナリオが考えられます。

  • 事業者が EU 域内市場内の別の事業者にサービスまたは商品を提供する場合 (域内供給)
  • 事業者が EU 域内市場内でサービスまたは商品を取得する場合 (域内取得)
  • 事業者がドイツの VAT 法 (Umsatzsteuergesetz、略して UStG) 第 25b 条第 2 項に基づいて何かを供給する場合 (域内三角取引)
  • 事業者がドイツの VAT 法 (UStG) 第 6b 条第 1(4) 項に基づいて何かを送ったり輸送したりする場合 (委託在庫契約)

他の EU 加盟国の事業者との域内貿易の場合は、リバースチャージ方式が適用されます。これが正しく実施されるためには、すべての当事者に有効な付加価値税納税者番号が付与されている必要があります。

リバースチャージ方式とは

ドイツの VAT 法 (UStG) に従って、商品またはサービスを提供している事業者は、請求書を通じて購入者から付加価値税を徴収し、これを管轄税務署に納付します。ただし、商品またはサービスが外国で提供された場合、リバースチャージ方式により納税義務が逆転します。

この場合、商品またはサービスの提供者ではなく、その提供を受ける者 (受取人) が、自国の管轄税務署に付加価値税を納付します。外国に商品を供給している場合、これらの商品の付加価値税は免除されるため、請求書に付加価値税を表示する必要はありません。代わりに、商品またはサービスの提供を受けた受取人が物品税 (一種の付加価値税) を支払います。

リバースチャージ方式の対象となるサービスは以下の通りです。

  • 工事の納入および供給
  • 建設サービス
  • 建物の清掃
  • ガスおよび電気の供給
  • 電気通信サービス
  • コンピューター、モバイルデバイス、タブレット、およびその他の電子デバイスの供給
  • 金の供給

UStG 第 13b 条第 2 項には、上記以外のケースも記載されています。

リバースチャージ方式は企業間 (B2B) の取引にのみ適用され、個人に供給される商品およびサービスには適用されません。小規模事業主もリバースチャージ方式を免除されます。商品またはサービスが外国から供給される場合、小規模事業主はリバースチャージ方式で管轄税務署に付加価値税を納付する義務を負うことになります。ただし、この付加価値税を投入税として扱うことはできないため、小規模事業主自身が付加価値税を納付することが必要になります。

VAT ID が必要な場合と不要な場合

付加価値税納税者番号 (VAT ID) は、他の EU 諸国の法人顧客を対象に商品またはサービスを販売または購入するすべての事業者に必須となっています。また、法人顧客に商品を販売するオンラインストアでも、注文を処理する決済段階で VAT ID を求められることがよくあります。

以下の場合は、付加価値税納税者番号は必要ありません。

  • ドイツ国内のみでサービスを提供または取得するフリーランサー、自営業者、および事業主
  • 個人のみを対象にクロスボーダー取引を行うフリーランサー、自営業者、および事業主
  • 小規模企業向けの免除を利用する小規模事業主

VAT ID はどこに表示する必要があるか

付加価値税納税者番号は、請求書および企業のウェブサイトの法的な情報欄に表示する必要があります。請求書には、納税番号ではなく、付加価値税納税者番号を表示します。域内供給の請求書には、両方の事業者の VAT ID が記載されている必要があります。

ドイツ国内のみで取引をする事業者の場合、請求書に表示する必要があるのは納税番号のみです。ただし、データ保護の目的で、納税番号の代わりに付加価値税納税者番号を表示することをお勧めします。ドイツのテレメディア法 (Telemediengesetz、略して TMG) 第 5 条においても、VAT ID が割り当てられている場合はウェブサイトの法的な情報欄に VAT ID を表示する必要があると規定されています。この情報がない場合、警告が出される可能性があります。

VAT ID の申請方法

ドイツでは、事業設立時、またはそれ以降の任意の時点で VAT ID を申請できます。事業設立時に、納税登録に使用する申告書で、VAT ID の交付を求めるチェックボックスにチェックを付けることができます。これにより、ID が自動的にメールで届きます。事業設立時に VAT ID を申請しなかった場合でも、ドイツ連邦中央税務局にいつでも申請できます。この申請はオンラインまたは書面で行うことができます。

  • オンライン申請
    BZSt のオンラインフォームを使って VAT ID を申請できます。申請書で公開した情報が、税務署から提供されたデータと比較され、情報が一致すると、VAT ID 番号がメールで届きます。

  • 書面による申請
    VAT ID を書面で申請するには、以下の住所の中央税務局宛に申請書を送付します。

Bundeszentralamt für Steuern
Dienstsitz Saarlouis
66738 Saarlouis

申請書には、申請人の名前と住所、納税番号、管轄税務署名を含める必要があります。

VAT ID の確認方法

商品およびサービスの域内供給の場合、商品の受取人に付加価値税の納税義務を負わせることが重要です。具体的には、VAT 非課税で商品またはサービスが提供される前に、これを確実にします。そうしないと、商品またはサービスを提供する事業者自身が後で付加価値税を納付しなければならなくなります。

2022 年 1 月以降は、VAT ID が正しくない場合は 5 万ユーロの罰金を科される可能性もあります。したがって、新たなビジネスパートナーの VAT ID を確認すること、および保存されている VAT ID に対して適格性検査を定期的に実施することが重要です。限定的検索には、外国企業の名称と住所の確認も含まれます。ドイツで限定的検索を行うには、欧州委員会の VAT 情報交換システム (VIES) を利用するか、ドイツ連邦中央税務局にお問い合わせください。

VAT 情報交換システム (VIES) は、EU 域内の事業者に関するデータの検索エンジンです。入力された VAT ID が有効な場合は、その事業者の登録データが表示されます。その VAT ID が存在しない場合、またはその VAT ID に国際取引の許可が与えられていない場合、VAT ID が無効と表示されます。

あるいは、ドイツ連邦中央税務局で外国企業の VAT ID を検索することもできます。単一の検索には、オンライン検索 が適しています。複数の VAT ID 番号を定期的に確認する必要がある場合は、このプロセスを自動化して、複数検索 機能として、お使いのソフトウェアシステムに統合することができます。

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