イタリアでの電子請求書の会計処理

Invoicing
Invoicing

Stripe Invoicing は、支払いを簡単かつ素早く受け取ることを目的とする請求書作成プラットフォームです。自社でコードを作成することなく、請求書をわずか数分で作成し、送信できます。

もっと知る 
  1. はじめに
  2. 会計処理における電子請求書の記録
    1. 売上台帳
    2. 仕入台帳
    3. 入金台帳
    4. VAT 台帳の維持・保管
  3. 電子請求書の会計処理の効率化:簡易税制
    1. 簡易税制の会計上のメリット
  4. 電子請求書の会計処理の効率化:定額税制

イタリアで行われている電子請求書の会計処理には、発行済み請求書と受領済み請求書の記録方法と記録時期に関する具体的な要件、および付加価値税 (VAT) 記録の管理と保管に関するガイドラインが適用されます。本記事では、会計処理の過程で電子請求書を記録する方法を紹介するとともに、簡易税制と定額税制の会計上の特徴についても取り上げます。

本記事の内容

  • 会計処理における電子請求書の記録
  • 電子請求書の会計処理の効率化:簡易税制
  • 電子請求書の会計処理の効率化:定額税制

会計処理における電子請求書の記録

VAT 登録済みの企業の会計処理において電子請求書を正しく記録するには、適用される規則と期限、および発行済みの請求書と受領済みの請求書の違いを理解することが重要です。これらの手続きを熟知することで、税務コンプライアンスや会計取引の透明性・正確性を確保し、より効果的な財務運営へとつなげられます。

VAT 登録企業は、以下の資料を管理しつつ、記帳する必要があります。

  • 売上台帳 (発行済み請求書用)
  • 仕入台帳 (受領済み請求書用)
  • 入金台帳

これらは、VAT の記録を示す 3 種の台帳です。VAT 台帳の主な目的は、企業の収支取引を追跡し、VAT の納税義務と要件を確実に遵守することにあります。

これらの台帳は、課税取引を行う企業やフリーランサー、つまり VAT 納税者には必須のものです。ただし、税務当局は定額税制が適用されている納税者の記帳義務を免除しています。

売上台帳

企業は、取引が行われた月の翌月 15 日までに、発行済み請求書 (即時および繰延の両方) を記録する必要があります。四半期ごとに報告を行う VAT 登録者は、該当する四半期の翌月末までに取引を記録します。たとえば、5 月に行われた取引を、該当する VAT 登録者は 7 月末までに記録・報告したので構いません。

このスケジュールを遵守することは、次の 2 つの観点から重要とされています。1 つ目は、VAT 台帳によって税金を正確に清算するため、2 つ目は、月次または四半期ベースの控除額を計算するためです。

大統領令第 23 条 633/1972 は、発行済み請求書用の台帳 (売上台帳) に関する規則を定めています。この台帳は、商品の売上のために発行された請求書を時系列的にまとめたリストです。電子請求書を適切に会計処理するには、発行する請求書に次の情報を含める必要があります。

  • 連続する一意の請求書番号
  • 発行日
  • 顧客の詳細
  • 取引の課税対象額
  • VAT の税率価格または免税適用価格

仕入台帳

会計記録における電子請求書の記録手続きとして、企業は大統領令第 25 条 633/1972 の規則に従い、受領した請求書および通関請求書を仕入台帳に記録することを義務づけられています。仕入台帳を管理する主な目的の一つとして、納税者が VAT 控除額を正確に決定できるようにすることが挙げられます。

受領した請求書と通関請求書の登録は、定期的な VAT 清算の前、または VAT 確定申告の前に行います。このような手続きをとることで、受領済み請求書は企業が記録した VAT 清算月に損金算入することができ、また顧客が請求書を受け取った年の確定申告書を期限内に提出できるようになります。

この規則では、企業は記録した仕入請求書について、次の情報を提供することを義務付けられています。

  • 請求書または通関請求書の日付
  • 会社の商号
  • 譲渡人またはサプライヤーの名前 (企業または法人ではない場合)
  • 課税対象額および税額 (適用税率別に記載)

VAT 免除の取引に対する請求書については、VAT 免除の理由を記載し、該当する場合は、税額ではなく免除を適用する規制当局を記載します。

入金台帳

大統領令第 22 条に規定されている電子請求書会計における領収書の管理は、請求書の発行が義務付けられていない小売業者等を対象としています (顧客から要請があった場合を除く)。領収書の記録は、請求書台帳の管理に代わる処理ですが、その目的は基本的に同じです。

電子領収書が導入されたことで、毎日の領収書データを電子的に保存・送信する必要性が生じ、入金台帳を管理する義務はほぼなくなりましたが、電子または紙を問わず、毎日の領収書を専用の台帳に記録することをお勧めします。これは、VAT の貸方 / 借方記入を正確に判断する場合や、電子現金帳簿に障害が発生した場合に役立ちます。

VAT 台帳の維持・保管

ユーザーが発行および受領した請求書のデータを自動的にインポートできる電子請求ソフトの機能により、VAT 台帳は電子的に管理することもできます。電子保管されている記録については、2022 年以降、印刷は必須ではなくなりましたが、税務当局は監査の際に記録内容の確認を要求することが認められています。

VAT の電子記録の保管について知識を深めておくのは重要なことです。デジタルデバイスでのアーカイブだけにとどまらず、これらの手続きは、不変性、完全性、真正性、可読性の要件を定めるデジタル管理コード (CAD) および経済財務省 (MEF)令 (2014 年 6 月 17 日公布) の規則に準拠する必要があります。

保管に必要な手続きは、納税申告書の提出期限から 3 カ月以内にアーカイブされたファイルにタイムスタンプ (第三者に対して強制力を有する日付) を適用することで完了します。

電子請求書の導入後も、紙の台帳はページ番号を連続させる形で使用できます。ただし、紙の VAT 台帳は、最終記帳日から最低 10 年間、または現在行われている税務調査活動が終了するまで保管する義務があります。

電子請求書の会計処理の効率化:簡易税制

この税制の大きな特徴の一つは、発生主義ではなく現金主義を採用していることです。現金主義では、企業は支払い済みの取引のみを記録します。そのため、請求書は発行済みで支払いは未回収の取引 (たとえば、支払い期限がまだ到来していないなど) を記録する必要はありません。したがって、実際の流動性のみで企業の収益が決定します。

簡易税制の会計上のメリット

簡易税制における会計処理の要件はそれほど厳しくありません。実際、最終的な年次財務諸表を作成したり、標準的な会計慣行で必要とされる会計記録をすべて完了したりすることまでは義務付けられていません。会計規則で仕訳帳や棚卸表の作成が要求されていないのがその例です。

記帳を義務付けられているのは以下の帳簿です。

  • 労働者台帳 (会社に従業員がいる場合)
  • VAT 台帳
  • 現金出納帳
  • 固定資産 (または減価償却資産) 台帳

さらに、簡易税制の下で請求書のみを発行する VAT 登録者は、VAT 台帳を管理する義務を免除されます。大統領令第 22 条 633/1972 に規定されている以外の活動 (小売業および類似の活動など) に従事し、イタリア歳入庁 (Agenzia delle Entrate) により提供されるデータを使用する個人がこの VAT 登録者に該当します。

企業の請求プロセスの場合、成長期は特に管理が複雑になる可能性があります。網羅的かつスケーラブルなプラットフォームである Stripe Invoicing などのツールがあれば、このプロセスを自動化することも可能です。Invoicing を使用すれば、コードを記述することなく 1 回限りの支払いと継続支払いの両方の請求書を作成・送信できます。また、Strepe ユーザーは 24 時間以内に発行済み請求書の 87% を回収できるようになり、その結果、時間の節約やスピーディーな入金につながります。それ以外にも、サードパーティーパートナーと連携して、Invoicing で電子請求を行うといったことも可能です。

電子請求書の会計処理の効率化:定額税制

定額税制にも税務上および会計上のメリットがいくつかあります。実際、電子請求書の会計処理において定額税制を適用する納税者は次のような恩恵を受けています。

  • VAT の免除:請求書に VAT を適用したり、仕入時に支払った VAT を控除したりする必要はなく、また VAT の精算・納付のために確定申告書を提出する義務も免除されます。
  • 登録免除:納税者には、請求書、領収書、仕入を記録する要件が適用されません。
  • 金額無制限の請求書の発行:2025 年 1 月 1 日以降、納税者は金額無制限の簡易請求書を発行できるようになりました。従来の限度額は €400 でしたが、固定税制を適用していない納税者には金額の変更はありません。

これらのメリットは会計士の手続きの省略化にもつながるため、定額税制の電子請求書に係る会計処理手数料は、結果的に低く抑えることができます。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。
Invoicing

Invoicing

わずか数分で請求書を作成して顧客に送信することができます。コードを作成する必要はありません。

Invoicing のドキュメント

Stripe Invoicing を使用して、1 回限りの支払いの請求書を作成し、管理します。