会計における仕訳とその仕組み

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  1. はじめに
  2. 取引の記帳
  3. 一般に使用される仕訳帳
    1. 一般仕訳帳
    2. 売上仕訳帳
    3. 入金仕訳帳
    4. 現金出納帳 (現金支払帳)
    5. 仕入仕訳帳
    6. 売上値引・返品仕訳帳
    7. 仕入値引・返品仕訳帳
  4. 仕訳記帳を会計サイクルにどう組み込むか
  5. Stripe が仕訳記帳をサポート
  6. 仕訳記帳で生じやすいミスとその防止法
    1. 借方と貸方の混同
    2. 取引の記帳忘れ
    3. 誤った勘定科目の適用
    4. 誤った金額の記帳
    5. 同じ取引を 2 回記帳
    6. 説明の記載漏れ
    7. 調整項目の記帳漏れ
    8. 根拠資料の確認漏れ

会計における仕訳とは、取引を仕訳帳に記帳するプロセスです。仕訳帳は原初記入帳簿とも呼ばれます。すべての事業活動を正確に記録し、後日の分析と報告に役立てるためには、取引を時系列で文書化する必要があります。取引仕訳の方法、会計処理サイクルに合わせた仕訳、そして、よくあるミスを防ぐ方法についてご説明します。

この記事の内容

  • 取引仕訳の方法
  • 一般に使用される仕訳帳
  • 会計処理サイクルに合わせた仕訳
  • Stripe が仕訳記帳をサポート
  • 仕訳記帳で生じやすいミスとその防止法

取引の記帳

取引を仕訳するためには、財務イベントを仕訳帳で明確に整理して文書化することが必要です。仕訳は次のような手順で行います。

  • 取引の内容を把握することからスタートします。たとえば、家賃の支払い、収益獲得、商品やサービスの購入などが考えられます。

  • 取引に伴って変動が生じる勘定科目を決定します。たとえば、消耗品の購入であれば、おそらく経費や資産勘定 (「消耗品費」など) が変動するでしょう。あるいは現金が減少するかもしれません。掛け買いで購入した場合は買掛金が増えるでしょう。

  • その取引で借方記帳する科目と貸方記帳する科目を決定します。言い換えれば、何が増えて何が減ったのかです。複式簿記を採用している場合は、必ず一つの勘定科目に借方記帳し、もう一つの勘定科目に貸方記帳します。たとえば、家賃を支払うと経費が増え (借方記帳) 、現金 が減少します (貸方記帳) 。

  • まず借方から記帳を始めます。勘定科目と金額を記載し、次に少し字下げして貸方の行に金額を書き加えます。

  • 取引発生の日付を書き込み、取引の内容を簡潔に記載します (「12月分事務所賃料支払い」など)。

次に進む前に、借方と貸方の合計が一致していることを確認してください。一致しない場合は、検算して作業をやり直します。

一般に使用される仕訳帳

会計において、仕訳帳は取引が最初に記録される場所です。事業者はさまざまな仕訳帳を使い、取引の性質に応じて記帳内容を整理します。反復的な取引 (販売、購入、現金受領など) には特殊仕訳帳、頻度の少ない取引や複雑度の高い取引、一回限りの取引には一般仕訳帳が使われます。

ここでは、最もよく使われるタイプの仕訳帳を取り上げます。

一般仕訳帳

特殊仕訳帳では記帳しにくい取引のためのデフォルト型仕訳帳です。柔軟性が高く、説明を細かく記載できるため、特殊な記帳や不規則な記帳にも使えます。記帳内容の調整や修正、頻度の低い取引 (減価償却や不良債権処理など) にも使用可能です。

売上仕訳帳

商品またはサービスの掛け売りをすべて記録する仕訳帳です。掛け売りのみを記帳します (現金販売には使用しません)。各項目には、顧客名、金額、その他の詳細を記載します。商品やサービスを分割払いで販売するときには、この仕訳帳を使用します。

入金仕訳帳

あらゆる現金入金を記録する仕訳帳です。現金販売のみを記帳します (掛け売りには使用しません)。顧客、金額、その他の詳細をそれぞれの仕訳に記載します。顧客からの支払い、借入、資産売却による入金にはこの仕訳帳を使用します。

現金出納帳 (現金支払帳)

あらゆる出金を記録する仕訳帳です。事業者によるすべての出金がここに記帳されます。サプライヤー、家賃、賃金その他の費用を支払うときはこの仕訳帳を使用します。

仕入仕訳帳

商品またはサービスの掛け買いをすべて記録する仕訳帳です。記載するのは掛け買いのみで、現金での購入には使用しません。掛け買いで商品、機器またはサービスを購入するときはこの仕訳帳を使用します。

売上値引・返品仕訳帳

掛け売りで販売した商品の返品と顧客に与えた値引きを記録する仕訳帳です。顧客への代金返金を記帳します。顧客から欠陥品の返品を受けたときや、何らかの問題が生じて購入代金を割り引いたときにこの仕訳帳を使用します。

仕入値引・返品仕訳帳

掛け買いで仕入れた商品の返品とサプライヤーから受けた値引きを記録する仕訳帳です。ベンダーに対する買掛金の減少を監視する際に役立ちます。破損した商品をサプライヤーに返品したときや、価格調整を受けたときにこの仕訳帳を使用します。

仕訳記帳を会計サイクルにどう組み込むか

金銭的取引 (家賃の支払い、商品の販売、在庫の仕入れなど) が発生したとき、最初の仕事はそれを記録することです。仕訳とは、取引の詳細 (日付、該当する勘定科目、それらの口座残高の増減 (借方と貸方) など) を仕訳帳に記載し、その取引の記録を残すことです。

仕訳帳に記載された資金の動きは、次のような目的で使用されます。

  • 元帳: 元帳では、資金の動きを具体的なバケット (「支払家賃」、「売上収益」など) に分類します。これをもとに試算表を作成すれば、すべての借方と貸方の一致を確認できます。

  • 調整: 仕訳帳に記帳された取引に基づいて、調整 (減価償却や未払費用の会計処理など) を加えます。

  • 財務諸表: 損益計算書、貸借対照表などの報告書の品質は仕訳の正確さに左右されます。

仕訳を正確に行えば、事業者の財務状態を漏れなく伝えやすくなります。

Stripe が仕訳記帳をサポート

仕訳記帳にも、Stripe を是非ご活用ください。Stripe は会計ソフトウェアとの統合が可能です。Stripe App Marketplace のアプリは、QuickBooks や Xero など、よく使われる会計ソフトと統合できるので、Stripe を介した資金の動き (顧客からの入金、返金、手数料、出金など) をすべて自動的に帳簿と同期させることができます。

仕訳記帳で生じやすいミスとその防止法

ミスはどうしても起きるものです。しかし、早めに発見すれば時間を節約し、後日の心労を減らすことができます。時間を惜しまず、入力内容が正確かどうかを定期的に再確認してください。また、一つひとつの取引を検証しやすくするため、領収書、請求書その他の帳票をすべて 1 カ所にまとめて管理しましょう。さらに会計ソフトの使用を検討してください。これは、仕訳プロセスを自動化し、問題が深刻化する前にエラーにフラグを立てられるようにするためです。目覚ましい業績を上げている組織では、平均して月次仕訳項目の 58%が自動化されています。

それでは、取引を記帳する際に犯しがちなミスと、ミスを防ぐための実用的な方法をご紹介しましょう。

借方と貸方の混同

貸方に記帳しなければならない勘定科目を誤って借方に記帳してしまうこと (またはその逆) がありえます。たとえば、顧客から請求書の支払いがあったとします。ここで、本来なら「現金」への借方記入と「売掛金」への貸方記入を行うべきところを、借方と貸方を逆に記帳してしまうといったケースです。この場合、勘定科目「現金」に誤りが生じ、勘定科目「売掛金」に回収分が反映されません。

このようなミスを防ぐため、どの勘定科目が増える (または減る) はずなのかをダブルチェックしてください。迷ったときは、「経費と資産が増えたときは借方記帳。負債、資本、収入が増えたときは貸方記帳」という基本ルールを思い出しましょう。

取引の記帳忘れ

ある取引が仕訳帳にまったく記載されないこともありえます。たとえば、事務用品の代金を現金で支払ったものの、購入を記帳し忘れたというような場合です。

すべての取引が漏れなく記帳されるように、あらゆることを記録する習慣を付けましょう。領収書はすべて保存し、銀行口座と定期的に照合して見落としがないことを確認してください。

誤った勘定科目の適用

取引を記帳しても、仕訳した勘定科目が誤っている場合があります。たとえば、オフィス用の家具を新たに購入したにもかかわらず、「オフィス用設備」または固定資産という科目ではなく、「事務用品」として記帳したような場合です。 これでは、固定資産の真の価値が記録に反映されません。

勘定科目一覧をよく覚えましょう。どの勘定科目に計上すべきかが不明な場合は、よくある取引についてまとめた簡易マニュアルを確認するか、新たにマニュアルを作成してください。

誤った金額の記帳

取引金額を記帳する際に、データ入力ミスを犯すことがありえます。たとえば、クライアントに 5,000 ドルの請求書を発行したにもかかわらず、入金を記帳する際に誤って 500 ドルと入力してしまったような場合です。結果として、売掛金の金額が実際より大きくなってしまいます。

このような事態を防ぐため、請求書、領収書、契約書などの根拠資料と照らし合わせて金額を必ずダブルチェックしてください。事前に確認しておけば、後日修正に費やす時間を節約できます。

同じ取引を 2 回記帳

誤って 1 つの取引を 2 回記帳してしまうこともありえます (並行作業を行っている場合や、重複した記録を使用した場合に起きる可能性があります)。たとえば、ある日、顧客からの入金を記帳したにもかかわらず、翌日同じメール通知を見てもう一度記帳してしまったというような場合です。

重複を防ぐため、取引を「入力済み」としてマークするシステムを設けてください。多くの場合、会計ソフトは重複入力にフラグを立ててくれます。これは非常に役立つ機能です。

説明の記載漏れ

簡単な説明を付記せずに取引を記帳してしまうことがありえます。たとえば、ある仕訳項目に「調整」とだけ書かれ、詳細が記載されていないとします。それでは、他の人がチェックしたとき、その項目が何を意味するかがわからないかもしれません (また、記帳した本人が数カ月後にもう一度見ても、それが何だったのか覚えていないかもしれません)。

何の取引なのかについての簡単なメモを必ず付記しましょう。その項目が記帳されている理由を、記載した本人や他の誰かが思い出せれば十分です。

調整項目の記帳漏れ

減価償却や見越し額、前払いの調整仕訳を忘れることもありえます。たとえば、1 年分の保険料を一括払いした場合に、その費用を 12 カ月に按分するのを忘れると、初月の月末に高額な保険料が計上されることになります。

このような不正確な処理を防ぐため、月末または年度末の作業チェックリストを作成しましょう。何ひとつ見落とさないように、一般的な調整をリストアップしてください。

根拠資料の確認漏れ

根拠資料の記載内容を確認しなかったために、実際の取引とは異なる内容を記帳してしまうことがあります。たとえば、記憶をもとに 1,000 ドルの売上を記帳したものの、実際の請求書の金額は 1,050 ドルだったというような場合です。

仕訳記帳の際は、必ず根拠資料を目の前に置きましょう。記憶をもとに推測したり操作したりすることは簡単ですが、ミスはそのようなときに起こります。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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