スウェーデンの市場で商品を販売している場合、パートタイムであっても厳格に規制された環境で営業しています。新規および経験豊富な業者のいずれも、レジに関する特定の規則をしばしば誤解する可能性があります。法令遵守セットアップとは何か、時折のポップアップ販売が免除されるか、受け入れる決済の種類が何かに影響するかを知る必要があります。これらの疑問を間違えると罰金やその他の結果につながる可能性があります。

以下、スウェーデンのレジ規制と要件遵守方法の詳細説明です。

この記事の内容

• スウェーデンのマーケットスクエア取引とは何か？
  
• 市場取引においてレジが必要となる場合とは？
  
• モバイルカードリーダーはレジ規制を満たすのに十分か？
  
• スウェーデンの市場で認定レジを使用しない場合のリスク
  
• 一時的な市場利用におけるレジの届出方法とは？
  

スウェーデンのマーケットスクエア取引とは何か？

スウェーデンでは、常設の店舗ではなく公共スペースでの商品販売は「市場広場取引」と見なされます。これらのスペースには街頭売店、野外市場、フリーマーケット、季節見本市、フェスティバル、一時的イベントが含まれます。これらのいずれかでブースを設置する場合、市場業者と見なされます。

市場取引においてレジが必要となる場合とは？

スウェーデンで事業を運営し、対面で決済を受ける場合、Skatteverket (スウェーデン税務庁)は 認定レジの使用を義務付けています。これは従来の店舗と、ブース、見本市、フェスティバル、街頭売店での販売を行う市場業者のいずれにも等しく適用されます。

カードやモバイル決済の受け入れでもこの要件は変わりません。スウェーデンの税務では、レジ要件に関して、カードと Swish (モバイル決済システム)の決済を現金と同等に扱います。販売時点 (POS)で金銭の交換が行われる場合、販売を記録し領収書を発行する認定システムを経由する必要があります。

ただし、限定的な免除規定がいくつかありますが、制限的で特定的であり、厳格に監視されています。以下で、事業者や売り手が認定レジの使用を免除される状況をご説明します。

最小限の現金・カード販売

総収入が十分に少ない場合、免税対象となる可能性があります。2025 年現在、Skatteverket は、「軽微な」販売を付加価値税 (VAT)を含めて年間 235,200 スウェーデンクローナ (SEK)を超えないものと定義しています。年間の対面決済が少数で、合計がその上限を下回る小規模事業を運営している場合、レジなしで営業できます。ただし、小規模イベントであっても定期的な販売業者である場合、この免除が適用される可能性は低いでしょう。

法令遵守を回避するためにビジネスを分割することもできません。総売上 (全事業活動を通じて)が免除基準額を超える場合、小規模市場販売を含むすべての活動で認定レジが必要になります。市場での活動が年間数回の土曜日に制限されたケースでも、事業の他の部分からの売上が基準額を超えると、市場販売は承認されたレジを通じて記録する必要があります。

趣味の販売者と個人売り手

ビジネスとしての取引を行っていない場合、レジ要件の対象外です。たとえば、個人所有物を気軽に販売する個人商品 (フリーマーケットでの屋根裏の整理など)にレジは不要です。限定的な範囲での一時的販売 (学校生徒による募金活動など)も同様です。主要な判断基準は経済活動に従事しているかどうかです。VATに登録している、または利益獲得を目的として営業している場合 (実店舗がなくても)、事業とみなされ、これらの免除は適用されません。

セルフサービス販売

販売管理のために物理的に人が立ち会わない場合、販売額に関わらずレジ規制は適用されません。たとえば、顧客が必要な物を取り、箱に代金を決済する農場直売所は明示的に要件から除外されています。

請求書販売

顧客に請求書を発行し対面決済を受けない場合、これらの販売はレジを経由する必要がありません。これは、B2Bマーケットの売り手に時として適用され、イベントで取引が成立するものの決済は後日請求書で処理される場合です。現場で金銭授受がなく、請求書がアカウントシステムで管理される場合、レジは不要です。

この免除は真に即座の決済がない場合にのみ機能します。顧客がその場でカードや Swish で決済する場合 (後日領収書や概要を送付予定であっても)、これは POS 取引とみなされ、レジを経由する必要があります。

特別免除

個人免除の申請は可能ですが、資格要件を満たすのは容易ではありません。Skatteverketは、レジの使用が不合理である場合、事業者の免除申請を認めています。屋外での販売は免除の正当な理由とは見なされず、電力の不足も考慮されません。同庁は適応を期待しています。たとえば、モバイル POS システムの使用などです。営業形態が非常に特殊でない限り、標準規則が適用されると想定すべきです。

モバイルカードリーダーはレジ規制を満たすのに十分ですか？

タブレットやカードリーダーなどのモバイル POS システムはスウェーデンでレジとして認定される可能性がありますが、システム全体が Skatteverket の設定する特定の技術要件を満たす場合に限ります。

スウェーデンで法令遵守のレジとして認定されるには、セットアップが以下のことを満たす必要があります。

• 認定コントロールユニットを使用した改ざん防止方式でのデータ保存
  
• すべての取引についての領収書発行
  
• Skatteverket の基準下で製造業者による法令遵守の宣言
  

単に携帯電話やタブレットでカード決済を受け入れるだけでは法令遵守にはなりません。重要なのはこれらの取引がどのように記録され保護されるかです。

認定レジセットアップの構成

実用的な観点で、法令遵守のレジには 2 つの中核要素が含まれます。

• 1 つは取引を処理し、在庫をトラッキングして、領収書を発行するPOS システムです。これはモバイルデバイス上で動作するソフトウェアアプリの場合もあります。
  
• もう 1 つは各取引を改ざん防止形式でログを記録するコントロールユニットです。これは物理的ハードウェアまたはクラウドベースサービスの場合もありますが、製造業者が Skatteverket の要件を満たすことを認定している限りです。
  

歴史的に、これは個別のブラックボックススタイルのコントロールユニットに連結された物理レジの所有を意味していました。しかし、クラウドベースのコントロールユニットは同じ機能をます果たしており、認定に合格する限り現在公式に認められています。

法令遵守セットアップで確認すべき点

モバイル POS システムを使用または評価している場合、以下の点を確認してください。

• POS システムはハードウェアまたはクラウドベースで構築された認定コントロールユニットに連結されているか？
  
• システムは安全な形式で取引を自動記録するか？
  
• 領収書は自動発行されるか？
  
• Skatteverket に システムを届け出たか？
  

この連鎖のいずれかの部分が欠けている場合、セットアップは法令遵守していません。

スウェーデンの市場で認定レジを使用しない場合のリスク

認定レジなしでの販売は深刻な法令遵守上の問題であり、実際の結果を伴います。市場業者は実店舗小売業者と同様の監視対象であり、執行メカニズムは明確に定義され積極的に使用されています。

以下、法令遵守違反のリスクをご説明します。

罰金

Skatteverket は、以下の場合、初回 最大で 12,500 スウェーデンクローナの罰金を科すことができます。

• 必要時に認定レジを所有していない
  
• デバイスを適切に届け出ていない
  
• 顧客に領収書を提供していない
  

過去に処分を受け、1 年以内に再度発覚した場合、手数料は 25,000 スウェーデンクローナに倍増します。これにより法令遵守違反は高額になる可能性があります。

税務庁の監視

レジ規制は帳簿外販売の防止を目的としています。システムの回避は、収入を過少報告している可能性を Skatteverket に示唆します。

この疑いは以下のことにつながる可能性があります。

• ビジネス記録と簿記慣行の監査
  
• 脱税や会計詐欺の刑事捜査
  

証明された税務詐欺に対する処罰は、重大性に応じて多額の罰金や禁固刑を含む可能性があります。風評と法的損害は認定システム設置の煩雑さをはるかに上回ります。

抜き打ち検査

Skatteverket は売り場検査前の予告は不要であり、市場は抜き打ち法令遵守確認の明らかな対象になり得ます。当局者が到着すると、以下のことが可能です。

• テスト購入の実施
  
• 領収書とレジの確認要求
  
• 現金の計算と販売記録との照合
  
• すべての取引が記録されているかの確認
  

法令遵守していない場合、当局者は即座に罰金を科したり当日の営業停止を要求したりできます。特に有効な領収書を提示できない、または機器が届出されていない場合です。より深刻な場合、当局者は捜査の一環としてレジや書類を押収する可能性があります。

風評被害

市場販売者が規則違反で発覚した場合、一部のイベントは Skatteverket の監視強化から身を守るために出入り禁止にする可能性があります。法令遵守違反の評判を築いてしまうと、スウェーデンのより収益性の高い、または注目度の高い市場へのアクセスを完全に失う可能性があります。

多くのスウェーデン顧客は小さな屋外売店でも 領収書の提供を期待しています。領収書を提供できない (または提供する意思がない)場合、顧客に対してビジネスが信頼できない可能性があることを示唆します。風評リスクは法的結果ほど深刻に見えないかもしれませんが、依然として顧客を失う可能性があります。

一時的な市場利用におけるレジの届出方法とは？

レジの使用開始前に Skatteverket への届出が必要です。また、システム障害や記録保管への対応も準備しておく必要があります。以下で、ビジネス開始に向けた準備手順をご説明します。

レジの届出

あなたのビジネスがレジ規制の対象となる場合、販売業務での使用開始前に Skatteverket へレジを届け出る必要があります。

届出により、特定のレジとコントロールユニットがあなたのビジネスにリンクします。これは固定勤務地での営業でも、街頭市場での折りたたみテーブルでの営業でも同様です。Skatteverketの電子サービスを利用して迅速に届出を行うことができます。

届出完了後、Skatteverket は 1 週間以内に受領確認を行い、通常 1 か月以内に登録証明書を送付します。証明書は常に利用可能な状態で保管してください。税務検査官が貴社の売り場を訪問した際、証明書の提示を求められる可能性があります。

レジの交換、または使用中止 (市場販売の停止や請求書発行への移行など)を行う場合、2 週間以内に Skatteverket へ変更を届け出る必要があります。

レジの設定

一時的な設置環境での販売では、環境に関わらずレジを正常に機能させる責任があります。Skatteverket は適切な計画立案を期待しています。

電源

会場で電力供給がない場合、以下のような独自の電源を持参する必要があります:

• バッテリー駆動のPOSデバイス
  
• 外部バッテリーパック
  
• ポータブル発電機
  

バックアップレジの持参は必須ではありませんが、メインシステムが終日稼働することを確保する必要があります。電力不足は法令遵守義務の免責事由とは認められません。

インターネット

POS システムがインターネット接続に依存している場合 (クラウドベースのコントロールユニットや領収書プリンターなど)、POS アプリにオフライン機能を組み込むか、モバイルデータプランやホットスポットをバックアップとして確保してください。接続の問題はレジ規制からの免責事由にはなりません。

現場でのレジ使用

設置後も適切な使用が重要です。検査員は細部もチェックします。顧客が支払い拒否した場合でも、すべての取引について紙またはデジタル領収書を発行する必要があり、レシートには使用された 支払い方法を表示する必要があります。システムでは Z レポート (日次集計)も生成する必要があります。これらのレポートは、すべてのアカウント記録とともに、最低 7 年間保管する必要があります。

レジが故障し、当日中に修理できない場合、Skatteverket へ事案を報告する必要があります。この期間中も営業は認められますが、各取引について請求書を発行するか、専用の領収書帳や台帳にすべての販売を手動記録し、顧客に手書き領収書を提供する必要があります。これらの販売を後からレジに入力してはいけません。手動記録された販売は公式記録の一部となり、それに応じて保存する必要があります。