日本での領収書の書き方: 消費税に関する記載ポイント

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  1. はじめに
  2. 領収書を書くときの基礎知識
  3. 領収書の作成前に知っておくべき消費税のこと
  4. 領収書への金額・消費税の書き方
    1. ポイント ① 金額は消費税込みの金額を記載
    2. ポイント② 別途消費税の記載は必要?
    3. ポイント③ 内訳には消費税の詳細を記載
    4. ポイント④ 消費税に関する但し書きへの記載事項
  5. 時代の変化にスムーズに対応するために

領収書には領収書の発行元 (売り手) や金銭を支払った側 (買い手) の法人名・氏名、発行年月日(取引日)、取引内容や支払われた金額などが記載されますが、この金額を正しく領収書に表記するためには、商品・サービスにかかる消費税の書き方についても理解しておく必要があります。

今回の記事では、領収書の記載内容の中でも、特に消費税の書き方や注意点について詳しく解説します。

目次

  • 領収書を書くときの基礎知識
  • 領収書の作成前に知っておくべき消費税のこと
  • 領収書への金額・消費税の書き方
  • 時代の変化にスムーズに対応するために

領収書を書くときの基礎知識

領収書の記載内容としては一般的に、日付、金額、但し書き、宛名、内訳などがありますが、特に決まったテンプレートを使用する必要はなく、記載事項が明確にわかりやすく表示されていれば書式は自由となっています。ただし、領収書を作成する際は、改ざんを防ぐために気をつけておくべき点がいくつかあります。

領収書は、受領を証明する証憑 (しょうひょう) としての役割を果たすもので、税務申告時に求められる大切な書類です。そのため、領収書への正確な情報明記と、適切な管理および保存を行うことが極めて重要となります。

特に領収書に記載される金額は、税務申告時に控除額を算出するにあたって、正当性のある情報として取り扱われる数字です。したがって、誤りや不備のないスムーズな申告を行うには、この記載金額に紐づく消費税についても、領収書への記載の有無や書き方のポイントを事前に把握しておく必要があります。

これに加え、領収書に関する最も大切な注意点として、インボイス制度開始後の現在は、領収書を適格請求書として発行する場合、インボイス制度の要件を満たす書類であることが求められます (業種にもよりますが、領収書は主に簡易インボイスとして扱われます)。

なお、現行のインボイス制度のもとで領収書を発行する際に知っておくべき基礎知識については、「領収書発行に際するインボイス制度への対応と領収書の役割」で解説していますので、ご参照ください。

領収書の作成前に知っておくべき消費税のこと

領収書の作成前に知っておくべき消費税のこと

現在の日本では、8%、10%の 2 種類の消費税率が存在します。これは、2019 年 (令和元年) 10 月の税制改正に伴い税率が 10% へと引き上げられた際に導入された軽減税率制度に基づくもので、一部の対象商品については標準税率 の10% ではなく軽減税率の 8% とする制度です。

事業者はこれに伴い、品目によって異なる複数の税率に対応する必要がありますが、特に事業者間において、税率に関する適切な対応が求められる理由には、仕入税額控除の適用が挙げられます。

仕入税額控除を受けるには、前述のインボイス制度に準拠した書類の交付と保存が義務付けられているほか、複数の税率についても、インボイス制度の必須事項として明確に記載しなければなりません。(適格請求書・適格簡易請求書に必要な記載事項については国税庁の『適格請求書等保存方式の概要』(P5) をご参照ください。)

このように日本の消費税については、標準税率と軽減税率があることを理解したうえで、領収書の作成に際しても複数税率への対応が求められます。

以上のことを踏まえたうえで、領収書に消費税を記載する時に気をつけるポイントを次章以降にてご紹介します。

領収書への金額・消費税の書き方

領収書作成時に気をつけるべき消費税の書き方・注意点 - 消費税について領収書に記載する場合、8%・10% の税率ごとに区分して記載する必要があります。また、軽減税率の対象品目がある場合は、その旨も記載します。

ポイント ① 金額は消費税込みの金額を記載

領収書に記載する金額は、必ず税込みで、実際に買い手側が支払った金額になります。そのため、税抜価格や消費税の詳細については、以下のポイント ③ のように「内訳」に明記します。

また、金額を記載する際は、手書きまたはデジタルでの作成に関わらず、改ざん防止策として、数字の冒頭には「¥」を、末尾には「ー」を付け、金額は 3 桁ごとに「,」を打つようにしてください。また、その際、記号や数字同士の間があまりあき過ぎないように注意しましょう。

金額欄の記載例

  • ¥30,000ー

ポイント② 別途消費税の記載は必要?

領収書とは通常、「税込価格」を基礎とした代金の支払いがあった際に、受領側によって発行されるものです。

そのため上述のように、受領金額として税込額を領収書に表記する必要がありますが、消費税の別途記載については領収書そのものに対する義務ではないため、特に記載がない場合でも法的に罰せられるということはありません。

しかし、取引先とのトラブルや誤解を回避するためには、商品の税抜価格、消費税額、消費税込みの合計額をそれぞれ記載することが望ましく、事実上不可欠と言えます。

特に、仕入税額控除を考慮すると、インボイス制度に準じた消費税の記載がされていないと、買い手側の事業者が控除を適用できないなどの不都合が生じてしまい、結果として取引の解消に繋がる恐れがあります。

したがって、売り手・買い手双方の事業者間で円滑な取引を行うためにも、領収書については、インボイス制度に対応した消費税の記載を心がけることが重要です。

ポイント③ 内訳には消費税の詳細を記載

内訳には通常、8% と 10% の税率ごとに区分したそれぞれの合計金額を記載します。 合計金額については税込、税抜のどちらでも可能ですが、税抜金額と消費税額とに分けられている方が、よりわかりやすいでしょう。この取引金額の内訳は、必要に応じて別途記載することもできます。

なお、インボイス制度開始後の現在では、適格請求書として領収書を発行する場合、以下のように、税率ごとに区分してそれぞれに合計した対価の額 (税抜・税込のいずれも可)、適用税率 (8% か 10% か)、および税率ごとに区分したそれぞれの消費税額の合計金額を記載することが要件となるため注意が必要です。

内訳で明記する消費税などの記載例 (対価の額を税抜で表記する場合)

  • 税率 10%:
    税抜金額 50,000円
    消費税額 5,000円

  • 税率 8%:
    税抜金額 10,000円
    消費税額 800円

ポイント④ 消費税に関する但し書きへの記載事項

但し書きには通常、使用用途をできるだけ明確に記載しますが、軽減税率の対象品目がある場合は、その旨についても記載します。領収書の但し書きが空欄のまま、または「お品代」と記入するだけでは、取引の詳細が確認できないため証憑書類と認められず、経費として計上できない可能性があるため注意が必要です。

特に、事業者が適格請求書または簡易インボイスとして領収書を発行する際は、必ず軽減税率対象の旨を記載する必要があります。

但し書きの記載例

  1. 食品代 (軽減税率対象) 、雑貨代として上記正に領収いたしました。
  2. ※は軽減税率対象

一般的な領収書の場合、スペースが限られることがあるため、但し書きには上記 1 つ目の記載例にある一文のような簡潔な書き方でも問題ありません。ただし、軽減税率対象品目については、括弧書きで必ず軽減税率の対象であることを明記しましょう。

また、税率が異なる商品をいくつか同時に購入した場合に、上記 2つ目の記載例のように「※」または「☆」などの記号を用いた書き方の場合は、この記号がどの品目に紐づいているのかを示すため、別枠で以下のような品名・購入数・税抜単価などの取引内容の記載が必要です。

  • 商品 A※ : 1 点 1,000円
    商品 B: 1 点 2,000円

時代の変化にスムーズに対応するために

以上、今回は領収書を作成する際の消費税の取り扱いについて解説しました。日本の消費税については、消費税の導入以来、増税の傾向にあるため、それに伴い、今後も税制改正が行われる可能性があります。

したがって、時代とともに変化する税率に柔軟に対応するためには、事業者は常に制度・方針に関する新情報を敏感に察知し、態勢を整えておくことが大切です。

領収書を作成する際には、カスタマイズ可能な領収書のテンプレート機能や自動生成が可能なオンラインツールなどが便利です。また、さまざまなニーズに対応した消費税の自動計算機能や会計ソフトなどの導入についても検討するとよいでしょう。

Stripe が提供する Stripe Tax なら、商品によって異なる 8% または 10% の税率を自動的に判別および反映させることが可能で、すべての電子取引における消費税の税務処理が自動化されるため、消費税に関わるさまざまなバックオフィス業務の改善と効率化に役立ちます。

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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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