領収書とは?正しい書き方と基礎知識

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  1. はじめに
  2. 領収書の基礎知識
    1. 領収書の必要性
    2. 領収書と領収証の違い
    3. 領収書とレシートの違い
    4. 適格請求書 (インボイス) への対応
  3. 領収書の書き方・収入印紙の取扱い
    1. 書き方
    2. 収入印紙
  4. よくある質問 (Q&A)

領収書とは、金銭の取引が行われる際、支払いを確実に受け取ったことを証明するために販売者によって発行される大切な証拠書類です。商品・サービスを提供する事業者は、その対価として購入者から受け取った金銭について、領収書を発行し、購入者に交付します。また、日本語の「領収書」という言葉の意味には、レシートあるいは領収証とどのような違いがあるかと疑問に思う方も多くいます。

この記事では、領収書に関する基礎知識について、正しい書き方や収入印紙を貼る時の注意点を踏まえながら解説します。

目次

  • 領収書の基礎知識
  • 領収書の書き方・収入印紙の取り扱い
  • よくある質問 (Q&A)

領収書の基礎知識

領収書は、商品やサービスに対して、購入者が代金を確実に販売者に支払ったことの証明、また、代金を受け取った側が支払い側から確実に代金を受け取ったことの証明を目的として発行されます。領収書は販売する側、購入する側に関わらず、経理上の証明書類として、税金の申告及び納税の際にも必要となる、事業者にとっては大切なものです。

通常、領収書には、支払い金額を受けた側と支払った側の双方の氏名・会社名、取引年月日、金額、但し書き、金額の内訳などを記載します。詳細については後ほど詳しく説明します。

領収書の必要性

そもそも金銭の取引において、なぜ領収書が必要とされるか、その必要性について知っておきましょう。

税務申告

領収書は、売上高や経費としての支出があったという事実を客観的に証明する役割を果たします。よって、確定申告・税務申告の際にも証憑 (しょうひょう) として有効な書類とされています。また通常、各税制に伴う会計処理においては、領収書の発行や保存の対応が事業者に求められます。

領収書の請求権と発行義務

まず原則として、売り手側は、買い手側の消費者から領収書を求められた際には、その要求に応じて領収書を発行し、売り手側に交付する必要があります。これは、商品やサービスの引き渡しと代金の受け取りが同時に実行される場合において、民法の同時履行の原則が適用されるためです。

法務省の民法 486 条には、「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる」とあります。したがって、代金を支払った側は、代金を受け取った側によって発行される受取証書、すなわち領収書を請求する権利があり、消費者から領収書の依頼を受けた事業者は、領収書を交付する義務が生じます。なお、領収書は書面だけでなく電子データによる提供でも問題ありません。

また、民法 533 条 (同時履行の抗弁) によって、買い手側は支払いと引き換えに領収書を請求することができます。そのため、売り手側の事業者が発行に応じないときは、支払いをを拒むことも可能となっています。

過払い・二重請求の防止

領収書を手元に確保しておくことで、支払ったか支払っていないかの論争が生じるリスクを防ぐことができ、過払いや二重請求などのミスを軽減することができます。実際にこのような問題が発生すると、双方による調査や請求書の再発行など、時間と手間が増えてしまう可能性があるため、できるだけ金銭の支払いと同時に領収書を受け取る習慣をつけ、トラブルを回避することが大切と言えるでしょう。 

領収書と領収証の違い

「領収」とは、金銭を受け取ることを意味します。「領収書 (りょうしゅうしょ)」 と「領収証 (りょうしゅうしょう) 」は、概ね同等の意味として用いられており、言葉の定義としてはっきりとした違いはありません。それぞれ末尾の語によって「書類」または「証書」という日本語の表現における多少の違いはありますが、これによる税務上の影響が生じるという訳でもありません。

これにより、いずれも民法上では「受取証書」と認められており、金銭を受け取った側が支払った側に「領収した」ことを証明する証拠書類となります。

国税庁では、印紙税法に関わる『金銭又は有価証券の受取書、領収書』の概要について、印紙税が課される証拠書類の総称を「領収書」とし、その中に「領収証」を始め、「レシート」や「受取書」が含まれています。

領収書とレシートの違い

もともと外来語の「レシート」は「領収書」と訳されることがありますが、通常日本で一般的に解釈されているレシートは、領収書とは少し異なる場合があります。

日常的に目にするレシートは、コンビニやスーパー、レストランのレジで自動的に印字され、物品やサービスの購入事実を証明する書類として用いられ、レシート上には、支払い方法 (現金、クレジットカードなど) や、釣り銭などの細かな取引内容についても記載がされています。

また、先程紹介したように、領収書は支払いを受けたことに対する証拠書類の総称を指し、レシートもその中の一つであることから、領収年月日や取引金額、レシートの発行元、受領の事実が確認できる記載内容があれば、領収書としての機能を果たす書類として認められます。

したがって、領収書、レシートのいずれも金銭の受け取りを証明する「受取証書」として有効なため、必ずレシートではなく領収書を受け取らなければならないという訳ではありません。(ただし、会社の経理方針によってはレシートを認めていないケースもあります。)

注意点としては、コンビニやスーパーで受け取る一般的なレシートについては、宛名 (支払った側の氏名または会社名) の記載がなく、税務申告における有効書類として不十分なため、適切な領収書を受け取る必要があります。

適格請求書 (インボイス) への対応

令和 5 年 (2023 年) 10 月 1 日から導入された消費税の仕入税額控除に関わるインボイス制度では、事業者が適格請求書 (通称: インボイス) として領収書を発行する際、その領収書がインボイス制度に定められている適格請求書の要件を満たしている必要があります。

なお、適格請求書には、インボイス制度によって定められている適格請求書発行事業者の登録番号の記載や、消費税について税率ごとに区分した記載などが求められるため、インボイス制度における領収書の取り扱いについては、事前に確認をしておくことが大切です。

詳しくは国税庁の『適格請求書等保存方式の概要』をご参照ください。

領収書の書き方・収入印紙の取扱い

領収書は市販のものや、決まったテンプレートを使う必要はなく、正しい形式で正確な内容が記載されていれば、表計算ソフトや文書作成ソフトなどで一から作成された領収書でも問題ありません。領収書の書き方として、国税庁では以下のように定めています。

書き方

  • タイトルの書き方
    中央揃えにして、該当の書類が領収書であることが分かるよう「領収書」と記載します。

  • 日付の書き方
    実際に受領までの取引が行われた年月日を記載します。もし商品の引き渡しが先で、代金は後日支払われる場合、金銭の支払い及び受領が実際に完了した年月日が記載する日付となります。なお、西暦・和暦のどちらも可能ですが、西暦の場合、2024 年を 24 年とするような桁の省略は不可となります。

  • 金額の書き方
    金額は、実際に受け取った税込みの売上金額を記載します (税抜きの金額と消費税は「内訳」に記入) 。また、改ざん防止のために数字の先頭に「¥」や「金」を、数字の末尾には「也」や「−」を表記し、算用数字の場合 3 桁ごとに「,」を付けるようにします (例:「¥1,000,000-」「金壱百万円也」)。

  • 但し書きの書き方
    但し書きには、具体的な品目・サービス内容を明確に記載します。なお、意味が広過ぎる「お品物代」や「お品代」は、使用用途が不明確となるため、税務調査にて経費と認められない可能性があるため避けるようにしてください (例:「事務作業用文房具代として」「展示会参加費として」)。また、もし品目が細か過ぎるため簡潔な記載ができない場合、領収書と合計金額が一致する明細書や納品書を添付することもできます。この他、軽減税率の対象となる商品を含む場合は、その旨をここに明記する必要があることを覚えておきましょう (例:「※軽減税率対象」)。

  • 宛名の書き方
    領収書に宛名を記入する際、購入者 (買い手) に予め確認をとってから氏名・会社名など組織の正式名称を記入します。商習慣として領収書に「上様」と記入することがありますが、これだけでは実際に誰が支払ったのか不明瞭なため、明確な宛名が見当たらない領収書は、税務調査で無効とみなされるリスクがあります。よって、領収書の使用目的や税務上における領収書の役割を理解した上で、「上様」と記載するか判断することが大切です。また、「株式会社」は「前株」か「後株」か記入する際には十分注意し、(株) と省略せずに正式名称を記載するようにしましょう。

  • 発行者の書き方
    領収書の発行元となる店舗名や会社名などの事業者の正式名称と住所を記入します。また、正式名称に併せて、主要な連絡先となる電話番号も記載します。一般的に発行者名にかぶせるように印鑑を押す習慣がありますが、これは偽造などの不正の防止を目的として使用され、押印については法的義務はありません。注意点としては、先程紹介したインボイス制度のもと領収書を発行する場合は、インボイス制度の登録番号の記入が求められます。

  • 内訳の書き方
    通常、内訳欄には、8%・10%の税率ごとに合計した金額を記載します (税込、税抜のどちらでも可)。この取引金額の内訳は、必要に応じて別途記載することもできます。ただし、インボイス制度開始後の現在は、適格請求書の記載事項において、税率ごとに区分した適用税率 (%) の記載と、税率ごとに区分したそれぞれの消費税額の合計を記載する必要があります。
    適格請求書のサンプル及び記載例については国税庁の『適格請求書等保存方式の概要』(P5) で紹介されています。

領収書を作成する際には、カスタマイズ可能な領収書のテンプレート機能や自動生成が可能なオンライン機能などが便利です。また、複数の支払い方法を管理できる Stripe Payments のような、結合された決済ソリューション機能を活用すると、より効率的且つ合理的に業務を進めることができます。

収入印紙

収入印紙とは、政府が発行する証票で、課税文書に直接貼り付けることで印紙税を納税する目的として使用されるものです。

領収書については税抜 5 万円以上の売上がある際に、必要分の収入印紙を貼った上で消印を押すことが義務付けられています。必要な収入印紙の金額については、領収金額によって異なります。例えば、5 万円以上 100 万円以下の場合は 200 円分、100 万円超 200 万円以下は 400 円分の収入印紙が必要となります。

一方、税抜 5 万円未満 (49,999 円まで) の場合は非課税となるため、領収書に収入印紙を貼る必要はありません。そのため、領収書の内訳については、税抜価格と消費税額についても明確に分けて記載されていることが大切です。

税抜 5 万円未満の他にも、収入印紙が不要なケースがあります。印紙税は紙で発行される文書が対象となるため、電子化された領収書であれば、収入印紙は必要ありません。また、電子データとして領収書の原本を保存し、写し目的として紙にプリントアウトした場合も印紙税は課されません。また、クレジットカードで支払った際も、金銭等の実質的な受領事実がないため印紙税は不要となり、その場合領収書には「クレジットカード決済」と明記します。

なお、税務調査では、該当する領収書に収入印紙が貼られているかどうかも確認の対象となります。よって、領収書に収入印紙が必要な場合に、収入印紙の貼り付けを怠ると、本来納めるべき印紙代の 3 倍相当額を過怠税として徴収されるため、くれぐれも貼り忘れなどのないようにしましょう。

よくある質問 (Q&A)

Q: レシートと領収書を一緒に渡せますか?
A: レシートと領収書を一緒に渡してしまうと、同一の取引について 2 回経費を精算することが可能となり、経費の二重計上などのミスや不正を招く原因にもなりかねません。正確な経理業務を行うためにも、レシートと領収書を同時に両方渡すことを避け、いずれか一つを渡すようにしましょう。

Q: 適格請求書として領収書を発行できますか?
A: 適格請求書 (インボイス) として認められる領収書を発行するためには、その領収書がインボイス制度の要件を満たしている必要があります。したがって発行に際しては、必須記載事項について事前に理解を深めておくことが大切と言えるでしょう。また、発行に際しては、インボイス制度への事前の登録申請が求められます。詳しくは本記事の適格請求書 (インボイス) への対応にてご確認ください。

Q: レシートは領収書の代わりになりますか?
A: 前述のように、レシートには宛名が印字されないため、税務申告における有効書類としては不十分となりますが、領収書と同様にレシートも金銭の受け取りを証明する「受取証書」として認められています。また、スーパーやレストランのレジなどで発行されるレシートでは、購入品目の一覧や取引内容が細かく記載されているため、領収書よりもレシートの方が有効的と考えられることもあります。例えば、出張中の立替経費の場合、レシートにて詳細が明確に記されているため、のちに立替経費としてスムーズに処理されやすくなるケースもありますが、一方で、誰が購入したのかレシートでは分からないという問題もあります。このような場合、会社の社内規程について出張の前に確認をとるようにしましょう。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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