売掛金は貸借対照表に計上されるか?

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  1. はじめに
  2. 売掛金とは
  3. 貸借対照表における売掛金の位置付け
  4. 明細書の売掛金を追跡する方法
  5. 売掛金年齢表を使用した支払い管理方法
    1. 未払い請求書を年齢別に整理する
    2. 顧客の支払いの傾向とパターンを特定する
    3. 年齢カテゴリーに基づき回収に優先順位を付ける
    4. 自動リマインダーとアラートを設定する
    5. 年齢表を使用してキャッシュフローを予測する
    6. 表を分析し与信方針を改善する
    7. 売掛金年齢表からの洞察を月次レビューに含める
  6. 売掛金が財務比率や経営指標に影響する理由

売掛金 (AR) とは、ビジネスが売上をあげたにもかかわらず、その代金が支払われていないため、顧客がビジネスに支払うべき金銭のことです。AR はビジネスの短期資産の重要な一部であり、キャッシュフロー、財務目標の達成能力、外部投資家によるビジネスの健全性の判断に影響します。2024 年第 4 四半期の統計によると、さまざまな業種の米国企業の請求書は、支払いまでに 37.46 日を要したという中央値が出ています。

長期間帳簿に残っている AR は負債になる可能性があります。AR が貸借対照表の中でどのように位置づけられるかを正確に理解することで、ビジネスの財務状況をより的確に把握できます。以下では、AR が貸借対照表のどこに位置づけられるのか、財務諸表作成にあたり AR をどのように管理すればよいか、また AR が回収不能になった場合にどう対処すればよいか、について説明します。

この記事の内容

  • 売掛金とは
  • 貸借対照表における売掛金の位置付け
  • 明細書の売掛金を追跡する方法
  • 売掛金年齢表を使用した支払い管理方法
  • 売掛金を回収できない場合の対処法
  • 売掛金が財務比率や経営指標に影響する理由

売掛金とは

売掛金とは、商品やサービスを提供したにもかかわらず、その代金を支払っていない顧客がビジネスに支払うべき金銭のことです。これは、ビジネスが顧客に提供し、指定された期間内に支払いを期待している信用です。AR は通常、未払い請求書という形で表示されます。

貸借対照表における売掛金の位置付け

売掛金は、企業の貸借対照表の流動資産の下に位置し、すでに履行された商品またはサービスに対して、企業が近日中に回収を見込んでいる金銭を表します。企業は通常、売掛金の支払期限を 30 日、60 日、90 日に設定します。

明細書の売掛金を追跡する方法

AR を注意深く監視して、会計記録や財務諸表に記録し、ビジネスが支払うべき金銭を正確に反映できるようにしましょう。その方法は以下の通りです。

  • 掛売りをするたびに、顧客に請求書を発行すると同時に、会計システムに AR 仕訳として記録します。売上勘定に貸方計上し、AR勘定から借方計上します。
  • 売掛金年齢表を使用して、請求書の未払い期間 (例: 0 ~ 30 日、31 ~ 60 日、61 ~ 90 日) 別に債権を整理します。これにより、どの顧客にフォローアップが必要なのかがすぐにわかります。
  • 月次または週次ベースで AR を正確に消し込みます。AR 元帳と未払い請求書を比較し、すべての整合性を確認し、矛盾があれば対処します。
  • 顧客から入金があったらすぐに、システム内の対応する請求書に直接適用します。これにより、AR 残高が減少し、手元の現金が増加します。
  • AR 回転率 (ARが一定期間中に回収される率)、および売上残高日数 (DSO: 請求書の回収にかかる平均日数) を追跡します。これらの指標は、貴社の与信・回収業務がどの程度機能しているかを示すものです。
  • 貸借対照表の流動資産のセクションに AR を表示すると、その時点の顧客残高の合計を確認できます。このビューでは、全体的な流動性に関する洞察を得たり、短期的なコミットメントをカバーする強固なポジションにあるかどうかを確認したりできます。
  • 与信ポリシーの有効性を評価し、顧客の支払い行動のパターンを見つけるために、財務分析に売掛金年齢表の動向を含めます。AR や延滞請求書の数が増えていることに気づいたら、与信条件を厳しくしたり、特定のアカウントをフォローアップする時期かもしれません。

売掛金年齢表を使用した支払い管理方法

売掛金年齢表を用いることは、支払いを管理する最も効果的な方法のひとつです。ここでは、これらの表の使い方を説明します。

未払い請求書を年齢別に整理する

売掛金年齢表は、すべての未払い請求書を未払い期間別に整理したものです。このレイアウトにより、どの顧客の支払いが順調で、どの請求書に注意が必要かが一目でわかります。

顧客の支払いの傾向とパターンを特定する

売掛金年齢表を定期的に見直すことで、顧客の支払い習慣の傾向を明らかにすることができます。たとえば、特定の顧客が常に「61~90日延滞」のカテゴリーに入っていることに気づいたら、与信条件を見直すか、その顧客と支払いについて話し合うべきかもしれません。

年齢カテゴリーに基づき回収に優先順位を付ける

売掛金年齢表を使用すると、さらに期日が経過し不払いになる可能性が高い、古い請求書から優先的にフォローアップを行えます。このようにターゲットを絞ってアプローチすることで、古い残高から回収できるようになりますし、不良債権 (回収不能となった請求書) を減らせます。

自動リマインダーとアラートを設定する

多くの会計システムで、請求書の延滞が発生すると自動で督促やアラートが出されます。自動化により、一貫したコミュニケーションが維持され、常に手作業でフォローアップせずとも、顧客に支払いのことを念頭に置いてもらうのに役立ちます。請求書の支払期日が一定日数(30 日、60 日など)過ぎると、顧客に督促状が届くようにスケジュールを組むこともできます。

年齢表を使用してキャッシュフローを予測する

売掛金年齢表により、支払期日や顧客の支払い習慣に基づいて、現金がいつ入ってくるかを現実的に見積もることができます。レポートを分析することで、入金をより正確に予測し、それに応じて財務計画を調整できます。

表を分析し与信方針を改善する

売掛金年齢表は、貴社の与信方針と顧客の行動がどの程度一致しているかを表します。もし、常に請求書の期日より遅れている顧客であれば、与信方針を見直す時期かもしれません。具体的には、支払条件を調整したり、特定の顧客に対する与信を制限したり、前払いを要求したり、などを検討します。

売掛金年齢表からの洞察を月次レビューに含める

売掛金年齢表から得られる洞察を定期的な財務レビューに取り入れると、先を見越して回収を行うのに役立ちます。また、財務部門から営業部門にいたるまで、会社の全員が売掛金の健全性を把握できるようになります。特定の売掛金が常に延滞カテゴリーに分類されている場合、チームは協力して、条件の再交渉、エスカレートした督促状の送付、残高が返済されるまでの与信停止の可能性など、さらなるステップを決定できます。

#売掛金が回収できない場合の対処法

売掛金が現金になるとは限りません。売掛金の仕訳が回収不能になった場合の対処法をご紹介します。

  • 回収不能であることを確認する: まず、その債権が本当に回収不能であるかどうかを確認します。顧客と連絡を取ったり、回収サービスを利用したりして、支払いの見込みがあるかどうかを確認しましょう。
  • 損金処理する: 顧客が債務を支払わないことを確認したら、帳簿から除外します。ARから損益計算書の貸倒費用勘定に残高を移す仕訳を作成します。こうすることで、当期の損失として表示されます。
  • 貸倒引当金を設定する: 将来の貸倒れに備えるため、「貸倒引当金」を設定することが可能です。この引当金は、未回収の請求書による潜在的な損失を毎期見積もるもので、支払いが滞っても不意を突かれることがありません。
  • 与信方針の見直しと調整: 債務が未返済になった理由を調べます。将来、同じような問題が発生しないように、与信方針を強化したり、条件を厳しく設定したり、顧客の信用度を評価する方法を改善したりする良い機会かもしれません。
  • 課税控除を調べてみる: 場合によっては、貸倒れを税額控除として申請し、損失を相殺できます。税理士に相談すれば、正しく処理することができます。

売掛金が財務比率や経営指標に影響する理由

売掛金は、企業の健全性や業績を知る上で重要な、財務比率や指標に大きく関わっています。ここでは、それらの財務数値の一部をご紹介します。

  • 流動性比率: AR は流動資産の一部であるため、流動比率や当座比率などの流動性比率に直接影響します。これらから、短期的な金融債務を履行する能力が分かります。AR が高ければ、これらの比率を改善することができます。しかし、未払いの請求書により AR が高すぎる場合、流動性に問題がある可能性があります。
  • キャッシュフロー: AR は近日中に入金される予定の現金であるため、近い将来のキャッシュフローを測る良い指標となります。AR 残高が多い、または増加しているということは、近々資金が入ってくることを意味する場合があります。
  • AR回転率: AR 回転率は、一定期間 (通常は1年間) の AR の回収頻度を測定します。純売掛金を平均 AR で割ることで算出できます。一般的に AR 回転率が高ければ高いほど効率的に回収できていることを意味し、低ければ低いほど回収や顧客の支払い習慣に問題があることが示唆されます。
  • DSO: DSO は、請求書の回収にかかる平均日数を示します。DSO を算出するには、AR を純売掛金で割り、その期間の日数をかけます。DSO が低いほど、回収が早いことを意味し、DSOが高いほど、与信条件を厳しくしたり回収を改善したりする必要があることを意味します。
  • 収益性指標: AR 回収の遅れは、純利益などの収益性指標に影響を与えます。未払い請求書による高額の AR があるということは、他の成長活動に使えるはずの現金が入ってこないという事態であるからです。AR を迅速に現金化すればするほど、事業への再投資や負債の返済が可能になり、最終的に収益性の向上につながります。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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