スペインにおける POS システムの利用は、12 年以上にわたって着実に増加しています。2010 年から 2019 年にかけてスペインの企業は 35 万台以上の端末を導入し、累計の導入件数は 175 万台以上になりました。ここ 10 年間でも、その成長は加速し続けています。スペイン銀行のデータによると、スペインの企業は 2023 年半ばまでに、計 420 万台以上の POS 端末を所有していることが判明しています。
多くの人がカードリーダーを「TPV」(POS 端末のスペイン語の頭字語) と呼んでいますが、POS 端末には対面支払いを処理するためのツールがいくつか備えられています。デバイスやカードマシンは、POS システムの一部にすぎません。このよくある誤解を解く意味でも、2 つの用語の違いをこの機会に確認しておきましょう。
本記事の内容
- POS 端末の概要と仕組み
- カード端末の概要と仕組み
- POS 端末とカード端末の違い
- POS 端末とカード端末に関する FAQ
POS 端末の概要と仕組み
POS 端末は、企業の取引処理をサポートする決済処理システムです。決済用端末、ソフトウェア、バーコードまたは QR コードリーダーなどのツールを総称して POS システムといいます。
この項目では、POS 端末が企業に提供する機能をいくつかご紹介します。
スペインで事業を行う場合、POS 端末の設定は不正利用防止法に準拠している必要があります。実店舗とオンラインで事業を運営している場合、対面販売とウェブ販売を紐づけられる POS 端末を選ぶことが重要です。たとえば、Stripe Terminal では、デジタルウォレットとカード支払いをサポートする高度なハードウェアを利用できます。さらに、Terminal は Stripe Payments プラットフォームとも簡単に連携できるため、対面取引とデジタル取引を 1 つのシステムで追跡・管理することが可能になり、ユニファイドコマースが保証されます。
カード端末の概要と仕組み
カード端末は、対面取引中にデビットカード、クレジットカード、またはモバイルデバイスから支払い情報を収集します。スタンドアロンデバイスとしても機能しますが、多くの場合、POS システムに接続されています。
通常の設定では、カードデータをキャプチャーした後、企業の POS ソフトウェアにデータを送信し、そこからオーソリのためにデータがプロバイダーに転送されます。このプロセスの詳細については、カードリーダーガイドをご覧ください。
POS 端末とカード端末の違い
スペインでは、カード端末 (datáfono) と POS 端末を同じ意味で使用するのが一般的ですが、正確には両者は同じものではありません。リーダーは POS システムを構成する 1 つのコンポーネントにすぎません。
POS システムは、カードリーダーのほか、キャッシュレジスター、販売管理ソフトウェア、そして多くの場合、バーコードスキャナーとサーマルレシートプリンターなどで構成されます。
機能的には、カードまたはデジタルウォレットで行われた支払いを処理するという 1 つの大きな役割をカード端末は担います。一方、POS 端末は販売管理が主な役割で、高度なプラットフォームでは、在庫を追跡したり、財務レポートを生成することもできます。
POS 端末とカード端末に関する FAQ
POS 端末はカードリーダーがなくても使えますか?
はい。POS 端末は販売管理に役立ちますが、支払いはリーダー以外の方法でも処理できます。Android または iPhone のタッチ決済を介して、モバイルデバイスから直接決済を受け付け、カード取引を処理できます。
POS 端末は銀行との契約が必要ですか?
いいえ、必要ではありません。POS システムの運用に必要なコンポーネントは、任意のサプライヤーから購入できます。従来、POS 端末のコンポーネントの中で、リーダーのみ銀行によって提供されていました。しかし、現在はバンクレスカード端末が登場し、金融機関との契約は不要になっています。
POS 端末とカードリーダーの導入手数料は同じですか?
プロバイダーによって異なりますが、通常、POS 端末は定期的 (毎月または毎年) に手数料が請求され、カードリーダーは取引ごとに少額の手数料が発生します。選択したプロバイダーが料金の全容を包み隠さず提示しているかどうかのチェックはしておきましょう。
POS 端末とカード端末はインターネット接続が必要ですか?
必須ではありませんが、利用する場合は接続が推奨されています。Stripe Reader S700 や BBPOS WisePOS E などの一部のバンクレスカード端末では、オフラインで支払いを処理できます。それ以外の一部の POS ソリューションもインターネット未接続の状態で利用することは可能ですが、機能は制限されます。システムがオフラインで動作する場合、取引はその時点では完了しません。代わりに支払い情報が保存され、後でインターネットに接続したときにプロセスが完了します。支払いが即座に検証されないため、カードに十分な残高がなかったりすると、後になって取引が取り消されることもあります。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。