コーポレートクレジットカードの申請ガイド

  1. はじめに
  2. コーポレートクレジットカードとは?
  3. コーポレートクレジットカードの利用資格
  4. 適切なコーポレートクレジットカードを選択する
  5. コーポレートクレジットカードを申請する
  6. コーポレートクレジットカードを管理する
  7. コーポレートクレジットカードを入手する際の課題に対処する

コーポレートクレジットカードを発行すると、ビジネスで経費の管理を引き受けたり、チームを強化したりできるようになります。そうすることで、カスタムの支出管理が可能になり、ビジネスの支出習慣に関するより深いインサイトを得られるようになります。

こうしたコーポレートクレジットカードをセットアップするには、利用資格を見極めて、カードプログラムを選択し、申請します。自社用のクレジットカードプログラムを選択する際には、どの機能や特典、クレジット規約が最も財務目標に適合し、自社のブランドと方針を反映していて、従業員にとって魅力的なのかを検討するとよいでしょう。自社用のクレジットカードのセットアップを検討している場合、知っておくべきことは次のとおりです。

この記事の内容

  • コーポレートクレジットカードとは?
  • コーポレートクレジットカードの利用資格
  • 適切なコーポレートクレジットカードを選択する
  • コーポレートクレジットカードを申請する
  • コーポレートクレジットカードを管理する
  • コーポレートクレジットカードを入手する際の課題に対処する

コーポレートクレジットカードとは?

コーポレートクレジットカードは、出張、飲食、事務用品、顧客の接待といったビジネス上の経費を処理するために、従業員に対して発行される特殊な決済カードです。個人用のクレジットカードとは異なり、こうしたカードは企業のアカウントに紐付けられています。一般的に決済の責任は企業にありますが、これは個々の契約に基づいて異なる場合があります。コーポレートカードは一般的に年間収益が 400 万ドル以上のビジネスのみに対して発行されます。小規模なビジネスでは、スモールビジネス向けのクレジットカードに申請できます。

コーポレートクレジットカードの利用資格

ビジネスでコーポレートクレジットカードプログラムの利用を開始したい場合は、いくつかの要件を満たす必要があります。

  • ビジネスの登録: ビジネスに対して、法的に登録されていて、事業を運営していることが求められます。また、会社定款、営業許可証、会社存続証明書など、自社の運営状態を示す法的文書を提出する必要があります。

  • 信用価値: ビジネスに対して、良好なクレジット履歴と高いクレジットスコアが求められます。このスコアは、ローン返済や与信枠、全体的な財務の健全性による影響を受けます。

  • 財務書類: ビジネスで財務安定性に関する書類を提示する必要があります。これには貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、納税申告書などが含まれます。

  • 納税者番号 (TIN): ビジネスで TIN を所有している必要があります。アメリカでは、これは EIN (雇用者識別番号) に相当します。

  • 個人保証: スモールビジネスのオーナーは、ビジネスによって負債が支払われない場合に最終的な責任を取ることを、個人的に保証しなければならない可能性があります。

  • ビジネス用銀行口座: 一部のコーポレートクレジットカードでは、専用のビジネス用銀行口座を用意することが求められます。

  • 企業の収入: コーポレートクレジットカードでは一般的に、一定の最低年間収益が求められます。

  • 使用ポリシー: コーポレートカードを使用するには、ビジネスで適切な使用方法について規定したポリシーを整備する必要があります (利用限度額、許容される取引量など)。

適切なコーポレートクレジットカードを選択する

クレジットカードを選択して申請する際には、各ビジネスに比較考量すべき固有の検討事項があります。適切なクレジットカードを選択する際には、カードの機能とメリットをビジネスの目標、ニーズ、金融行動と慎重に適合させる必要があります。また、適切なカードを選ぶには、ビジネスの特徴と利用可能なクレジットカードの特徴を確認する必要があります。

カードの選択時には、次の要素について検討しましょう。

  • ビジネスの規模: 年間収益が 400 万ドル未満のビジネスは、スモールビジネスに特化して設計されたカードを探してみましょう。これらには多くの場合、事業運営の規模に合わせて的を絞った特典とメリットが備わっています。

  • 業界: 一部のカードは特定の業界に対応しており、それらのセクターに特有の支出傾向に応じた特典が用意されています。

  • 成長ステージ: スタートアップでは、柔軟なクレジット限度額と容易な承認プロセスが求められる場合があります。その一方で、既存企業では上等な特典とより高いクレジット限度額を備えたカードが求められることがあります。

  • 支出カテゴリー: ビジネスでこれらのクレジットカードを特に頻繁に使用する支出の種類を評価します。

  • 利用頻度: クレジットの利用金額が低いビジネスでは、年間手数料が低いかゼロのカードが好まれます。一方で、利用頻度がより高い場合は、一定の利用額のしきい値に達すると特典からメリットを得られることがあります。

  • 財務の健全性: 小規模な企業では個人保証をかけるか、メリットがあまり多くないカードを選択する必要があるかもしれません。しかし、財務状態が優れた企業では、より良い条件とより多くの特典を備えたカードを入手できる可能性があります。

ビジネスの利用資格と主な検討事項について評価したら、さまざまなクレジットカードプログラムの次のような特徴について検討し、最適なものを選びましょう。

  • カードのメリット: ビジネスでの支出額が特に高い領域にマッチするメリットを見つけましょう。たとえば、出張費が頻繁に発生する場合は、出張に関するメリットまたは特典プログラムを備えたカードを探します。

  • APR: さまざまなカード発行会社の年率 (APR) を比較します。残高の繰り越しを予定している場合は、利子率の低いカードを探しましょう。

  • 年間手数料: 年間手数料を分析して、メリットがコストに見合っていることを確認します。

  • クレジット限度額: クレジット限度額がビジネスの支出のニーズに合っていることを確認します。

  • 請求オプションと支払いオプション: 請求サイクルと支払いオプションを確認して、ビジネスの現金管理の慣行に最も合うものを見極めます。

  • 連携機能: ビジネスの会計および財務プラットフォームとの連携が可能なカードによって、経費管理とレポート作成を簡素化できます。

  • 従業員の支出管理: 複数の従業員がカードを使用する場合は、個人の利用限度額や制限を設定できるカードを検討しましょう。

  • カスタマーサービス: 専用のアカウントマネージャーへのアクセスなど、提供されるカスタマーサービスのレベルについて検討しましょう。

  • 外国での使用: 国境を越えた出張、取引、またはその両方を行っているビジネスでは、海外取引手数料が最低レベルで、国外で幅広く受け付けられており、グローバルなカスタマーサポートに対応しているカードを探しましょう。

  • セキュリティ機能: 異常なアクティビティーに対するアラートなど、カードのセキュリティ機能と不正防止システムについて調べましょう。

  • カード発行会社の評判: カード発行会社の評判と安定性について調べましょう。評判の高いカード発行会社と提携することで、安心感と長期的なサービスの質を確保できます。

  • 推薦の声とレビュー: 同業者からの推薦の声を探して、レビューを読み、他のビジネスにおけるそのカードの使用体験を把握します。

  • 初回限定のオファー: カードの長期的なメリットについて検討した後は、APR が 0% の期間やボーナスポイントなど、潜在的価値のある初回限定のオファーについて確認しましょう。

コーポレートクレジットカードを申請する

コーポレートクレジットカードを申請するには、準備をして、細部に注意を払い、自社の財務状況を把握する必要があります。ここでは、申請について順を追って説明します。

  • 承認を受けた代表者を選ぶ: 申請プロセスを監督する企業の代表者を選びます。この代表者は、ビジネスの代理で拘束力のある金融関連の契約を結ぶ権限を有している必要があります。一般的な例としては、財務責任者や承認を受けたマネージャーが挙げられます。

  • ニーズを見極める: ビジネスでクレジットカードが必要な理由、どの従業員にカードを発行するか、どのようにして従業員によるカードの使用を許可するかについて具体的に定義します。これにより、自社に必要な機能がわかります。

  • 選択肢について調べる: カード発行会社とさまざまなカードの価値を比較します。ビジネスニーズに最も適合するカードを選びましょう。

  • クレジット履歴を確認する: ビジネスのクレジット履歴が最新の状態になっていることを確認し、プロセスを進める前にあらゆるエラーに対処します。

  • 書類を収集する: TIN、財務諸表、営業許可証など、あらゆる必要な書類を収集します。カードごとに要件が異なっているため、申請プロセスを開始する前に何が必要かを確認しましょう。

  • 申請書を提出する: 申請フォームを記入します。この際、事業情報に加えて、カードを申請するビジネスオーナーや財務責任者の個人情報が必要になる場合があります。カード発行会社に提出すると、提出した資料とクレジット履歴がカード発行会社によって審査されるため、承認プロセスには数時間から数週間かかる場合があります。

  • カード保有者向けの契約を確認する: 承認されると、クレジット限度額が割り当てられ、カード保有者向けの契約が届きます。不審請求の申請と承認されていない支払いへの対応方法を含め、この契約の規約を注意深く確認しましょう。

  • アカウント管理システムをセットアップする: 経費の追跡、レポートの収集、負債残高の返済を行うためにシステムをセットアップします。

  • カードを配布する: 選択した従業員にカードを配布し、各カード保有者に利用限度額と使用ポリシーを認識させます。一般的なカードの受取人には、営業担当者、幹部、出張の頻度が高い従業員や購入の業務を担当している従業員が含まれます。

コーポレートクレジットカードを管理する

クレジットカードが発行されると、ビジネスで経費のモニタリングと記録、支出ポリシーの遵守の確認、アカウントの負債残高の速やかな完済といったタスクが生じます。企業アカウントを効果的に管理するには、ビジネスのクレジットカードの使用状況を高い水準で監督および管理し、誤用を防止して、カードの支出を他の財務記録と統合する必要があります。コーポレートカードを管理するための以下のベストプラクティスについて検討しましょう。

  • 支出ポリシーと照合プロセスを確立する: 許容される支出カテゴリーと使用禁止の支出カテゴリーなど、カードの許容される使用方法について定めます。カード保有者が領収書を提出し、支払いについて説明するための厳格な期限を備えたプロセスを作りましょう。

  • クレジット限度額を設定する: 責任と支出のニーズに基づき、各カード保有者に固有のクレジット限度額を設定することを検討しましょう。

  • 従業員をトレーニングする: カードの正しい使用方法、経費の提出方法、カードの紛失時や盗難時にすべきことに関するトレーニングをカード保有者に対して実施します。

  • 会計ソフトウェアとの連携: ご利用のカードプロバイダーのシステムと会計ソフトウェアを連携させて、経費の追跡とレポート作成を自動化します。

  • 取引をモニタリングする: あらゆるエラーや承認されていない支出を早期に捉えるために、各カードの取引を頻繁に確認します。不一致や支出ポリシーの違反が発生した場合は、速やかに対応しましょう。これには、社内でのディスカッション、より厳格な懲戒処分などが含まれます。

  • 負債残高を支払う: 常に負債残高を期限内に返済することで、利子の支払いや罰金を回避します。

  • 契約の変更点を確認する: カードの規約やメリットの変更に遅れずに対応します。それに応じて支出戦略を適応させて、新しいオファーを活用しましょう。

  • 支出パターンを分析する: 支出パターンを評価し、コストを節約する機会 (頻繁に発注するベンダーと割引について交渉するなど) を特定します。

  • 必要に応じてポリシーを調整する: ビジネスで変更が生じた際に、ビジネスの支出のニーズや財務戦略におけるあらゆる変化を反映させるために、クレジットカードポリシーを定期的に確認および更新します。

コーポレートクレジットカードを入手する際の課題に対処する

ビジネスでコーポレートクレジットカードの承認を得るのが困難な場合は、以下の戦略が役に立つことがあります。

  • 信用価値を高める: ビジネスのクレジットスコアが高くない場合は、負債を期限内に支払い、クレジットの利用を減らして、信用記録に問題がないようにすることで、クレジットスコアの向上に注力しましょう。

  • 財務実績を積む: 設立から日が浅いビジネスや小規模なビジネスでは、良好な財務実績を積むために、スモールビジネス向けのクレジットカードや少額の与信枠の利用を開始することを検討しましょう。

  • すべての書類を収集する: 書類の不備によって申請プロセスが停止してしまうことがあります。申請プロセスを開始する前に、すべての必要な書類が集まっていることを確認してください。

ビジネスでクレジットカードが承認された後、適切な使用方法とアカウント管理に関する課題が生じる場合があります。以下では、一般的な懸念事項に対処する方法を紹介します。

  • 利用規約: カードの規約を注意して読み、不明瞭な箇所がある場合はカード発行会社に詳細を尋ねましょう。誤解は意図しない誤用や想定外の支払いにつながる恐れがあります。

  • 従業員のトレーニング: カードの使用方法、法令の不遵守と誤用の影響、カードのセキュリティと不正防止のベストプラクティスについて概説した包括的な従業員のトレーニングプログラムを作成します。

  • 財務規律: 不注意による支出と負債を避けるために、厳格な内部統制を導入します。

  • クレジット限度額: クレジット限度額を確認して、ビジネスの支出のニーズと返済能力が確実に反映されるようにします。必要に応じて、カード発行会社と連携してクレジット限度額を調整しましょう。

  • 確認のプロセス: 定期的なカード明細書の確認プロセスを設け、あらゆる不安材料にフラグを立てて、対処しましょう。

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