事前請求の概要と仕組み

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Stripe Billing は、シンプルな継続支払いから使用量に基づく請求、商談による契約まで、請求書の発行や顧客の管理を簡単に実現します。

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  1. はじめに
  2. 事前請求とは?
  3. 企業が事前請求を行う理由
  4. 前払請求書に記載すべき内容
  5. 事前請求がよく利用されている業種
  6. 前払請求書の効果的な運用方法
    1. 請求プロセスを一元化する
    2. 可能な限り自動化する
    3. 複数の決済手段を許可する
    4. すべてを可視化する
    5. 返金を追跡・管理する
  7. 事前請求に伴うリスクとその抑制方法

事前請求は、多くの企業において中核的な業務として機能しています。この請求方法は、ビジネスを危険にさらすことなく、今後の収益とプロジェクトのコストを管理するのに役立ちます。特注品を製造したり、大規模なプロジェクトを企画したりする場合、早期の入金は財務の命綱となることがあります。とりわけ、販売した商品やサービスの代金が支払われるまで平均 59 日待たされることを考えるとなおさらです。

以下では、事前請求の概要をはじめ、企業が事前請求を行う理由、前払請求書に記載すべき内容、および事前請求の潜在的なリスクについて解説していきます。

本記事の内容

  • 事前請求とは?
  • 企業が事前請求を行う理由
  • 前払請求書に記載すべき内容
  • 事前請求がよく利用されている業種
  • 前払請求書の効果的な運用方法
  • 事前請求に伴うリスクとその抑制方法

事前請求とは?

事前請求とは、商品やサービスを提供する前に支払いリクエストを発行するアプローチを指します。

会社がケータリングビジネスを運営していると仮定しましょう。来年の夏の結婚披露宴のケータリングを依頼された見込み客から連絡があり、数日から数週間かけてスタッフを集め、備品を予約し、メニューを考案します。このようなシナリオの場合、結婚式の閉演後に顧客に請求するのではなく、事前に請求書を送付することで、一部または全部の支払いを要求できます。

事前請求を利用している事業者や企業の例としては、特注家具の製作を請け負う職人、イベントプランナー、写真家などが挙げられます。一部または全部の入金を早めにリクエストすることで、作業完了後に支払いを追跡せずに済みます。

この慣行は、商品やサービスが納品された後にのみ請求書を支払うことが常態化している顧客にとって、珍しいものと感じるかもしれません。ですが、事前請求は多くの分野で一般的に利用されています。過去に、ホリデーパーティーのためにバンドを予約したり、誕生日パーティーのためにレストランを貸し切るために前払金を支払ったりしたことがあるなら、前払請求書を受け取った経験もあるかと思います (それが「入金リクエスト」と呼ばれていた場合でも同様です)。

企業が事前請求を行う理由

事前請求の大きな魅力の一つは、財務の予測可能性の向上です。プロジェクトの収益の少なくとも一部が即座に入金されることがわかれば、短期的な予算の制約や枯渇の心配は減ります。これは、給与を支払う従業員や購入資材が存在する場合に特に役立ちます。大規模なカスタムオーダーを専門的に請け負う企業にとって、前払いは日常経費の停滞を防ぐ緩衝材の役割を果たします。

また事前請求は、顧客が今後の展望を立てやすくなるという意味でも役立ちます。前払請求書を送ることで、会社と顧客の間の契約が正式になり、コミットメントと作業範囲が明確に示されます。時には、ノーショーの発生を防ぐという目的で用いられたりもします。サービス業の分野では、顧客が承認した瞬間にリソースを投資するため、その段階で資金の一部または全部を要求するのが妥当です。

もう一つのメリットは、プロジェクトに勢いがつくことです。正式な支払いリクエストを確認した顧客は、会社のプロジェクトを優先視するようになります。前払請求書を挟むことで、両者の利害は即座に、そして具体的に示されます。つまり、提携が抽象的な計画ではなく、すでに投資中の現実的な義務になったことを認識させることができるのです。コミットメントを共有しているという感覚は、より快適なプロジェクト体験を促進させます。

前払請求書に記載すべき内容

部分的な支払いを要求する場合でも、全額の支払いを要求する場合でも、前払請求書は具体的に作成する必要があります。以下は、前払請求書に含まれる項目を抜粋したものです。

  • 請求書番号

  • 発行日

  • 商品またはサービスの説明 (例: 「特注チェア 50 脚 (人件費および原材料費を含む) の初回入金」)

  • 数量と単価 (時給、個々の品目価格など)

  • 売上またはその他の該当する料金

  • 配送予定日または完了予定日

  • 支払い条件 (期日、部分支払い / 全額支払い、延滞料など)

  • 返金ポリシーまたはキャンセルポリシー

事前請求は透明性の確保に依拠しています。請求書の各行には、顧客が何に対してお金を払っているのか、そしてその理由を説明する必要があります。ここで細部に注意を払っておくことで、後の時間と労力の割き具合に影響が出ます。

事前請求がよく利用されている業種

事前請求は、以下をはじめとするさまざまな業界で広く利用されています。

  • イベント企画:会場の予約、ケータリング業者の手配、スタッフの雇用には多額の費用を要することがあります。大規模な催しは準備に数 カ月かかることもあり、主催者は花屋、写真家、DJ への保証金の支払いに追われます。これらの初期費用を相殺するために、イベントプランナーまたはイベント会場は、顧客に入金を請求していたりします。

  • 建設・請負:建設業は、新しい建物や改修が完了するずっと前に、原材料、機械、作業員のコストを支払います。大規模なプロジェクトでは、前払請求書を送ることが一般的です。前払金の額は通常、契約金総額の一部にあたり、請負業者が材料や特殊機器を即座に購入するために使用されます。

  • 特注製造:特注家具の製作のみ請け負う工房をシナリオとして仮定します。各デザインには、顧客がキャンセルした場合に転売できない特別な素材が用いられることがあります。前払請求書は、場合によっては回収できかねないものに資金をつぎ込む工房を守るためのシンプルな対策として機能します。また、顧客がプロジェクトを真剣に依頼していることを保証するという意味でも有用です。

フリーランサー (特にプロジェクトごとに作業するフリーランサー) も事前請求をよく利用しています。

前払請求書の効果的な運用方法

適切な戦略とツールがあれば、前払請求書を管理し、ビジネスを整理することができます。この項目では、事前請求を運用していくための方法をご紹介します。

請求プロセスを一元化する

複数のスプレッドシートやメールスレッドを使い分けると、ミスを犯す可能性が高まります。すべての請求書、支払いステータス、期日を追跡できる単一のプラットフォームの使用を検討してください。Stripe Invoicing は、支払い済みまたは保留中の請求書をリアルタイムで表示します。詳細な支払い条件を設定して請求書をカスタマイズし、その後の支払いを追跡することも可能です。

可能な限り自動化する

手動でリマインダーを送信したり、残高を計算したりすると、かえって時間がかかり、さらには間違いを犯す可能性さえあります。これらのタスクに自動化を導入することで、チームが他の作業に専念できるようになります。以下の要素に対して自動化の導入を検討してみてください。

  • 請求書のリマインダー (例: 「お支払い期限は 3 日後です」)

  • 定期請求書

  • 複数地域の税金計算

Stripe の自動化機能を使用すると、リマインダーのスケジュール設定や定期請求書の管理が簡単にできます。支払いが受領されると、プラットフォームは請求書のステータスを自動的に更新します。

複数の決済手段を許可する

支払いオプションを制限すると、決済プロセスに遅れが生じる可能性があります。クレジットカード、デビットカード、デジタルウォレット、銀行振込など、さまざまな決済手段を提供することで、顧客は自分の都合の良い方法で支払いが可能になります。

すべてを可視化する

混乱はプロセスの遅延につながります。細部までよくまとめられた請求書は、誤解を防ぐだけでなく、明確な見通しを顧客に提供します。Stripe の請求書テンプレートは柔軟な編集が可能で、数回クリックするだけで条件、スケジュール、税率を追加できます。請求書はすべて、今後の参照用にアカウントに保存されます。

返金を追跡・管理する

明確な手続きを備えていれば、顧客がキャンセルしたり、返金をリクエストしたりしても、自信を持って対応できます。Stripe では、ダッシュボードから全部または一部の返金を処理できるようになっています。顧客はすぐに返金を受けられる一方で、会社は評判を守ることができます。

事前請求に伴うリスクとその抑制方法

事前請求にはデメリットもあります。中でも顕著なのは、顧客が不満を抱いて契約から手を引いたり、途中で要件を変更したりすることです。このような状況の対処法が規約に明記されていない場合、不審請求の申し立てが発生し、会社の評判や財務に損害を与えかねません。

この項目では、トラブルを回避するためのヒントをいくつかご紹介します。

  • 最初に返金規約の概要を説明する:資金を受け取る前に、返金ポリシーを書面に起こしてください。顧客が突然契約から手を引いた場合に顧客の支払った資金は返金の対象となるか、材料費や作業時間は部分的にでも回収できるかなど、ポリシーの規定を明確にしておくことで、不審請求の申し立てはある程度防げます。

  • プロジェクト仕様を詳述する:成果物の費用内訳を項目別に表示して顧客に提供します。建設業の場合は、作業時間数、購入資材、使用する構造設計図を提供・記載します。作業範囲が途中で変更された場合は、元の契約を参照し、必要に応じて再交渉できます。

  • 部分支払いと全額支払いの使い分けに注意する:部分支払いは費用の一部にしか充てられませんが、顧客にすべてのリスクを負わせるように感じさせるものではありません。特定の企業では、前もって総費用を要求することで優柔不断な顧客を排除していたりするかもしれませんが、プロジェクトがトラブルに見舞われたり、顧客が不満を主張したりすると、事態がより複雑になることが予想できます。

  • 早い段階から頻繁にコミュニケーションをとる:プロジェクトの進捗状況は都度、顧客に知らせるようにしてください。たとえば、重要なマイルストーンでは、進捗を表す写真、最新情報をメールで送信したり、または電話で伝えたりすることができます。前払いを済ませている顧客からすると、会社がスケジュールを守っているという証拠は高く評価されます。

  • すべてを文書化する:更新や変更があればその旨を記録として伝えましょう。これは、電話の後に短い要約メールを送るのでも、請求プラットフォームにコメントを送るのでも構いません。顧客が特定のサービス内容を変更することを決定した場合は、それがいつ行われるか、およびそれがリソースにどのように影響するかを記録します。このような書面による証跡は、意見の相違が生じた場合に非常に役立ちます。

これまで挙げてきた状況の中で、Stripe のサポートが役に立ちます。ダッシュボード一つで返金を処理し、請求書のステータスをリアルタイムで更新し、返金処理をの経過を顧客に知らせることができます。Stripe は財務上のやり取りを追跡するためのシステムを提供し、優れたコミュニケーションと透明性の高い契約を組み合わせることで、後発的な問題の回避をサポートします。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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