請求書の支払いは、どの企業においても発生します。公益事業会社、ベンダー、請負業者、パートナー企業のいずれであっても、請求書の支払いにはそれぞれ期日、条件、指示が伴います。また、請求書に関するミスは大きな代償につながります。期日に間に合わなければ両者の関係が不和になることはもちろん、誤って払いすぎると予算を狂わせてしまいます。
このプロセスを追跡・規制しやすい方法で処理する請求書決済システムが近年人気を高めており、世界の買掛金自動化市場は 2023 年に 30 億 8,000 万ドルと評価されました。
以下では、自動請求書決済の仕組み、プラットフォームの選び方、会計ソフトへの接続方法、そして請求書決済ソフトが企業にとって重要な理由について解説します。
本記事の内容
- 請求書決済ソフトとは?
- 企業に請求書決済ソフトが必要な理由
- 請求書決済ソフトの仕組み
- 請求書決済ソフトで注目すべき機能
- 請求書決済ソフトと会計システムの連携方法
請求書決済ソフトとは?
企業は、請求書決済ソフトを使用して、ベンダーやその他のサービスプロバイダーへの請求書の支払いを追跡・処理しています。請求書決済プラットフォームは、請求書の作成から支払い確定まで、請求書決済プロセスのすべてのステップを自動的に記録します。プラットフォームは業務プロセスと連動しているため、請求書の承認や支払いなど、さまざまな作業をワンストップで処理できる仕組みになっています。
請求書決済ソフトは、各請求書をインポートまたはスキャンし、レビューのために適切な担当者または部門にルーティングします。請求書が承認されると、プラットフォームは期日に従って支払いをスケジュールします。その後、請求書はクローズ済みとしてマークされ、請求書の支払いごとにサイクルが繰り返されます。
企業に請求書決済ソフトが必要な理由
手動の請求書決済プロセスは時間がかかり、データ入力エラーが発生しやすく、自動化されたプロセスと比べて支払いステータスの可視性が低くなります。小規模なスタートアップであれば、請求書の支払いを手作業で処理できるかもしれませんが、大規模に事業を展開している企業は請求書決済ソフトを使用していることがほとんどです。
請求書決済プラットフォームは、請求書の支払いに伴う手作業の多くを自動化します。これにより、支払いサイクルが短縮され、承認プロセスが早まるほか、各請求書のステータスがわかりやすく表示されるようになります。請求書決済プラットフォームを利用することで、企業は最小限の事務作業で複数の請求サイクルとさまざまな支払いタイプを簡単に処理できるようになり、さらに、支払いの承認権限を従業員に広く与えることができます。
請求書決済ソフトの仕組み
各請求書は、請求書ソフトに組み込まれている共通のパイプライン (キャプチャー、レビュー、スケジュール、支払い) に従って処理されます。順を追って見てみましょう。
請求書データは、ファイルのインポート、メールの自動転送、または書面のスキャンによってプラットフォームに入力されます。
各請求書は、専門の部署または部門の承認担当者にルーティングされます。
承認されると、請求書は指定の日付に、希望する決済手段で自動的に支払われます。
また変更、承認、支払いはすべてログに記録されます。特定の請求書を誰が承認したか、またはいつ決済されたかを確認する必要がある場合は、記録ですぐに確認できます。プラットフォームには多くの場合、請求書の決済処理だけでなく、次のような機能も搭載されています。
メールリマインダー
請求書データと発注書の自動照合
データ分析
多重承認オプション
ベンダープロファイル (支払い条件、連絡先情報、関連書類の保管)
請求書決済ソフトで注目すべき機能
請求書決済プログラムの特長はそれぞれ異なります。無駄を省いたものもあれば、高度なオプションや追加機能をそろえたものもあります。ソフトウェアの選択次第で、請求書の管理方法、延滞料の発生頻度、あるいはベンダーへの過払いミスなど、さまざまな方面に影響が及びます。請求書決済ソフトは、日常業務を簡素化すると同時に、詳細な情報を得るための追跡機能を備えている必要があります。
予算、事業規模、処理する支払いの種類によって、会社が使用すべきソフトウェアは異なります。この項目では、ソフトウェア選択における考慮事項を質問形式でご紹介します。
インターフェイスはどの程度使いやすいか?
習得と使用が容易であれば、プラットフォームの採用率も自然と高くなります。わかりやすいナビゲーション、論理的なメニュー、シンプルなセットアップ手順がソフトウェアに備わっているか見てみましょう。
マルチユーザーアクセスに対応しているか?
成長を続けているような組織では、多くの場合、買掛金を管理するためのチームメンバーが複数人必要です。データ入力を担当する従業員、請求書を承認する従業員、あるいは月次レポートの閲覧権限を持つ従業員など、その役割はさまざまです。このようなニーズが会社に当てはまる場合は、さまざまなアクセス区分に対応するシステムを探しましょう。
自動承認を処理できるか?
自動承認チェーンを導入すれば、誰がどの請求書をどの程度の支払い額を基準にレビューするかを定義できます。適切な担当者が請求書を承認すると自動で次のステップに進むため、フローの行き詰まりも発生しにくくます。
電子決済のオプションがあるか?
紙の小切手の使用を廃止したい場合は、自動決済機関 (ACH) 送金、クレジットカード、銀行振込など、デジタル決済に対応しているプラットフォームを選択してください。
書類の保存オプションはどのようなものを備えているか?
多くの場合、請求書と一緒に関連書類を保管しておくと後々役立ちます。この書類には、領収書、明細書、ベンダーとの通信記録などが含まれます。また、プラットフォーム内でアーカイブを整理することにより、ファイルの紛失を防げます。
どのようなセキュリティ管理が施されているか?
システムが多要素認証やその他の方法で機密データを保護できるか調べておきましょう。銀行情報をプラットフォームに託すことになるため、データ保護に関する一般的なガイドラインに従っているかどうかの確認は重要です。
会計ソフトとの連携は可能か?
会計システムに接続できる製品を選択肢に入れましょう。請求書決済ソフトが連携できない場合は、データを元帳にコピーする手間が発生します。
ベンダーポータルがあるか?
一部のソフトウェアでは、ベンダーがログインして支払いのステータスを確認できる仕組みになっています。これにより、支払いがいつ届くかについてのやり取りを減らすことができます。
アラートやリマインダーの類は受け取れるか?
支払期日が近づいたとき、または請求書にレビューのフラグが立てられたときに自動通知を受け取れるようにすることで、当て推量に頼ることなくプロセスを進められるようになります。
会社の成長に合わせて拡張できるか?
会社の成長に合わせられるソフトウェアであれば、後々プラットフォームを切り替える手間も省けます。たとえ小規模で始めたとしても、請求書の数が増えたからといってシステムが陳腐化することはありません。
請求書決済ソフトと会計システムの連携方法
請求書決済ソフトは、ダイレクト接続 (会計ソフトと請求書決済ソフトの共通プラットフォームへのログイン) またはアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) ベースのセットアップによって、会計システムと連携できます。利用するプラットフォームによってアプローチの詳細が決まります。
これらのシステムが関連付けられると、新しい請求書や支払い完了のトランザクションがすべて会計システムに自動で送信されるため、財務上の意思決定や会計処理、記録管理全体の精度が向上します。会計システムに連携されていない請求書決済ソフトは、冗長なデータ入力作業を強いられ、ミスの可能性を高める可能性があります。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。