請求書払い: 長所と短所

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Stripe Invoicing は、支払いを簡単かつ素早く受け取ることを目的とする請求書作成プラットフォームです。自社でコードを作成することなく、請求書をわずか数分で作成し、送信できます。

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  1. はじめに
  2. 請求書払いとは
  3. ドイツで請求書払いが普及している理由
  4. 小売業者側から見た請求書払いのメリット
    1. 顧客満足度がアップする
    2. カゴ落ちのリスクが低い
    3. 追加費用がかからない
    4. 売上が増加する
    5. 競争優位性が高まる
  5. 小売業者側から見た請求書払いのデメリット
    1. 不払いや支払遅延のおそれがある
    2. 不払いが起きた場合に事務コストが増加する
    3. 不正行為のリスクがある
  6. 顧客側から見たメリット
    1. フレキシブルな支払い
    2. 追加費用がかからない
    3. 手続きが簡単
    4. セキュリティと信頼
    5. 欠陥品でもリスクを負わない
  7. 顧客側から見たデメリット
    1. 信用調査
    2. 支払いの追跡が面倒
    3. 督促手数料
    4. 購入時の割引が適用されない
  8. ドイツの小売業者が請求書払いを提供すべき理由
    1. デメリットを小さくするための戦略

ドイツでは請求書支払いを利用すると、オンラインで注文した商品を受け取った後に支払うことができます。この決済手段で、顧客の信頼を高め、購入意欲を高めることが可能です。商品を届けてから支払いを受け取るため、小売業者にとっては、あまり気乗りがしない決済手段であるかもしれません。しかし、2022 年の Trust Monitor の調査によると、ドイツのオンラインビジネスの 94% が、信頼はビジネス成功の要因であると認識しています。

この記事では、ドイツにおける請求書払いの概要、小売業者と顧客にとってのメリットとデメリット、小売業者がリスクを最小限に抑える方法を学びます。

この記事の内容

  • 請求書払いとは
  • ドイツで請求書払いが普及している理由
  • 小売業者側から見た請求書払いのメリット
  • 小売業者側から見た請求書払いのデメリット
  • 顧客側から見たメリット
  • 顧客側から見たデメリット
  • ドイツの小売業者が請求書払いを提供すべき理由

請求書払いとは

請求書払いは、顧客が購入と同時に代金を支払うことなく商品を購入できる支払い方法です。支払いは繰り延べされ、商品が届くまで支払期日は到来しません。

一般に請求書 は電子メールで電子的に送信されるか、配達された商品に同梱されます。顧客は、支払いを行う前に、注文した商品に瑕疵がなく、満足できる品質であることを確認できます。ドイツでの請求書の支払い条件は、通常 14 日以内または 30 日以内です。ドイツ民法 (BGB) によると、ドイツの債務者は請求書の支払期日および受領日から 30 日以内に債務不履行になる、と規定されています。この期間中に請求額を企業の口座に振り込まなければなりません。

詳しくは、請求書払いガイドラインをご覧ください。

ドイツで請求書払いが普及している理由

2023 年のドイツでのオンライン購入の約 27% は、請求書払いで行われました。ドイツの顧客は、特に請求金額が高額である場合にこの決済手段を好みます。国際的な請求書払いの使用状況を比較してみると、DACH 地域 (ドイツ、オーストリア、スイスを含む) とポーランドがトップに位置しています。スウェーデンやデンマークでも増加しています。

ドイツの顧客に喜ばれているのは、請求書払いで購入する場合に前払いが不要であるという点です。これにより、企業への信頼が強化され、安全であると感じさせ、顧客に購入を促すことができます。そのため、Stripe はドイツ市場専用の決済手段として請求書払いを提供しています。

小売業者側から見た請求書払いのメリット

後払いは基本的に顧客にとって好都合なように見えますが、企業にとっても次のようなメリットがあります。

顧客満足度がアップする

企業が請求書払いを提供すると、総じて顧客の満足度が上昇しやすくなります。多くのドイツ顧客は、請求書払いが、とりわけ安全、公正で透明性の高い支払い方法だと考えています。これは買い手が前払いする必要がないためです。さらに、顧客は商品を受け取った後で、その商品が不要と判断したとき、返金について心配する必要がありません。買い手は自分の利益が守られていると感じます。

結果として小売業者への信頼が強まり、長期的に顧客ロイヤルティを高めることができます。請求書払いで肯定的な体験をした買い物客は、その小売業者への忠誠心を維持し、今後もそのショップで購入し続ける可能性が高まります。

カゴ落ちのリスクが低い

ドイツでのオンライン購入の多くは、購入プロセスの最後のハードルである決済フローで失敗します。Baymard Institute の調査によると、オンライン購入の 70% 以上が購入完了前にカゴ落ちしています

チェックアウト時に、買い物客は支払い情報を入力しなければなりません。極秘情報を記入しなければならず、面倒な作業と感じる人もいるかもしれません。クレジットカードや銀行口座の情報、個人情報の提出は、セキュリティリスクと見なされることが多く、多くの顧客が購入手続きを放棄する原因となっています。希望する決済手段を利用できない場合、ドイツのオンライン顧客の約 80% が定期的に注文をキャンセルしています。オンライン詐欺やプライバシーへの懸念が高まる中、なじみのないウェブサイトで支払情報を入力することへの抵抗感が高まっています。

請求書払いのメリットは、機密性の高い支払い情報を送信せずに済むことです。商品を発送してもらうために必要なのは氏名と住所だけです。したがって、顧客の安心感は強まります。特にそのオンラインショップでまだ肯定的な体験をしていない新規の顧客にとっては決定的要因になる可能性があります。

追加費用がかからない

請求書払いは、決済サービスプロバイダーを通じて取引を処理しない限り、直接的な手数料や追加費用が発生しないため、オンラインビジネスにとって最もコストパフォーマンスの良い支払い方法です。

これに対し、クレジット カード、口座引き落としといった他の支払い方法では、多くの場合、取引手数料が発生します。さらに、請求書払いをオンラインストアに組み込めば、他の支払い方法を導入するよりもコストが抑えられます。一般に、それらの支払い方法では、技術インフラの増設や継続的なメンテナンスが必要となる可能性があるからです。

標準化された直感的な方法でグローバル決済を処理したいときは、Stripe Payments の導入をご検討ください。この決済ソリューションを 1 つ導入するだけで、お客様は 請求書払い を含めて 100 種類以上の決済方法を顧客に自動的に提供することができます。Stripe Payments をご利用いただけば、シームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現し、組み込まれた最適化機能によってコンバージョン率を高めることができます。

売上が増加する

請求書払いでは、顧客が商品を受け取った後で代金を支払うので購入のハードルが下がります。さらに、請求書払いは購入決断の確率を高める 可能性があります。コンバージョン率が高いほど購入完了は増え、小売業者の売上は伸びます。

競争優位性が高まる

請求書払いを導入したオンライン事業者は、この支払い方法を提供しない他の事業者に対して競争優位性を持つことができます。

その結果、特に品質や価格といったファクターでは差がつきにくい市場や業界において、その存在を際立たせることができます。請求書払いを提供する企業は、自社を顧客中心主義と位置付けることになります。これは、顧客がその企業から購入するもう 1 つの誘因です。

小売業者側から見た請求書払いのデメリット

小売業者側から見た請求書払いの主なデメリットは次の通りです。

不払いや支払遅延のおそれがある

小売業者にとって請求払いが抱える重大な欠点は、不払いや支払遅延に付随する財務リスクです。

購入金額が大きく、会社のキャッシュフローに影響が及ぶ場合、これは特に問題です。支払延滞は波及効果をもたらし、今度は小売業者がサービスプロバイダーやサプライヤーに対して期日までに支払いを行えなくなるおそれがあります。このような場合、顧客の支払不能が連鎖反応を起こし、会社全体の財務の安定が脅かされる可能性があります。

不払いが起きた場合に事務コストが増加する

支払遅延や不払いは事務コストを増大させます。一般に、社内の人員や外部のサービスプロバイダーなどのリソースを追加して売掛金の管理に充てなければなりません。しかし、コストがかかるのは延滞通知や督促状だけではありません。最悪の場合、企業は弁護士を雇わなければならなくなるかもしれません。

さらに、分割払いの場合、企業は販売前に信用調査を行わなければなりません。不払いのリスクを最小限に抑えるために、小売業者の皆様は顧客の信用度を確認すべきです。小売業者は、社内のシステムまたは外部のプロバイダーを使って信用調査を行います。

不正行為のリスクがある

もう一つの問題は使用済み商品の返品です。これは、ファッション業界でよく見られます。

顧客が特別なシーンのために服を注文し、1 回着用してから返品するというパターンです。このやり方は小売業者にとって厄介です。なぜなら、返品の手続きが必要で、追加的なコストが生じる可能性があるからです。これらの商品は、中古品として販売するしかなくなるか、あるいは労力を払って販売しなければならなくなります。

顧客側から見たメリット

請求書払いには次のようなメリットがあります。

フレキシブルな支払い

請求書払いは、支払期限が設けられ、その期限までに未払分を支払えばよいという点で顧客にとって大きなメリットがあります。このようにフレキシブルなので、直ちに支払わなければならないというプレッシャーを感じずに済みます。また、殊に大口の購入の場合や経済的に不安がある場合、顧客は支払いを上手に計画することができます。支払期限を設けることにより、オンラインショッピングのハードルが下がり、購入に至る可能性が高まります。

追加費用がかからない

請求書払いの顧客が期日までに支払いを行った場合、追加的な手数料はかかりません。分割払いでの購入など、他の資金調達方法では金利や処理手数料が発生することがあります。請求書払いではそのようなことはありません。顧客は、指定された期日までに請求額を支払うだけです。予期せぬ費用や隠れた費用が加算される心配はありません。つまり、請求書払いは透明性が高く、コストパフォーマンスの良い支払方法ということです。

手続きが簡単

顧客にとって、請求書払いのもう 1 つのメリットは購入手続き全体が簡単だという点です。クレジットカード番号や銀行口座情報など、大量の決済情報を入力する必要がないため、顧客はスピーディに注文することができます。名前と住所を入力するだけでよいので、注文手続きがずっと簡単、安全になります。さらに、小売業者は代金受け取りを待つ必要がないため、顧客から注文を受けてすぐ商品を発送することができます。

セキュリティと信頼

請求書払いの場合、顧客は請求額をすぐに支払う必要がありません。顧客は先に商品を受け取ってチェックし、期待した通りの商品であることを確認できます。このようにフレキシブルなので、顧客は安心感を抱き、オンラインストアへの信頼が形成されます。

欠陥品でもリスクを負わない

請求書払いの場合、商品に欠陥や傷があったり、不良品だったりしても顧客は金銭的リスクを負いません。顧客は通常、問題なく商品を返品できます。顧客は商品が引き渡された後で支払うので、小売業者が既に支払われている金額を返金する必要はありません。したがって、顧客は、金銭的ペナルティを心配することなく、いつでも返品する権利を行使できます。

顧客側から見たデメリット

同時に、顧客側から見て、請求書払いにはいくつかのデメリットがあります。

信用調査

企業によっては、請求書払いを承認する前に、顧客の信用調査を行うところがあります。(たとえば、過去に債務不履行があったために) 信用格付けがマイナスの場合、企業は請求書払いの受諾を拒否できます。そのような場合、顧客は他の支払い方法に頼らなければなりません。つまり、商品の引き渡し後に支払いを行う機会を失うということです。

支払いの追跡が面倒

顧客が短期間に何件もの請求書払いを行う場合、未処理の請求書と支払期日の追跡が難しくなりがちです。個々の請求書を見落としたり、忘れたりするおそれがあります。請求書がさまざまなプラットフォームや支払先に分散している場合や、支払い方法や期日がそれぞれ異なっている場合は特に厄介です。

督促手数料

注意を怠った場合、顧客は督促手数料と延滞利息 を支払わなければならない可能性があります。これは、顧客が合意された支払い期日までに支払うべき金額を送金しなかった場合に発生します。元々の請求額に加えて追加的な費用を負担しなければならないため、顧客にとって不快な経済的負担になる可能性があります。

購入時の割引が適用されない

一部の小売業者は、顧客が注文と同時に支払いを行った場合、(たとえば、クレジットカードや即時銀行振込で支払う場合) に割引を提供しています。請求書払いの場合、このような割引は適用されません。

請求書払い:小売業者と顧客にとってのメリットとデメリット

小売業者

顧客

メリット

  • 顧客満足度
  • カゴ落ちのリスクが低い
  • 追加費用なし
  • 売上の増加
  • 競争上の優位性
  • 支払いの柔軟性
  • 追加費用なし
  • 処理が簡単
  • セキュリティと信頼
  • 不良時のリスクなし

デメリット

  • 支払いの不履行と延滞
  • 不払いによる管理コストの増加
  • 不正利用のリスク
  • 信用調査
  • 支払いの追跡が面倒
  • 督促手数料
  • 即時割引なし

ドイツの小売業者が請求書払いを提供すべき理由

ドイツの小売業者は、顧客に安心感を与えるため、支払いオプションとして請求書払いを提供することが推奨されます。購入を促すことができるオプションであり、多くのドイツ企業によって、購入完了の決め手になる要因であると認識されています。これは、特定のショップから初めて購入するケースに特に当てはまります。

また、請求書払いはドイツでは依然として非常に人気のあるオプションです。2023 年には、ドイツ国内のオンライン購入総件数の 4 分の 1 以上が請求書払いでした。小売業者にとって主たるデメリットである不払い、事務コストの増大、不正のリスクは、しかるべき対策を講じることによって軽減できます。

小売業者の皆様は、支払遅延や不払いといった財務リスクに対処するために有効なリスクマネジメントを導入すべきです。販売前の信用調査は最も重要な手段の 1 つです。さらに、体系的な督促システムを取り入れ、支払いが遅延した場合に未払いの請求書があることを顧客に通知するか、あるいは自動化された督促状 を送信すべきです。また、たとえば、数日以内に支払った場合に割引を適用するなど、早めの支払いに対してインセンティブを設けることも可能です。

デメリットを小さくするための戦略

小売業者の皆様は、事務コストの増大をできるだけ小さくするために、自動会計ソリューション、あるいは Stripe Invoicing などの売掛金管理ソフトウェアの導入をご検討ください。Invoicing により、決済の過程全体を監視し、支払いリマインダーを自動的に送信し、顧客とのコミュニケーションを可能な限り効率的に行うことができます。

顧客が 1 回だけ使用する目的で商品を注文するのを防ぐことは困難ですが、厳格に統制された返品管理によって、こうした不正のリスクを減らすことができます。また、企業側が返品手数料を請求してもよいでしょう。ただし、リピーターに後払いという選択肢を残したほうが親切です。この場合、新規の顧客だけは別の支払い方法を利用しなければなりません。企業はリピート顧客の忠誠心に報いるということです。

また、住所確認と本人確認を行えば、提供された情報が正しいことを確認できます。最後に、AI を活用すれば、疑わしい購入パターンを早めに特定できます。このテクノロジーは異常な取引や購買行動を検出することができます。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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