スタートアップを成長させる際、ビジネスローンの取得は大きなハードルに感じられることがあります。しかし、拡大や運営コストのための資金調達は、複雑である必要はありません。
アメリカのほぼすべての銀行が、少なくとも 100 万ドルの中小企業向けローンを提供しています。すでに雇用者識別番号 (EIN) を持っている場合、ローン申請プロセスを開始する準備が整っています。EIN は、税務目的で内国歳入庁 (IRS) に対してビジネスを識別する、9 桁の固有の番号です。単なる納税者番号にとどまらず、ローンの取得にも役立てることができます。
本記事では、EIN の概要、EIN を用いた資金調達方法、利用可能なローン、融資申請に必要な準備について解説します。
目次
- EIN がローンの適格性に与える影響
- EIN を利用した事業融資の受け方
- EIN があることで受けられる融資の種類
- 融資申請においてスタートアップが財務上準備すべきこと
- EIN を利用した別の資金調達方法
- EIN が金利と融資条件に与える影響
- Stripe Atlas によるサポート
EIN がローンの適格性に与える影響
EIN は、税務やその他の財務目的においてビジネスを識別する主要な手段として、事業の正当性を確立し、財務を分離し、独自の信用プロファイルを構築するうえで不可欠です。EIN がローン取得に重要な理由を詳しく説明します。
事業アイデンティティの確立: 融資者はビジネスの正当性を確認したいと考えており、EIN の取得はその証明の第一歩です。EIN があることで、ビジネスを登録し、個人財務とは分離した形で運営するための措置を講じていることが示され、ローン審査において重要な要素となります。
個人財務と会社財務の分離: EIN があれば、個人の財務を会社の財務から切り離すこともできます。EIN を用いて融資を申し込むということは、個人ではなく、会社が融資の責任を負うことを意味します。そのため、個人の負担は軽減されます。
事業信用の構築: EIN は、会社の信用スコアを盤石にする上で不可欠なものです。融資者は、融資適格性を判断する際に、会社の信用度を評価することがよくあります。EIN を用いて法人カードを取得し、期限内に支払いを行っている場合、融資の承認率は高くなります。
EIN を利用した事業融資の受け方
EIN を取得したら、会社財務と個人財務を切り離し、事業の信用力を確立していきます。会社の信用スコアと財務実績を強化することで、融資条件の優遇、与信限度額の引き上げ、資金調達手段の拡充といったメリットが得られます。
この項目では、EIN を活用して会社の財務基盤を構築する方法をご紹介します。
ビジネスアカウントを開設する: EIN を使ってビジネス用銀行口座を開設します。これは、個人財務とは分離した、明確なビジネスの財務アイデンティティを確立するための最初のステップです。
取引先アカウントの開設: 企業信用調査機関に報告するベンダーまたはサプライヤーとの与信条件を EIN で設定します。請求書を期限内に支払うことで、会社の信用情報は盤石になります。
ビジネス向けクレジットラインに申請する: ビジネス名義でビジネス用クレジットカードやクレジットラインに申請します。ビジネスの信用履歴を構築することで、ビジネスローン申請における個人の信用履歴の影響を軽減できます。
期日通りに支払う: ローンから取引先への支払い、クレジットカード決済まで、すべての支払いを期日通りに行います。EIN に紐づく支払い実績を積み重ねることで、将来的により有利な資金調達の機会につながります。
EIN があることで受けられる融資の種類
EIN を取得していることで、企業向けに特別に設計されたさまざまな融資を利用できます。これらの融資は、個人の信用ではなく企業の信用に依存するため、より柔軟性が高く、個人責任のリスクも軽減されます。
EIN があることで利用できる融資の一部を以下にご紹介します。
ビジネスタームローン
ビジネスタームローンは、企業向けローンの中で最も一般的な形式です。一括で借り入れた金額を、利息とともに一定期間かけて返済します。事業拡大、設備購入、スタッフの採用といった大型投資に適しています。
ビジネス向けクレジットライン
ビジネス向けクレジットラインでは、設定された限度額の範囲内で必要に応じて資金を引き出せます。使用した金額に対してのみ利息が発生するため、キャッシュフローの管理や予期しない支出への対応に柔軟に活用できます。
中小企業庁 (SBA) ローン
アメリカの SBA は、中小企業を対象とした融資を提供しています。SBA が直接融資するわけではありませんが、融資者の提供するローンの裏付けを担います。SBA ローンを利用するには通常、EIN と強固な企業与信が必要です。SBA ローンは、有利な融資条件、低い金利、そして長期の返済期間が設定されることで知られています。
設備融資
設備購入を検討している企業は、その設備を担保にして設備融資を受けることができます。このタイプの融資は、会社のキャッシュフローを損なわずに、高額な設備コストを長期にわたって分散させることを可能にします。
インボイスファイナンス
インボイスファイナンスは、多くの請求書を扱うビジネスが素早く資金を調達できる方法です。融資者が未払い請求書を担保にローンを前払いし、請求書が支払われた時点でビジネスがローンを返済します。
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ローンの種類 |
最適な用途: |
EIN のみ: |
|---|---|---|
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Business Term Loan |
オフィス拡大、採用、または長期的な成長といった一度限りの大型投資。 |
まれ。通常は個人保証 (PG) が必要。ただし、収入が高く実績のある企業は除く。 |
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Business Credit Line |
日々のキャッシュフロー管理、季節的な落ち込み、または予期しない緊急事態への対応。 |
フィンテック企業の「PG 不要」コーポレートカードやクレジットラインで可能な場合もあるが、通常は既存の収入が高いことが条件。 |
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SBA Loan |
最低金利の長期融資。信用力の高い安定した企業に最適。 |
いいえ。SBA はほぼ常に、20% 以上の出資者に個人保証を求めます。 |
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Expert Financing |
運転資本を使わずに重機、車両、または技術設備を購入する用途。 |
はい。設備そのものが担保となるため、融資者は事業法人のみに依拠することが多くなります。 |
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Invoice Financing |
支払いサイクルが長く (30〜90 日)、即時に現金が必要な B2B 企業。 |
はい。審査は主に取引先 (請求書を支払う側) の信用力に基づきます。 |
融資申請においてスタートアップが財務上準備すべきこと
事業融資の申請時に、融資者は企業の安定性に注目します。この項目では、融資申請においてスタートアップが財務上準備すべきことについてご紹介します。
最新の財務諸表の作成: これらの諸表は、会社の財務状況を明確にする役割を持ちます。通常、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書が含まれます。
事業与信の確認: 審査に不利になるような誤りや見落としがないことを確認してください。もし問題を見つけた場合は、融資を申し込む前に解決しましょう。EIN と企業与信スコアは相互に関連しているため、あらゆる情報を常に最新にしておく必要があります。
キャッシュフロー予測の作成: これは、会社がローンの返済や継続的な費用の支払いをどのように管理する予定であるか、融資者に説明するための諸表です。また、この諸表は、今後数カ月または数年にわたる収入と支出を予測し、返済能力の判断指標として利用されます。
納税申告状況の確認: 会社に税金の滞納がないか確認してください。申請書と一緒に直近の納税申告書のコピーを用意しておき、会社と IRS の関係が円滑であることを融資者に伝えられるようにしましょう。
事業計画を作成する: 成長や拡大のためにローンを申請する場合は特に重要です。ビジネスモデル、市場分析、成長予測、そしてローンが目標達成にどう役立つかを明確に記載します。資金の用途とビジネスへのメリットも具体的に説明してください。
個人財務資料の作成: これらの資料は融資者によって審査されます。起業からまだ間もない、あるいは財務基盤が十分でないようであればなおさら審査の対象となります。審査に備え、個人の財務資料 (信用スコアや納税申告書など) を提出できるようにしておきましょう。
補足書類の準備: 融資者は、事業に関連するライセンス、契約書、法的文書などの情報を追加で要求する場合があります。完全な申請書を遅滞なく提出するためにも、必要な資料はすべて事前に収集しておきましょう。
EIN を利用した別の資金調達方法
従来のローンがスタートアップに適していない場合、EIN を活用した代替融資オプションを検討できます。強固な財務履歴に裏付けられた EIN があれば、信頼性を高め、さまざまな融資者からより有利なローン条件を引き出しやすくなります。
代替として利用できる融資オプションには以下のようなものがあります。
法人カード: 法人カードでは、EIN に紐づけられたリボルビングクレジットラインを利用できます。節度を保ちつつ、短期的な出費に利用することで、会社の信用力が高まっていきます。
マーチャントキャッシュアドバンス (MCA): MCA は、将来のカード売上の一定割合と引き換えに、前払いで資金を提供します。資金への迅速なアクセスが可能ですが、手数料が高くなります。
クラウドファンディング: Kickstarter や GoFundMe などのプラットフォームを通じて、一般から資金を調達できます。
ベンダーファイナンス: 一部のサプライヤーは、商品の購入時に長期払いのオプションを提供しています。
ビジネスグラント: 政府機関や民間団体がコンペを通じてビジネスグラントを提供しています。これらのグラントは返済不要です。
ピアツーピア融資: オンラインのピアツーピア融資プラットフォームで、企業は個人投資家から資金提供を受けられます。
EIN が金利と融資条件に与える影響
事業資金を調達する際は、EIN を使って申請し、個人と会社の財務を分離することが重要です。融資者は、EIN から会社の信用スコアと財務健全性を確認し、融資の金利と条件を設定します。
会社の信用力が高ければ、大抵の場合、低い金利や魅力的な融資条件のオファーへとつながります。一方で、信用力が低いと、金利が高くなる、あるいは融資に個人保証を義務づけられる可能性があります。同様に、EIN から堅実な財務実績 (収入、資産など) が読み取れる場合は、高額な融資や長期の返済期間が認められます。
Stripe Atlas によるサポート
Stripe Atlas は、会社の法的基盤を構築し、世界中どこからでも 2 営業日以内に資金調達、銀行口座開設、決済の受け付けを行うことを可能にします。
Atlas を使用して法人を設立した 75,000 社以上の企業の仲間入りができます。その中には、Y Combinator、a16z、General Catalyst などのトップ投資家が支援するスタートアップも含まれます。
Atlas への申請
Atlas での会社設立申請は 10 分もかかりません。会社の組織形態を選択し、会社名が使用可能かどうかを即座に確認し、共同創業者を最大 4 名追加できます。また、株式の配分方法を決定し、将来の投資家や従業員のために株式プールを確保し、役員を任命して、すべての書類に電子署名します。共同創業者にも書類への電子署名を求めるメールが届きます。
EIN が届く前の決済と銀行取引
会社設立後、Atlas が EIN を申請します。アメリカの社会保障番号、住所、携帯電話番号を持つ創業者は IRS の迅速処理を利用でき、その他の創業者は標準処理となり、少し時間がかかる場合があります。また、Atlas では EIN 取得前の決済や銀行取引が可能なため、EIN 到着前に決済の受け付けや取引を開始できます。
創業者株式のキャッシュレス購入
創業者は、現金の代わりに知的財産 (著作権や特許など) を使用して初期株式を購入でき、購入証明は Atlas ダッシュボードに保存されます。この機能を利用するには、知的財産の評価額が $100 以下である必要があります。それ以上の価値の知的財産を所有している場合は、手続きを開始する前に弁護士に相談する必要があります。
83(b) 税務選択の自動申請
創業者は 83(b) 税務選択を申請して個人所得税を軽減できます。Atlas は、アメリカ人創業者でもアメリカ人以外の創業者でも、USPS 配達証明郵便と追跡サービスで申請を代行します。署名済みの 83(b) 選択と申請証明は Stripe ダッシュボードで直接受け取れます。
世界水準の会社の法的文書
Atlas は、会社経営を開始するために必要なすべての法的文書を提供します。Atlas の C 法人書類は、世界有数のベンチャーキャピタル法律事務所である Cooley と共同で作成されています。これらの書類は、所有権構造、株式分配、税務関連の法令遵守などをカバーし、すぐに資金調達を開始でき、会社が法的に保護されるよう設計されています。
Stripe Payments を 1 年間無料で利用可能、さらに 5 万ドルのパートナークレジットと割引
Atlas はトップクラスのパートナーと提携し、創業者に限定の割引やクレジットを提供しています。AWS、Carta、Perplexity などの業界リーダーによる、エンジニアリング、税務、財務、法令遵守、オペレーションに不可欠なツールの割引が含まれます。また、初年度はデラウェア州の登録代理人を無料で提供します。さらに、Atlas ユーザーは、最大 10 万ドルの決済量に対して最大 1 年間の無料決済処理など、追加の Stripe 特典を利用できます。
Atlas を利用して新しい事業をすばやく簡単に立ち上げる方法の詳細を確認し、今すぐ始めることができます。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。