課題
1993 年に EC サイト「Tennis Warehouse」を開設して以来、創業者の Drew Munster 氏は、独自のバックエンドシステムの構築やサードパーティーの決済代行業者との連携の実装など、自ら実務に携わってきました。しかし、Sports Warehouse (Running Warehouse や Tackle Warehouse などを傘下に収める親会社) のもとで 12 のブランドを展開するスポーツ用品専門の小売業者へと進化し、ヨーロッパやオーストラリアへと拡大するにつれ、そうしたアプローチは複雑さを増していきました。2022 年までに、Munster 氏は複数の決済処理システムを組み合わせた方法が限界に達したことに気付きました。
すべてのブランドにおいて、Munster 氏とそのチームは、顧客の習慣が急速に変化し、スマートフォンで買い物をする顧客が増えていることに気付きました。たとえば、Tackle Warehouse の顧客の中には、ボートの上から買い物をする釣り人もいました。こうした顧客を引き留めるには、モバイルファーストの決済手段を追加する必要があると同社は認識していました。
あいにく、同社の決済手段を拡大すれば、ただでさえ各決済方式で個別のフローが存在する複雑なシステムにおいて、さらなる複雑化を招くことになります。決済の受け付けと返金のプロセスをシンプルにするために、Sports Warehouse は、クレジットカードから EUR 銀行振込、Afterpay、Klarna、Cash App まで、あらゆるものを一元化された 1 つの決済フローで処理できる統一システムを必要としていました。
また、統合された決済システムがないために、会計目的で各市場全体の決済情報の全社的なビューを把握することが困難でした。さらに、事業の拡大に伴い、Sports Warehouse のコンプライアンス負担は増大し、手作業による不正利用管理プロセスには多くの時間が費やされていました。
適切なソフトウェアは、こうしたニーズに対応できるだけの高度な機能を備えている必要があることは明白でした。その一方で、柔軟性があり開発者にとって使いやすく、Munster 氏の社内の少人数の開発者チームが Sports Warehouse の EC エコシステム全体にある 12 のウェブサイトすべてに迅速に実装できるものである必要もありました。
解決策
Sports Warehouse は、100 を超える決済手段と 135 以上の通貨に対応するグローバルな決済プラットフォームである Stripe Payments に決済処理を統合することを選択しました。その結果、顧客の決済手段や地域に関係なく、すべての取引に対して 1 つの決済フローが実現しました。
フロントエンドの決済処理を強化するために、Sports Warehouse は Stripe 決済ソリューションを導入しました。これには、Stripe Elements (決済フローを改善し、コンバージョンを促進する組み込み可能な UI コンポーネントのセット)、前述の 100 種類の決済手段へのアクセス、そして顧客の決済情報を自動入力して迅速かつ簡単な決済環境を構築する Stripe のワンクリック決済機能である Link が含まれます。
Sports Warehouse は、Payment Element を既存の決済フローに組み込みました。このフローは地域によってわずかに異なっていました。組み込み後、Payment Element は顧客に関連する決済手段を自動的に提示するようになり、Sports Warehouse は追加のコードなしで必要に応じて決済手段を追加できるようになりました。Sports Warehouse は、顧客がより簡単に、シームレスに取引を完了できるようにするために、Link を追加する予定です。
Stripe に統合したことで、Sports Warehouse はアカウントリソースの操作やワークフローを管理する中央の UI である Stripe ダッシュボードにアクセスできるようになりました。ダッシュボードにより、市場全体の同社の会計が統合されました。「決済という点において同じ言語を話せるようになったことは、私たちにとって非常に有益です」と Munster 氏は語ります。
機械学習を使用して不正利用をリアルタイムで防ぐ Stripe Radar により、Tennis Warehouse の不正利用防止プロセスが統一されました。「システムが 1 つになれば、危険がどこにあるかを把握しやすくなります。1 つの管理セットを使用することで、内部からの漏洩がないという安心感も得られます」と Munster 氏は言います。
最後に、Stripe の優れたソフトウェア設計、充実したドキュメント、効果的なサポートにより、実装上の問題は回避されました。「Stripe で機能しないものは見つかりませんでした」と Munster 氏は語ります。
結果
新しい決済手段の簡単な実装
Sports Warehouse の各ブランドは、Stripe の Payment Element を使用することで、Apple Pay、Google Pay、Amazon Pay などのデジタルウォレットを含む 14 を超える決済手段を簡単に提供できるようになりました。同社はまた、Przelewy24、iDEAL、giropay などのヨーロッパの現地決済手段や、Klarna や Afterpay などの後払いオプションを追加しました。
これらの手段を追加して以来、ドイツでの Sports Warehouse の決済の 27% は PayPal を使用して行われています。オーストラリアでは、Sports Warehouse の決済の 13% が Afterpay を使用して行われており、これらの取引の平均注文量はクレジットカードによる決済よりも多くなっています。アメリカでは、Apple Pay が Sports Warehouse で 2 番目に人気のある決済手段です。
オーソリ成功率の 3.64% の向上と返金プロセスの簡素化
すべての決済フローを Stripe で一元化することで、Sports Warehouse はネットワークトークンや Stripe 自動カード更新機能ソリューションなどの Stripe の決済最適化ツールを活用できるようになりました。これらの機能により、Sports Warehouse の基本オーソリ成功率は 3.64% 向上しました。
新しく統合された決済システムにより、Sports Warehouse の返金プロセスも簡素化されました。以前は、決済手段ごとに個別の返金プロセスが必要で、中には非常に複雑なものもありました。Stripe により、Sports Warehouse には返金を処理するための 1 つのシステムが提供されました。Munster 氏は、この合理化されたソリューションにより「大幅な時間の節約になった」と述べています。
わずか 4 週間で完了した最初の Stripe 実装
充実したドキュメント、優れた API、そして迅速なカスタマーサポートにより、Sports Warehouse は最初のウェブサイトへの Stripe の実装を簡単に完了できました。「ほんの数週間で Stripe を稼働させることができました」と Munster 氏は言います。その後、同社は残りのサイトをこの統合プラットフォームに簡単に統合しました。
Stripe と連携する前は、決済の世界は必要悪だと考えていました。何らかの形で資金を受け取る必要があっただけなのです。しかし、Stripe の活用を進めるにつれて、さまざまな機能のメリットに気づき、プログラマー仲間によって設計された最新の決済システムを使用することが、自社にとってどれほどプラスになるかを実感しました。