課題
パリを拠点とする Shotgun は、2014 年の設立以来、ライブイベント市場の急速な変化に継続的に適応してきました。Shotgun の当初の顧客は、フランスでコミュニティ主導の小規模イベントを開催する団体でした。 しかし、2021 年以降、Shotgun は新しい国を開拓し、より大きな会場、プロモーター、およびフェスティバル運営団体と協力することで成長の機会を見出しました。
このような機会を活かすには、決済テクノロジーのより広範な対応範囲と能力が求められました。フランス以外でもサービスを拡大するために、Shotgun は複数の国での支払いに対応する必要がありました。また、各市場における新規顧客のアカウント登録プロセスを簡素化する方法も必要でした。Shotgun が国際展開するにあたり、これらの市場への進出に伴う広範囲にわたる不正利用リスクに直面していたため、不正利用管理システムの強化にも迫られていたほか、チャージバック費用が特定の種類の支払い方法で高額になっていることなどの問題に対する保護も強化したいと考えていました。
Shotgun の顧客基盤が拡大され、より大きなイベント運営団体、プロモーター、会場が増えるにつれて、同社は顧客体験を向上させる必要がありました。Shotgun は、より多くのチケット購入者が、より多くの支払いオプションを含むシームレスで高度にパーソナライズされた体験を求めていることを認識しました。たとえば、若年層の顧客は、デジタルウォレットやその他のモバイル決済手段での支払いをますます好むようになりました。一方、大規模イベントはチケット価格が高額になるため、後払いの決済手段が求められるきっかけとなりました。
最終的に、同社はチケット販売以外の購入もサポートする包括的な決済ソリューションを提供する必要がありました。食品、飲料、グッズなどの購入に対する支払いをその場で受け付け、ベンダー、ミュージシャン、会場に簡単に支払う機能をイベント運営団体に提供したいと考えていました。
ソリューション
当初から Stripe と連携することで、Shotgun はその成長を支える強力な基盤を獲得しました。Shotgun は、その中核となる Stripe Connect および Payments システムを利用して決済システムを改善し、急速に変化するライブイベント市場に遅れを取らないようにしました。
Shotgun の共同創設者兼 CEO である Tristan Le Corre 氏は次のように述べています。「当社はこうした変化に対応するために実装スピードを重視してきました。そうすることで、運営団体に対する柔軟な支払いやユーザーに対する追加の支払いオプションなどの新機能を素早くテストし、改良できるようにしました」
Shotgun は、Connect をチケットマーケットプレイスの基盤として使用することで、追加の開発作業なしで、かつ現地の団体や銀行口座を準備する必要もなく、ポルトガル、ブラジル、アメリカなどの国に進出することができました。Shotgun は独自のアカウント登録プロセスを管理しており、Connect Webhook を利用してユーザープロファイルの自動更新を実装しています。
Shotgun は国際展開に関連する追加の不正利用リスクに対処するために Stripe Radar を導入しました。Radar の機械学習アルゴリズムは、数百万のグローバル企業からの取引データと不正利用データを活用し、正当な顧客の処理を続けながら、不正利用の試みをより効果的にブロックしています。
チケット購入者の支払い体験を向上させるために、Shotgun は 2024 年に従来の Card Element から Stripe の最適化された決済プロダクトに移行しました。最適化された決済プロダクトには、Stripe Elements を通じて埋め込み可能な UI コンポーネントのセットが含まれています。クレジットカードは Shotgun で最も広く使用されている決済手段であり、最適化された決済プロダクトにより、Apple Pay や Google Pay などのウォレットの決済手段、ならびにブラジルの Pix やポルトガルの MB WAY などの現地のデジタル決済手段に簡単に対応できるようになりました。また、イベント運営団体が参加者に後払いオプションを提供できるようにする機能も実装されました。
2025 年には、Shotgun は、iPhone や Android デバイスで直接、物理カードやデジタルウォレットを使って非接触の決済を行うことができる決済ソリューションである Stripe タッチ決済を搭載した Terminal を導入することで、現地でのチケット販売や飲食物の購入に対応する予定です。イベントでタッチ決済を採用したイベント運営団体は、接続されているアプリを介して商品を直接販売できます。この実装により、Shotgun は各イベントからの支払いデータを統合された状態で運営団体に提供できるようになり、運営団体はライブ産業の中核を担うサードパーティのベンダーやアーティストへの支払いを簡単に管理できるようになります。
結果
3 年間で決済額を 3,000 万ユーロから 2 億ユーロに拡大
Shotgun は、Connect を含む Stripe プロダクトの簡単な導入が同社の継続的な成長を促進してくれると信頼を寄せています。Le Corre 氏は次のように述べています。「数行のコードを実装するだけで、支払いの処理を開始し、すぐに収益を生み出すことができました。当社は Stripe により、過去 10 年間で事業を劇的に拡大することができました。」
Connect によって国際処理の割合が 20% に拡大
Connect を利用することで新しい市場への参入に伴う法令遵守と税務管理の問題が簡素化され、Shotgun はより容易に国際展開を進めることができました。現在、同社は 49 カ国でチケットの販売を処理しており、その国際事業は Shotgun の総処理量の 20% を占めています。
Apple Pay と Google Pay がヨーロッパの支払いの 50% を占有
最適化された決済プロダクトの導入により、Shotgun は支払いオプションの拡張メニューをすぐに提供することができました。ユーザーはデジタルウォレットの追加を歓迎しており、ヨーロッパで行われる支払いの 2 つに 1 つは Apple Pay や Google Pay を介して行われます。Shotgun は、最適化された決済プロダクトの A / B テスト機能を使用して、ポルトガルで MB WAY を展開する前に購入完了率への影響を評価しました。現在、ポルトガルのすべての支払いの 45% 以上が MB WAY を介して行われています。
Stripe を使用することで、プロダクトチームはクライアントの興味をそそる新機能の構築に集中することができました。これにより、労力を最小限に抑えながら、新しい国、新しい決済手段、新しいサービスを打ち出すことができました。