課題

Pie は、商業保険を手頃な価格で提供し、シンプルで信頼できるものにしたいと考えています。独自の価格設定モデルとデータに基づくアプローチにより、保険料の支払いを銀行口座から直接行うスムーズで安全な支払い体験を求める、中小企業経営者に保険を提供しています。同社は、目覚ましい成長を続ける一方で、シームレスな顧客体験を維持し、向上させるための適切なインフラを必要としていました。

同社のカスタマーサクセス担当バイスプレジデントである Melissa Eaton 氏は次のように述べています。「保険はもともと単純なものではありません。最高の顧客体験を提供し、成長目標を達成し続けたいと考えていますが、そのためには、保険への加入をとても簡単にするソリューションが必要です」

Pie では、新規顧客の ACH 利用率が平均 24% にとどまっていました。これは、以前使用していたアカウント認証ツールが、商業アカウントの要件に対応できなかったためです。そのため、自社の請求ロジックや保険プラットフォーム、および保険特有のコンプライアンスに適合するソリューションが必要でした。幸いにも、同社はすでに決済処理に Stripe Payments を使用していたため、Stripe の強力な API を使用して ACH ソリューションなどを開発することに決めました。

ソリューション

Pie は、Stripe とのこれまでの経験に基づき、社内の複雑な請求インフラに導入できる新しいソリューションの開発に取り組みました。Stripe の API を使用してカスタムソリューションを構築することで、顧客の ACH 登録を大幅に簡素化することに成功し、ACH 利用率を 2 倍以上の 58% に伸ばしました。

「保険特有のコンプライアンス、請求方法、料金体系を維持しながら、社内の保険プラットフォームの複雑な請求ロジックを調整する必要がありました。当社にとって Stripe は当初からの決済処理パートナーですが、現在では、支払い、顧客のアカウント設定時のセキュアトークン、請求書発行など、決済インフラ全体で Stripe を使用しています」と Eaton 氏は付け加えます。

現在 Pie は Stripe の利用を拡大しています。Stripe Invoicing によって数分で簡単に請求書を作成・送信し、Stripe Invoicing API で支払いの回収と消し込みを自動化しています。Stripe Sigma では、Stripe ダッシュボード内で、事前定義された SQL クエリやカスタムクエリを使用して、データを素早く分析し、ビジネスインサイトをより迅速に把握できます。また、Stripe Radar を活用し、数百万ものグローバル企業のデータに基づく機械学習により、不正使用を検知・ブロックすることができます。

さらに、Stripe プラットフォームの利用拡大に加え、以下のような高度な Stripe Payments 機能も活用し続けています。
- 自動カード更新機能は、カードネットワークと直接連携し、カードの交換や有効期限切れが発生した際に支払い情報を更新します。
- Smart Retries は、Stripe ネットワーク上の情報を活用する機械学習により、失敗した支払いを再試行し、支払い成功率を高めます。
- Adaptive Acceptance は、同じく機械学習を利用して、顧客に応答が返される前に、リアルタイムで拒否された支払いを適切に選定して再試行します。

結果

Pie Insurance は、急成長中のベンチャー企業として、中小企業向け商業保険の分野を変革するという高い目標を掲げ、その実現を目指しています。Stripe の幅広い決済プラットフォームにより、顧客に柔軟な決済オプションを提供しながら、あらゆる面で使いやすさを維持することが可能になりました。この組み合わせにより、同社は大きな成長を遂げることができました。

6% を超える支払い成功率の向上と ACH 登録の合理化

Pie は、自動カード更新機能、Smart Retries、Adaptive Acceptance といった Stripe の高度なオーソリ機能を利用して、より多くの支払いを成功させています。支払い拒否の減少により、全体的な顧客体験が向上しており、これは顧客維持率 80% 以上という素晴らしい数値に表れています。

Eaton 氏は次のように話します。「過去 1 年間で、これらの Stripe の機能により、支払い成功率が 5% 向上しました。この 5% の支払いは、Stripe なしでは拒否されていたはずです。過去 4 週間では、6％ 以上の向上が見られ、Stripe によって支払い成功率の上昇を維持できています」

ACH 口座の利用が 250％ 以上増加

Pie は主に中小企業の顧客を対象としており、それらの企業は法人口座から直接ベンダーに支払うことを望んでいます。煩雑な ACH プロセスは中小企業の顧客をいらだたせ、競合他社への乗り換えを招くおそれがありました。Stripe の導入により、合理化されたアカウント登録とカスタマイズされた支払い設定プロセスを迅速に構築することで、ACH 詳細の取得が簡単になり、内部コストと不正使用を削減することができました。

「Stripe を使用して独自のプロセスを開発すると、ACH の受け入れに大きな変化が見られました。新規顧客の ACH 利用率は平均 24% 程度でしたが、今では平均 58% になりました。これは、Pie だけでなく、エンドユーザーにとっても素晴らしい体験でした」と Eaton 氏は述べています。