チャレンジ

ファッション業界は変化が極めて激しいことで知られており、1948 年に設立されたハイストリート小売業者 River Island は、数多くの新興オンライン小売業者との競争に直面していました。決済環境が絶えず変化する中、小売業者は顧客の嗜好に歩調を合わせ、決済システムが可能な限り最高の顧客体験を提供することを確保する必要があります。しかし、River Island はますます扱いにくくなったレガシーアーキテクチャに依存しており、承認率の向上、柔軟性の向上、進化するビジネスモデルへの対応のために決済プラットフォームを近代化する必要がありました。

この小売業者の断片化された決済システムは、オンラインと店舗での決済体験が統合されていないため更新が困難で、異なる動作をする複数のシステムにわたって更新を行う必要がありました。これは費用のかかる取り組みでした。より良い顧客体験を提供し、コストを削減するため、River Island は店舗とオンラインを横断する統合決済ソリューションを構築し、その過程で店舗でのショッピング体験を再構築したいと考えていました。

「私たちにとって、オンラインもオフラインもありません。顧客はただシームレスな体験を求めているのです」と River Island のテクノロジー担当取締役 David Edwards 氏は述べています。「最高の体験を創出し、この 2 つの世界の境界を曖昧にすることが重要なのです。」

ソリューション

River Island が決済システムの全面的な見直しに着手した際、イギリスとヨーロッパの主要ブランドとの豊富な協業経験を持つ IT コンサルタンシー Cabiri の支援を仰ぎました。両チームは協力して、River Island のビジョンを実現できる決済代行業者として Stripe を特定しました。

「Stripe をパートナーとして選択した主な理由の一つは、プロジェクト実行フェーズで提供された手厚いサポートでした」と Cabiri の CEO Rex Bigger 氏は述べています。「Stripe は個別対応の 1 対 1 サポートを提供し、発生したあらゆる質問や懸念に対処し、主要なマイルストーンに基づいてプロジェクトが順調に進むことを保証しました」

River Island と Cabiri は、River Island の既存の断片化されたシステムを置き換える複数の Stripe 製品を導入するため、Stripe プロフェッショナルサービスチームと密接に連携しました。

オンライン決済では、River Island は Stripe Payments と Stripe Elements を使用しました。承認率の向上を支援するため、この小売業者は、支払い拒否後のすべてのカード決済において失われた収入を回復するために最適な再試行メッセージングとルーティングの組み合わせを特定する Stripe Adaptive Acceptance を使用しています。

River Island は、セキュアで埋め込み可能な UI コンポーネントを通じて世界各国の最も関連性の高い決済手段を表示する Payment Element を含む Stripe の最適化決済スイートを活用しました。River Island は 2023 年に 3 つの決済手段を迅速に追加することができました。これには River Island が専用ドメインを持つすべての国での Apple Pay と Google Pay、およびアイルランド店舗での Klarna が含まれます。コンバージョンの促進を支援するため、River Island は Payment Request Button を使用して決済時に Apple Pay と Google Pay のウォレットオプションを動的に表示し、顧客がデバイスでこれらのオプションを有効にしている場合に確認できるようにしました。

River Island は、顧客が希望する決済オプションで顧客体験を向上させ、コンバージョンと収入を増加させる迅速で簡単な決済プロセスを提供するため、Stripe の最適化決済スイートのこれらのコンポーネントを活用しました。摩擦をさらに減らし、より多くの顧客のコンバージョンを実現する可能性を認識し、同社は顧客が決済と配送の詳細を保存・自動入力して決済を加速できる Link の追加も計画しています。

店舗内キオスクでは、River Island は Stripe Terminal カードリーダーを導入し、単一の Stripe 統合によりすべてのオンラインおよびオフライン販売を一元管理できるようになり、統合された顧客ビューを提供しています。

特定の店舗では、River Island は埋め込み RFID タグで認識される買い物客が選択した衣服を即座に表示するスクリーンを備えたスマート試着室を設置しました。このスクリーンを使用して、顧客は販売スタッフに異なるサイズをリクエストし、他のアイテムの提案を閲覧できます。顧客が決済の準備ができたら、レジに並ぶ必要はありません。試着室を出て、セルフ決済キオスクに向かい、Stripe Terminal カードリーダーで支払いを行うだけです。キオスクは現在、インターネット経由で Stripe Terminal SDK に接続する BBPOS WisePOS E カウンタートップリーダーを使用しています。顧客に質問がある場合は、近くに River Island のスタッフがサポートのために待機しています。

「私たちは、従来と同等の顧客体験を重視するソリューションの開発に注力しました」と Bigger 氏は述べています。「技術的な変更を River Island の既存のユーザージャーニーと慎重に整合させることで、Stripe が同社の決済プロセスにシームレスに導入されることを実現しました」

Cabiri はさらに、Stripe を commercetools に導入し、グローバル販売を簡素化するコンポーザブルコマースソリューションを提供しました。commercetools のクラウドネイティブかつヘッドレスなアーキテクチャと Stripe の決済インフラを組み合わせることで、River Island は進化する顧客ニーズに対応するため決済体験を迅速に適応させる柔軟性を獲得しました。

成果

Stripe と Cabiri により、River Island は扱いにくいレガシー決済スタックを、より良い顧客体験を提供し、全チャネルで効率的にビジネスを展開するために必要な現代的で洗練されたソリューションに置き換えました。Stripe は現在、River Island 店舗のすべてのセルフサービス決済に加え、この小売業者のオンライン販売の 100% を処理しています。この導入により、River Island は顧客と収入フローの統一ビューを獲得しました。

承認率が 3% 向上

導入後間もなく、River Island は承認率の向上を確認しました。Adaptive Acceptance と Payment Element を含む複数の Stripe ソリューションが、River Island によるこの成果の達成に貢献しました。Apple Pay や Google Pay などの新しい決済手段を追加することも、従来のオンラインカードフォームと比較してより高い承認率をもたらす可能性があります。

Payment Element により、River Island はこれらの変更を迅速に実装でき、各決済手段を 1～2 か月かけて導入していた従来と比べ、わずか 1 つのスプリントで 3 倍の速度で追加できました。

同社はまた、決済プロセスの確認・支払いステップから取引完了ステップに進む顧客が 2% 増加し、これが同社の全体的な購入完了率にプラスの影響をもたらしました。より多くの顧客が決済を完了し、提出された決済の承認数が増加しているため、River Island は収入の向上を見込んでいます。

「Stripe とのパートナーシップの最初の 12 か月で、従来では実現できなかった数百万ドル相当の追加売上を獲得する見込みです」と River Island のデジタルプロダクトリードを務める Emily Haddrell 氏は述べています。

よりパーソナライズされたショッピング体験の実現

River Island の最初のセルフ決済キオスクの初期試験は成功を収めており、店舗の顧客の 40% が利用しています。また、従来の有人レジと比べて約 30% 高速化を実現しています。これによりこの店舗の購入完了率が 1% 向上し、River Island がキオスクの展開を継続することで、同社は全国の店舗で購入完了率の改善を見込んでいます。

commercetools により、River Island は RFID セルフ決済サービスを通じてショッピング体験を向上させ、顧客が商品を RFID 対応バスケットに入れるだけでシームレスに購入を完了できるようになり、従来のレジが不要となりました。

Cabiri について

Cabiri は、ヘッドレスかつサーバーレスの EC ストアソリューションに特化した小規模専門店向けのコンサルティング事業を運営しています。小売業、高級品販売業、エンターテインメント産業に関する豊富な経験を活かして、企業や開発者との緊密な協力関係を築き、オムニチャネルのデジタルコマースソリューションを世に送り出しています。