課題
DeNA は、スポーツ、ゲーム、ヘルスケアなど同社グループのサービス全体で利用が可能となるデジタルウォレット「DeNA Pay」をリリースしました。クレジットカードやコンビニでのチャージに対応し、スポーツ領域を皮切りにサービスを開始しましたが、リリース直後から、不正利用が確認されました。
新しい決済サービスの立ち上げには、初日から不正利用への対応が求められます。チームは即座に決済時の3Dセキュア認証要求の必須化を導入し不正利用は大幅に低下しましたが、不正利用の影響により正規利用者の決済承認率も低下しました。
チャージができないといったトラブルや問い合わせが寄せられるなか、金額やクレジットカードを変えてリトライしてもらうよう案内する状況が続いていました。スポーツ興行のシーズン開始が迫る中、決済承認率の改善は喫緊の課題でした。
ソリューション
バーチャルプリペイドカードサービスは、DeNA にとって初めての試みだったこともあり、リリース前から全般的なサポートを受けられるStripe の有償サポートの利用を検討していました。実際、リリース後に不正利用が検知されたことから、2025年1月には有償サポートの利用を開始し、あわせて Stripe Radar for Fraud Teams も本格的に運用を開始しました。
不正利用を阻止しながら正規利用者を失わないためには、別のアプローチが必要でした。プレミアムサポートと協力し、チームは不正利用のパターンを明確に把握し、決済承認率とのバランスを取りながら Radar のルールを最適化するなど、的確な対策を構築していきました。パターンを変えて不正を繰り返すユーザも一定数おり、数ヵ月間にわたって継続的に対策を実施しました。
「相談に対してその場で Radar に追加するルールの提案があり、その知見の豊富さに助けられました」ソリューション本部エンタープライズ事業部顧客・共通基盤推進部企画・推進グループグループマネージャーの後藤 麻里子氏は語りました。
DeNA は不正アカウントの対策や不正決済が疑われる加盟店の整理を進める一方、Radar が不正な取引を自動的にブロックしました。不正の手口が変化するたびに、チームは Radar の組み込みツールを活用して防衛策を強化していきました。コンビニ決済をリリース後に追加した際も、プレミアムサポートに相談しながらスピーディに対応を完了しました
不正対策のアドバイスにとどまらず、プレミアムサポートはチームにとってより広い判断についての相談先にもなりました。ソリューション本部エンタープライズ事業部顧客・共通基盤推進部 部長の田中義也氏は、「自分達で検討した方法が最適かどうか、についても、すぐに確認できます。些細なことも、すぐに Stripe 担当者に相談でき、スムーズに対策強化を進められました」と評価します。
成果
DeNA Pay 残高チャージの決済承認率を約10%改善
有償サポートの利用開始後、3ヵ月ほどで成果が表れはじめ、3Dセキュアによる対策も含め、決済承認率が約10%改善し、その後まもなく完全に回復しました。
「自分達だけで対応していたら、不正利用の影響が長引いた可能性が高かったと思います。有償サポートのおかげで、素早く状況を改善できました」と田中氏は振り返ります。
DeNA Pay の不正対策を強化し、サービス品質を向上
Radar のカスタマイズルールの追加などの不正利用の対策を進める上で、有償サポートにより、外部のプロフェッショナルへすぐに相談できたことで、サービス品質の向上にも大きく貢献しました。
DeNA Pay のトラブルに関する問い合わせが80%削減
2025年3月より、スポーツ興行の現地にてDeNA Pay のサポートブースを設置し、利用者に操作方法などを案内していましたが、ここでもチャージができないなどの問い合わせは徐々に減少してきました。
今後も新しい Stripe の機能を適宜取り入れ、継続的に対策を行なっていきます。Stripe の決済データは、マーケティングやDeNAアカウント全体の不正対策にも活用できる可能性があり、将来的なデータ連携を検討しています。
定期的な議論を通じて、弊社チームメンバーの決済に関する知識と専門性が徐々に深まっているのを実感しています。