課題

Melody McCloskey 氏は、美容や理髪のプロがやりたいことで成功できるように、2011 年に StyleSeat を立ち上げました。起業間もないスタイリストの 75% は女性、50% は有色人種であり、こうした人たちの売上を促進させることが、StyleSeat の企業理念の中核です。StyleSeat は当初から、クライアントが新しいスタイリストを見つけることができるオンラインマーケットプレイスと、スタイリストがオンライン予約とスケジュール管理のツールをサブスクリプションベースで活用できるサロン管理ソフトウェアを提供してきました。StyleSeat が新規ユーザーを急速に獲得するにつれ、チームはスタイリストやクライアントから、決済プロセスが面倒であるため、サロンを利用するうえでのネガティブな要素になっているという意見を聞くようになりました。

「StyleSeat でクライアントの決済情報を保管し、サービスを受けたクライアントがすぐに立ち去ることができるようように、決済取引のわずらわしさを取り除き、シームレスな決済体験に構築したいと考えていました。そうすることで、クライアントは再予約もしやすくなり、前もってサービスに支払い、チップを残すこともできます」(StyleSeat 最高技術責任者 Greg Burch 氏)

支払い機能をマーケットプライスとソフトウェアに埋め込むという選択肢を評価する際、StyleSeat は、同社の小規模なエンジニアチームではペイメントファシリテーターになることおんらいいことにすぐに気付きました。スタイリストとクライアント向けに便利な決済機能を開発しながら、プラットフォームの他の部分の開発を継続するために、StyleSeat は Stripe に頼ることにしました。

解決策

Stripe のお陰で、StyleSeat はビジネスのさまざまな局面を拡大させることができました。同社は Stripe Connect を使用して、オンラインでの決済サービス StyleSeat Payments を立ち上げました。このサービスでは、クライアントは StyleSeat のアプリまたはウェブサイトから直接、検索、予約、支払いをシームレスに行うことができます。StyleSeat はスタイリストとクライアント向けの機能を向上させただけでなく、取引マークアップを若干上乗せすることで、強力な収入源も創出しました。

また、StyleSeat は Stripe Billing も連携させて、スタイリストが StyleSeat のソフトウェアを利用するために定期的に支払うサブスクリプションの決済を強化しました。Stripe Radar は、数十億ドルもの取引から不正使用を検出・防止しています。StyleSeat 社内では、Stripe Sigma を使用して、支払い、売上、アクティビティなどを詳細に把握できる高度なレポート機能にアクセスできます。今後の成長維持に向けて、同社の製品チームは、資金調達、カード発行、サービスとしてのバンキングなど、Stripe の組み込み型金融サービスによって得られる機会を探ろうとしています。

StyleSeat は、Stripe の包括的かつ進化し続ける一連のオプションを利用することで、社内のエンジニアリソースに大きく依存せずに、新機能に簡単にアクセスできるようになりました。Burch 氏は、StyleSeat が Stripe の急速なイノベーションから得られるメリットの一例として、Instant Payouts を挙げています。開発の手間を最小限に抑えて、わずか数週間で Instant Payouts をリリースした結果、スタイリストは週末や休日でも、すぐに現金を引き出して備品を購入したり、高額購入に資金を投じたりできるようになりました。

Burch 氏は次のように続けます。「StyleSeat は、他の決済業者を利用することや、自らペイメントファシリテーターになることさえ検討していました。しかし、私は決済システムを構築するために StyleSeat に入社したわけではないので、この考えには後ろ向きでした。Stripe のお陰で、ビジネスの拡大、新製品の開発、決済の最適化、クライアントやスタイリストとの信頼関係の構築が実現しました」

結果

リリース以来、StyleSeat によってスタイリストが獲得した予約件数は 1 億件以上、売上 は 75 億ドルにのぼります。Stripe の一連の決済製品を導入したことで、クライアントによる操作を簡素化し、起業間もない顧客がビジネスを成長、展開できるようにすることで、容易に事業を拡大できます。

最適な料金体系と高度な予約管理で、スタイリストの売上は 75 億ドルを記録

StyleSeat は、Stripe を使用して決済プロセスの負担を取り除いています。スタイリストは、Styleseat アプリケーション内に完全に埋め込まれているユーザー登録フローによって、すぐに StyleSeat Payments に登録でき、Stripe が舞台裏で決済の「顧客確認 (KYC)」の義務を引き受けます。設定が完了すると、スタイリストはクライアントからのクレジットカード決済をアプリで直接受け入れたり、残高を簡単に確認したり、すぐに現金を引き出したりすることができます。
StyleSeat は、需要が高まっている場合に料金を自動的に調整するスマートな料金体系アルゴリズムを提供しています。そのため、スタイリストはクライアントに最適な料金を請求できます。また、StyleSeat のスタイリストは、キャンセル料および無断キャンセル料を自動適用したり (StyleSeat の推定では、この機能により、スタイリストは 2020 年に200 万ドル近くを節約できました)、営業時間外にプレミアム予約を提供したりすることもできます。StyleSeat は、プラットフォームを経由する取引額の一部を徴収しているため、スタイリストの成長が StyleSeat の成長にもつながっています。
「StyleSeat での予約率は過去数年間で 6 ～ 7 倍に成長しました。これが実現したのは、Stripe を通して、スタイリストにもクライアントにも使いやすいシステムを構築できたためです」

簡単で効率的な決済体験により、スタイリストのチップ収入が 40% 増加

対面でのチップの支払いは気まずさを伴うことがあり、特に、クライアントが現金で支払う場合は、少額になりがちです。StyleSeat は、Stripe を利用した StyleSeat Payments によって、クライアントがチップを前もって、あるいは後で支払えるようにすることで、チップに対するプレッシャーを取り除いています。その結果、スタイリストのチップ収入は平均で 40% 増加しています。「プラットフォーム内で簡単にチップを支払える機能は StyleSeat にとって非常に重要であり、Stripe のお陰で実現しました。クライアントは、
チップ金額の自動設定、または端数の切り捨てではなく、切り上げを行うことが可能です」と、Burch 氏は語ります。

市場をリードする製品の迅速な開発

StyleSeat の全従業員は 200 人に満たないため、同社の小規模エンジニアチームには、完全な決済インフラストラクチャーを構築したり、自らペイメントファシリテーターになったりするためのリソースがありません。Stripe は、StyleSeat に迅速で安全、かつ、実装しやすい決済ソリューションを提供してくれただけでなく、より多くのスタイリストがビジネスを成長させる手段としてスケールとイノベーションも提供してくれました。

「開発者の生産性と満足度に関して言えば、Stripe に勝るものはありません。Stripe のドキュメントはわかりやすく、テスト環境はシンプルで、サポートも充実しているため、StyleSeat は、取引率の低い小規模マーケットプレイスから取引率の高い大規模マーケットプレイスに成長することができました」と、Burch 氏は結論づけました。