大規模企業が売上を増やすために活用できる 4 つの戦略

  1. はじめに
  2. 購入体験を定義する要素
  3. 購入体験に注目する理由
  4. 売上を増やし、購入体験を改善するための戦略
    1. 決済の最適化
    2. 対応する決済手段の拡大
    3. 後払いによる柔軟な資金調達方法の提供
    4. 不正使用および関連する支払い問題の削減
    5. オーソリの最適化

最も戦略的で効率的に売上を増加させる方法を評価することは、困難な課題です。かつて効果があった方法も、時間が経つと有効ではなくなる場合があるため、特にそのように言えます。事業の売上は市場の変化や需要の変動に左右されるので、顧客を引き付けて維持する確かな方法を見つけ出すことは困難です。大規模企業にとって、これは、差別化され、明確に定義され、なおかつ機敏で適応性がある地位を市場で確立して維持することをも意味する場合があります。

従来の成長戦略には、値上げ、マーケティング費用の強化、営業チームの拡大、新製品の投入が含まれています。実証されてきたこれらのオプションの他にも、売上に影響を与えうる有意義なツールがあります。大規模企業の売上増加戦略として十分に活用されていないものの 1 つは、コマース体験を改善して最適化するという手段です。購入体験には、ブランドに対する顧客の全体的な満足度を向上させる機会だけでなく、市場イノベーションの拡大、地理的リーチの拡大、コンバージョン率の向上を実現する機会も含まれています。

購入体験と、その購入体験を提供するために企業で使用している金融インフラストラクチャープラットフォームの裏と表を十分に理解することは、独自の効果的な売上成長戦略を作り上げるのに役立ちます。ここでは、購入体験の最適化と売上の増加のための計画を策定するときに考慮すべき適切な戦術とツールの概要を紹介します。

この記事の内容

  • 購入体験を定義する要素
  • 購入体験に注目する理由
  • 売上を増やし、購入体験を改善するための戦略:
    • 決済の最適化
    • 対応する決済手段の拡大
    • 後払いによる柔軟な資金調達方法の提供
    • 不正使用および関連する支払い問題の削減
    • オーソリの最適化

購入体験を定義する要素

購入体験を理解するには、自社の決済システムをサポートしているインフラストラクチャーのメカニズム、ならびにそのインフラストラクチャーによってサポートされている社外のそれぞれの細部と顧客がどのように対話するのかをしっかりと把握する必要があります。そうすることが、コンバージョンファネル、もしくは顧客が商品購入という最終ステップに到達するまでの道のりを考えるのにも役立ちます。顧客が購入を検討するとき、または実際に購入するときに、障壁になる可能性があるものは何でしょうか。できる限りすばやくシームレスに、購入の瞬間に到達させる方法はあるのでしょうか。

迅速でスムーズな購入体験を設計することは、目に見える利益をもたらします。オンラインの買い物客の約 70% が、カートに商品を入れた後に放棄していることを考えると、この段階を顧客にとってシンプルなものにする方法を理解することが重要です。決済手段からゲスト決済まで、顧客に提示されるステップやオプションのそれぞれについて考えることが、より正確に購入体験の全体像を把握するのに役立ちます。

購入体験に注目する理由

購入体験を改善することは、コンバージョン率の向上から、顧客満足度の改善、ブランドロイヤルティの創出まで、多くの重要なメリットをもたらします。経営陣が事業拡大の可能性を評価するときに、購入体験が見過ごされることがよくありますが、実際には、購入体験は、戦略的かつ包括的に売上を拡大するための最も強力なツールの 1 つです。

売上を増やし、購入体験を改善するための戦略

売上を促進するために最適化されたコマース体験を生み出すために、大規模企業は実際何をする必要があるでしょうか。大まかに言えば、顧客が希望する方法、タイミング、場所で代金を支払うことを可能にする決済エコシステムと決済体験を構築することが必要です。

考慮すべき重要な戦略をいくつか次に示します。

決済の最適化

企業の決済プロセスを洗練させるには、顧客が最も重視する、「スピード」、「使いやすさ」、「セキュリティ」という性質を念頭に置く必要があります。対面であれオンラインであれ、面倒な決済プロセスは顧客をいらだたせ、再訪する意欲だけでなく購入を完了する意欲さえも失わせることになります。

E-コマースビジネスの場合、ウェブサイトの決済プロセスから障壁を取り除く方法を検討することは、ゲスト決済という選択肢を追加することや、顧客情報の事前入力を意味します。Stripe では、顧客がワンクリックで購入を完了できる Link by Stripe や、自動入力、エラーメッセージ、入力マスキング、既存の CSS スタイルに合わせたカスタマイズデザインなどを利用できる Stripe Elements など、決済の迅速化に役立つさまざまなソリューションを提供しています。これらの機能はすべてコンバージョン率を向上させます。Stripe Terminal を使用すると、これらの仕組みの多くを対面決済に適用できます。

決済プロセスを合理化するメリットは、顧客満足度の向上だけにとどまりません。決済を最適化することで、企業が一定時間内に処理できる顧客数も増加します。さらに、スムーズな購入体験をした顧客は、ブランドに再訪する可能性も高くなります。コンバージョン率を高め、その過程で顧客の満足度を高め、再来店の可能性を高めるというメリットは、その企業の売上に長期的なプラスの影響を与えます。

対応する決済手段の拡大

対応する決済手段を決定するときには、グローバルとローカルの両方の視点で検討する必要があります。顧客の拠点がどこであろうと、顧客が好む決済手段に対応することで、コンバージョンに必要な信頼と利便性を確立できます。また、E-コマースビジネスの 70% 以上は世界を販売対象としているため、限られた範囲の決済手段では意味がありません。

さまざまな決済手段に対応するメリットや、企業が特定の地域で決済オプションを拡大するための特有の機会を理解することは、企業が処理できる取引数を増やし、まったく新しい市場に参入するのに役立ちます。たとえば、中国では、オンライン取引の 54% で WeChat Pay か Alipay が利用されており、20% は現地のカードネットワークである中国銀聯 (UnionPay) に依存しています。これらの決済オプションを提供しないと、中国の顧客の大部分を失うことになります。

Stripe Payments のようなソリューションは、グローバルな販売戦略で競争力を維持するのに必要な決済オプションに対応できるように大規模企業を支援します。135 種類以上の通貨と 50 種類以上の決済手段をサポートする Stripe Payments は、一度の導入だけで企業が売上の可能性を最大化できるように支援します。これは、適切な決済手段を提供することにより、主要市場での売上をスムーズかつ容易に増加させ、他の方法ではアクセスできなかった顧客や市場へのアクセスを可能にします。

後払いによる柔軟な資金調達方法の提供

より多くの顧客を獲得する別の方法は、柔軟な資金調達方法を提供することです。調査によると、米国では消費者の 50% が、BNPL (Buy Now, Pay Later)、つまり後払いサービスを利用したことがあり、このようなサービスを提供することでコンバージョン率と平均取引額が増加することが示されています。

BNPL の決済手段を使用すると、柔軟性と利便性を実現して決済のコンバージョンを最大化するだけでなく、長期的な支払いを希望する買い手に小売業者がリーチできるようになるので、不正使用を減らし、取引速度を向上させることができます。BNPL を利用すると、買い手は支払い条件をカスタマイズし、購入を細かい分割払いにすることができます。企業は前払いで全額を受け取ることができる一方、顧客は決済時にまったく支払わないか、総額の一部を支払うだけで済みます。

顧客に BNPL を提供することには、次のようなメリットがあります。

  • 平均注文額の増加
  • 決済のコンバージョンの向上
  • より幅広い消費者へのリーチ

Stripe を利用して BNPL 決済手段を提供している企業では、平均注文額が最大で 14.5% も増加しています (市場や地域によって結果は異なります)。

BNPL は、企業と消費者の双方に多くのメリットをもたらします。顧客がどの BNPL オプションを選択しようと、企業は購入額の全額を前払いで受け取ることができます。また、BNPL プロバイダーが、顧客のリスク評価を行い、決済を管理・回収するという作業を行うので、これらの決済手段を提供しても余分なリソースはそれほど必要ありません。BNPL 決済手段は、企業が安心できるセキュリティも備えています。顧客が不正使用に関連する不審請求の申請を行った場合、BNPL プロバイダーがそのリスクと関連費用を引き受けます。

不正使用および関連する支払い問題の削減

売上に関連する購入体験について考えるとき、不正使用の問題を避けて通ることはできません。世界中で、オンライン不正使用が増加しています。Stripe が 2,500 人のビジネスリーダーを対象に実施した調査によると、64% が、パンデミックが始まって以来、不正使用への対策が以前にも増して難しくなったと回答しています。不正使用の対策にはコストがかかります。不正使用取引への対処に加えて、不正使用を防止するために費やす時間と労力にも多額のコストが発生します。作業や操作には、相当な時間がかかります。同じ調査では、ビジネスリーダーの 72% が不正使用に対応するためにリソースを流用しなければならないと回答し、半数以上が不正使用対策のために事業拡大や投資計画を延期しなければならなかったと回答しています。

さらに、顧客にとってのコストも存在します。増え続ける不正使用の脅威に対応するために、当然ながら企業は対策を強化しますが、それが原因で、正当な支払いまでもが性急にブロックされるという問題が発生することがよくあります。支払い拒否の誤判定は、企業の売上と評判に悪影響を与える可能性があります。そして、決済プロセスの遅延、手間の増加を招き、取引が完了する可能性の低下につながります。しかし、調査によると、支払い拒否の誤判定は単に 1 回の購入をブロックして顧客に不便な思いをさせるだけでなく、生涯にわたる影響を及ぼし、顧客から今後再訪する意欲を失わせることがわかっています。

不正使用と、不正使用が企業にもたらすさまざまな問題を防止し、それらに対処する方法は数多くあります。比較的簡単なものもあります。たとえば、オンライン決済を扱う場合に、顧客の金融口座に直接リンクして、より簡単かつ安全に支払いの送金を行えるツールを検討できます。Financial Connections などの製品は、銀行口座情報でユーザーをすばやく認証し、購入体験を合理化し、顧客が再訪して再購入しやすくするのに役立ちます。

オーソリの最適化

オーソリ率の向上に役立つ方法は他にもあります。Stripe Payments を使用すると、カード発行会社用に最適化された、機械学習 (ML) 駆動型のオーソリを利用できます。誤って判定された支払い拒否を解決するのに役立つツールもあります。たとえば、Adaptive Acceptance では、ML を使用して、顧客が支払い拒否の通知を受け取る前に、即座に特定の支払いを戦略的に再試行します。さらに、再試行のメッセージングとルーティングの最適な組み合わせを瞬時に検討し、さまざまな実験を実行して、請求の成功につながる可能性のあるものを発見することもできます。このようなツールは、顧客の満足度と取引の成功率を高め、支払い拒否の誤判定によって失われた売上を回復するのにも役立ちます。

また、不正使用に積極的に対処するためのツールもあります。たとえば、Stripe Radar は、世界中のあらゆる規模の企業から得た数十億ものデータポイントを使用してトレーニングされています。支払い、決済、カードネットワークのデータにより、Radar はリスクを正確に評価し、正当な顧客の妨げになることなく不正使用を検知し、ブロックすることができます。現在一部でも事業をオンライン展開している企業にとって、不正使用を検知および防止し、不正使用がもたらす損害 (売上の損失、顧客の喪失、莫大な業務コストの発生など) を抑制するのに役立つツールや戦術は、すべて不可欠なものとなっています。

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