VAT の免税 (フランス一般税法第 293 条 B) について事業者が知っておくべきこと

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  1. はじめに
  2. フランス一般税法第 293 条 B についての情報とその適用範囲
  3. VAT 免税制度の対象とされるために必要な条件
  4. VAT の免除から除外される取引
  5. フランス一般税法第 293 条 B にしたがってインボイスを作成する方法
  6. しきい値を超過した場合、どうすべきか

フランスおよび欧州連合のほとんどの事業者が商品またはサービスを販売する場合、付加価値税 (VAT) を申告し、納付する必要があります。VAT が完全に免除されるのは、VAT の対象ではない事業者、つまり、VAT 免除スキームの対象となっている事業者に限られます。この記事では、この特別な制度の特徴について扱います。根拠となるフランス一般税法の条文、この恩恵の対象となる事業者、法律で規定されたしきい値などについて説明します。

この記事の内容

  • フランス一般税法第 293 条 B についての情報とその適用範囲
  • VAT 免税制度の対象とされるために必要な条件
  • VAT の免除から除外される取引
  • フランス一般税法第 293 条 B にしたがってインボイスを作成する方法
  • しきい値を超過した場合、どうすべきか

フランス一般税法第 293 条 B についての情報とその適用範囲

フランス一般税法第 293 条 B は、VAT 免税制度の対象となる事業者に対して、VAT の納付および申告を免除することを定めたフランスの法律です。事業者が、付加価値税 (VAT) の課税事業者であり、なおかつ免除対象となっている場合、事業用に購入した製品またはサービスに課されている VAT を控除したり回収したりすることはできません。詳細については、控除可能な VAT に関する記事をご覧ください。

ほとんどの零細企業や自営業者は、売上高が一定のしきい値を超えることがないため、VAT の免除対象となります。

VAT 免税制度の対象とされるために必要な条件

事業者が VAT 免除制度や税の完全免除の対象とされるためには、収入に関する一定のしきい値を満たしている必要があります。このしきい値は、事業の種類と関連する暦年によって異なります。

  • 自由職の事業者やサービスを販売する事業者 (弁護士を除く) の場合、前年度の売上高が 3 万 6,800 ユーロを超えず、当年度の売上高が 3 万 9,100 ユーロを超えていなければ、VAT 免除の対象となります。
  • 商業や住宅関連の事業者の場合、前年度の売上高が 9 万 1,900 ユーロを超えてはならず、また当年度の売上高が 10 万 1,000 ユーロを超えてはなりません。
  • 著述業および芸能活動の従事者の場合、前年度における作品の提供および権利の移転による売上高が 4 万 7,700 ユーロを超えず、当年度が 5 万 8,600 ユーロを超えていなければ、VAT 免除制度の対象となります。その他専門的な活動の従事者については、前年度の売上高について 1 万 9,600 ユーロ、当年度について 2 万 3,700 ユーロの基準があります。
  • また、弁護士にはアーティストと同じしきい値が適用されます。規定の活動に従事している場合、しきい値は前年度の売上高で 4 万 7,700 ユーロ、当年度で 5 万 8,600 ユーロとなります。規定外の活動の場合、前年度のしきい値は、1 万 9,600 ユーロ、当年度は 2 万 3,700 ユーロとなります。

VAT の免除から除外される取引

フランス一般税法第 293 条 B に規定されている付加価値税 (VAT) 免除制度は、以下の活動を行う事業には適用されません。

  • VAT が適用される不動産関連事業
  • 簡易課税スキームの対象となる農業運営
  • 先進型輸送手段による地域内配送
  • VAT の適用を選択できるその他の事業活動

フランス一般税法第 293 条 B にしたがってインボイスを作成する方法

フランス一般税法第 293 条 B によれば、VAT 非適用事業者が発行するすべてのインボイスには、「TVA non applicable, art. 293 B du CGI」(「VAT 非適用、フランス税法第 293 条 B」) という文言を記載しなければなりません。上記のリンクから、該当の法律を確認できます。この文言は、その業者が外税で売上を請求しており、後日 VAT が差し引かれたり回収されたりしないことを顧客に示すものです。この文言が含まれないインボイスは、監査の際に税務調整の対象となる可能性があります。

しきい値を超過した場合、どうすべきか

VAT のしきい値を超える場合、事業者は、その月の最初の日から VAT の対象となります。これに応じ、税務署 (フランスでは SIE) から国内向けの VAT 番号を取得し、商品やサービスの販売に VAT を付加する必要があります。このしきい値を超過しているにも関わらず、取引において VAT の請求を失念したり、請求しなかったりした場合、その企業は該当する売上に対して訂正インボイスを発行し、それらを VAT の対象とする必要があります。つまり、しきい値を超過した当月に発行された、すべてのインボイスを訂正する必要があります。

事業者が VAT の課税対象となるなら、VAT クレジットや控除によるメリットを活用できる場合があります。

税務署の規則に従った VAT インボイスの作成方法については、標準インボイスの必須項目および自営業者のインボイスに関する記事をお読みください。また、Stripe の記事で VAT を計算する方法についても確認できます。

あるいは、Stripe Tax のような高度なツールを使用して、請求プロセスを最初から最後まで自動化することができます。この統合ソリューションにより、請求書のパーソナライゼーションを加速させ、課税に関わるしきい値を監視するとともに、会計処理と請求書の支払いを合理化できます。Stripe のインボイスは通常、3 日以内に支払われます。Stripe の利用を開始したい場合、また詳細をお知りになりたい場合は、Stripe の担当者までお問い合わせください。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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