請求書とは、プロフェッショナルが発行するビジネス文書で、顧客に製品やサービスを販売したことを確認するためのものです。これは見積もりと同様、販売条件や支払い金額を定めたもので、プロフェッショナル間の取引には必ず必要なものです (詳細については、自営業の見積もりを参照)。では、自営業者はどのようにして請求書を作成したら良いのでしょうか。どのような情報を含めるべきかを、どのようにして決めれば良いのでしょうか。この記事では、自営業者や零細企業向けの請求書作成業務に関する詳細を具体的に説明し、含めなければならない情報や無料の請求書テンプレートを紹介します。

この記事の内容

• 自営業者にとっての請求書の役割
  
• 自営業者が請求書を発行しなければならないのはどのようなときか
  
• 自営業者が請求書を作成するときのルール
  
• 記載しなければならない情報
  
• 自営業者向け請求書テンプレートの入手方法
  

自営業者にとっての請求書の役割

請求書には 3 つの主な役割があります。まず、法的な観点から言えば、不審請求の申請や顧客側の不払いが発生した場合に、販売の証拠となります。また、会計上の補助資料でもあり、零細企業であれば年次決算を作成する際に役立ちます。さらに、税務署による監査が行われる場合、請求書は当該金融取引の具体的な証拠となり、各会計期間における自営業者の収入および付加価値税 (VAT) の申告を裏付けるものとなります。そのため、自営業者に適用される請求書発行義務を理解することが重要です。

自営業者が請求書を発行しなければならないのはどのようなときか

請求書は、プロフェッショナル同士の取引 (他の自営業者、企業、団体、または公的機関などにサービスを提供したり、製品を販売したりする場合) には必須の書類です。販売完了後、またはサービス提供完了後に発行される必要があります。

一方、個人への販売については、請求書の発行は必ずしも必要ではありませんが、例外として、遠隔販売やオンライン販売、(中古品、芸術作品、コレクター品、骨董品などの) オークションへの出品、VAT 非課税の EU 加盟国への納品、不動産プロジェクトには必要です。また、サービス提供の対価が税込みで 25 ユーロ以上となる場合、あるいは顧客から請求書の発行を求められた場合にも、請求書の発行が必要になります。

自営業者が請求書を作成するときのルール

他のビジネスと同様、自営業者も一定の請求書発行義務を守る必要があります。請求書はフランス語で作成し、双方の当事者が取引の証拠を保有できるように、複製を作る必要があります。フランス商法によると、自営業者はすべての請求書に「例外なく」時系列順に番号を割り振り、10 年間保管しなければならない、とされています。そして、請求書が有効であるためには、以下に示す特定の必須情報が記載されている必要があります。

記載しなければならない情報

プロフェッショナルサービスを提供する場合、文書に含めるべき最初の文言は、「請求書」または「料金明細書」の記載です。次に、請求書と各ページ (複数ある場合) に番号を付ける必要があります。

自営業者の場合は、請求書の発行日、販売日、支払い期限を請求書に記載する必要があります。製品の販売日とは実際の納品日のことであり、サービス提供日とは作業が行われた最終日のことです。

また、請求書には「例外なく」事業者と顧客についての詳細情報、すなわち事業者の氏名と商号 (DBA)、「entreprise individuelle」または「EI」の文字、会社の住所 (自宅で営業している場合は自宅の住所)、顧客の氏名、会社名、そして請求先住所を含める必要があります。

また、Siren 番号、登録されている登記簿 (小売業者の場合は「registre du commerce et des sociétés」番号 (商業および会社登記簿、略名: RCS)、職業人の場合は「répertoire des métiers」番号 (職業名簿、略名: RM))、および零細企業として事業者が登録されているフランスの市町村または地方行政区画番号を記載する必要があります。また、請求書の作成を開始する前に、Siren 番号を発行してもらう必要があります。事業者および事業者の顧客が VAT の納税義務を負う場合、適切な VAT 番号を提供する必要があります。

請求書には、販売した製品や提供したサービスの詳細を記載しておく必要があります。一般的には、一行に一品目の記載とする必要があります。まず、提供した製品またはサービスの詳細 (製品の性質、ブランド、参照番号、使用した材料、労力など) の記載から始めます。次に、各品目の数量、税抜き単価 (正価)、サービスの場合は所要時間を記した詳細な内訳を作成します。配送料または輸送料、割引価格 (該当する場合)、税抜き合計金額、付加価値税 (VAT) がある場合はその税率および金額、ならびに該当する場合は税込み合計金額 (内税) を明記します。零細企業で VAT が課されない場合は、「フランス一般税法第 293 条に準拠し、VAT 該当なし」と記載します。

製品およびサービスに異なる税率の VAT が適用される場合は、各品目に適用される VAT 税率を請求書に記載してください。

具体的な情報

外国の顧客と取引を行う場合、請求書に EU VAT 番号 (および顧客の VAT 番号) を記載する必要があります。また、職業賠償保険番号と、支払い遅延に対する罰則 (該当する場合) も明記しておくことをお勧めします。

発注書番号と、「リバースチャージ」(VAT 関連)、
「WEEE エコ貢献費」(廃電気および電子機器関連)、「認定協会会員、小切手および銀行カードによる支払い可」という文言も、該当する場合は記載する必要があります。

最後に、電子機器、写真機器、電話、DIY、またはガーデニング用品を販売する場合は、法定保証について記載する必要があります。コンピューター機器、玩具やゲーム機器、スポーツ用品、時計、サングラス、照明器具、家具なども対象となります。

罰金

プロフェッショナル間の取引で請求書がない、または架空請求書の作成があった場合、7 万 5,000 ユーロの罰金を支払わなければならない可能性があります。また、請求書に不正確な記載または記入漏れがあった場合は、15 ユーロを支払う必要があります。

自営業者向け請求書テンプレートの入手方法

フランスの社会保障積立金管理機構である URSSAF のウェブサイトに、自営業者向けの無料の請求書テンプレートがあります。また、フランス政府が提供する請求書サンプル (全企業向け) も利用できます。

さらに、Stripe Invoicing のような汎用性の高いツールを利用することで、請求書発行システム全体を簡素化することができます。この統合ソリューションを使用すれば、請求書作成を最適化し、収益認識を自動化し、請求書決済を迅速化 (Stripe の請求書のほとんどは 3 日以内に支払われます) することができ、コードを記述する必要は一切ありません。Stripe による請求書のエンドツーエンド管理について詳しくお知りになりたい方は、今すぐ担当部署にお問い合わせください。