ネットショップと実店舗を連携: 日本の事業者が知っておくべきこと

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  1. はじめに
  2. ネットショップの市場規模
  3. 実店舗の利用率をネットショップと比較
    1. 食品
    2. 日用品
    3. 衣料品
    4. 家電製品
  4. ネットショップと実店舗を連携することの重要性
  5. ネットショップと実店舗を連携するメリット
    1. 消費者側のメリット
    2. 事業者側のメリット
  6. ネットショップと実店舗を連携する際の注意点
    1. システムの連携には各フェーズでの業務を慎重に進める
    2. ネットショップと実店舗のバランスに配慮する
    3. ネットショップの利用率向上には工夫が必要
  7. ネットショップと実店舗連携の成功事例
    1. ユニクロ
    2. コーナン
  8. オンライン・オフラインの壁を越えた販促を
  9. Stripe Terminal でできること

近年、人々の購買行動は実店舗だけにとどまらず、ネットショップを幅広く利用する傾向にあり、日本のショッピングシーンは多様化しています。

特に、コロナ禍を機に EC モールなどのネットショップは、私たちの日常生活においてより一層身近なものとなり、自宅や職場から気軽にできるオンラインショッピングは多くの人々にとって今や当たり前となっています。

このように、コロナ禍を経てネットショップが急速な盛り上がりを見せる一方で、実店舗で実際に商品を手に取ることで得られる安心感や、対面による接客や決済に価値を見出す人も少なくはありません。したがって、顧客満足度や売上のさらなる向上を目指すためには、ネットショップと実店舗のそれぞれにおいて、消費者のショッピング嗜好に見合うかたちで、いかにして巧みに双方を連携させることができるかが、重要ポイントといえます。

本記事では、日本の事業者にとって EC サイト、すなわちネットショップと実店舗の連携がなぜ重要なのか、連携することのメリットや注意点、成功事例を踏まえて解説します。

目次

  • ネットショップの市場規模
  • 実店舗の利用率をネットショップと比較
  • ネットショップと実店舗を連携することの重要性
  • ネットショップと実店舗を連携するメリット
  • ネットショップと実店舗を連携する際の注意点
  • ネットショップと実店舗連携の成功事例
  • オンライン・オフラインの壁を越えた販促を
  • Stripe Terminal でできること

ネットショップの市場規模

経済産業省の資料によると、2023 年の日本国内における B2C-EC (消費者向け電子商取引) の市場規模は 24 兆 8,435 億円となっており、前年の 22 兆 7,449 億円に比べ 9.23% 増加したことが報告されています。

また、物販系、サービス系、デジタル系と 3 つの分野に分けて 2022 年と 2023 年の市場規模を比べた調査結果では、以下のような成長が見られます。いずれの分野においても市場規模の成長が確認できますが、特にサービス系分野の増減率が 22.27% と成長が著しく、消費行動が活発化していることがわかります。先ほどの資料によると、サービス系分野の中でも旅行サービスについては 3 兆 1,953 円と非常に大きな割合を占めており、これはコロナ禍が終息し、人々が自由に移動できるようになったことが影響していると考えられます。

分野

該当項目

2022 年

2023 年

増減率

物販系

食品、生活家電、書籍、化粧品、医薬品、生活雑貨、衣類、車など

13 兆 9,997 億円
(EC 化率 9.13%)

14 兆 6,760 億円
(EC 化率 9.38%)

4.83%

サービス系

旅行、飲食、チケット販売、金融、理容・美容、フードデリバリー、医療、教育など

6 兆 1,447 億円

7 兆 5,169 億円

22.27%

デジタル系

電子書籍、音楽配信、動画配信、オンラインゲームなど

2 兆 5,974 億円

2 兆 6,506 億円

2.05%

実店舗の利用率をネットショップと比較

次に、実店舗の利用率について、公益財団法人流通経済研究所の資料を参考にして、見ていきましょう。2021 年 9 月に同研究所が実施した消費者の動向調査「直近 3 カ月における買い物先」によると、食品、日用品、衣料品、家電製品の 4 つの分野において、以下のような結果が公表されています。

食品

食品では、実店舗となる食品スーパーの利用率が 85.9% と圧倒的です。また、食品スーパーの次にランクインしているのが実店舗のコンビニで、利用率は 50.9% となっています。一方、ネットショップの中でトップの EC 専業サイト (アマゾンや楽天市場など) は 30% にとどまっています。

日本では身近にあるスーパーやコンビニで食品を購入する習慣が根付いています。したがって、食品に関しては、実店舗の利用率が高いということは納得のいく結果といえるでしょう。

日用品

日用品の場合、実店舗のドラッグストアが 76% の利用率でトップとなっています。また、大きな差はあるものの、EC 専業サイトが利用率 33.6% で次位にランクインしています。日用品についても食品と同様、わざわざネットショップで購入せずとも、近所のドラッグストアですぐに購入できるため、食品の購入ついでに頻繁に利用されていることがうかがえます。

衣料品

衣料品では、EC 専業サイトが 58.1% とトップの利用率で、その次に実店舗の衣料品専門店が 35.1 % となっています。衣料品の EC 専業サイトには上述した EC サイト以外に ZOZOTOWN などが挙げられます。

衣料品については、幅広く商品を取り扱っている EC 専業サイトの利便性の高さが多くの消費者から支持され、利用率にも起因しているといえます。

家電製品

家電製品でも EC 専業サイトが 58.8% の利用率でトップにランクインしていますが、実店舗となる家電量販店も 49.4% と高い利用率を誇っています。家電製品でも衣料品と同様、EC 専業サイトにおける豊富な品揃えが、その利用率の高さに寄与しています。

また、家電量販店が運営するネットショップの利用率は 16.8% で、実店舗に比べてはるかに低いことがわかります。これは、商品によっては高額にもなり得る家電製品の場合においては、ネットショップよりも、むしろ購入前に実物を手にとって詳細を確認できる実店舗での購入が好まれていることを示唆しています。

ネットショップと実店舗を連携することの重要性

前述したように、食品や日用品のように、購入するものによっては実店舗が利用されるケースが顕著であることがわかりました。そのため、実店舗を経営している事業者の方の中には、「実店舗さえあれば十分」と考えている方もいるかもしれません。

しかし、時代とともに人々のライフスタイルが変化する中、消費行動の多様化にともない EC の需要は着々と拡大しています。したがって、より多くの顧客にアプローチするにあたっては、ネットショップを持つこと、そして、オンラインとオフラインの垣根を越えたユニファイドコマースを行うことこそ、事業成功への鍵と考えられます。

オンラインのネットショップとオフラインの実店舗にはそれぞれにおいて、消費者にとってメリットがあります。たとえば、ネットショップの場合、時間帯を気にせずいつでもどこにいても、インターネットさえあれば利用できるほか、近くの店では入手できない商品でも購入することができます。一方、実店舗であれば、購入前に実際に商品を手に取ることが可能で、欲しい商品はその場で購入して持ち帰ることができます。

実店舗を持つ事業者がこうしたメリットを理解し、実店舗と EC サイトのネットショップを連携すれば、双方のメリットや互換性を活かした OMO 戦略を講じることができます。また、この OMO 戦略により、双方の相乗効果が十分に発揮されれば、ネットショップおよび実店舗に関わらず、多くの消費者に最適な購買体験を提供できるようになるでしょう。

このように、実店舗一本で事業を展開していた事業者が、ネットショップとの連携を図ることで、これまでアプローチが叶わなかった幅広い地域や客層に向けた、自社商品やサービスのアピールが可能になるという期待が高まっています。こうした背景から近年では、多くの事業者によって双方の連携が重要視されているのです。

ネットショップと実店舗を連携するメリット

ネットショップと実店舗を連携すると、オンラインでできることとオフラインでできること、それぞれの特徴が活かされ、以下のようなメリットが生まれます。

消費者側のメリット

ネットショップで注文した商品を実店舗で受け取ることができる

以下のような経験をしたことがある方の場合、ひとまずネットショップから商品を注文して、受け取りだけ実店舗で行うことで、より快適にショッピングができます。

  • ネットショップを利用したいけれど、毎日忙しくほとんど自宅にいないため、商品を受け取れず不便を感じたことがある

  • 自宅への配送の場合、送料が高くお得感が薄いと感じたことがある

上記 1 点目のように、自宅を不在にすることが多い方でも、時間が空いた時や週末に最寄りの実店舗から商品を受け取ることができれば、非常に便利で安心です。また、2 点目のように、自宅配送の場合は送料が有料となるケースがほとんどですが、実店舗での受け取りにすれば送料は無料になるため、コストパフォーマンスがぐっと上がります。

実店舗で取り扱っていない商品でもネットショップなら入手できる

ネットショップで販売されている商品でも、実店舗の場合、売り切れが原因であったり店舗の規模によっては、実店舗に置いていないケースがあります。また、アパレルショップの場合、サイズや色によって「オンライン限定商品」となっているケースもよく見かけます。

こうした場合、普段実店舗で主に買い物をしている消費者の場合、仕方なく購入を断念してしまう可能性があります。しかし、事業者側が実店舗だけでなくネットショップも展開していれば、消費者は実店舗で見つけられなかった商品をネットショップにて購入できるようになります。

また、実店舗には欲しい色の商品ではないけれど、自分にぴったりのサイズならある、といった場合、実店舗で一度商品を試着して着心地を確認してから、ネットショップで欲しい色の商品を注文できることも、ネットショップと実店舗が連携されていることのメリットです。

ネットショップから注文した商品でも実店舗で返品できる

ネットショップで購入した商品を返品したい場合、自宅付近の実店舗で返品を受け付けてもらえれば、消費者側にとって大変便利です。また、「ネットショップだと返品手続きが複雑だから」という理由によってネットショップへの抵抗感を抱いている消費者でも、実店舗の現場スタッフによる返品フローが整っていれば、ネットショップへのロイヤリティも高まるでしょう。

事業者側のメリット

ネットショップを活用した実店舗への誘致が可能

実店舗で開催されるキャンペーンの告知や、実店舗で利用可能なクーポンをネットショップの顧客に配布すれば、ネットショップを通して実店舗での消費行動を促進できます。

実店舗専用の SNS の運営によるロイヤリティの向上

最近では、実店舗のスタッフによる SNS 運営や、ライブコマースによる配信がよく見られます。自社の人気ブランドやおすすめ商品について、実際に店舗で働いているスタッフが SNS 投稿やライブコマースを行えば、信頼性と好感度が上がり、実店舗とネットショップの垣根を越えた双方へのアプローチが可能になります。また、SNS やライブコマースを通じて、顧客と店舗スタッフ同士が直接コミュニケーションを取れるようになるため、ロイヤリティの向上につながるでしょう。

ネットショップと実店舗を連携する際の注意点

ネットショップと実店舗の連携は、消費者と事業者の双方にとって有用です。しかし、事業者が実際に連携を行うにあたっては、いくつか注意しなければならない点があります。

システムの連携には各フェーズでの業務を慎重に進める

ネットショップと実店舗を連携するには、基幹システム (在庫管理、生産管理、販売管理、顧客管理などに関わるシステム) の連携のような大規模な開発を要します。そのため、連携に際しては各フェーズに分けて、実現可能な機能ごとにリリースしながら慎重かつスムーズに業務を進めるようにしましょう。

また、連携を行うにあたっては費用がかかるほか、リリース後にシステムの不具合が発生することも考えられることから、費用対効果を考慮したうえ、こうしたリスクを念頭に置きながら事前にテストを実行しておくことも大切です。

ネットショップと実店舗のバランスに配慮する

EC サイトやアプリなどのネットショップの開設により顧客が集中することで、ネットショップと実店舗同士の競合意識が生まれると、実店舗スタッフのモチベーションが下がってしまう可能性があります。そのため、ネットショップと実店舗の双方においてビジネスを成功させるには、本社の運営側は、どちらかの売上だけを重視するのでなく、双方のバランスに配慮し、実店舗スタッフの意欲向上に努めるようにしましょう。

たとえば、実店舗でアプリを紹介するキャンペーンを実施する場合、「e ショップとアプリの紹介数」といった KPI を設定することで、実店舗とネットショップの一体感を向上させることができるかもしれません。

ネットショップの利用率向上には工夫が必要

もし、実店舗の利用率が 99% のように非常に高い場合、ネットショップの利用率はほぼゼロとなるため、実店舗のネットショップとの間の相乗効果はあまりないということになります。したがって、ネットショップをより多くの消費者に利用してもらうには、EC サイトやアプリの開設だけにとどまらず、どのようにして集客できるか、さまざまな工夫が必要となります。

ネットショップの利用率を上げるには、ネットショップの魅力を実店舗の利用者に知ってもらうことが何よりも大切です。そのための具体的な方法としては、以下のようなものが挙げられます。

ネットショップ単一で利用率向上を図る方法

  • オンラインに特化したキャンペーン: ネットショップ限定の魅力的な商品の販売や限定セールの実施
  • ネットショップのアプリ化: アプリを開発することでネットショップの利便性を向上させる

実店舗とネットショップとの連携による方法

  • 実店舗での宣伝: 実店舗のスタッフがネットショップについて顧客にアピールする

  • データの連携: LINE などの SNS によるネットショップと実店舗の会員データの連携

  • 顧客分析: 実店舗とネットショップとをそれぞれに分けた顧客分析

  • 双方間のコラボレーション: 実店舗スタッフをネットショップ側の企画に積極的に採用 (例: ネットショップでの「スタッフのイチオシ商品」ページの作成)

  • クーポン: ネットショップ、実店舗のどちらでも使えるポイントやクーポンの配布

  • 在庫確認機能: ネットショップ上における実店舗の在庫状況の表示

  • 取り置き・取り寄せ機能: ネットショップ上における実店舗での取り置き・取り寄せサービス

  • 実店舗での受け取り: ネットショップでの購入商品の、実店舗での受け取りサービス

  • 返品交換フロー: ネットショップでの購入商品に対する実店舗での返品交換フローを構築

ネットショップと実店舗連携の成功事例

ここでは、ネットショップと実店舗連携の成功事例として、代表的なものをいくつか紹介します。

ユニクロ

アパレル業界の代表格として日本だけでなくグローバルに認知されているユニクロは、ネットショップと実店舗との連携を成功させた企業の 1 つです。

ユニクロでは、ネットショップ上で最寄り店舗の在庫状況を確認したり、ネットショップで購入した商品を全国のどの店舗からでも受け取れるほか、店舗での返品にも対応しています。

また、ユニクロのアカウントに登録しておくと、ネットショップだけでなく実店舗でも利用可能なクーポンが配布されることがあるため、ネットショップの利用によって実店舗でも買い物をお得に楽しむことができます。さらに、ユニクロのネットショップでは、店舗スタッフの「おすすめスタイリング」ページが設置されており、ネットショップでも実店舗の長所が活かされています。

このほか、サイズを確かめてから商品を購入したい場合、実店舗に出向いて一旦試着し、後ほどネットショップでオンライン限定商品やその他のものとあわせて購入できるなど、ユニクロではあらゆる側面においてネットショップと実店舗の相乗効果が発揮されています。

コーナン

日用品や園芸用品、ペット用品など、幅広い商品を取り扱っているホームセンターのコーナンでも、ネットショップと実店舗の双方間での相互送客が積極的に行われています。

コーナンのネットショップ「コーナン e ショップ」の場合、アカウントに登録すると、最寄りの店舗の最新情報やチラシ広告を確認できるようになっています。また、アプリから店舗専用のクーポンを配布するなど、ネットショップによる実店舗への誘致活動も実施されています。

さらに、コーナンの実店舗でも、店内にネットショップやアプリの活用術など、ネットショップの利用を促進させるための POP の設置やポスターが貼られていたりと、実店舗とネットショップ間での相互作用が活かされています。

なお、コーナンでもユニクロと同様に、最寄りの実店舗の在庫状況をチェックできるほか、ネットショップで購入した商品の実店舗での受け取りサービスを実施しています。さらに、ネットショップから自転車を購入した場合は、コーナンの実店舗スタッフが点検を行い、古い自転車については 1 点のみ無料で引き取ってもらえます。

オンライン・オフラインの壁を越えた販促を

前述した成功事例からもわかるように、ネットショップと実店舗の連携によって、それぞれのメリットを最大限に発揮した相互作用を働かせることができれば、ビジネスチャンスのさらなる拡大が期待できるでしょう。

商品やサービスを販売する事業者側が、消費者 1 人ひとりにとってより良い購買体験を提供すれば、顧客満足度は向上し、売上アップにもつながります。現在、実店舗のみを営んでおり、今後の事業拡大を目指している事業者の方は、成功事例を参考にしてネットショップと実店舗の連携を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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