請求書にクレジットカード支払いボタンを追加することで、顧客はクレジットカードやデジタルウォレットを使用して支払いを完了できます。これらの決済手段は世界中のオンライン決済の大部分で使用されているため、多くの顧客にとって支払いプロセスを効率化することが可能です。具体的には、Stripe のような決済代行業者を利用するか、ボタンを請求書発行ソフトウェアに実装する方法があります。ボタンを追加することで、取引の安全性を保ちながら、支払いの遅延を最小限に抑えられるため、支払い体験を向上させることが期待できます。
以下では、なぜ請求書にクレジットカード支払いボタンを追加すべきなのか、その具体的な方法、さらにクレジットカード支払いを安全に受け付ける方法について解説します。
この記事の内容
- 請求書にクレジットカード支払いボタンを追加する理由
- 請求書にクレジットカード支払いボタンを追加する方法
- 請求書でクレジットカード支払いを安全に受け付ける方法
請求書にクレジットカード支払いボタンを追加する理由
請求書にクレジットカード支払いボタンを追加することで、顧客の利便性を向上させると同時に、支払いをより早く受けることができます。その方法をご紹介します。
支払いボタンを利用すると、顧客は小切手を郵送したり、銀行振込の手続きを行ったりする手間を省くことができます。これにより、支払いがスピーディーになります。
クレジットカードを使用する場合、支払いは即時にオーソリされます。そのため、その場で売上が入金されることを確認できます。
この機能を取り入れることで、請求書がより洗練され、先進的な印象を与えます。これにより、顧客の手間を減らすことへの配慮を示すことができます。
ボタンを介してデジタルで行われた支払いは、多くの場合、自動的に追跡されます。その結果、エラーのリスクが減少し、管理作業にかかる時間も短縮されます。
請求書にクレジットカード支払いボタンを追加する方法
請求書にクレジットカード支払いボタンを追加することで、自社とっても顧客にとっても支払いプロセスがスムーズになります。支払いボタンは視覚的に目立つようにデザインしましょう。たとえば、「請求書を今すぐ支払う」といった明確なテキストを添え、目を引く色を使うことが効果的です。顧客に送信する前にはボタンのテストを行い、すべてのリンクが正確に機能することを確認してください。また、できるだけ多くの支払いオプションを用意することで、顧客が簡単に支払いを行えるようにします。
以下では、Stripe Invoicing またはその他の請求書発行方法で支払いボタンを追加する方法について説明します。
Stripe Invoicing
Stripe を使用している場合、Stripe ダッシュボードにアクセスし、「請求書」を選択することで、クレジットカード支払いボタンを請求書に追加できます。その後、「請求書の作成」をクリックします。すると、顧客情報、項目別の支払い、税金、支払い条件などの詳細を入力するよう求められます。
このステップを完了すると、請求書に「この請求書を支払う」ボタンが自動的に追加されます。このボタンを通じて、顧客はクレジットカード、デビットカード、またはその他の対応する決済手段で支払いを行えます。顧客がボタンをクリックすると、安全な支払いページへ誘導され、そこでクレジットカード情報を入力できます。Stripe は、送信されるすべての請求書に対して、セキュアでホスト型の支払いページを提供しています。
その他の方法
Stripe Invoicing を使用せず、手動で請求書を生成している場合や、別の請求書発行ツールを使用している場合に、クレジットカード支払いボタンを追加する方法をご紹介します。
決済用の URL リンク
Stripe Payment Links を使えば、特定の支払い金額に対応する一意のリンクを生成できます。このリンクを請求書に簡単に追加することができます。たとえば、ボタンを追加したり、「クレジットカードで支払うにはここをクリックしてください」といったテキストにリンクを埋め込んだりします。
ホストされた支払いページ
もう 1 つの選択肢として、Stripe Checkout のようなホストされた支払いページを利用する方法があります。Stripe Checkout は事前に構築された支払いページです。請求書の支払いに必要な情報を組み込み、支払いページへのリンクを共有できます。PDF や QuickBooks、FreshBooks といった請求書発行ソフトウェアで請求書を生成している場合、「今すぐ支払う」ボタンを請求書に埋め込むことで、支払いページへリダイレクトする仕組みを提供できます。
支払いボタンの HTML コード
請求書発行システムで HTML のカスタマイズが可能であれば、Stripe のアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) や Stripe Elements を使ってカスタマイズした支払いボタンを生成することもできます。顧客がこのボタンをクリックすると、Stripe がホストする支払いページにリダイレクトされます。
QR コード
もう 1 つの方法として、Stripe の支払いページにリンクする QR コードを作成する手段があります。QR コードは、特に物理的な請求書や PDF 形式の請求書を送付する場合に役立ちます。顧客はスマートフォンを使って QR コードをスキャンし、支払いページにアクセスできます。そのページでクレジットカード情報を入力できます。
請求書でクレジットカード支払いを安全に受け付ける方法
クレジットカード支払いを受け付ける際は、機密性の高い財務情報を取り扱うことになります。そのため、企業はセキュリティ対策が関連規制に準拠していることを確認する必要があります。また、顧客を可能な限り保護するための取り組みが欠かせません。以下では、セキュリティを強化する方法を説明します。
Payment Card Industry (PCI) 準拠
Stripe Invoicing を使用して請求書を送信すると、Stripe の PCI 準拠による利点を自動的に享受できます。複雑な法令遵守の確認作業は Stripe に任せることができるため、自分で PCI 要件を確認する手間が省けます。
決済用の URL リンク
Stripe で請求書を作成すると、顧客には一意の安全な決済用の URL リンクが送信されます。この URL は、Stripe がホストする支払いページにアクセスするためのものです。転送中のデータは HTTPS 暗号化を使用して保護されます。Stripe の暗号化環境を活用することで、手動で支払いを処理したり、カードデータを安全でない手段で共有したりするリスクを回避でき、セキュリティが一層強化されます。
3D セキュア (3DS) 支払い認証
クレジットカード支払いを伴う請求書の場合、3DS を有効にすることで、追加の認証レイヤーを設けることができます。Stripe は、欧州決済サービス指令改訂版 (PSD2) に準拠する必要があるヨーロッパの顧客など、3DS が求められる場合に自動的に判断したり、高リスク取引に対して 3DS を推奨したりすることで、認証プロセスを容易にします。この追加認証により、支払いを行っているのが正真正銘のカード保有者であることを確認できます。
支払いの監視
Stripe Radar は、請求書による支払いを受け付ける際に非常に役立つツールです。Radar は機械学習を活用して各取引のリスクをリアルタイムで評価します。これにより、特定の支払いが不正である可能性について貴重な分析情報を得られます。また、Radar を使ってカスタムルールを設定することも可能です。たとえば、普段取引のない国からの取引にフラグを立てたり、高リスクとみなされる支払いには自動的に 3DS を要求したりするように設定できます。
また、Stripe ダッシュボードを利用して請求書支払いの試行を手動で確認し、疑わしい可能性のあるアクティビティを追跡することもできます。アクティビティログには、各支払い試行に関するメタデータが記録されています。このデータを活用することで、繰り返し失敗する試行や予期しない地域からの複数の支払い試行など、異常なアクティビティを即座に発見し、迅速に対応することが可能です。
トークン化
Stripe とカスタム連携を行って請求書を生成する場合、Stripe Elements を使用して支払いフォームを処理するのがおすすめです。Elements は、機密性の高いクレジットカードデータを自動的にトークン化します。この仕組みにより、顧客のカード番号がサーバー上に保存されることはありません。その結果、PCI 準拠の負担が軽減されると同時に、機密データの露出も最小限に抑えられます。特に、支払い金額や支払い頻度が異なる請求書を管理する際には、この点が大きな利点となります。
カスタマイズされた支払いページ
Stripe Payment Links を使用すると、Stripe がホストする環境内で請求書の支払いページをカスタマイズできます。見た目がプロフェッショナルで統一感のある支払いページは、顧客に安心感を与えます。これにより、カード情報を入力する際に信頼できる環境で操作していると感じてもらえます。さらに、Stripe の安全対策により、支払いプロセスを可能な限り安全に進められるサポートが得られます。
デジタルウォレット
Apple Pay や Google Pay は生体認証とトークン化を採用しているため、直接カード情報を入力する場合よりも安全性が高くなります。Stripe Invoicing を介してこれらのオプションを組み込むことで、顧客が機密のカード情報を入力する必要が減り、手動入力ミスやサイバー攻撃のリスクも軽減できます。
保存された決済手段
Stripe のカスタマーポータルでは、決済手段を Stripe に保存し、将来の支払いに使用するためのトークンを生成することが可能です。この機能を利用すれば、顧客に詳細情報を再度入力してもらったり、企業側で機密データを保存したりすることなく、リピート顧客のクレジットカード支払いを処理できます。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。