ベンチャーキャピタルとは?それはスタートアップにとってどのように機能しますか?

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  1. はじめに
  2. ベンチャーキャピタルとは
  3. ベンチャーキャピタルの仕組み
    1. 資金調達
    2. 投資家向けのプレゼンとデューデリジェンス
    3. 投資条件の合意と資本参加
    4. 各成長段階における資金調達
    5. VC の事業への関与
    6. 投資回収 (エグジット)
  4. ベンチャーキャピタルの提供者
  5. ベンチャーキャピタルに適したビジネス
    1. 巨大な市場潜在力
    2. 雪だるま式の成長
    3. 勢いまたは証拠
    4. 資本集約度
    5. 創業者間の方向性の一致
  6. ベンチャーキャピタルは事業のどの成長段階に資金を提供していますか?
    1. シード
    2. シリーズ A
    3. シリーズ B
    4. シリーズ C とそれ以降
  7. 事業者からみたベンチャーキャピタルの長所と短所
    1. 長所
    2. 短所
  8. Stripe Atlas でできること
    1. Atlas への申し込み
    2. EIN の取得前に決済の受け付けと銀行取引を開始
    3. 創業者株式のキャッシュレス購入
    4. 自動 83(b) 課税選択申請
    5. 世界クラスの企業法的文書
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ベンチャーキャピタルは過去 20 ~ 30 年間に最も強い影響力を持った企業の成長を後押ししてきました。しかし VC は 金融 の世界で誤解されやすい領域でもあります。VC が生み出す巨額の資金はしばしば新聞の一面を賑わしますが、VC の資金の出所、投資家がリターンに期待するもの、投資する事業の選択方法などといった、VC ファンドのメカニズムはそれほど注目されていません。新しい事業を立ち上げるために資金調達のオプションを探しているとしたら、VC とは何か、それが自分にとって選択肢となり得るかを知っておくことが重要です。ここではベンチャーキャピタルの仕組み、ベンチャーキャピタルの対象となるビジネス、事業者にとっての長所と短所をご紹介します。

目次

  • ベンチャーキャピタルとは
  • ベンチャーキャピタルの仕組み
  • ベンチャーキャピタルの提供者
  • ベンチャーキャピタルに適したビジネス
  • ベンチャーキャピタルは事業のどの成長段階に資金を提供していますか?
  • 事業者からみたベンチャーキャピタルの長所と短所
  • Stripe Atlas でできること

ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタルとは、大企業に成長する可能性のある若い企業に投資される資金のことです。返済義務のある貸付金とは異なり、VC は資金提供する事業の所有権 (株式) を取得します。ほとんどのスタートアップは失敗します。しかし、まれにではありますが成功する企業があると、初期投資の数百倍ものリターンを得ることができ、他の投資ポートフォリオで生じた損失をカバーすることができます。

2025 年第 2 四半期の VC 投資は世界全体で 1,010 億ドル に上りました。そのうち大部分はアメリカ市場によるものです。VC は現代のテック経済の多くを後押ししています。その中には、Stripe、Uber、Airbnb なども含まれています。VC のおかげで創業者はインフラを構築し急成長する手段を手にすることができました。VC は投資先となる野心的なアイデアが業界主流の事業に成長することを期待して投資を行うのです。

ベンチャーキャピタルの仕組み

ベンチャーキャピタルという仕組みでは、投資家が資金を調達してファンドとして構成し、将来業界のリーダーに成長しうる有望な スタートアップ に投資します。各段階について、詳しくみていきましょう。

資金調達

VC が投資するのは自己資金だけではありません。年金基金、寄付金、富裕な個人、企業といった有限責任の出資者から資金を集めプールしています。そのお金は専用ファンドに組み入れられます。一般的なファンドには、数億ドル規模の資金が集められ、一定の期間にわたりスタートアップへの投資に充当されるよう割り当てられます。

投資家向けのプレゼンとデューデリジェンス

スタートアップは VC に対して自社のアイデアを売り込みます。VC は関心を持ったアイデアについて市場規模、経営陣の経歴、財務状況、競争環境、スタートアップが持つ技術力などを調査します。このデューデリジェンスにより、投資家はリスクに見合う可能性があるか否かを判断することができます。

投資条件の合意と資本参加

取引が前進すると、VC とスタートアップは投資条件に合意します。すなわち VC がいくら投資するのか、企業の何 % を所有するのか、どのような権利を保有するのか (例えば取締役の議席、議決権など) を決めます。こうした投資は 資本参加 (エクイティ) と呼ばれます。その企業価値が増加した場合のみリターンが得られます。

各成長段階における資金調達

スタートアップは一般に複数の段階で資金調達を行います。シード段階では製品を開発したりアイデアを検証したりするために資金調達を行い、シリーズ A では市場で勢いが出てきたら規模を拡大するために調達します。その後企業が国内外に拡大していくにつれてシリーズ B、C、D、と続いていきます。各段階でその企業が成長し続ければ企業価値も上昇します。

VC の事業への関与

ほとんどの VC は事業に関与します。多くの VC は取締役として参加し、要職人材を紹介したり、創業者と顧客をつなげたり、戦略面で助言を行ったりします。

投資回収 (エグジット)

リターンが発生するのは、そのスタートアップが上場したとき (新規株式公開)、または買収されたときです。この「エグジット」とは、VC が 株式 (エクイティ) を現金化する方法を指します。多くのスタートアップはその段階に到達しません。しかしこのモデルが成り立つのはごく一部の突出した成功例が非常に大きなリターンを生む可能性があるからです。

ベンチャーキャピタルの提供者

ベンチャーキャピタルを提供するのは、高い成長を遂げる可能性のあるスタートアップを支援するという目的を持って資金をプールしている投資家です最大のプレーヤーは VC 企業です。VC 企業は、パートナーとアナリストのチームで構成され、有限責任の出資者から大規模なファンドを調達します。これらの VC 企業は資本を管理し、投資先となるスタートアップの選定を行います。

しかし、資金を提供するのは VC 企業だけではありません。企業のベンチャー部門は、投資リターンだけでなく自社の事業的優位性を得る目的でも投資を行います。例えば、テック大手企業は隣接市場の新興スタートアップに資金を提供することがあります。また、マイクロ VC やシードファンドも小規模の資金提供を行います。アクセラレーター は少額の投資に加え、体系化されたプログラムやメンタリングを提供し、多くの場合、その対価として初期株式を取得します。エンジェル投資家は自己資金を投資する富裕な個人です。こうした投資家は、友人や家族からの資金では足りず、かといって大規模なベンチャーラウンドからの資金も得られない段階のギャップを埋める役割を果たします。エンジェル投資家は VC 企業と共同投資を行うこともあります。

これらのプレーヤーが VC 業界を形成しています。特定の業界や段階に焦点を当てる投資家もいれば、対象をより広くする投資家もいます。彼らに共通している点は、莫大なリターンを得るチャンスのために大きなリスクを取る姿勢です。

ベンチャーキャピタルに適したビジネス

ベンチャーキャピタルは、迅速に成長する可能性があり大規模市場で優位に立ち、初期投資の少なくとも10倍のリターンをもたらし得る事業への投資を想定しています。多くの企業は、たとえ成功している企業であってもその対象にはなりません。それでは VC の候補となり得る スタートアップ はどのようなものでしょうか。

巨大な市場潜在力

VC が求めているのは数十億ドル規模の事業を支えうる市場です。ニッチサービスや地域限定の小売業のように市場規模が小さい事業には VC モデルは適していません。

雪だるま式の成長

VC に最適なのは一度構築されると迅速に成長しうるプロダクトです (例: ソフトウェア、ネットワーク、プラットフォーム、バイオテクノロジーの革命的成果など)。VC が期待するのは着実な一桁台の拡大ではなく積極的な成長曲線です。

勢いまたは証拠

シード段階では投資家は経営陣の経歴や事業のアイデアを支援するかも知れませんが、その後の VC ラウンドでは試作品、初期ユーザー、収益、市場やユーザーに受け入れられる可能性を示すデータなどの証拠が重要になります。

資本集約度

特定の産業 (例: 医薬品開発、ハードウェア、グローバルなフィンテック・インフラなど) では、非常に多くの先行投資を必要とするため、有機的成長や銀行融資だけでは不十分です。VC がそのギャップを埋めます。

創業者間の方向性の一致

すべての創業者がベンチャー資金を望んでいるわけではありません。VC はパートナーを取締役会に招き入れ、投資回収に向けたタイムラインを提示してきます。完全に独立して経営した経営者や中規模の企業を安定して経営することを望む経営者の場合、自己資金 で経営することを選択します。

ベンチャーキャピタルは事業のどの成長段階に資金を提供していますか?

ベンチャーキャピタルは通常数回に分けて投資を行います。それは「ラウンド」と呼ばれ、スタートアップの成長段階に一致しています。各ラウンドで創業者が証明すべきこと、次に何をするかといった期待されるものが異なっています。

シード

これは正式な株式による資金調達の最初期の段階です。この段階では、通常 50 万ドルから数百万ドルをエンジェル投資家または シードファンド から調達します。その目的はアイデアの実証、試作品の作成、または小規模の試験事業の実施などです。

シリーズ A

これは正式な株式に機関投資家が初めて参加するラウンドです。この段階では数百万ドルを調達する企業が多くみられます。ここまでに、通常は実際に動く製品や、ユーザー、収益、高いエンゲージメント指標といった初期の採用の兆しが見られます。この資金調達の目的は、ビジネスモデルの改善と規模拡大のための基盤構築にあります。

シリーズ B

この段階で必要なのは事業拡大の推進力です。企業はこの段階で勢いを得ており、積極的に成長するためのリソースを必要としています。すなわち、より多くの従業員、新しい市場、そしてマーケティング資金の増額です。投資家は中核となるビジネスモデルが機能しており事業拡大の可能性があるという証拠を求めてきます。

シリーズ C とそれ以降

後半のラウンドでは数千万~数億ドル規模の資金調達が可能になります。この段階では、企業は成熟しており、新規株式公開または買収の準備をすることもあります。資本はグローバル展開、新しい製品ラインの構築、または事業運営の強化に利用されます。

すべてのスタートアップがこうした段階を経るわけではありません。中にはシード段階で利益が出る企業もありますし、後期ラウンドで複数回の資金調達を行う企業もあります。VC は事業が自力で持続可能になるか、エグジットの準備が整うまで、段階的に勢いのある企業に資金を提供します。

事業者からみたベンチャーキャピタルの長所と短所

ベンチャーキャピタルはスタートアップを変革することができますが、その変革方法について創業者は慎重に検討する必要があります。そのトレードオフは以下の通りです。

長所

  • 大規模な資本: VC は他のほとんどの資金調達方法ではかなわないほどの巨額の資金を提供することができます。例えば、バイオ技術企業は実験のために数千万ドルに上る資金を必要とします。また フィンテック のスタートアップであればインターネット規模の決済処理に耐えられる強固なインフラが必要になる場合があります。VC がなければそれほどのスピードと規模での資金調達は不可能です。

  • 助言と専門知識: 多くの VC は元創業者または企業経営者です。取締役会に参加して、経営陣を指導し、スタートアップがよくある問題を回避できるよう支援します。それは成功を左右するメンターシップといえます。

  • ネットワーク: VC は、顧客、人材、将来投資してくれる人とつなげてくれます。信頼されている投資家からの紹介により、初期の企業の成長軌道が大きく変わることはよくあります。

  • 信頼性: 著名な VC の支援は、信頼の証しとして機能します。それにより採用候補者、報道機関、企業のクライアントに、この企業は精査され、しっかりとした基盤の上に構築されているという安心感が与えられます。

  • 返済負担なし: ローン とは異なり、VC は月々の返済を必要としません。事業が失敗した場合、投資家が損失を被ります。リスクを共有することで、実証されていないアイデアに資金を提供することが可能になります。

短所

  • 持ち株比率の希薄化と支配権: 複数回の資金調達ラウンドを経ると、創業者の持ち株比率は大きく希薄化する可能性があります。また、取締役の議席や議決権があることで、創業者は唯一の意思決定者ではなくなります。

  • 超成長への圧力: VC はある事業の損失を補うために別の事業では大成功を収める必要があります。そのため企業に対して積極的な規模拡大を求め、時には持続可能な経営や創業者の本来のビジョンを犠牲にするよう迫ることもあります。

  • 資金調達成功の低い確率: VC の資金調達プロセスは競争が激しく時間がかかります。例えば VC 企業、Andreessen Horowitz から資金調達を受けられる確率は 約 0.7% に過ぎません。この審査プロセスでは、数カ月に及ぶプレゼン、デューデリジェンス対応、そして断られる経験が伴います。その間は事業の構築に直接時間を使えません。

  • 潜在的な不一致: 多くの場合、投資家は 5 ~ 10 年で利益を確定 しようとします。もし創業者の目標が数十年続けられるビジネスであれば、両者のタイムスケジュールが衝突することもあり得ます。

VC はツールの一つです。野心と拡張性を適切に組み合わせて事業の拡大を加速させますが、企業の所有権と自律性が犠牲になる場合があります。創業者は、これらのトレードオフを理解した上で VC を追求する必要があります。

Stripe Atlas でできること

Stripe Atlas は、会社の法的基盤を構築し、世界中どこからでも 2 営業日以内に資金調達、銀行口座開設、決済の受け付けを行うことができます。

Y Combinator、a16z、General Catalyst などの一流投資家が支援するスタートアップを含む、Atlas を利用して法人化された 7 万 5,000 以上の企業に参加できます。

Atlas への申し込み

Atlas での会社設立には 10 分もかかりません。会社形態を選択し、会社名が使用可能かどうかを即座に確認し、共同創業者を最大 4 名まで追加します。また、株式の分割方法を決定し、将来の投資家や従業員のために株式のプールを確保し、役員を任命し、すべての書類に電子署名を行います。共同創業者にも電子署名を促すメールが届きます。

EIN の取得前に決済の受け付けと銀行取引を開始

会社設立後、Atlas は雇用者識別番号 (EIN) を申請します。アメリカの社会保障番号、住所、携帯電話番号を持つ創業者は、IRS の簡易手続きを利用できます。それ以外の場合は、より時間のかかる通常の手続きとなります。また、Atlas では EIN の取得前決済や銀行取引が可能なため、EIN の取得を待たずに決済の受け付けや取引を開始できます。

創業者株式のキャッシュレス購入

創業者は、現金の代わりに知的財産 (著作権や特許など) を使って初期株式を購入することができ、購入証明は Atlas ダッシュボードに保管されます。この機能を利用するには、知的財産の評価額が 100 ドル以下である必要があります。それ以上の知的財産を所有している場合は、手続きを進める前に弁護士にご相談ください。

自動 83(b) 課税選択申請

創業者は 83(b) 課税選択を申請し、個人所得税を軽減することができます。創業者がアメリカ人であっても、アメリカ人でなくても、Atlas が USPS 配達証明付き郵便と追跡サービスで申請を代行します。署名された 83(b) 選択と申請証明は、Stripe ダッシュボードで直接受け取ることができます。

世界クラスの企業法的文書

Atlas は、会社経営に必要なすべての 法的文書 を提供します。Atlas の C corp 文書は、世界有数のベンチャーキャピタル法律事務所である Cooley と共同で作成されています。これらの文書は、すぐに資金調達ができ、会社が法的に保護されるように設計されており、所有権構造、株式分配、税務法令遵守をカバーしています。

Stripe Payments を 1 年間無料でご利用いただけるほか、5 万ドルのパートナークレジットと割引もご利用いただけます

Atlas は トップクラスのパートナー と提携し、創業者限定の割引やクレジットを提供しています。具体的には、エンジニアリング、税務、財務、法令遵守、オペレーションなどの基本ツールを AWS、Carta、Perplexity などの業界大手から割引価格でご利用いただけます。また、初年度はデラウェア州の登録エージェントを無料でご提供します。さらに Atlas ユーザーは Stripe の追加特典として、決済額 10 万ドルまでの取引について最大 1 年間無料で決済処理をご利用いただけます。

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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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