「請求書の修正」 (Rechnungskorrektur) と「クレジットノート」 (Gutschrift) という用語は、同じ意味で使用されることが多いものの、ドイツでは異なるプロセスを指します。

この記事では、請求書の修正とクレジットノートの違いと、各文書がいつ使用されるかを見ていきます。また、請求書とクレジットノートを 1 つの文書にまとめることができるかどうかについても説明します。

この記事の内容

• 請求書の修正とクレジットノートの違い
  
• 請求書の修正を発行する必要があるタイミング
  
• クレジットノートを発行する必要があるタイミング
  
• 請求書とクレジットノートを 1 つの文書にまとめることは可能か
  

請求書の修正とクレジットノートの違い

請求書の修正とクレジットノートのどちらを発行するかは、各文書の目的を考慮して判断できます。

請求書の修正

請求書の修正または請求書の再発行は、誤った請求書を修正または無効にするために使用されます。サプライヤーはこれを使用して、以前に送付した請求書の全部または一部を無効にすることができます。これは、修正した請求書を顧客に発行する前に必要なステップです。請求書の修正は、「取引クレジットメモ」とも呼ばれます。

修正した請求書には一意の請求書番号が付けられ、番号や日付など、修正対象の元の請求書が明確に記載されている必要があります。また、請求書の修正には、ドイツの VAT (付加価値税) 法 UStG 第 14 条第 4 項 で義務付けられている必要な詳細をすべて含める必要があります。ただし、文書では、「請求書」という用語を使用する代わりに、「請求書修正」、「修正請求書」、または「請求書の再発行」というラベルを付ける必要があります。さらに、売上税を含む元の請求金額の前にマイナス記号を付ける必要があるため、金額は実質的に負の値に減らされます。請求書のラインアイテムまたはサービスの説明は、元の請求書と同じままです。

クレジットノート

請求書の再発行とは異なり、クレジットノートはサービスの受取人によって発行されます。請求書と同様に、クレジットノートはサービスや消耗品の支払いを決済するために使用されます。これらの文書の唯一の違いは、誰が発行するかです。サプライヤーとサービス受取人は、企業から請求書を受け取る代わりに受取人がクレジットノートを発行することに合意することができます。契約がない場合、企業はクレジットノートを受け入れる必要はありません。

クレジットノートには、請求書や請求書の修正と同様に、UStG 第 14 条第 4 項で義務付けられているすべての情報が含まれている必要があります。ただし、主な違いは、「請求書」ではなく「クレジットノート」と明記する必要があることです。請求金額はプラスの金額で表示されます。

混同されるリスク

2013 年までは、クレジットノートは本来の目的に加えて、誤った請求書の修正やキャンセルにも使用できたため、請求書の再発行とクレジットノートが混同されることがよくあります。ただし、VAT 法の改正により、クレジットノートは決済クレジットノートとしての役割でのみ発行できるようになりました。2013 年時点で、請求書を修正する唯一の方法は、請求書を再発行することです。

請求書の再発行とクレジットメモは、法律上および会計上の意味合いが異なるため、区別することが重要です。また、VAT の目的においては異なる方法で処理する必要があります。クレジットノートの発行者は、仕入税控除を受ける権利があります。請求書の修正は VAT の目的においては修正として扱われ、多くの場合、支払いが減額されるため、請求書の再発行の発行者は仕入税控除を申請できません。UStG 第 17 条第 1 項第 1 文によると、過大に計上された VAT を下方修正し、相手方が控除した仕入税額もそれに応じて修正する必要があります。

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請求書の修正か、クレジットノートか？一目でわかる違い

請求書の修正を発行する必要があるタイミング

元の請求書が間違っている場合は、請求書の修正を発行します。一般的なシナリオは次のとおりです。

• 請求書の金額が正しくない: 請求書の金額が正しくない場合 (たとえば、請求書に別の商品の価格が誤って記載されている場合など) は、請求書の修正が必要です。よくあるケースでは、入力エラーや計算エラーによって、請求書の金額が誤った値になります。
  
• VAT が正しくない、または漏れている: VAT 額も、請求書の修正が必要になる原因になることがあります。正しい税率を適用して、VAT を 0%、7%、または 19% で正確に表示する必要があります。売上税が漏れていたり、または誤って計算されていたりする場合も、請求書の再発行によって修正する必要があります。
  
• 請求書番号が正しくない: 以前に発行した請求書を新しい請求書のテンプレートとして使用する場合、請求書番号の更新を忘れがちです。請求書番号は順番に割り当てる必要があるため、各番号を複数回使用することはできません。この問題が発生した場合は、請求書の再発行によって請求書を修正する必要があります。請求書の発行日が間違っている場合も同様です。
  
• 住所が正しくない: 請求書には、サービスプロバイダーと受取人の正しい住所が記載されている必要があります。市区町村、番地、郵便番号が間違っている場合は、請求書をキャンセルする必要があります。
  
• サービスの説明が不完全であるか正しくない: 請求書に記載されているサービスまたは配送に誤りがある場合、または重要な詳細が欠落している場合は、請求書の修正が必要です。ただし、スペルミスや軽微な誤字脱字があっても、内容が正確であれば、請求書をキャンセルする必要はありません。
  

原則として、すべての請求書に法的に必要な情報を記載し、正しく提示する必要があります。これらの詳細には、名前と住所、請求書番号、履行期間、請求書の発行日、サービスの説明、納税番号または VAT 識別番号、税率を適用した正味額、税額、総額、および該当する場合は小規模事業者規定への言及が含まれます。請求書の発行後に、提供事業者またはサービスの受取人がこれらの詳細のいずれかに誤りがあることに気付いた場合は、請求書を修正する必要があります。

ただし、請求書がサービス受取人によって処理されていない場合は、請求書の再発行をスキップできます。この場合、両当事者は同じ番号で請求書を再発行することに合意できます。支払いが行われていない場合は、請求書を再発行する代わりに修正文書を使用して、不足している情報を追加したり、正しくない情報を修正したりすることができます。請求書番号を記載する際は、元の請求書を明確に言及する必要があり、独自の請求書番号を付けてはなりません。いずれの場合も、サプライヤーが不正確な請求書を修正することが重要です。請求書の受取人が、相手方の請求書を変更することはできません。

請求書の再発行は、返金の処理にも必要です。これは、たとえば、企業が約束したサービスを完全には提供しなかった場合やまったく提供しなかった場合、または商品が配達されなかったか、不完全な状態で配達された場合に適用されます。サービスまたは商品の品質が悪いために苦情が発生した場合は、対応する請求書もキャンセルすることができます。

クレジットノートを発行する必要があるタイミング

クレジットノートは、フリーランサー、営業担当者、またはコミッションの支払いを受け取る人にとって特に便利です。たとえば、定期的に取引している企業からクレジットノートを受け取ることができます。これにより、多数の個別の請求書を手動で処理する代わりに、クレジットノートを自動的に作成できるため、企業の会計上の負担が軽減されます。また、クレジットノートの受取人は請求書を作成する必要がないため、時間を節約できます。理想としては、より効率的なプロセスで、支払いをより早く受け取ることもできます。

クレジットノートの手続きは、第三者が関与する場合にも一般的に使用されます。たとえば、PR 代理店のクライアントのためにブログ記事を書くフリーランスのコピーライターは、代理店からクレジットノートを受け取り、代理店がクライアントに請求書を送信できます。

クレジットノートは、大手企業にサービスを提供する下請業者でも一般的に使用されます。

請求書とクレジットノートを 1 つの文書にまとめることは可能か

提供されたサービスと受けたサービスを 1 つの文書で請求する場合は、請求書とクレジットノートを組み合わせることができます。この文書では、各サービスを提供し、請求したのが誰であるかを明確に特定し、提供事業者であるか、サービスの受取人であるかを示す必要があります。これらの相互サービスは相殺できません。請求書とクレジットノートを組み合わせた文書は、「クレジットノート」として識別される必要があります。