スペインでの VAT 処理に関する即時情報提供

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Stripe Tax が国内外での税務コンプライアンス対応を一から十まで自動化するため、お客様は事業拡大に専念できます。納税義務の特定から税務登録、税額の計算と徴収、納税申告までを 1 カ所で管理可能です。

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  1. はじめに
  2. SII とは?何を行えますか?
  3. SII の主なメリット
  4. SII の提出期限
  5. SII での情報提出を義務付けられている企業
  6. 情報の提出方法

付加価値税 (VAT) は欧州連合 (EU) 共通の税金ですが、VAT の税率や管理方法は加盟国間で大きく異なります。近年、EU は、VAT ワンストップショップ (VAT OSS) を含め、欧州全域における VAT の特定の側面の調和に取り組んでいます。この制度により、ある加盟国での VAT 登録が EU 全域で有効となります。このイニシアチブにより、多くの国々が企業に電子請求書発行義務を導入しています。

取引の透明性を確保し、課税データの送信を簡素化する取り組みの一環として、スペインは王令 596/2016 の承認に伴い、即時情報提供システム (「Suministro Inmediato de Información」、以下「SII」) と呼ばれる事業者向けの新たな電子申請制度を 2017 年に導入しました。本稿では、新制度のメリット、必要書類の提出期限、その他 SII に関する重要事項を概説します。

目次

  • SII とは?その役割は?
  • SII の主なメリット
  • SII の提出期限
  • SII での情報提出を義務付けられている企業
  • 情報の提出方法

SII とは?何を行えますか?

SII は、VAT を電子的に管理するためのシステムです。Agencia Tributaria (AEAT、スペイン税務庁) は、不正を防止し、VAT 記録簿の提出をシンプルにするためにこの方法を開発しました。これらの帳簿には、請求書の発行と受け取り、投資商品、特定の域内取引など、事業活動に関連する業務が記録されます。目標は、正確で透明性の高い VAT 徴収を徹底させることです。

これらの帳簿を構成する請求書やその他の会計文書のビジネス情報と VAT 情報は、AEAT オンラインポータルから提出されます。

SII の主なメリット

SII を従来の VAT 還付システムと比較すると、個人や法人にとっていくつかメリットがあります。

  • VAT 管理が迅速かつシンプルになる: SII では、記録簿上の情報申告書 (フォ ーム340)、第三者との取引の年次報告書 (フォーム 347)、および年次 VAT サマリー (フォーム 390) を提出する必要がない、というのが大きな理由です。
  • データがリアルタイムで送信される: Agencia Tributaria をより効率的に機能させることができるようになります。スペインの企業にとっての大きなメリットは、AEAT が情報を受け取ってからすぐに検証できるため、VAT 還付の処理が迅速になることです。
  • SII を通じて提出したデータはアクセスしやすい: 税務情報をオンラインで簡単に参照できるようになりました。
  • 申告までの猶予期間が長い: SII を通じての VAT のオンライン自己申告期限は 30 日で、毎月の申告期限より 10 日長くなります。

これらすべての利点とは別に、Agencia Tributaria を利用する企業には大きなメリットがあります。SII は税金不正利用を大幅に削減します。

SII を導入する前は、多数のフォームに記入しなければならず、手作業によるミスが頻発していました。SII が一部の申告要件を撤廃して以来、エラーの数は減少しましたが、Stripe Tax などのツールは、納税義務をさらにシンプルにし、作業負荷を軽減するのに役立ちます。

Stripe Tax は 50 か国以上の取引における VAT の計算と徴収 (アメリカの売上税など海外での相当額を含む) を自動化します。また納税義務を監視し、商品やサービスを販売する管轄区域における報告のしきい値を超えた場合に、警告を発します。さらには Stripe Tax は定期的に更新され、事業を展開するすべての国の税法の変更が反映されますので、常に正しい税率を適用できます。除外対象地域のリストを確認することをお勧めします。

SII の提出期限

SII 申請の期限は、提出された情報により異なります。

  • 発行した請求書: 発行日から最大 4 暦日以内である請求書を SII に提出できます。受取人または権限のある第三者が発行した場合、この期間は 8 日間に延長されます。どちらの場合であっても、SII は取引の VAT が発生した月の翌月 16 日までに提出しなければなりません。
  • 受領した請求書: 受領したすべての請求書は、会計システムに記録されてから 4 暦日以内に、かつ VAT 取引が発生した月の翌月 16 日までに、SII を通じて提出する必要があります。この期限を延長できる例外は、ありません。
  • 域内取引: この期間は、取得した商品の出荷または輸送が開始された日から起算して 4 暦日から始まります。
  • 投資財: これは、その年の最後の納税期間 (遅くとも 1 月 30 日) の決済期限内に提出する必要があります。

よくわからない場合は、AEAT のウェブサイトで入手できるSII 期限計算機を使用できます。

注: Agencia Tributaria のドキュメントには「暦日」の表現がありますが、週末と祝日は含まれないことが後に明言されています。

SII での情報提出を義務付けられている企業

SII は、一部の企業では必須であり、他の企業では任意です。電子 VAT 管理システムの使用が義務付けられていなくても、前述のメリットを享受するために自発的に使用している企業もあります。SII を自発的に使用し始めるか、自発的な使用をオプトアウトするには、フォーム 036 を 11 月に提出する必要があります。ここで決定した内容は、翌年有効になります。

前述したように、特定の企業は必ず SII を使用しなければなりません。企業にとっては四半期ごとの VAT 還付が最も一般的ですが、毎月の自己申告書を提出する必要がある個人または法人も、このシステムを使用しなければなりません。以下の企業は SII の利用が義務付けられています:

注: SII を使用する義務のない個人または法人であるが使用すると選択した場合であっても、四半期ごとに VAT 決済を行うことは可能です。

情報の提出方法

SII を通しての情報の提出は、特に Agencia Tributaria が提供する仮想アシスタントを利用すると簡単です。まず、すべての請求書を仮想アシスタントに送る必要はないことにご注意ください。そうではなく、省令 HFP/417/2017 で規定されている特定の請求記録フィールドの提出のみが必要です。これらは、最も重要で一般的なフィールドです。

  • 発行した請求書の帳簿内の全情報: 番号またはシリーズ、発行日、取引日、氏名、会社名、受取人の納税者番号 (NIF)、課税対象基準、VAT 率、および料金を帳簿から含めます。
  • 請求書の種類: 完全版か簡易版かを指定します。
  • 本人確認: このフィールドは修正にのみ使用します。
  • 説明: 実行された取引の内容を記述します。
  • 請求書の修正: 変更された内容を指定するか、修正された元の請求書を参照して、これら請求書の種類を識別します。
  • 期間: 請求書取引が決済された日付です。
  • VAT の対象とならない取引: VAT の対象とならない取引が行われた場合は、ここにその旨を記入してください。

当該省令第 7 条には、各ステップの詳細な内訳が規定されています。要約すると、SII を通して情報を送信する方法は以下の 2 通りです。

  • XML 形式での情報交換: この方法は、大量の取引を処理する個人または法人を対象としています。ウェブサービスは電子メッセージを処理できますが、請求記録に一定の制限があり、それを超えてはなりません。XML ファイルは、元帳と取引タイプの両方に一致することが必須です。技術的な詳細については、AEAT のウェブサイトで情報全文をご覧ください。
  • ウェブフォーム: このプロセスは、取引量が少ない個人または法人、および特定の請求記録を個別に提出する必要がある個人または法人に適しています。ウェブフォームでは、個別に情報を送信できます。

どの方法を選択しても、情報を送信すると、各 VAT 記録簿がほぼリアルタイムで編集されます。これを実現するには、共通ヘッダに帳簿所有者の情報に加え、会計年度や取引の文書化の期間に関する詳細を含める必要があります。ヘッダーの他に、XML ファイル内のすべての請求書の内容を詳述するブロックも必要です。

つまり SII を通してのデータの送信は、どのアプローチであっても簡単です。ご不明な点がございましたら、AEAT SII に関するよくあるご質問のページをご覧ください。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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