紙の請求書から電子請求 (電子請求書) に切り替える場合、段階的な移行が必要です。フランスの公共サービスとその民間サプライヤーが 2020 年以降採用している電子請求書は、2026 年から VAT (付加価値税) の対象となるすべての商取引で発行が義務付けられます。電子請求書はどのように作成するのか、Factur-X 形式とはどのようなものか、すべての企業で必須のものなのか、Factur-X 形式に関する本記事では、これらのトピックについて詳しく解説します。
本記事の内容
- Factur-X 形式とは?
- Factur-X 形式が開発された理由
- Factur-X 形式で請求書を作成するメリット
- 請求書の作成・送信方法
Factur-X 形式とは?
Factur-X は、PDF/A3 ファイルと埋め込み XML ファイルを組み合わせたハイブリッドの電子請求書形式です。
Factur-X には次の 2 つの利点があります。
- PDF ファイルの特長により、人間が判読可能なデータが提供され、顧客、サプライヤー、会計士がそれぞれ閲覧できます
- XML ファイルの特長により、構造化された請求書データがコンピュータシステムで処理可能な形式で保存されます
Factur-X 形式が開発された理由
ドイツとのパートナーシップ協定により、欧州規格 EN 16931 に準拠するために Factur-X は開発されました。この規格は、EU 内で発行された電子請求書が統一された要件に準拠していることを保証するものです。また、各請求書の構文や重要な情報を構造化されたレイアウトで指定することで、正式な請求書発行プロトコルを定義しています。
Factur-X は、ヨーロッパのセマンティック標準に準拠する形式の 1 つです。Factur-X 以外の主要な構造化形式である CII (Cross Industry Invoice) と UBL (Universal Business Language) には PDF バージョンが含まれておらず、自動処理専用の形式として利用されています。
Factur-X 形式で請求書を作成するメリット
Factur-X で請求書を発行する場合、企業にとってはいくつかのメリットがあります。
- 税金および法的要件への準拠の保証
- 人間と IT システムの両方が判読できるハイブリッドの請求書
- 既存の管理 / 会計システムへのシームレスな統合。特に超小規模企業 (VSB) や中小企業 (SME) では迅速に導入可能
- データセキュリティとトレーサビリティによる税金詐欺リスクの軽減
- 請求書処理の迅速化と自動化、データ入力エラーの最小化、事務コストの削減、支払い時間の短縮
請求書の作成・送信方法
Factur-X で請求書を作成するには、ご利用の請求書作成ソフトウェアがこの形式に対応している必要があります。Le Forum National de la Facture Électronique et des Marchés Publics Électroniques (FNFE-MPE) は、標準化されたシステムで請求書を自動的に生成・受領できる Factur-X 対応ソフトウェアのリストを公開しています。FNFE-MPE のウェブサイトから Factur-X 請求書のサンプルをダウンロードすることもできます。
Factur-X 形式の請求書を作成したら、登録済みの Partner Dematerialization Platform (PDP) または公共電子請求ポータルである Chorus Pro で請求書を発行できます。
または、Stripe のパートナーアプリである Billit (Stripe App Marketplace でダウンロード可) を使用して、Factur-X 形式で請求書を作成・送信することも可能です。ノーコードで Stripe から安全に電子請求書を送信できるため、ユーザーフレンドリーな仕様になっています。詳しくは、Stripe での電子請求処理に関する記事をご覧ください。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。