洗い替えとは期限切れのクレジットカード情報を自動的に更新する機能です。
洗い替えに非対応の場合は通常、EC サイトなどの顧客が自ら新しいカード情報を入力し直す必要があります。しかし、洗い替えに対応している EC サイトであれば、自動で最新のカード情報に更新されるため、顧客は各ショッピングサイトに登録しているカード情報を再度登録する手間が省けます。
本記事では、クレジットカードに関わる洗い替え機能の基礎知識について、わかりやすく解説します。
目次
- 洗い替え機能とは?
- 洗い替えのメリット
- 請求金額の未払い・未回収を防ぐために
洗い替え機能とは
企業は、簿記、会計、不動産など、多くの状況で「洗い替え」という用語を使用します。「洗い替え」の意味は、事業者の使い方によって異なりますが、ほとんどの企業は、経理で使われる「洗い替え方式」や「洗い替え制度」と同様に、洗い替えを情報更新の手段として捉えるのが一般的です。
前述のように、クレジットカードの洗い替えは、企業が有効期限切れクレジットカードに対応できるようにする機能です。通常、企業が利用する決済代行業者とクレジットカード発行会社との間でシステムが接続されているクレジットカードの場合、洗い替え機能がカードの有効性をカード発行会社に確認し、自動的にカード情報を最新バージョンに更新します。
言い換えると、代理店が洗い替えする交換機能を利用することで、顧客に新しいカードの再登録を求めることなく、クレジットカード情報を自動的に最新バージョンに更新できます。これにより、予告なく決済がキャンセルされるなど、売上に支障をきたすことなく請求を継続することが可能です。
洗い替えは通常、請求を受ける顧客やサービスを受けている顧客に対して行われ、EC サイトやサブスクリプションサービスを解約した顧客には行われません。
洗い替えのメリット
事業者が洗い替え機能を用いることは、結果として顧客の決済体験と事業者の利便性の向上に繋がります。
事業者側のメリット
EC サイトの運営事業者にとっては、登録されている顧客のクレジットカード情報が古くなっていたことで決済エラーになると、代金を回収できず、収益が減少してしまう恐れがあります。
しかし、洗い替えの処理機能によって、更新されたカード情報に基づく決済が滞りなく実行されれば、代金の回収漏れを防ぐことができるため、収益にマイナスの影響を与えることなくサービスを提供することができます。
また、顧客とのカード情報の更新に関するやり取りや、細かい情報管理の手間を省くことができます。
サブスクリプションサービスにおける洗い替えの役割
特にオンラインショップの定期便などのサブスクリプションサービスのように、継続的に決済が発生する場合においては、洗い替えが大きな役割を果たしています。
たとえば、毎月自動的に商品が届けられる定期配送、コンテンツのストリーミング配信のように、毎月自動的に決済が行われる際に、クレジットカードの有効期限が切れてしまっていたり、盗難・紛失によってカード番号が更新されていたりすると、決済エラーとなってしまうことがあります。このような場合でも、洗い替え機能が導入されていれば、カード番号を含む新しい情報が自動的に更新されるため、決済が中断されることもなく、サービスを継続して提供することができます。
顧客側のメリット
事業者側のメリットと同様、決済が問題なく行われることによって、顧客はサブスクリプションサービスをキャンセルされることなく、継続的に利用することができます。
このほか顧客側の立場として、カード情報にかかる再登録の手間が省けることも、洗い替えの大きなメリットと言えます。
請求金額の未払い・未回収を防ぐために
これまで、EC サイト運営事業者などの加盟店にとって、クレジットカードの有効期限切れの顧客に対応しながら継続課金を行うことは手間がかかる業務でした。しかし、クレジットカードの期限が切れた顧客への対応として、事業者が決済代行サービスの洗い替え機能を利用することで、こうしたクレジット決済にかかる業務負担を軽減することができます。
さらに現在では、期限切れのカードに対する自動通知機能や決済のリトライ機能のほか、さまざまな売上回収機能や対応策を取り入れることが可能です。
決済の継続性を維持する洗い替え機能は、クレジットカード決済や EC サイトの運営において、代金の支払い (顧客側) と 回収 (事業者側) の双方における利便性を高める有益な機能です。そのため、洗い替えについては、セキュリティ面の向上や業務の効率化を軸として、これからも進化し続け、より多くのビジネスシーンで生かされるでしょう。
クレジットカード決済を含む、多数の決済手段の取り扱いが可能な Stripe Payments では、支払いの受付から情報処理や収益の管理まで、決済に関わるさまざまな機能・サービスを提供し、1 つのプラットフォームで決済のあらゆるニーズに対応しています。また Stripe では、洗い替え機能に加えネットワークトークンによる支払い情報のトークン化システムを採用しており、顧客の支払い情報が未更新の場合でも、決済の続行が可能です。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。