日本では近年、人手不足を背景に、人材の確保に課題を抱える企業も増えています。こうした課題に対応しながら、業務効率化や顧客体験の向上も目指せる手段として、AI (人工知能) アプリ開発への関心が高まっています。
一方で、AI アプリの開発にはどのような準備が必要なのか、どこから始めればよいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、AI アプリ開発の基本的な流れ、主な開発方法、必要なスキル、費用の目安など、日本で AI アプリを開発する際の注意点をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- AI アプリ開発では、AI モデルや AI API を活用して、業務支援やデータ分析、ユーザー体験の向上につながる機能を実装できる。
- AI アプリは、ノーコード・ローコード、AI API、フレームワーク、学習済みモデルなどを活用し、専門的な開発経験がなくてもシンプルな AI アプリを開発できる。
- AI アプリ開発では、目的に合った AI 機能の選定、データ整理、テストや精度改善、運用後の改善が重要になる。
- 日本で AI アプリを提供・販売する場合は、個人情報保護、著作権、特定商取引法などへの配慮も必要になる。
- AI アプリ開発の費用は規模や機能によって異なり、シンプルなもので 50 万円から 500 万円程度、大規模な AI システムでは数千万円以上かかる場合もある。
AI アプリ開発とは?
AI アプリ開発とは、機械学習や AI モデルの機能を組み込んだアプリケーションを構築することです。近年の活用事例は多岐にわたり、不正検知、リスク分析、需要予測、パーソナライズ、AI エージェントなど、さまざまな分野で広く導入されています。
あらかじめ定義されたロジックで動く従来のアプリに対し、AI アプリは AI モデルや API を通じて予測・分析・自然言語処理などの高度な機能を実現します。このため、精度の高い回答を得るためのデータ設計や、運用開始後の継続的な改善が開発において極めて重要となります。
現在では、ノーコードツールや AI 機能を利用できる API も増えており、個人でも AI アプリを開発できるようになっています。また、AI 検索やチャット UI (ユーザーインターフェース) の普及により、近年は AIO (AI 検索最適化) を意識したコンテンツ設計や使いやすさも重要視されています。
AI アプリ開発の主なパターン
AI アプリ開発とひとくちにいっても、作り方にはさまざまな方法があり、必要なスキル、費用、自由度は開発方法により異なります。
ノーコード・ローコードで開発する
ノーコード・ローコードツールを使用すれば、プログラミングの知識が少なくても AI アプリを開発することが可能です。ドラッグ&ドロップ形式で直感的に画面や機能を構築できるものも多く、プロトタイプや小規模な AI アプリの開発に利用されています。
API を活用して開発する
Gemini API や OpenAI API などの AI API を利用することで、不正検知、データ分析、AI エージェント機能など、さまざまな AI 機能をアプリへ組み込むことができます。既存の AI サービスを活用するため、比較的短時間で開発しやすい点もプラスです。
AI フレームワーク・ライブラリを利用する
TensorFlow (テンソルフロー)、PyTorch (パイトーチ)、MXNet (エムエックスネット) などの AI フレームワークやライブラリを利用することで、AI モデルの構築や学習を柔軟に行えます。自由度が高い一方で、プログラミングや機械学習に関する知識が求められます。
既存の AI モデルを活用して開発する
すでに学習済みの AI モデルや AutoML (自動機械学習) などを活用することで、ゼロから AI モデルを開発しなくても AI 機能を実装できます。たとえば、転移学習を利用すれば、既存の AI を自社用途向けに調整することが可能です。開発期間やコストを抑えながら AI アプリを開発できるのがメリットです。
AI アプリ開発の基本ステップ
AI アプリ開発では、目的に合った AI 機能の選定やデータ設計、精度評価などが重要になりますが、近年はノーコードツールや AI API も増えており、専門的な開発経験がなくても AI アプリを開発しやすくなっています。ここでは、AI アプリ開発の基本的な流れを紹介します。
AI アプリの目的と開発方法を整理する
実現したい機能により必要な AI 技術は異なります。AI アプリ開発で何を実現したいのかを明確にしましょう。
また、開発内容によってはノーコードツールや AI API だけで実現できるケースもあれば、AI フレームワークや独自モデル活用が必要になる場合もあります。実装したい機能、開発規模、スキルレベルを考えながら、自身に合った開発方法を検討するようにしましょう。
小規模で開発・検証する
AI アプリ開発では、開発コストやリスクを抑えるために、小規模スタートがおすすめです。最初からすべての機能を実装するのではなく、特定の機能や一部の業務に限定して AI を導入することで、改善もしやすくなります。
データを集める
AI アプリ開発では、AI へ入力するデータの品質も重要になります。データに偏りや先入観が含まれている場合、AI の予測結果にも影響が出る可能性があるため、特定の情報だけに偏らないよう注意することも重要です。
また、顧客データ、商品データ、問い合わせ履歴など、利用目的に応じたデータを収集する際に不要なデータを除外したり、AI が学習・分析しやすい形式へ整える作業も大切です。
さらに、プロンプト作成や回答のルールを設計し、AI の精度を高めていきます。
テストや精度改善を行う
AI アプリは、開発後にもテストや改善を繰り返しながら運用することは欠かせません。AI の回答内容や予測結果を確認し、誤った回答や不自然な出力が発生していないかを検証します。
また、利用状況に応じてプロンプトやデータの見直しや、AI モデルの調整を行います。AI は間違った情報を自然な文章として生成することもあります。定期的な確認は怠らないようにしましょう。
AI アプリ開発に必要なスキル・知識
AI アプリ開発では、プログラミングや AI に関する知識があれば、開発をスムーズに進めることができますが、開発方法によって求められるスキルレベルは異なってきます。事業者の目的に合わせてどの方法にするかを決めるのがよいでしょう。
|
開発方法 |
必要なスキル |
|---|---|
|
ノーコード・ローコード |
基本設計 |
|
AI API の利用 |
基本的なプログラミング |
|
フレームワーク利用 |
AI・機械学習の知識 |
プログラミングに関する知識
AI アプリ開発では、AI 機能を実装したり、API を連携したりするために、プログラミングに関する知識が役立ちます。
特に AI 開発では Python が主流となっており、シンプルに記述しやすく、AI 向けライブラリも豊富なため、多く利用されています。また、JavaScript などの知識があると、ユーザー画面の開発にも対応しやすくなります。
そのほかにも、外部 AI サービスを利用する際には API 連携の知識、データを管理するためにはデータベースなどに関する知識などが求められる場合もあります。
AI・機械学習に関する知識
AI アプリ開発では、AI モデルや機械学習に関する基本的な知識が役立ちます。
たとえば、AI へどのようなデータを渡すかにより回答や予測結果が変わるため、データ整理や精度改善に関する考え方も重要になります。また、生成 AI を活用する場合は、AI へ適切な指示を与えるプロンプト作成の知識も必要です。
AI アプリ開発で押さえたい注意点
AI アプリ開発では、次のような点に注意する必要があります。
- AI が誤情報を生成する可能性
AI モデルや学習済みデータには、誤った情報や古い情報が含まれていることもあり、AI が不正確な回答をする可能性があります。 - 個人情報やセキュリティ
顧客情報や社内データを扱う場合は、個人情報保護やセキュリティ対策が重要です。 - 著作権や利用規約
既存の文章や画像データを利用する場合は、著作権やサービスの利用規約への配慮が必要です。 - 特定商取引法に基づく表記
日本の消費者向けに有料アプリを販売したり、アプリ内課金を提供したりする場合は、特定商取引法に基づき、事業者名、電話番号、住所などの情報を表示する必要があります。また、日本で AI アプリを提供する際は、資金決済法をはじめ、日本国内で適用される各種法令への対応も求められます。 - API 利用料金
AI API は従量課金制で提供されている場合が多く、利用量によっては運用コストが跳ね上がる場合もあるため注意が必要です。
AI アプリ開発の期間・費用の目安
AI アプリの開発の期間や費用は、開発方法や実装する機能によって大きく異なります。
|
開発規模 |
開発期間 |
費用の目安 |
具体的な事例 |
|---|---|---|---|
|
小規模 AI アプリ |
1 か月 〜 3 か月 |
50 万円 ~ 500 万円 |
|
|
中規模 AI アプリ |
3 か月〜 6 か月 |
500 万円 ~ 2,000 万円 |
|
|
大規模 AI アプリ |
半年以上 |
2,000 万円以上 |
|
ここで紹介した期間や費用はあくまでも日本で AI アプリを開発する際の目安であり、実装する AI 機能、外部システム連携、データ量、セキュリティ要件などにより大きく変動します。
よくある質問 (FAQ)
ここでは、AI アプリ開発に関するよくある質問を紹介します。
Stripe Payments でできること
Stripe Payments は統合型のグローバル決済ソリューションです。成長中のスタートアップから大企業まで、あらゆるビジネスがオンライン、対面、世界各地でスムーズに決済を導入できます。
Stripe Payments の特徴
- 決済体験の最適化: 構築済みの決済 UI、125 種類以上の決済手段、Stripe が構築したウォレット「Link」により、スムーズな顧客体験を実現するとともに、数千におよぶ開発時間を削減します。
- 新市場へのスピーディーな展開: 195 カ国、135 以上の通貨で利用可能な決済オプションにより、世界中の顧客にリーチし、多通貨管理の複雑さとコストを削減します。
- 対面とオンライン決済の統合: オンラインと対面を統合したコマース体験を構築。顧客とのやり取りをパーソナライズし、ロイヤルティを高め、収益拡大を促進します。
- 決済パフォーマンスの向上: ノーコードの不正利用対策や承認率改善のための高度な機能など、カスタマイズ可能で設定が簡単な決済ツールで収益を増加させます。
- 柔軟で信頼性の高いプラットフォームで事業成長: 業界最高レベルの信頼性を備えたプラットフォーム上でビジネスを構築し、拡大。稼働時間は 99.999% を誇ります。
Stripe Payments のオンラインおよび対面決済について、詳しくはこちら をご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。