採用は、どの段階においても、会社にとって最も影響力のあることのひとつですが、特に初期段階においてはなおさらです。新しい人材を迎え入れることは、仕事の成果を加速させ、会社の能力を拡大し、会社の仕事に新しいスキル、専門知識、経験、視点をもたらします。初期のチームは、企業文化の基礎を築きます。
創業者が最初に新しいチームメンバーを探すべき場所は、親しい人脈です。彼らの仕事に精通している人たちや、会社設立当初の浮き沈みの激しい時期にパートナーになれるとわかっている人たちです。このような人たちは、あなたとあなたのアイデアに賭けてくれる可能性が高いのです。
しかし、そのような人材は非常に少数である可能性が高く、ビジネス経営に必要な非常に幅広い能力を持っているとは限りません。このガイドでは、そのような人たちを超えて、優れた新しいチームメンバーを見つけるお手伝いをします。
ステップ 1: 採用したい役割とその中核となる責任を決定します。
まず最初に考えるべきことは、どのような資質がチームを向上させるかということです。起業したばかりの会社は、うまくいっていることを繰り返したくなるものです。しかし、あなたはチームを補完したいのであって、複製したいわけではありません。
まず手始めに、チームが何に悩んでいるのか、ビジネスの現在足枷となっているスキルや専門知識の不足は何か、具体的な言葉でリストアップしてみましょう。このリストには、ハードスキル (インフラエンジニアリング、オペレーション、フロントエンドデザイン、営業、マーケティングなど) とソフトスキル (コミュニケーション、組織力、関係構築、影響力など) の両方を含める必要があります。
次に、そのリストの中から、あなたの会社で 1 人の担当者が担うことができるスキルをピックアップします (たとえば、営業、オペレーション、人間関係構築のスキルが 1 つの役割に該当するかなど)。その際、どのような経歴や経験を持つ人が、あなたの会社でこの役割を担う魅力的な候補者となるかを文書化してください。同じような規模の会社で B2B セールスの経験がある人がいいのか? セキュリティプログラムをゼロから構築したことがある人がいいのか? このリストを作成する際には、追加する各項目について理由を持つことが重要です。すべての項目がその人材があなたの会社で取り組む仕事に直接適合している必要があります。
これが求人情報の始まりです。あなたが妥当な役職を設計しているかどうかをテストするために、この仕事に就く人の典型的な 1 日や四半期がどのようなものかを書き出してみてください。あなたが設計したこの 1 日や四半期を完璧にこなした人がいたとして、それは会社やビジネスにとって有意義かつ確実にインパクトをもたらすでしょうか? そのレベルで実行することは、一人の人間にとって実現可能で充実したものになるでしょうか?
この 2 つの質問に対する答えが「はい」であれば、正式な求人情報を作成し、掲載する時期が来ています。
ステップ 2: 明確でその気にさせる業務内容をウェブサイトに掲載する
求めているものを正確に書き出すことで、成功するために何が必要なのか、候補者への明確な期待を提示することができます。そうすることで、あなたと候補者がお互いに合うかどうかを判断する素晴らしい体験できるようになります。また、より簡単に情報を広めることができます。
最高の求人情報は、シンプルな公式に従っています: (a) 会社の説明、(b) 役割の説明、(c) 候補者に求める基準です。幸いなことに、あなたはステップ 1 で (b) と (c) の部分はすでに完了しています。
募集要項を掲載する際は、明確で刺激的、かつ包括的な表現を使うようにしましょう。(意図せず排除的な表現を使ってしまっているかどうかを判断するのは難しいかもしれません。Textio には 、包括的な求人情報を書くための素晴らしいヒント) があります。潜在的な候補者は、求人情報を読むことで会社やチーム、役割についてよく理解できるはずです。余計な情報や誇張された情報が含まれていると、適格な候補者の応募を妨げたり、応募してきた人に間違った期待を抱かせたりする可能性があります。
優れた求人情報の例を 3 つ紹介します: フルスタックエンジニア; コピーエディター; ソフトウェアエンジニア、コンテンツセーフティ
求人情報が準備できたら、掲載しましょう。
ステップ 3: 優秀な候補者でパイプラインを埋める
求人情報を掲載したら、候補者を見つける方法はたくさんあります。特に効果的なのは、ソーシングセッション、LinkedIn、対面イベント、第三者の求人サイトの 4 つです。
ソーシングセッションの開催
「ソーシング・セッション」とは、あなたのネットワークやその周辺にいる、あなたの会社の職務に適任と思われる人物を洗い出すため専用に設けられた時間のことです。ソーシングは優先順位を下げがちですが、規模が大きく多様なパイプラインを構築するためには絶対に欠かせません。Stripe では、ソーシングセッションを 1 時間かけて行い、関連するチームの全員に、採用したい人材をスプレッドシートに記入してもらいます。
効果的なソーシングセッションのヒント
- まず、その職務を採用する背景と動機から始めましょう。そうすることで、その役割について全員が同じ考えを持つようになり、うまくいけば、人々の意欲がかき立てられるでしょう。
- 個人またはチームの明確な目標を設定します。例えば、全員が 10 人の候補者を見つけるとか、グループ全体で 50 人の候補者を見つけるなどです。
- 候補者を記録するのに中心となるリソース(スプレッドシートなど)を用意しましょう。これは、後でアウトリーチを行う際に整理整頓に役立つだけでなく、ソーシングセッションに参加する人々のモチベーションの源にもなります。
- 職務とその適性に関する質問に答えられる人を用意しましょう。
- 音楽とスナックを持ち込みましょう。音楽とスナックが嫌いな人はいませんから。
- 何があっても、1 時間まるまる使ってください。「完璧な候補者」がいたことを思い出すのは、すべての人材ネットワークに目を通した 10 分後です。
- 参加者に、考えている候補者を見せ合うように促します。
- 参加者がソーシングに成功したことがある場所について共有してもらいます。例えば、GitHub、LinkedIn、AngelList など。
- 新しい仕事を探していないことがわかっていても、候補者をリストアップしましょう。候補者が今は入社を希望していなくても、将来的に入社する可能性があるかもしれませんし、今探している人を知っているかもしれません。
- グループに特に時間と労力を割いて非典型的な、あるいは社会的地位の低い背景を持つ可能性のある候補者を探すよう促します。
LinkedIn の利用
リクルーティングとソーシングに使えるツールを 1 つお勧めするなら、LinkedIn を使いましょう。LinkedIn はソーシングのスタート地点として最適です。
LinkedIn を効果的に活用する鍵は、役割の条件を LinkedIn 検索に反映させることです。以下に具体的なヒントをいくつか挙げてみましょう。
- キーワードを使用して、関連する役職や取り組んでいることの概要を公開している候補者を特定します。一般的に、より具体的であることが望ましいです。
- なぜ特定のソースから検索しているのかを自問自答して、追加のキーワードを見つけましょう。「自分は Facebook で人材を探している」、「なぜだろう?」、「Facebook は大規模なユーザーベースを扱うことに精通しているからだ」、「ああ、Facebook だけでなく、大規模なユーザーベースを持つソース全般について考えるべきなんだな」
- 在職期間の決定には、「経験年数」、「現職での年数」、「卒業からの年数」を使用します。
- あなたの会社や役割に適した特定のプログラム、会社、組織、学校を検索します。
- 求める人材に合ったプロフィールを見つけたら、どんなキーワードが含まれているのか熟読しましょう。そして、そのキーワードで検索してみましょう。そうしなければ見つからなかった候補者が見つかるかもしれません。
- お手本にしたい属性を持つ企業、団体、学校をターゲットにしましょう。特定のソースから採用することで、成功とチャレンジを継承する土台を多様性を持たせつつ築くことができます。
- 頻繁に採用活動を行うのであれば、LinkedIn Recruiterの導入をご検討ください。よりターゲットを絞った検索が可能になり、他の方法では不可能なほど多くの候補者にアプローチすることができます。
イベントへの参加
イベントは候補者を探す最良の方法のひとつです。すでに定期的に参加している業界イベントやカンファレンスのリストをお持ちかもしれません。もしそうなら、価値のあるものであれば継続して参加しましょう。Eventbrite や Meetup は、あなたのレーダーには入らないかもしれないユニークなイベントを特定するのに役立つ素晴らしいプラットフォームです。ハードウェアチームに人を採用する必要がある場合は、Makerspaces のミートアップに参加してみましょう。コピーエディターを必要としているなら、もしかしたら、あなたの地域で National Novel Writing Month のミートアップがあるかもしれません。
大切なのは、自分が実際にワクワクするようなイベントに行くことです。そうすれば、同じ興味を持つ候補者を見つけやすくなります。
イベントを選んだら、参加するためのヒントをいくつかご紹介しましょう。
- 目標を設定する。 イベントに到着する前に、何人と話したいかを決めましょう。事前に招待客のリストがあれば、リサーチして見込みのある候補者を探しましょう。
- ありのままの自分でいること。 潜在的な候補者とのすべてのやりとり、特に対面でのやりとりにおいては、素でいることが重要です。ことあるごとに自社のことや採用について話す必要はありません。建前のない、真のネットワーキング は、採用活動の一部です。
- 会社と職務の売り込み文句を準備する あなたの会社と採用したいと考えている職務について、簡潔で印象的な説明を準備しておきましょう。「お仕事は何をしているんですか?」や「何をしている会社なんですか?」に答えられるように準備しておきましょう。入社に興味のない人と話す場合でも、その人があなたの会社で募集している職務について友人に伝えられるよう、あなたの売り込みは十分に明確であるべきです。
- 聞き手に合わせた売り込みを。 非営利団体のイベントで Stripe について話すときは、Stripe Atlas と世界中の起業家のための機会構築について話します。しかし、VC のイベントでは、Stripe の製品がフィンテック分野の他社よりも多くのツールを提供できる可能性について話します。
第三者の求人サイトへの掲載
あなたの会社のことをまだ知らないために、求人ページを訪れていない人もいます。だからこそ、Craigslist、AngelList、Handshake のような第三者の求人サイトはとても効果的です。
どのサイトが適しているかを特定するには、同業他社がどのサイトで採用に成功しているか聞いてみましょう。また、求職者に彼らがどこで仕事を探しているかも聞いてみましょう。
サードパーティサイトを評価する際は、恐れずに求人サイトを運営する会社に連絡を取り、採用率はどのくらいですか? どのような人がサイトを訪問しますか? などの質問をしてみましょう。
もう一つ考慮しなければならないのは、求人サイトの中には料金のかかるものもあるということです。そのトラフィックと利用者がコストに見合うかどうかを判断する必要があります。可能であれば、各求人サイトに独自のトラッキングリンクを設置し、自身のソーシング活動を把握、最適化できるようにしましょう。
世の中には十分な数の求人サイトがあるため、目利きができ、ターゲットを絞ることができます。Hacker News や Hired のようなプラットフォームは、エンジニアを見つけるのに本当に効果的です。また、Tech Ladies や Jopwell のような、社会的地位の低いバックグラウンドの候補者に焦点を当てた求人サイトもたくさんあります。
ステップ 4: 候補者をワクワクさせる話し方
候補者リストができたら、2 種類のアウトリーチを行います。
- ウォームアウトリーチ: 知り合いにアウトリーチをすることです。ウォームアウトリーチは、返事をする障壁を低く保つために、個人的でくだけた口調であるべきです。その会社での経験や、彼女が得意としていること、あるいは情熱を注いでいることにどのように関係しているかを話しましょう。
- コールドアウトリーチ: これは、あなたが知らない人へのアウトリーチです。コールドアウトリーチは、短く、簡潔で、特定の候補者と話すことにワクワクしていることを表現するのに十分なパーソナライズされたものでなければなりません。あなたなら何が興味を惹くかを考え、それを書くことで、返事をもらえる可能性を最大限に高めることができます。
どちらのタイプのアウトリーチにも、気おくれされる理由があるかもしれませんが、採用情報を知らせるには両方とも重要です。アウトリーチでは、職務に関する重要な情報を盛り込みながら、常にできるだけ気持ちの良い、個人的なものにしたいものです。
ウォームアウトリーチ
「ウォームアウトリーチ」をする場合、(1) 最も親密な関係にある人に最初に働きかけをしてもらうか、(2) 上級チームメンバーに働きかけをしてもらい、あなたとの親密な関係について言及してもらうのが最も効果的です(例「AnnE は、あなたがこれまで一緒に仕事をした中で最高のエンジニアだと言っていましたよ!」)。
自分好みにカスタマイズできる、ウォームアウトリーチの例をいくつかご紹介します。
こんにちは、Lauren、月曜日のディナーの疲れは取れましたか? 私のチームがちょうど募集を始めたのですが、募集要項を読んですぐにあなたのことを思い出しました。必要としているのは、採用プロセスを整え、円滑に進めることができる人、そして、採用から入社までの円滑なプロセスを構築するために、人事チームと部門横断的に働く方法を理解している人です。あなたの会社でもこのようなことを展開された経験があるかと思います。この役職についてもっと知りたいですか? もちろん、喜んでお話させていただきますが、採用責任者と話す機会も設けたいと思います (彼女にあなたのプロフィールを見せたら、あなたが望むなら今日にでも話をすると言っていました)。ご意見お聞かせください。
こんにちは、Rachel、来週のラ WriterCon でお会いできるのを楽しみにしています。早速ですが、質問があります。Stripe で次のコンテンツエディターを探しているのですが、ご興味ありますか、または興味のありそうな方をご存じですか? この役割は Stripe にとって重要なので、ぜひ適任者を見つけたいと思っています。あなたは今の職場に満足していると思うので、無理強いはしませんが、あなたが素晴らしいと思う人にぜひ声をかけてください。あなたが一番よく知っているはずです!
こんにちは、Cait! 2015 年にハワードを卒業した AnnE と申します。私のチームが Stripe でソフトウェアエンジニアを募集しており、ハワードの卒業生をもっと活用できるのではないかと思い、ご連絡しました!Stripe の社員は素晴らしく、学ぶ機会がたくさんあります。その上、ランチのサラダはハワードの学食のサラダに匹敵します。もし興味があれば、ぜひランチを食べに来てください。
もし相手から返事をもらったものの、興味を示していない場合は、誰か知り合いがいないか聞いてみましょう。
コールドアウトリーチ
コールドアウトリーチをするときは、簡潔かつ友好的でいましょう。潜在的な候補者が大事にしていることについて話し、具体的になぜその候補者に働きかけようとしているのかを伝えましょう。面接の日程を決めようとしたり、オフィスに来てもらおうとしたりするのではなく、より詳しい情報を共有したり、簡単な電話をすることを提案することで、問い合わせに応じやすくします。
次のコールドアウトリーチの例をカスタマイズして、自分だけのアウトリーチを作ることができます。
こんにちは、Jaime、私は Stripe の編集チームを率いているのですが、あなたのブログの仕事にとても感銘を受けたので、ご連絡しました。もっとお話がしたいです。コーヒーでも飲みながらお話しませんか?
こんにちは、Alba、私は Stripe の編集チームで働いています。あなたの会社のブログでのお仕事が、私たちの会社で作っている資料ととても合っていることに気づきました。今私のチームは、このブログがスケーリング企業にとって最も重要な情報源となるよう取り組んでいます。ぜひお電話で詳細を説明し、将来的にご興味があるかどうか確認できればと思います。
こんにちは、Jesse、私は今、Stripe で素晴らしいライターを雇おうとしています。歴史的に、私たちは製品やインフラで起業家に力を与えてきました。そして今度は情報分野でも同じことをしたいと考えています。あなたのプロフィールを見て、その経験に感銘を受けました。今は転職をお考えではないと思いますが (ところで、Slack での勤続 2 周年おめでとうございます!)、5 分ほどお電話でこの役職についてお話させていただき、同じような経験を持った方を見つけるためのご提案があれば、ぜひお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします!
コールド・アウトリーチについて、もう 2 つのヒントがあります。
- フォローアップ。 必ずフォローアップをしましょう。最初のメッセージに返事をくれない候補者も、2 度目、3 度目のメッセージには返事をくれるかもしれません。それは、あなたが興味を持っていて、粘り強いことを示すものです。興味のない候補者をしつこく誘っているように感じるかもしれませんが(あるいは、候補者を不快にさせているように感じるかもしれません)、短くて素直なメッセージを作成することで、敬意と真剣さをもって伝えることができます。(「こんにちは、Jaden、お元気ですか? Stripe のプロダクトマネージャーの仕事について、ぜひお話したいことがあります。ご興味はありますか? あるいは、誰か知りませんか? もし興味がなくても、心配はいりません」など。)
- 管理をする。 中央進捗トラッカーを使用してできるだけ候補者へのアウトリーチややり取りの進捗を追跡しましょう (スプレッドシートや、規模に応じて応募者追跡システムを利用することもできます)。こうすることで、各候補者を追跡できるだけでなく、社内の複数の人が同じ候補者に接触する可能性を最小限に抑えることができます。
ステップ 5: 続ける
安定したパイプラインを維持するためには、採用活動を一貫して優先する必要があります。また、このプロセスを早期に開始することで、成長に合わせて最適なプラクティスを確立することができます。
採用活動にどれだけ時間を割くかは、あなた次第です。Stripe では、採用担当者が毎日採用活動に時間を割くことを奨励しています。特に積極的に採用活動を行っている場合は、1 日最大 2 時間までパイプライン構築に優先的に取り組む採用担当者もいます。しかし、積極的に採用活動を行っていないときでも、毎日 20~30 分は候補者に接触し、ネットワークを構築する時間を取ることをお勧めします。カレンダーにイベントとして設定し、他の優先事項と同じように扱うことで、習慣化することができます。
すべての仕事の効果がすぐに現れないかもしれません。それが普通です。パイプラインを構築するには時間がかかります。求人がないときや候補者がすぐに興味を示さないときでも、連絡を取り続けましょう。
時間の無駄だと感じることもあるでしょう。でもそうではありません。数年後、会社の業績を振り返ったとき、それを可能にした人材を見つけるために費やした時間を後悔することはないでしょう。
まとめ
採用活動を始める際、個人的なネットワークの中で探すのは簡単でわかりやすい出発点ですが、このような特定のグループに限定すべきではありません。個人的なネットワークの外でリクルートを始め、より多様な候補者のパイプラインを構築し始めるのに早すぎるということはありません。このプロセスは必ずしも一筋縄ではいきませんし、私たちは未だに上手い方法を学ぼうとしています。ですが、取り組んでみる価値はあります。幸運をお祈りします。