課題
Tekmetric の創業者兼 CEO である Sunil Patel 氏は、2008 年から 2017 年まで自身の自動車修理工場を経営していた際、整備工場のオーナーのニーズに合わせて作られたソフトウェアが不足していることに不満を抱いていました。当時、修理依頼の追跡や帳簿管理には、依然として紙とペンが広く使われていました。同氏は、整備工場のオーナーの業務を簡素化し、資金の流れを最適化し、そして何よりも顧客体験を向上させるオールインワンのソフトウェアソリューションが必要だと考えました。
「自動車修理業界では、顧客は自分が受けるサービスが公正で誠実なものか不安に感じることが多いため、信頼と透明性が何より重要です。最適な整備工場管理システムとは、効率性と明確なコミュニケーションを高め、修理プロセスを顧客が完全に把握できるようにすることで、信頼を育むものです」と、Tekmetric のマーケティング担当バイスプレジデント、Clare Corriveau 氏は述べています。
Tekmetric は 2015 年にクラウドベースの整備工場管理プラットフォームとして立ち上げられ、修理依頼の効率化、作業や見積書の作成、在庫管理、部品の発注、顧客とのコミュニケーションを支援してきました。Tekmetric は当初、修理依頼のオンライン決済を処理するために、サードパーティプロバイダーと紹介提携を結んでいました。しかし間もなく、決済を自社の整備工場管理システムに直接組み込むことで、プラットフォームのユーザーにさらに大きな価値を提供できると気付きました。修理依頼のフローに組み込まれた決済ソリューションがあれば、時間のかかるバックオフィス業務を効率化し、どの請求書が決済みかをめぐる混乱を解消できます。また、最終顧客の体験を向上させる機会も生まれます。「私たちは、顧客が好むチャネルを問わず、利用可能なあらゆる決済手段を整備工場が受け付けられるようにしたいと考えていました。そして、私たちが思い描く、より透明性が高く顧客に力を与える体験の中に、決済体験がシームレスに溶け込むようにしたかったのです」と、Tekmetric の決済担当バイスプレジデントである Neil Patel 氏は述べています。
Tekmetric は、中核となる決済処理機能を超えて革新的なテクノロジーを可能にする、新しい決済代行業者を求めていました。柔軟で現代的な決済オプションを求める顧客の要望に応えるため、このプロバイダーには、後払いオプションや Apple Pay などのデジタルウォレットを含む、複数の決済方式に対応していることが求められました。
Tekmetric は、使いやすいプラットフォームに新機能を継続的に統合することで、自動車修理業界をさらに支援できる可能性を見いだしました。それは、単なるソフトウェアプロバイダーではなく、顧客の事業インフラに欠かせない存在になるという Tekmetric の目標を前進させるものでした。オールインワンソリューションとしての Tekmetric の価値を高めることは、長期的な利用を促進し、顧客生涯価値を向上させます。同社は、成長しても使い続けられるテクノロジーパートナーを必要としていたため、融資やカードの発行など、決済に隣接する金融テクノロジーを提供し、より多くの顧客ニーズに対応するためにサービスを拡大できる決済代行業者を見つけることに特に関心を持っていました。
ソリューション
徹底的な選定プロセスを経て、Tekmetric は Stripe との提携を選びました。「顧客体験を向上させられるプロバイダーが必要でした。主要なプレーヤーをすべて検討し、必要なツールを備えたテクノロジーファーストの企業である Stripe を選びました」と、Patel 氏は述べています。
同社は Stripe Connect の導入を選択しました。これにより、車のオーナー、修理工場、Tekmetric の間で、コンプライアンスに準拠した資金移動が可能になりました。同社は Stripe の API を使用して、自社プラットフォームにカスタム統合を構築しました。このアプローチにより、整備工場のオーナー向けのシームレスな決済アカウント管理が可能になり、事業運営や管理機能の簡素化という Tekmetric の目標を後押ししました。Connect の導入により、Tekmetric は資金移動の各段階を最適化できるようになりました。
Tekmetric は Stripe Payments を使用して取引を処理し、Stripe 決済ソリューション に含まれる Stripe Elements によって決済処理を強化しました。これは、決済フローを改善し、コンバージョンを高める埋め込み可能な UI コンポーネント群です。Payment Element を使うことで、Tekmetric はクレジットカードに加え、Apple Pay と 3 つの後払いオプション: Affirm、Klarna、Sunbit を簡単に有効化できました。後払いは、高額な緊急修理に直面する車のオーナーにとって特に有効です。後払いを利用すれば、エンド顧客は高額な修理費用を複数回の少額決済に分けることで、予算を守ることができます。近く、Tekmetric は Link も提供する予定です。これにより、顧客の決済情報が自動入力され、安全でスピーディーかつシームレスな体験を実現できます。
Tekmetric は、修理注文プロセスに対応するため、Stripe 決済ソリューションのもう 1 つの UI である Payment Links を導入しました。店舗は顧客に個別の見積もりを送信でき、複数の修理案を提示する場合でも、Payment Links を使えば、エンド顧客は承認したい修理を簡単に選び、その分だけ決済できます。
Stripe の POS ソリューションである Stripe Terminal により、Tekmetric は自動車修理工場が Tekmetric プラットフォームを通じて対面決済を受け付けられるようにしました。オンライン決済と対面決済を統合できる Terminal の機能は、自動車修理工場に共通する課題の解決に役立ちました。その課題とは、保留中の修理注文を追跡し、毎月末に決済を照合して財務状況を明確に把握することです。対面決済とオンライン決済の両方に関する詳細なレポートにより、Tekmetric は店舗が事業に関するインサイトを得られるよう支援し、短期的にも長期的にも成長を促す、データに基づく意思決定を可能にしています。この課題を解決することは、プラットフォーム外での決済を減らすことで、Tekmetric にとってもメリットがあります。
Stripe を導入して数カ月後、Tekmetric には膨大な取引データが蓄積されていました。大量のデータを確実に扱うため、Tekmetric は Stripe Data Pipeline を導入し、Stripe アカウントをデータウェアハウスと同期させました。これにより、豊富なインサイトにアクセスし、意思決定に役立つ重要な事業指標を追跡できるようになりました。
成果
後払いオプションにより、Tekmetric を利用する自動車修理工場の平均注文額が 3 倍に
後払いオプションを利用できることで、車のオーナーは重要な修理を先延ばしにしたり見送ったりしにくくなります。Tekmetric では、後払いを有効化している自動車修理工場で平均注文額が 3 倍になっています。
対面決済の導入により、自動車修理工場は毎週数時間を節約
対面決済を Tekmetric プラットフォームに直接組み込むことで、同社は自動車修理工場の修理注文 1 件あたり平均 10 分の時間を節約しています。これにより毎週数時間の節約につながり、店舗オーナーは事務作業にかける時間を減らし、顧客対応により多くの時間を充てられるようになります。
データへの迅速なアクセスにより、財務チームの効率が向上
Tekmetric の Data Pipeline 連携により、同社は毎月末の帳簿締めをより効率的に行えるようになりました。Patel 氏は次のように述べています。「複数のスプレッドシートファイルをダウンロードして自分たちでデータを集計する必要がなくなったことで、当社の財務チームは何時間もの作業時間を節約できました。また、当社の決済、営業、オペレーションの各チームは、そのデータを活用して事業や料金体系に関する意思決定を行えます。」
埋め込みコンポーネントが将来のイノベーションを推進
当初は自社プラットフォーム向けにカスタム統合を構築していましたが、Tekmetric は現在、新しい Stripe 機能のリリース時により迅速に有効化できるよう、Connect の組み込みコンポーネントを使う形へと決済インフラを更新しています。たとえば、Tekmetric は Capital for Platforms の組み込みコンポーネントを利用する予定です。これにより、この機能をゼロから構築することなく、自動車修理工場向けの事業資金調達へのアクセスを簡単に組み込めるようになります。組み込みコンポーネントは、Tekmetric が金融サービスの提供を拡大し、進化し続ける顧客ニーズに対応していくうえで役立ちます。
Patel 氏は次のように述べています。「Stripe が継続的に追加している数々の優れた機能を、私たちも最大限に活用したいと考えています。組み込みコンポーネントを導入することで、今後より迅速に拡大できるようになり、顧客体験を向上させるとともに、お客様の継続的な成功に対応する基盤を構築できます。」
Stripe の素晴らしい支援のおかげで、テクノロジーを活用して顧客にさらなる価値を提供しながら先進的なソリューションを開発する方法が見つかりました。顧客のニーズを予測し、急速に進化する自動車修理業界の中で顧客が成功を収められるように支援できるソリューションの開発が可能になりました。