課題
ウェルネスブランド「TENTIAL」では、科学的根拠に基づいた製品づくりにより、軽くて動きやすい機能性ウェアから、血行促進効果を見込むリカバリーウェアまで、24時間365日身体をサポートする製品をラインナップしています。これらの製品を扱うECサイトの運営にあたっては、商品の認知から購入、お届けするまで一気通貫での体験が重要だと考えていました。なかでも決済体験では、利便性の高いフォームと安全に使える決済基盤が欠かせません。
しかし、これまで利用していた他決済代行企業の決済基盤は、開発ドキュメントが整備されていないなど、効率的な開発が難しく、改善のための細かなPDCAを実施できない状況で、顧客体験の向上のための組織的な取り組みが課題となっていました。
「そこで注目したのが、スタートアップ企業の間で話題になっていたStripe でした。決済体験が素晴らしいだけではなく、開発者目線でのドキュメントも充実しており、開発前から、どう実装すればよいのかイメージできるほどでした」(株式会社TENTIAL 湧川仁貴氏)
素早く自由なカスタマイズで、変化し続けるCVRにも対応できること。そして、明確な購入ステップを提示し、顧客が悩まずに済む入力設計ができること。また、カートや住所保存などの細かな点まで、Stripe は要件をクリアしていました。
「決済失敗は、売り上げの機会損失にもつながりかねません。決済基盤の移行には懸念もありましたが、Stripe ならば安心だと、前向きに取り組むことができました」(株式会社TENTIAL 酒井亮輔氏)
ソリューション
Stripe では「30秒以上かかるとCVRが下がる」と考え、決済時間の1つの目安としていますが、Stripe を導入したTENTIALのECサイトでは27秒で決済が完了、この基準をクリアした形です。
「導入にあたって、必要なデータはAPIで取得すればよく、フォームはかなり自由にカスタマイズできます。開発・改善もしやすいと感じました。充実したサポートもあり、課題をすべてクリアし、やりたかったことをすべて実現できました。管理画面もわかりやすく、顧客からの問い合わせで購入状況などを確認するカスタマーサクセスのメンバーからも好評です」(株式会社TENTIAL 湧川氏)
結果
Stripe では決済の成功率をはじめ、様々な数字を定量的に可視化でき、導入後の決済の成功率は98~99%と、業界平均とされる90~95%に対して高い数字を継続的に達成しています。以前の決済の基盤では、こういった管理に対応していなかったため、Stripe により売り上げだけではなく、返金まで管理・測定できるようになったのは大きな進歩です。決済の失敗は、顧客の離脱にもつながりかねず、ハイパーグロースを目指すための重要なポイントであり、どう改善するか、などの対策も可能になりました。
一方、どれだけ利便性を高めても、不正決済が多くては損害になってしまいます。Stripe は、不正対策の面でも高い効果を発揮しています。機械学習により、リスクの高いカードをブロックする Stripe Radar に加え、TENTIAL独自のルールを設定。これにより、Stripe へ移行した6ヶ月で約2億円の不正決済を防ぎました。一般的に、売り上げに比例して不正決済が増えると言われますが、TENTIALではStripe の貢献により、売り上げの増加に対して不正決済を少なく抑えられています。また、不正決済に関する問い合わせ対応などの負担も、大幅に軽減されました。
「少し違った観点ですが、Stripe は、ほかの決済サービスではオプションとなるような短期間での入金が実現されていることもメリットです。キャッシュフローが改善し、一種の資金調達の効果も感じています。今後は越境ECも強化したいと考えていますが、アジアや北米へと展開するにあたって、Stripe は力強いパートナーです」(株式会社TENTIAL 酒井亮輔氏)
不正対策などの守りだけではなく、マーケティングなど攻めの領域を含め、トータルにサポートいただきました。売り上げの向上にも貢献し、Stripe への移行は自分でも英断だったと思います