課題
オンライン教育プラットフォームである AdaptedMind では、登録者に共通する傾向がよく見られました。保護者は、教室での学習を補うために 1 学年分をまとめて申し込んだり、子どもが数ヵ月学校を離れることで生じる「夏の学力低下」を防ぐために夏の間だけ登録したりしていました。こうした傾向により、サブスクリプションの開始、一時停止、停止に加え、割引や奨学金の提供など、サブスクリプション管理と請求に関する課題が生じていました。
しかし、AdaptedMind の決済および請求プロバイダーでは、こうした変更を簡単に管理できませんでした。また、事業と利用の拡大に伴い、決済失敗率も上昇していました。既存のプロバイダーでは、不正利用の傾向を把握することさえ難しく、まして十分に調査するのは困難でした。売上を向上させ、顧客体験を高めるために、AdaptedMind は不正利用の削減と、できるだけ多くの失敗した決済の回収を優先しました。
2019 年、AdaptedMind は従来の決済および請求プロバイダーから移行する好機を見いだしました。当時そのプロバイダーでは、決済の受け付けやクレジットカードデータの取得が難しくなっていました。継続課金に関する課題に対応するため、AdaptedMind はサブスクリプションを真に理解しているパートナーを求めていました。
AdaptedMind の CTO である Nolan Frausto 氏は次のように述べています。「私たちには、サブスクリプションを中核機能として扱うものが必要でした」
同社はまた、将来の構想の実現を支える決済テクノロジーを備えたプロバイダーも探していました。そこには、より多くの決済手段の追加、グローバル展開への対応、不正利用管理の強化が含まれていました。Frausto 氏は次のように述べています。「私たちは、決済の最前線にいて、開発者にとっても扱いやすいプロバイダーを見つけたいと考えていました。当時思い描いていたことだけでなく、この先どんなことが起きても支援してくれるパートナーを探していました」
ソリューション
AdaptedMind は、サブスクリプション管理と決済プラットフォームをアップグレードし、さらなる成長に向けた基盤を整えるために Stripe を選択しました。
Stripe Billing は、AdaptiveMind が継続課金とサブスクリプションのライフサイクルを管理するのに役立つ、より高度な機能を提供しました。たとえば同社は、登録者が一定期間メンバーシップと請求を一時停止し、その期間が終了したら再開できるオプションを追加しました。Billing は、無料トライアルやクーポンに標準で対応しており、多様な料金モデルもサポートしています。これらの機能により、AdaptiveMind はフリーミアムプランを含む新しい料金モデルをテストできるようになりました。
Billing により、AdaptedMind は決済失敗の削減に役立つ複数の組み込みオーソリ最適化機能と回収ツールを利用できるようになりました。たとえば、Adaptive Acceptance は機械学習を使用して、最適化されたメッセージングとルーティングの組み合わせを特定し、誤検知による支払い拒否の 10% を回復します。また、Smart Retries は、決済を再試行する最適な日時を特定することで、資金不足による支払い拒否に対処します。
さらに、AdaptedMind は Stripe Webhook を統合して決済データを取り込み、カスタムのリカバリフローを作成しました。同社は、ユーザーがどのマーケティングチャネルから来たか、その頻度、どの程度最近プラットフォームを利用したかといったユーザーデータと Stripe の取引データを組み合わせ、回収できる可能性が最も高い決済失敗を特定しました。たとえば、特定のマーケティングチャネルから来たユーザーの決済は、一定回数再試行すると成功しやすい一方で、別のチャネルから来たユーザーの決済は失敗しやすいことがわかりました。この情報により、同社は後者のグループのサブスクリプションを早めにキャンセルし、より価値の高いユーザーにマーケティング費用を集中できるようになりました。
Billing と Stripe Payments の連携により、AdaptedMind はカード以外の追加の決済手段も提供できるようになりました。Payments を利用して、AdaptedMind は Apple Pay と Google Pay を追加し、最近では Link も有効化しました。Link はユーザーの決済情報を保存して自動入力し、簡単で安全な決済体験を実現します。今後同社が海外展開を進めるなかで、Payments により AdaptedMind は 1 回の導入で、事業を展開する地域に適した新しい決済手段を利用できるようになります。
最後に、同社は Stripe Radar を導入し、不正利用に対処してチャージバックを未然に防ぎ、不審請求の申し立て管理の必要性を軽減しました。Radar の機械学習モデルは、実際の不審請求の申し立てデータやその他の豊富なファーストパーティデータを含む数千億件のデータポイントでトレーニングされており、不正取引をより正確に特定してブロックします。Stripe で使用されるカードの 91% は Stripe ですでに確認されているため、Radar のアルゴリズムは変化する不正利用パターンや各ビジネス固有の傾向にすばやく適応し、最新の不正利用トレンドに対応できます。
結果
サブスクリプション登録者の 19% がサブスクリプションを一時停止する機能を活用
AdaptedMind の加入者の 5 分の 1 近くが、現在、サブスクリプションを一時停止する機能を利用しています。この変化は、同社の顧客維持と売上拡大に大きく貢献しています。現在、AdaptedMind の月間売上の約 7.5% は、一時停止を解除したサブスクリプションから生まれています。
Frausto 氏は次のように述べています。「Stripe のメリットの 1 つは、請求管理のために API を非常に簡単に利用できることです。以前使っていた方法よりも、はるかにシンプルです」
回収された決済による月間売上の 5% ~ 10%
Stripe に組み込まれた最適化機能に加え、AdaptedMind が構築できるようになったカスタムのリカバリツールによって、同社の失敗した決済を回収する能力は大幅に向上しました。現在、AdaptedMind の月間売上の 5% ~ 10% は、失敗した決済の回収によるものです。
Frausto 氏は次のように述べています。「Stripe が提供するデータがあるおかげで、顧客がどこから来たのかに基づいて、すべての要素を結び付けることができます。その力を自社の利益のために活用してきました」
Link によって拡大する売上の比率
決済手段の 1 つとして Link を追加したことで、AdaptiveMind は決済プロセスを継続的に改善できています。Frausto 氏は次のように述べています。「Link による取引は毎月増えているようです。時間がたつほど、私たちにとっての効果も大きくなっています」
国際展開に向けて決済手段を最適化する能力
当初、同社では海外顧客によるカード決済の失敗率が高い状況でした。そこで AdaptedMind は現在、登録者数は多いものの決済失敗率も高い地域に合わせて最適化した国内主要決済手段を有効化しています。
Frausto 氏は次のように述べています。「Stripe のおかげで、これまで築いてきた安定した基盤を損なうことなく、機敏に動きながら新しい実験を試すことができます」
Radar は年間数十万ドル規模の不正利用による損失を防ぎ、チャージバックを削減
Stripe チームは、カードネットワークとの関係構築の支援などを通じて、AdaptedMind が不正な決済を理解し、対処できるようサポートしました。Radar は AdaptedMind の不正利用率を低く保ち、年間数十万ドル規模の不正利用による損失を防いでいます。また、不正取引そのものの発生を防ぐため、そうした取引がチャージバックにつながることもありません。
さらに、Billing を通じてサブスクリプションをより細かく管理できるようになったことで、AdaptedMind は正当な顧客との不審請求の申し立てを減らすことができました。申し立てが発生した場合でも、同社は顧客の主張を信頼し、サブスクリプション料金を自動的に返金してアカウントをキャンセルできるようになりました。これは、AdaptedMind の刷新された決済アプローチが、より良いカスタマーサービスの実現に役立っている一例です。
Frausto 氏は次のように述べています。「Stripe を利用することで、顧客対応チームがアカウントの一時停止、キャンセル、返金、奨学金の付与など、必要な対応を非常に簡単に行えるシステムを整えられました。大幅な時間削減につながり、顧客対応チームには高い評価が寄せられています」
Stripe の開発者にとっての使いやすさの価値は、いくら強調してもしすぎることはありません。私たちは、解決策を考え出して前に進めるよう後押ししてくれるツールを高く評価しています。