課題
2023年に創業70周年を迎えたアダストリア。アパレルのほか、雑貨や家具、食など、幅広い領域へと事業を展開するとともに、店舗数の拡大・店舗の大型化などにより、店舗の魅力を向上し、お客様へ提供する価値の最大化を目指しています。そのなかで、新たにC to C領域にも挑戦しようと、企画をスタートしたのが2022年10月のことでした。
これまでも、スタッフのスタイリングなどを紹介する「スタッフボード」というサービスを提供していましたが、人気スタッフの趣味・嗜好を参考に買い物がしたいというニーズは多くありました。一方で、スタッフは自宅に古着がたくさんあり、そのまま処分するのはもったいないと悩んでいるという声も聞かれます。
「リユースショップでは安い値段でしか買い取ってもらえない、一般的なフリマアプリではやり取りが負担になる、SNSで「古着を買いたい」と言われても、個人情報を渡すのは不安……とスタッフからは様々な声がありました。この課題を解消しながら、お客様のニーズに応える方法として、フリマアプリを作れないかと考えたのです」(株式会社アダストリア 川村恵生氏)
捨てる以外の選択肢が増えることでSDGsにもつながるほか、自社の“ポイント経済圏”が広がるメリットも大きいと開発がスタートしました。しかし、従来のECサイトとは異なり、「売上金をプールする」「売上金から手数料を引き、出品者の口座に振り込む」など、C to Cプラットフォーム独自の機能が必要で、新たな決済方法の検討が急務となりました。
ソリューション
様々な製品を比較検討するなかで、要件にマッチしたのがStripe でした。Stripe Connect などC to Cに必要な機能が揃うことはもちろん、既存ポイントとの連携などの業務ロジックを柔軟に組み込むことも可能です。最終的には他社での実績も決め手となり、Stripe を導入しました。
導入にあたっては、プロフェッショナルサービス(有償)を利用して、要件定義から開発までサポートを受け、決済機能に関しては、わずか3ヵ月で開発を完了しました。
「社内にC to Cのノウハウがないなか、要件定義の段階で払い戻しなどのイレギュラーパターンをどこまで検討するか、などのベストプラクティスを提示いただき、大変参考になりました。プールしたお金の扱い方やポイントとの連携方法なども手厚いフォローがあり、もっとも難易度が高かった決済機能をスムーズに開発できました。全体としても1年ほどでリリースを目指し、時間がないなか、遅れもなく進めることができました」(株式会社アダストリア 天野悠史氏)
結果
リリース後は安定して稼働しており、月末には売り上げや手数料、ポイントの利用状況など、経理部門で必要な情報をすべてダッシュボードで確認できます。
また、出品する前に振込先口座を登録・審査し、本人確認書類の不備や名字変更によるアンマッチなどを事前にクリアしておくことで、振込段階でのトラブルを回避するフローとしています。Stripe Radar により、不正利用もブロックし、決済に関する大きな事故・トラブルは発生していません。
「導入後はグロースサポート(※)をお願いしていますが、専任担当者の方はドットシーの仕組みにも詳しく、「売り上げを登録する銀行口座の設定がうまくいかない」といった問い合わせにも、すぐに原因から対応策まで回答があります。チャット・電話・メールなど、連絡方法も豊富で、初めてのシステムでも安心して利用できました」(株式会社アダストリア 仁八麻亜里氏)
ドットシーのローンチ後は、同社のファッション特化型メタバースプラットフォーム「StyMore」でも、アバターなどを販売する際の決済基盤にStripeを活用。ドットシーでのノウハウを横展開することで、スムーズにリリースできました。
「今後も、スタッフ to お客様のサービスや機能を拡張し、買い物以外にもアクティブに活動してもらえるよう考えていきたいと思います」(株式会社アダストリア 川村恵生氏)
導入から運用までのサポートが手厚く、安心して開発、運用できています。新しいサービスに挑戦するときは、またサポートをお願いできればと思います。