EU では、取引の処理に先立ち、事前オーソリを使用するホテルやレストランが増加しています。これにはどのような目的があるのでしょうか?事前オーソリには支払いが発生しますか?事前オーソリの金額が購入価格を超えてしまった場合はどうなりますか?この記事ではこういった点が説明されます。さらに、事前オーソリの仕組みやどのような場合に企業がこれを導入すべきかという点についても扱います。
この記事の内容
- 事前オーソリの概要とその仕組み
- 事前オーソリを利用する理由
- 事前オーソリと親和性が高い事業セクター
- 事前オーソリの有効期間
- 事前オーソリをキャンセルする方法
- 事前オーソリを設定する方法
事前オーソリの概要とその仕組み
事前オーソリは、企業が顧客の銀行カードの有効性や資金の利用可能性を確認するために使用するシステムです。サービスプロバイダーは、製品やサービスの支払いを保証するために、顧客のアカウント残高で一時的にロックされる金額を設定します。
事前オーソリとして、1 ユーロ以下の金額が設定される場合もあります (リモート販売の場合など)。購入金額が事前オーソリの額を超える場合、残りの金額は後から引き落とされます。
事前オーソリの金額が購入金額を上回る場合もあります (旅行関連の税金の支払い、ホテル滞在中やレンタカー使用中に発生する損害への充当など)。必要な資金を確保する目的で、顧客の銀行口座の残高から一定の金額がロックされます。ただし、取引時に全額が引き落とされるわけではありません。
また、事前オーソリの金額と購入対象のサービスや製品の価格が同一に設定される場合もあります (このようなパラメーターや事前オーソリ金額は、事業者によって決定されます)。この場合、事前オーソリ金額がそのまま支払い金額となります。
注: 顧客に購入代金を支払うための資金残高がない場合、事前オーソリはキャンセルされ、該当の金額は引き落とされません。
事前オーソリを利用する理由
事前オーソリは、サービスや商品の予約を主たる事業としている事業者にとって、無断キャンセルまたは直前キャンセルに対する防衛策となり、支払いを確保する働きがあります。さらに事業者は、購入に関する顧客の財務状況を事前に確認すると同時に、決済カードの有効性も確認できます。
事前オーソリと親和性が高い事業セクター
一般的に、ホテルやレストランの予約、車や自転車のレンタル、航空券の購入などの際には事前オーソリが利用されます。また、ガソリンスタンドでの給油時にも、事前オーソリが使用されます。
さらに、海外においてユーロ以外の通貨での支払いに決済カードを使用する場合、為替レートで発生し得る差額を保証できるよう、事前オーソリ額が購入価格よりも高めに設定される場合があります。
事前オーソリの有効期間
事前オーソリでロックされた資金は通常、5 〜 7 日間保持されます。この期間は Stripe のオーソリの拡張を使用することで 30 日間 (または 31 日間) まで拡張できます。場合によっては、顧客アカウントの事業者名の横に「保留中」と表示されることがあります。事前オーソリは、取引が完了するか、キャンセルされると解除されます。
事前オーソリの金額は、顧客の決済限度額に影響を及ぼします。事前オーソリの金額を含めた上で承認限度額を超過する場合、決済は実行できません。事前オーソリにより顧客の決済限度を超過する場合、取引が拒否される可能性があります。ただし、顧客は銀行に連絡することで承認限度額を拡大できます。
事前オーソリをキャンセルする方法
顧客が事前オーソリをキャンセルする最も簡単な方法は、直ちに事業者に連絡することです。顧客は企業にオーソリの解除を依頼できますが、顧客の銀行や決済カードによっては数日かかる場合があります。
事前オーソリを設定する方法
事前オーソリの法的な正当性を確保するため、企業は顧客に対して、キャンセルに関するポリシーとキャンセルの場合に差し引かれる可能性のある金額を事前に通知する必要があります。オンライン予約の場合、企業のウェブサイト上にこれらの情報を明示しなければなりません。電話予約の場合も、顧客にこのポリシーを通知する必要があります。
注: 顧客のデータ (決済カードの番号、有効期限、および CVC) は、Commission Nationale de l'Informatique et des Libertés (CNIL) によって保護されています。この規定により、事業者が顧客のデータを保存することはできなくなっています。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。