ビジネスモデルを変革する 6 つの方法

12 の大手ブランドで、デジタル変革と決済機能を通じてどのように事業変革が行われ、新たな収入源となっているかご覧ください。

  1. はじめに
  2. 1.消費者直接取引
    1. Ford: 常時接続型の関係を顧客と構築するため、Stripe を採用
    2. Bodum: Stripe で各地域の決済手段に対応し、グローバル展開を実現
  3. 2. マーケットプレイスの構築
    1. トヨタ自動車: 整備士を支援してサステナビリティを推進するプラットフォームを実現
    2. Instacart: Stripe を利用して食料品デリバリーをスピードアップ
  4. 3.サブスクリプションサービスの提供
    1. Le Monde: 国内外の決済体験向上のために Stripe を採用
    2. ANA グループ: 次世代マイレージプログラムを構築
  5. 4.財務業務の合理化
    1. AJ Bell: Stripe を導入して取引をスピードアップ
    2. Slack: Stripe を利用して会計と収益業務を自動化
  6. 5.グローバル展開
    1. Amazon: Stripe の導入で国際決済をシンプルに
    2. WooCommerce: Stripe とのパートナーシップにより 3 カ月で 17 カ国に新規参入
  7. 6. オンラインとオフラインのチャネルを統合
    1. Stripe、Wix とのパートナーシップを拡大して、企業向けに強力なオムニチャネルソリューションを提供
    2. Shopify: Tap to Pay on iPhone を利用して利便性の高い対面支払いを実現
  8. おわりに

社会経済は急速に変化しています。どの業界でも、新しい企業やテクノロジー (人工知能チャットボットなど) がまったく新しい顧客体験を作り出し、現状に破壊的な変化をもたらしています。現在の経済情勢によって、企業は適応するか、あるいは衰退するかの帰路に立たされていると言えるでしょう。需要の鈍化 (消費者の 71% が買い控えや安価な商品の購入を検討) により企業はコスト削減を迫られ、貴重な時間とリソースを顧客の獲得と維持に注ぐことがこれまで以上に重要になっています。

コストセンターと見なされてきた決済機能も、今ではより良い顧客体験を提供し、効率化を促進する、強力なツールと見なされるようになっています。10 年前、ペイメントプロバイダーに最も期待されていたのは、機能停止、経路選定エラー、支払い拒否の誤判定などの問題を起こさないことでした。今や、決済はイノベーションを実現する戦略的チャンスだと捉える必要があります。利用する決済インフラによっては、変化する顧客の好みや市場機会にスピーディーに対応し、社内チームの作業の複雑さを軽減できるため、コストを削減し、貴重な従業員の作業時間を再配分してコアビジネスに集中することが可能になります。

Stripe は、あらゆる業界の大手企業がビジネスモデルの根本を変革し、変わり続ける顧客や市場のニーズに対応できるようサポートしてきました。これらの企業は、成長の可能性を新たに切り開いただけでなく、決済関連のシステムとプロセスを効率化することにより、競争が激化する市場でイノベーションを果たしています。

このガイドでは、企業が決済機能を活用してビジネスを変革するための 6 つの方法を見ていきます。

1.消費者直接取引

パンデミックの発生を受け、これまで以上に消費者がオンラインで買い物をするようになったことから、E-コマースの 10 年分の成長がわずか数カ月に短縮されました。E-コマースの成長は、ほぼすべての業界に影響を与えています。これには、従来、流通モデルやフランチャイズモデルを利用して消費者に製品を販売してきた製造業者も含まれます。これらの企業は、最終顧客、流通業者、パートナーとより緊密な関係を育むために、E-コマース体験を構築しています。

ブランドが D2C (Direct-to-Consumer) モデルを採用する最大のメリットは、チャネルの垣根を越えて消費者の購買行動を可視化できる点にあります。売れ行きの良い SKU (個々の商品) や消費者の支払い方法を把握することで、企業はより良い製品を作り、E-コマースのフローを最適化して、コンバージョンを改善できます。これらの企業では、購入体験をデジタル化することにより、最終顧客との関わりを維持し、関係強化のための接点をより多く作り出しています。さらには、顧客生涯価値とブランドロイヤルティを向上させることに成功しています。

商品やサービスは支払いが行われた後に届けられるため、最良の E-コマース体験を構築するには、スムーズな決済フローをまず用意して、潜在顧客を失わないようにする必要があります。適切な決済手段とは、支払いを柔軟かつ便利に実行でき、コンバージョンを最大化するだけでなく、不正使用を減らし、取引のスピードを高める決済手段です。

主な成果:

  • コンバージョンを最適化する。
  • シームレスな顧客体験を提供する。
  • 顧客のロイヤルティを高め、顧客生涯価値を向上させる。

Ford: 常時接続型の関係を顧客と構築するため、Stripe を採用

Henry Ford は 100 年以上前に工業生産に変革をもたらしました。今日、同氏の名前を冠した Ford 社は、電気自動車に大きく軸足を移しながら、さまざまなコネクテッドカーの設計、生産、販売、修理を行う一方、ソフトウェアを介して提供するサービスと体験に焦点を当てて進化を続けています。

課題

Ford は、これまでの「生産して販売する」モデルから、顧客との常時接続という新しい関係に変貌しようとしています。自動車技術の進歩により、顧客の最初の購入方法から車内での体験を最大化する方法まで、顧客のライフサイクルを通して全体的な体験を向上させるための選択肢が増えました。しかし、エンターテインメントサブスクリプションや EV 充電などの新たなサービスを提供するには、顧客が Ford から商品やサービスを購入して支払えるようにするための、新しい方法を構築する必要がありました。

ソリューション

Ford は顧客にまったく新しい購入体験と所有者体験を構築するためのパートナーを探していました。Stripe が提供する信頼性、使いやすいデザイン、スピードに着目した Ford は、Stripe を主要な決済プラットフォームとして使用すれば、顧客に最高の体験を提供できると確信しました。

当社は 3 つの条件をもとに Stripe を選択しました。その 3 つとは、システムが常に稼働しているという信頼性、スピーディーかつ効率的なユーザー体験、そしてサブスクリプションなどの新たなユースケースを思いついたときにすばやく実行する、市場投入までの時間です。」

Julien Jacquet, Ford Credit、元最高製品責任者

Bodum: Stripe で各地域の決済手段に対応し、グローバル展開を実現

Bodum は台所用品メーカーとして、高品質なコーヒー・紅茶関連商品や家事用品を製造しています。

課題

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、オンラインでの注文が全世界で増加し、自宅で高品質のコーヒーを楽しみたいという人々が増えたことから、Bodum の E-コマースの売上は増加しました。しかし、Bodum では、決済プロセスは多くの顧客にとって面倒なものであり、特に顧客が希望する決済手段を利用できない場合、顧客の不満が高まることを認識していました。

顧客の大半がモバイルデバイスから注文しているため、Bodum はデスクトップとモバイルの両方でシームレスな顧客体験を構築することを検討していました。

ソリューション

Bodum は、オンラインビジネスをヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アジアの 23 カ国に拡大するために、決済手段を各地域に適応させました。Stripe Elements を使用することにより、同社は現在、利用可能になった新しい決済手段をダッシュボードから直接有効化することができます。追加のエンジニアリング作業は不要です。

「モバイル決済は新しい決済手段ですが、支払いが中断される確率が高いものでもあります。モバイルサイトで何かを購入中の顧客が別の通知を受けた場合、その購入を失うリスクは高くなります」と E-コマースマネージャーの Peter Bodum 氏は語ります。「現地の決済手段への対応は、顧客が購入をなるべく早く済ませるために非常に重要です」

Stripe との提携により、Bodum のコンバージョン率は向上し、開発者のリソースは最小限に抑えられ、新しい市場に参入する際の柔軟性と効率が高まりました。

小売業はオンラインへ移行し続けており、このような動きにすばやく対応する必要があります。弊社では、Stripe を利用することでとても柔軟な対応が可能となりました。」

Peter Bodum, Bodum、E-コマースマネージャー

2. マーケットプレイスの構築

全世界におけるオンライン消費総額の 40% 超がマーケットプレイスを通じた購入によるものです。自動車製造業から旅行業や小売業まで、さまざまな業種の企業が多面的なマーケットプレイスを構築して、売上成長の加速化と定着率の向上を実現しています。これらの企業は、顧客ベースの満たされていないニーズを特定し、そのニーズに対応するために自社のプラットフォームで追加の製品やサービスを購入できるようにすることにより、顧客との関係を強化しています。

マーケットプレイスの力は、そのネットワーク効果にあります。マーケットプレイスに参加するユーザーが増えるほど、そのマーケットプレイスの価値は高まります。売り手にはマーケットプレイスを宣伝したいという意欲があるため、マーケットプレイスには自由でオーガニックなトラフィックを生み出すバイラルループが備わっているのです。多くのマーケットプレイスは、供給の問題解決や、特定のアイテムの有用性を最大化する目的で構築されます。たとえば、空き家を短期レンタルできれば、所有者とゲストのどちらにとってもその有用性が最大化されます。ソーシャルレンディングからオンデマンドデリバリー、共同オフィススペースまで、マーケットプレイスはシェアリングエコノミーやギグエコノミーの原動力となってきました。

マーケットプレイスを特に魅力的なビジネスモデルにしているのは、その定着率です。a16z のゼネラルパートナーである Andrew Chen 氏は次のように説明しています。「(マーケットプレイスでは) 少なくとも一方の定着率が高いことが期待されます。需要と供給のどちらか一方が常にというのではなく、どの時点でもそれらの一方の定着率が高い必要があります。そうすれば、供給側で価格をいつ下げても、供給側の定着率は低下しますが、需要側の使用量や使用頻度を向上させることができます」

主な成果:

  • 売上成長が加速
  • 顧客維持率と定着率が向上
  • 新しいタイプの顧客を獲得

トヨタ自動車: 整備士を支援してサステナビリティを推進するプラットフォームを実現

1937 年に創業したトヨタ自動車は、自動車業界の多くの変化を乗り越えてきました。同社は、地域の整備工場が特殊設備を相互に売買でき、設備の査定と購入について専門のサービスプロバイダーに相談できるプラットフォームを構築する機会を見出しました。

チャレンジ

自動車業界、そして業界を支える多くの地域の整備士にとって、自動車の整備が以前よりはるかに複雑になっていることがチャレンジとなっています。自動車のコンピューター化や、内燃機関からハイブリッドまたは電気モーターへの移行により、整備士が行う修理の幅が大きく広がりました。多くの作業には、特殊で高額な設備が必要になり、工場の設備コストが大幅に増えています。

この課題に対応するために、トヨタ自動車は「メカコミ」(「メカニック」と「コミュニケーション」を合わせた名前) というプラットフォームを立ち上げました。このプラットフォームにより、自動車整備工場間で中古の設備や工具を売買できるため、コストを削減し、カーボンニュートラルに貢献することができています。

しかし、売り手と買い手をつなぐだけでは、このプラットフォームを機能させるのに不十分です。中古設備の販売は高額取引であり、エスクローや売り手への入金を含む複雑なプロセスが関係する場合があります。これらはシステム全体のリスクを抑えますが、取引は複雑化してしまいます。

ソリューション

トヨタ自動車は、こうした財務上の問題をすべて取り除く方法を見つける必要がありました。そのため、多対多の販売と資金フローの管理を必要とするプラットフォームビジネスをサポートできる Stripe の採用を決定しました。

Stripe との連携により、トヨタ自動車はエスクローサービスや、売り手に対する入金といった必要な機能を短期間で準備することができました。また、銀行振込やクレジットカードによる決済手段を簡単に開発できたことで、さまざまな顧客層の売買をサポートできるようになりました。Stripe は、専任のサポートマネージャーが提供する定期的な分析と課題解決のサポートにより、トヨタ自動車の顧客満足度向上の取り組みを支援しています。

メカコミはトヨタがモビリティーカンパニーへの変革を目指す中での新たなチャレンジのひとつです。お客様の不満を取り除き、満足してご利用いただけるサービスを実現するためには常に改善することが必要です。Stripe は、さまざまな決済パターンを簡単、迅速に導入できるサービスや、手厚いサポートを提供してくれるため、大変心強いパートナーです。」

中谷友昭, トヨタ自動車カスタマーファースト統括室

Instacart: Stripe を利用して食料品デリバリーをスピードアップ

Instacart は食料品を地元の店舗から顧客に直接配送しています。北米のオンライン食料品販売をリードする同社は、Stripe と提携することで、北米全土の人々が食料品を購入するための最善の方法を提供しています。

課題

Instacart は複雑な決済ニーズを持つ、多面的な食料品のマーケットプレイスを運営しています。Instacart に支払われた料金は、複数の関係者に送られます。バックエンドが複雑なため、Instacart は提携小売店、顧客、買い物代行スタッフの 3 者への対応が可能で、ユーザー体験をシンプルにできる決済機能を必要としていました。

解決策

Instacart は Stripe を AWS 上で運用することで、Instacart の複雑な決済インフラをあらゆる面で適切に機能させるようにしました。効率的なアカウント登録フローと安定した決済フローによって、顧客、買い物代行スタッフ、小売店に終始一貫した体験を提供できるようになりました。Instacart にとって唯一の決済代行業者となった Stripe は、Instacart が競争上の差別化を図れるように、専用のソリューションを提供しています。そのひとつである「Instant Cashout」機能は、買い物代行スタッフが自身の収益をすぐに現金で受け取れる機能です。

Stripe はインターネット向け決済インフラを構築しており、Instacart は世界のための食料品インフラを構築しています。両社の目標には重なる部分が多くあり、最終的には、両社とも人々がつながる世界で欠かすことのできない体験やサービスを実現したいと考えています。当社にとってそれは、大小さまざまな小売業者やブランドをサポートすることです。当社が多様なニーズを持つ小売業者やブランドパートナーにサービスを提供し、さらに、これらのパートナーが最終顧客にシームレスな体験を提供できるように、Stripe がサポートしてくれています。

Asha Sharma 氏, Instacart、最高執行責任者

3.サブスクリプションサービスの提供

この 10 年間、サブスクリプションの売上は S&P 500 の約 5 倍の速さで成長し続けてきました。多くの企業がサブスクリプション事業を開始して、経常収益を生み出し、顧客の維持とロイヤルティの向上につなげています。この傾向はメディア業界で特に顕著であり、印刷販売から、デジタルのみまたは印刷版とデジタル版の両方がバンドルされたサブスクリプションへと出版は移行しつつあります。かみそりの刃や化粧品から洗車やヘアカットまで、ほとんどすべての商品や継続的サービスをサブスクリプションとして販売できます。景気が低迷している今、リピート購入を促して顧客ロイヤルティを高めるため、航空業界からコンビニエンスストアまで、さまざまな企業がメンバーシッププログラムを開始しています。

サブスクリプションビジネスの経済性は、トランザクションモデルよりはるかに魅力的です。サブスクリプションの売上は継続的で、予測可能なキャッシュフローを生み出します。サブスクリプションでは、ユーザーが一定期間にわたって製品やサービスを利用し続けるので定着率も向上します。また、自動更新によって解約率を低減できます。

効果的な請求システムは、拡張を考慮して設計され、新たな市場への参入や、複雑な財務レポートの作成、コンプライアンスニーズを満たす点で企業をサポートするものである必要があります。請求システムには、サブスクリプションビジネスの成長に合わせて新しい料金体系モデルを試みたり、さまざまな決済手段をサポートしたりできる柔軟性も必要になります。

主な成果:

  • 経常収益を増やす (MRR、ARR)。
  • 顧客維持率を向上させる。
  • 解約率を減らす。

Le Monde: 国内外の決済体験向上のために Stripe を採用

Le Monde は 1944 年創刊のフランスの日刊紙です。長年にわたってデジタルプラットフォームに展開し、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、さらにベルギーやルクセンブルクなどのフランス語圏の諸国をはじめとする国際市場に参入しています。

課題

Le Monde はグローバルブランドでありながら、主な読者はフランス語圏の人々でした。そこで、Le Monde は英語のデジタルコンテンツによる国際展開を目標に掲げましたが、目標を達成するには、特にアメリカやアフリカなどの地域で新規定期購読者にとって利用しやすく継続しやすい決済手段を提供する必要がありました。その一方で、PSD2 規制を効率的に処理できるように決済機能を強化する必要もありました。

解決策

Le Monde は Stripe と提携することで、現地で認められ、かつ、信頼される決済手段を提供できるようになり、世界各地でスムーズな決済体験を実現しました。Stripe の堅牢な API によって、スピーディーで使いやすい決済フローが可能になり、取引の失敗が少なくなりました。また、ダッシュボードで Stripe Sigma を活用してリアルタイムのレポートを取得するほか、Stripe Radar を活用して不正使用の対策とリスクの最小化を図っています。

2025 年までに 100 万人の定期購読者を獲得するという目標を達成するには、意欲的で、利用しやすく、グローバル展開している決済パートナーが必要です。Stripe と連携することで、事業を簡単にすばやく拡大し、当社と読者の双方にとって定期購読を簡略化することができました」

Louis Dreyfus 氏, Le Monde、最高経営責任者

ANA グループ: 次世代マイレージプログラムを構築

日本の大手航空会社である全日本空輸 (ANA) は、新型コロナウイルス感染症の大流行で旅行が困難となった時期に得られた知見から、新しいマイレージプログラムの構築を検討していました。

チャレンジ

航空会社にとって、マイレージプログラムは重要なファイナンシャルヘッジの 1 つです。マイレージプログラムは、ビジネストラベル利用客数の周期的変動を、安定性の高いレジャートラベル利用を補助することで埋め合わせるのに役立ちます。また、航空会社の優良顧客のロイヤルティを高めることにも寄与します。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、国内外における航空需要が大きく落ち込んだことを受け、このような安定性が必要であることが一層強く認識されるようになりました。

ANA は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を強く受け、すぐにロイヤルティに対するオファリングを変更しました。特に、顧客の日常生活をより豊かにし、航空機利用や旅行などの枠を超えて顧客との関わりを実現することを目指しました。同社では、ANA Pocket を構築しました。これはモバイルベースの会員サービスで、徒歩や自転車、タクシーや電車などによる日常の移動距離に応じてポイントやマイルが貯まり、ANA の航空券やトラベルグッズと引き換えることができるものです。

ソリューション

ANA グループは、目指しているのは会員向けのプレミアムなサービスの創出であり、そのようなサービスに対応できる決済プラットフォームが必要となることがわかっていました。これを踏まえて、サブスクリプション決済を簡単に導入して管理できる Stripe Billing の採用が決まりました。

ANA グループは、初月無料キャンペーンと各種マーケティングチャネルでの働きかけにより、効率よくサブスクリプションサービスを展開しました。また、Stripe Dashboard を利用することで、請求エラーへの対応と不正防止を行える業務フローを迅速に構築することができました。その結果、ロイヤルティの高い顧客が期待するシームレスな体験を提供できるようになりました。

4.財務業務の合理化

一部の企業では、決済処理や売上管理のために、自社製のソリューションを構築したり複数のサードパーティーツールに投資したりしてきました。それらの企業は、成長するにつれて、異なるシステムを組み合わせるための高負荷なエンジニアリング作業と継続的なメンテナンス費用が足かせになっていることに気付き、会計、消し込み、請求、請求書作成、税務、レポート作成などのプロセスの効率化を検討するようになっています。

内部システムにまとまりがないと、売上処理に時間がかかり、顧客体験の質が低くなる場合があります。また、データソースが統合されていないため、信頼に値する顧客購入データがなく、顧客向けのマーケティングを行えなくなります。統合された財務プラットフォームを使用すると、顧客による購買行動の可視化、複雑さの軽減、チームの機敏性向上を実現でき、作業効率を向上させることができます。これにより、最重要な業務にリソースを再配置することが可能になります。

経済が不安定な状況では、ビジネスの健全性がかつてなく重要になっています。機敏に対応し、収入につながるビジネス上の優先事項に専念できるか、断片化した何十ものシステムを維持する作業に多くのリソースを費やす必要があるかは、企業が成長するかどうかの分かれ目ともなります。

主な成果:

  • 作業効率を向上させる。
  • データの信頼性を向上させる。
  • コストを削減する。

AJ Bell: Stripe を導入して取引をスピードアップ

ロンドン証券取引所の FTSE 250 に加盟している AJ Bell の投資プラットフォームは、ファイナンシャルアドバイザーや直接個人投資家に、幅広い株式、ファンド、債券、口座のほか、独自の投資商品を提供しています。

チャレンジ

AJ Bell は、25 年以上にわたり、投資を簡単かつ手頃にできるようにする優れた商品とサービスを提供してきました。しかし、従来からのペイメントプロバイダーでは、決済処理口座と加盟店手配を別々にセットアップしなければならず、特にモバイルを利用する投資家やアドバイザー向けのユーザー体験がばらばらなものになっていました。AJ Bell は、顧客により良いモバイル体験を提供し、売上処理にかかる時間を短縮し、自動支払い消し込み作業を効率化するために新しいプロバイダーを見つけることにしました。

ソリューション

AJ Bell は、Stripe を選択し、決済に関する専門知識と API スイートを活用して企業対応の決済プラットフォームを展開しました。Stripe を利用することで、AJ Bell は、売上を複数のアカウントに対して自動的に決済処理できるようになり、最終的には AJ Bell のモバイル顧客の負担を減らすことができました。
導入にはわずか数週間しかかからず、その後、AJ Bell の 432,000 人の顧客は、わずか数秒で資金をアカウントに移動できる迅速で優れたモバイル体験のメリットを受けられるようになりました。また、同社のチームは、社内プロセスを効率化して、エンジニアリングと営業のチーム間の伝達をこれまでになくスムーズに行えるようにしました。現在、同社は、Stripe によって革新されたプラットフォームで 680 億ポンド以上の資産を管理しています。

Stripe の API および開発者向けのツールは、業界最高レベルであることが広く認識されています。数行のコードを追加するだけで、強力な顧客認証要件を速やかに適用でき、Apple Pay と Google Pay とも連携できるというメリットを得られました。」

Tim Huckle, AJ Bell、デジタル戦略責任者

Slack: Stripe を利用して会計と収益業務を自動化

Slack は、人々と、その人々が必要とする情報を結び付ける、ビジネス用のメッセージングアプリです。Slack を使うことで、メンバーが 1 つの場所に集まり、チームが一体となって働くことができます。Slack は Spotify、Target、Verizon などの組織の協働方法を変革しています。

課題

Slack はここ数年で急激な成長を遂げましたが、利用可能なリソースをすぐに増やすことは必ずしも簡単ではありませんでした。たとえば、同社のセルフサービスは多くが手作業でした。月間プランから年間プランへの切り替えや、製品の変更など、利用者が何らかの変更を必要としている場合、会計チームまたは顧客体験チームがバックエンドで必要な変更を行わなければなりませんでした。

解決策

Stripe は Slack 社内の業務効率を向上させるために、Slack ユーザーが月間プランと年間プランの切り替えやクレジットカードなどの決済手段の変更を行えるようにしたほか、ユーザーの調達システムを介して請求書を後払いできるようにしました。以前は、こうしたオプションに対応するためにバックエンドで多くの手作業が必要であり、チームの業務が難航していました。Stripe によってこうした作業が自動化されたため、Slack の財務チームと会計チームはより重要なプロジェクトに集中する時間を確保できるようになりました。さらに、Stripe の利用により、日常的に生じる多くの変更依頼にすぐに対応できるようになったため、顧客とサポートチームとのやりとりが減り、全体的な顧客満足度が向上しました。

私のチームは数百万もの取引の会計報告を行う必要があります。Stripe は当社にとって、すべてを統合する必要不可欠な、信頼できる情報源です。特に、世界規模で運営している当社のセルフサービスモデルの舞台裏で、Stripe が業務推進をサポートしてくれます。

Jonathan Gan 氏, Slack、収益会計責任者

5.グローバル展開

グローバルに展開する理由はさまざまです。これには、新たな顧客に到達して獲得可能な市場規模を拡大すること、より多くの市場でブランドを構築すること、他の国の既存の顧客の需要を満たすことなどが含まれます。しかし、国際展開には、地域固有の決済手段の導入、言語、通貨、動的フィールド、地域に合わせたエラーメッセージ、各国の規制要件に精通することが求められます。実際、Stripe と B2B International によって公開された研究では、EU で販売している企業のうち、自社が規制要件に準拠していると確信していたのは 33% に過ぎませんでした。

新しい市場での販売能力は地域固有の決済手段だけでも左右されます。Stripe のデータによると、世界の E-コマースのうちカード決済はわずか 40% です。しかし、受け付ける決済手段を増やすと、法律、業務、エンジニアリング作業に数カ月を要し、継続的なオーバーヘッドが発生する可能性があります。

最新の統合型金融インフラストラクチャーを使用すると、国際展開を簡略化し、エンジニアリング投資をほとんど必要とせずに地域固有の決済手段を有効にして、新しい市場に進出できます。さらに、決済と財務スタック全体を統合することにより、複数の異なるシステムに頼ることなく、コスト削減や市場参入を素早く実現できます。優れたプロバイダーは、最大のコンバージョン率向上につながる決済手段を国ごとに判断するのに役立つデータと、新しい課税や規制の要件を先取りするのに必要な専門知識を備えています。

主な成果:

  • 獲得可能な市場規模を拡大する。
  • 他の国で既存の需要をキャプチャーする。
  • より多くの市場でブランドの知名度を上げる。

Amazon: Stripe の導入で国際決済をシンプルに

世界で最も革新的な企業の 1 つである Amazon は、4 つの理念を指針としています。その理念とは、顧客を起点にすること、創造への情熱、優れた運営へのこだわり、長期的な発想です。Amazon はこれらの理念を基に、革新的で利用者のニーズに合った決済体験だけでなく、Amazon の世界中の製品とビジネスのポートフォリオを強化する一連の決済サービスをも提供する決済インフラの構築を目指しています。

チャレンジ

Amazon は新しい地域にビジネスを拡大する中で、海外決済をよりシンプルにする方法を模索していました。グローバル決済対応および顧客体験担当ディレクター、Ben Volk 氏は次のように説明しています。
「弊社はここ 6、7 年の間、国際的な事業拡大に楽しく取り組んできました。その間、海外に販売する売り手に向けて送金する方法、通貨換算プロセスを簡略化する方法、売り手が期日通りに支払いを受け取るための方法などにおけるイノベーションについて検討してきました。これには、さまざまな複雑な問題が関係していました」

ソリューション

Amazon は、特に新しい国へのスピーディーな参入を目指し、Stripe と提携してグローバルな決済体験を効率化しました。たとえば、Amazon がポーランドに進出した際、チームは Stripe と連携して、現地でよく使用される決済手段の BLIK によって決済体験を最適化しました。2023 年に Stripe はアメリカ、ヨーロッパ、カナダで Amazon の戦略的決済パートナーになり、Amazon の事業全体における決済量の大部分を処理することになりました。

Stripe は 40 を超える決済手段と 135 の通貨に標準で対応しているため、Amazon は市場参入を加速させ、Stripe との連携によって顧客の購入嗜好に合わせたシームレスな決済体験を実現できました。

弊社が Stripe を非常に高く評価する点の 1 つは、さまざまな国への進出を短期間で実現し、市場参入の障壁を下げてくれたことです。」

Ben Volk, Amazon、グローバル決済対応および顧客体験担当ディレクター

WooCommerce: Stripe とのパートナーシップにより 3 カ月で 17 カ国に新規参入

WooCommerce は世界で最も有名な E-コマースプラットフォームの 1 つであり、WordPress を利用する企業が販売と注文の管理をウェブサイトから直接行えるようにしています。2021 年に Stripe とのパートナーシップを強化し、さらに多くの機能 (サブスクリプション、対面支払い、現地の決済手段など) を提供することで、さまざまな企業の成長を支援しています。

課題

この数年間で消費者習慣が変化し、あらゆる規模の企業が E-コマース業務を強化する必要に迫られました。WooCommerce は、独自の導入型決済ソリューションを通じて、加盟店が変化にすばやく対応できるように支援したいと考えていました。中核となる決済処理機能については Stripe と長年パートナーシップを組んでいましたが、Stripe をさらに活用すれば、対面支払いの受け付けや現地の決済手段の提供、継続支払いの作成やサブスクリプションの推進、売上処理済みの資金のスピーディーな引き落とし、さらには事業資金融資の利用が可能になることに気づいたのです。

解決策

WooCommerce は、急速に進化する加盟店のニーズに対応するために、プラットフォームの拡張を計画しました。その実現に向けて、複数の Stripe 製品 (Connect、Instant Payouts、Terminal、Billing など) を連携させて、新たなプラットフォーム WooCommerce Payments を立ち上げることを決定しました。WooCommerce Payments を利用すると、加盟店は、非接触型決済への対応やリアルタイムでの資金へのアクセス、事業を継続するための事業資金融資の活用まで、あらゆることを行えます。

Stripe の利用は、決済、請求、サブスクリプションから始めました。現在は、対面支払い用に Stripe Terminal の導入を急いでいます。今後は、資金へのアクセスなどを含め、加盟店のビジネス成長をさせるための一連の Fintech サービスを提供することを予定しています。その対象には、アメリカだけでなく、ヨーロッパ、そして WooCommerce が進出している他の地域も含まれます。Stripe を選んだのは、決済と金融サービス全体にわたる豊富なオプションがこれを可能にし、妥協することなくすぐに実現できるからです」

Brent Shepherd 氏, WooCommerce、Payments リード

6. オンラインとオフラインのチャネルを統合

オンラインのみで事業を開始した小売業者が、対面販売店やポップアップストアを開設して実店舗での販売に乗り出し、成功を収めるケースが増えています。購入の 80% が今も対面で行われているため、対面販売によってデジタルビジネスが新しい収益源を創出する機会を生み出すだけでなく、チャネルを問わずシームレスで関連性のあるパーソナライズ体験を構築する必要性がいっそう高まりました。

しかし、そこで課題となるのが、オンライン取引データと対面取引データの統合です。購入者はどのチャネルでも、ブランドに沿った一貫性のある同じ方法で企業と関わることを期待しています。たとえば購入者は、割引コード、ロイヤリティ報酬、プロモーションが、オンラインと対面販売の両方に適用されることを望むかもしれません。多くの企業は、異なるシステムや決済代行業者をつなぎ合わせて利用していますが、管理やメンテナンスに時間、費用、リソースが必要になり、業務のオーバーヘッドが増すばかりです。

チャネル間で本当に一貫性のある体験を作り出すには、購入者に関する優れたインサイトの獲得と業務の効率化が可能な単一のプラットフォームに目を向けるとよいでしょう。そうすれば、すべてのショッピングアクティビティーを 1 カ所で総合的に見渡せるため、購入者の行動を的確に把握してカスタマーサービスを改善できます。たとえば、ストアのスタッフが購入履歴を確認して、購入者に合わせて提案したり、購入者がオンラインでアイテムを購入して店舗で受け取るといった体験が可能になります。

優れた決済代行業者を選べば、最終的に決済フローがスムーズになり、購入者が希望するとおりの購入方法 (特定の決済手段や、店舗やオンラインでの購入など) に対応できます。

主な成果:

  • 購入者の LTV が向上
  • 購入者ジャーニーをパーソナライズ
  • 業務を効率化

Stripe、Wix とのパートナーシップを拡大して、企業向けに強力なオムニチャネルソリューションを提供

Wix ウェブサイトビルダーはエンタープライズクラスのインフラやビジネス機能から、高度な SEO ツールやマーケティングツールまで総合的なソリューションを提供しており、誰もがオンラインビジネスを構築して成長できるようにしています。

課題

世界中に 2 億人を超えるユーザーを持つ Wix は、企業、組織、アーティスト、個人がオンラインでブランドやビジネスを構築、展開できるようにしています。新型コロナウイルスの世界的流行を経て世界中の経済が再開されるにつれて、消費者は柔軟性の高いコマースを期待するようになりました。2020 年に Wix のプラットフォームを新たに利用するようになった 3,100 万人以上の新規ユーザーを含め、コロナ禍でオンラインに軸足を移した多くの企業は現在、自社サービスをオフラインの世界に戻す方法を模索しながら、ハイブリッドな事業運営に取り組んでいます。

解決策

Stripe の統合製品を使用することで、プラットフォーム企業は企業とその顧客にシームレスな体験を提供することができます。Stripe のプログラム可能な POS である Terminal と Stripe Connect を併用することで、Wix はオムニチャネルビジネスの運営と拡大に必要なすべてのツールをユーザーに提供できるようになりました。これにはウェブサイトの作成と管理、物流とオペレーション、オンラインと対面取引での決済処理などが含まれ、いずれも事業活動を完全に理解した上で行われます。

Wix の POS と Stripe の基盤である Terminal インフラを利用することで、当社はユーザーが対面販売を含むさまざまな販売チャネルで自社のビジネスをより総合的に把握しながらすべての在庫、販売、マーケティングを管理できる、単一のプラットフォームを提供できるようになりました」

Liat Karpel Gurwicz 氏, Wix、E-コマースマーケティング責任者

Shopify: Tap to Pay on iPhone を利用して利便性の高い対面支払いを実現

Shopify はあらゆる規模のビジネスの創業、運営、成長をサポートするオールインワンコマースプラットフォームです。数百万社ものビジネスを支えており、世界最大規模のブランドが対面やオンラインなどあらゆる場所で商品販売と決済処理を行えるよう支援しています。コロナ禍により、ほぼすべてのビジネスが購入者との関わり方を変えざるを得ませんでした。その中で、加盟店は非接触型決済を受け付けることの重要性を実感しました。

課題

購入者はコロナ禍でスピーディーかつシームレスな購入体験に慣れました。企業が対人販売に戻っても、購入者はオンラインで体験した便利さ、スピード、シンプルさを期待しているため、加盟店にとって決済体験の見直しが課題となりました。しかし、多くの小売業の加盟店にとって、最新の決済ハードウェアの導入は複雑で、保守作業が困難という問題がありました。一方、対面販売を試している E-コマースの加盟店は、現金決済や連携のないピアツーピア決済の利用を余儀なくされたため、対面販売とオンライン販売間での収益管理が複雑になりました。どちらのタイプの加盟店でも、顧客体験は危うい状態にありました。

解決策

Shopify は長年 Stripe を使用していたため、今回も当然ながら Stripe を利用して、加盟店が Tap to Pay on iPhone を使用してどこでも対面決済を簡単に受け付けられるようにしました。

Lefaive 氏は次のように述べています。「Tap to Pay on iPhone を導入することで、すべての加盟店が工夫をして、新しい販売機会を獲得するための新しい手段を提供できるようになりました。当社の小売業の加盟店は、瞬時に新たなモバイル決済フローを作成できるほか、路上セールの開催、歩道での決済受け付け、地域イベントでの販売を行うことができます。一方、E-コマースの加盟店は、自社のワークスペースで決済を受け付けたり、地域の購入者に代金引換オプションを用意したり、市場や見本市でポップアップストアを開いたりすることができます。加盟店が Tap to Pay on iPhone でビジネスを革新する様子を目の当たりにし、嬉しく思っています」

Tap to Pay on iPhone と Stripe Terminal SDK によって、Shopify の加盟店は、iPhone だけを使用してあらゆる種類の対面決済と非接触型決済を受け付けることができます。営業している場所を問わず、対面支払いをシームレスに受け付けることができる簡単かつ安全でプライバシーも保護された手段であり、追加のハードウェアが必要なく、決済が Shopify に一元化されるため、収益管理が容易になります。

一番良かったことは、Tap to Pay on iPhone を利用できるようになったことです。Tap to Pay on iPhone と Shopify POS を組み合わせれば、決済ハードウェアの導入に伴うコストの問題や、目の前にある瞬間的なチャンスをすばやく生かすための障壁を取り除けます。常に持ち歩けるカードリーダーとして活躍します。

Erica Lefaive 氏, Shopify、小売担当シニアプロダクトマーケティングマネージャー

おわりに

Stripe は、あらゆる業界の企業が変化する顧客の好みと市場機会に適応しながら、顧客、サプライヤー、流通業者、その他のパートナーとの関わり方を変革する様子を目にしてきました。オーソリ成功率とコストを最適化することは常に重要ですが、最適化にばかり目を向けていると、事業や顧客との関係強化の方法を変革し、最終的には市場シェアを獲得し、獲得可能な市場規模を拡大するという、より大きな機会を逃すことになります。これに取り組むには、ビジネスモデルとそれをサポートするインフラの見直しが必要になります。Stripe にぜひご相談ください。

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