スニーカーのデザインやレアなコレクションの収集を夢見る方々にとって、シューズビジネスは魅力的なベンチャーに見えるでしょう。お客様は、ハンドメイドのブーツを取り扱う地元の専門店をオープンするという構想をお持ちかもしれません。あるいは、オンライン限定で運営し、カスタムスニーカーを海外の顧客に発送するという構想を選択されるかもしれません。どちらの道を選択するとしても、事業を立ち上げるためには、プランニング、リサーチ、そしてシューズへのひたむきな情熱が必要です。2024 年の時点で世界のシューズ市場の規模は約 4,570 億ドルと推定され、2030年には 5,880億ドル超へと成長することが予想されます。つまり、正しい方法を選択すれば、素晴らしい可能性が開かれるということです。

得意分野の選択から法的構造の設定、材料の調達、シューズのマーケティングまで、シューズビジネスの立ち上げ方についてご説明します。

この記事の内容

• シューズビジネスを立ち上げる理由
  
• シューズビジネスで得意分野を選ぶには
  
• シューズビジネス立ち上げの法的要件
  
• シューズビジネスのための材料や商品の仕入れ方
  
• シューズのオンライン販売、店頭販売を Stripe がサポート
  
• シューズビジネスに最適なマーケティング戦略
  

シューズビジネスを立ち上げる理由

芸術性、機能、個性が融合したシューズ。華やかな赤いハイヒールから、ミニマリストのための環境にやさしいスニーカーまで、斬新なデザインやクラシックシューズのアレンジは常に注目の的です。シューズは文化的な価値を持ち、ファンの強い忠誠心を刺激します。

慎重に計画を立て、リサーチに投資することを厭わない方にとって、シューズは同時に安定した収入源になりえます。シューズは必需品です。消費者は古くなったシューズを買い替えなければならないからです。しかし、シューズをコレクションし、ステータスシンボルとして扱う人たちもいます。ショッピング街の実店舗から、オプションでシューズをカスタマイズできるオンラインストアまで、選択可能な業態はさまざまです。スポーツシューズから作業用安全靴、ファッショナブルなパンプスまで、数多くの多彩な市場機会が待っています。

得意分野の選択

得意分野を決めれば、ブランドアイデンティティを明確に打ち出すことができます。また、それによってショップの体裁、商品の価格設定、マーケティングプランも決まってきます。足首をサポートするオーダーメイドのバスケットボールシューズを製作する、環境意識の高い顧客のためにスタイリッシュなヴィーガン素材に重点を置くなど、ニッチな専門分野に焦点を絞れば存在を際立たせることができます。ある程度時間をかけて業界のトレンドを調査し、ご自分が心から楽しめることを考えましょう。たとえば、ランニングに情熱を注いでいる方ならば、その関心を活かして専門のスポーツシューズを取り扱い、熱意を共有するオーディエンスをターゲットにすることができます。

得意分野を選択する際に検討すべき一般的な分野をご紹介します。

• スポーツシューズ:ランニングシューズ、バスケットシューズ、チームスポーツ用のクリート付きシューズのデザインや仕入れが考えられます。特定のサブカテゴリー (スケートシューズ、クロストレーニングシューズなど) を選ぶ場合は、専門のアスリートに直接話を聞くとよいでしょう。
  
• 環境に優しい素材: 環境影響に配慮する人たちにとって、リサイクル生地や植物性レザー、オーガニックコットン製のシューズは魅力的です。必要な認証を調査し、廃棄物が最小限に抑えられる配送方法を考案し、製品の生産地と製造方法を知りたい買い手にご自分の選択を伝えましょう。
  
• ハイエンドファッション: 一般に高級靴 (トールブーツ、ハンドメイドのローファー、華やかなハイヒールなど) は高価格で販売されています。特に高級素材を使用したり、有名デザイナーとコラボしたりする場合、この種のビジネスの立ち上げには潤沢な資金が必要と考えられます。
  

シューズビジネスを立ち上げるための法的要件

シューズビジネスを新しく立ち上げるときは、多くの小売業や製造業と同じ法的手続きを踏まなければなりません。まず、事業運営の正式な形態を選択します。小さい規模でスタートする場合は個人事業主として届け出ることもできますが、多くの事業主は、責任を負わないために有限責任会社 (LLC) などの法人を設立します。届出に関するルールは国や地域によって異なるため、どの形態がご自分に合っているかをよく検討してください。必要なとき専門家の助言を仰ぐための資金を用意しておくとよいでしょう。法務の専門家に 1 時間相談するだけで、後日何数週間も悩まされずに済みます。

法的な構造が決まったら、次の事項を検討します。

• 免許と許可: 店舗を運営する場合、現地の規則が具体的な営業許可や安全衛生チェックを義務付けているかもしれません。
  
• 商標保護: オリジナルのシューズをデザインするのであれば、第三者がご自分のデザインで利益を得ることがないように、ブランド名やロゴを商標登録することをお勧めします。
  
• ベンダーとの契約: 現地の工場、海外のドロップシッピングプロバイダー、直接卸売り仕入れ先のいずれと提携するかを問わず、ベンダーとの間で明確な条件を定めます。生産スケジュール、品質チェック、配送ルールなどが考えられます。
  
• 資金の分離: 事業資金を別の銀行口座で運用し、収支を追跡することをお勧めします。この方法は、税金の申告や項目別控除の際にも役立ちます。
  

シューズビジネスの材料と商品の調達

どのような調達方法がベストかは、ブランドの目標、事業の規模、さらには、ご自分が個人的にどの程度関与したいかによって異なります。1 足ずつ手縫いする地元の靴工房のワークフローは、自社ブランドのスニーカーを販売するオンライン起業家とは異なります。消費者が職人技やレアアイテムを求めている場合は、一般的なドロップシッピングよりも自社生産のほうが理に適っているかもしれません。オーディエンスがバラエティに富んだスタイルと安定した取引を重視する場合は、卸売が適しているでしょう。それぞれの方法について長所と短所を比較検討し、品質を徹底的に監視してください。3 回履いただけで靴がバラバラになってしまったのでは、リピートビジネスは望めません。

考えられる仕入れと在庫管理の方法をいくつか紹介します。

地元の製造業者

地元の職人に会って好きなデザインについて話し合い、現場で製造を監督する方法があります。この方法では、品質管理が強化され、ターンアラウンドが速まります。 一方、地元での生産は費用が嵩むため、高価格戦略を取らざるをえなくなるかもしれません。

ドロップシッピング

ドロップシッピングパートナーが倉庫管理とフルフィルメントを処理します。ご自分はシューズを販売し、代金を徴収し、ドロップシッピングパートナーに注文を伝えるだけです。物理的な在庫を管理する必要がないので、初期費用を抑えることができますが、品質が落ちないように、ドロップシッピングパートナーの製品をご自分の目でサンプリングしてください。

卸売業者

卸売業者を使ってシューズをディスカウント価格で一括購入し、小売価格で再販売します。この方法は、そこそこの販売数が期待できて、予測可能な形で在庫を管理したい事業者に適しています。保管にかかる費用、顧客への配送、一部のデザインが売れ残った場合の在庫過剰の可能性を念頭に置いてください。

シューズのオンライン販売、店頭販売を Stripe がサポート

Web サイトでの販売を予定している場合は、都度購入から (サブスクリプション型会員、会員向け特別特典の場合の) 反復型注文まで、あらゆる形の注文を処理できる決済システムが必要です。柔軟な決済処理オプションを提供する Stripe は、大規模なプラットフォームと個人事業のどちらにも対応いたします。

Stripe は、シューズビジネスに次のようなメリットをもたらします。

• Eコマースサイトへの導入が容易: サイトをゼロから構築するか、Shopify や WooCommerce などのプラットフォームを使用するかを問わず、Stripe はオンラインストアへの導入が可能です。
  
• グローバルな決済に対応: Stripe はさまざまな決済手段と通貨に対応しています。この機能は、海外への出荷時に特に役立ちます。
  
• 不正利用防止: オンラインストアは、不正取引の被害に遭うおそれがあります。Stripe の内部チェックがそのリスクを軽減するので、お客様は正当な顧客に集中することができます。
  
• サブスクリプションに対応: ショップがマンスリーメンバーシッププログラム (ショップが選んだ「今月のシューズ」ボックスや限定リリースの先行販売など) を運用している場合、Stripe は継続請求に対応いたします。
  
• 分析ツール: Stripe のダッシュボードが収入やトップセラー商品などに関する有益な情報を提供します。注文パターンの発見にぜひお役立てください。
  
• 簡潔な料金体系: Stripe は簡潔な料金体系を採用しているため、長期契約は必要ありません。短期間のシーズンセールを実験的に行ってみたり、新規の地域にスピーディに事業を拡大したりできるので、シューズ市場においてこのような料金体系は貴重です。
  

シューズビジネスに最適なマーケティング戦略

シューズ市場は過密状態です。したがって、ブランド認知度を高めるためには、独創的なアプローチが必要です。デジタルアウトリーチ、対面イベント、紹介報奨を組み合わせれば、1 枚の看板や数回のソーシャルメディア投稿より大きな効果が生まれるかもしれません。多くの場合、最善のマーケティングは絶え間ない実験です。結果をよく検討して修正しましょう。

オーディエンスが舞台裏を撮影した動画には強く反応するものの、公式な広告キャンペーンへの反応が思わしくない場合は、効果が上がる活動に重点を置いてください。マーケティングの主眼は、顧客の記憶に残るブランドストーリーを創ることです。シューズは、その創造的なポテンシャルを十二分に発揮して、鮮やかな印象を残しながら顧客とつながるチャンスを生み出します。

事業を立ち上げるための提案をいくつかご紹介しましょう。

ソーシャルメディアで商品を紹介する

InstagramやTikTokなどのプラットフォームは視覚指向なのでフットウェアに適しています。シューズをデザインする過程を撮影したショート動画を投稿する方法や、商品を梱包する舞台裏の写真を顧客に見せる方法が考えられます。コメントに返信する、景品をプレゼントする、今後のリリースに関するアンケートを実施するといった方法でオーディエンスとの関わりを深めましょう。

マイクロインフルエンサーとコラボする

注目を集めるのに有名人のお墨付きは必要ありません。多くの小規模事業のオーナーは、現地のファッションブロガーやニッチなインフルエンサーの協力を仰ぐのが効果的かもしれません。これらのマイクロインフルエンサーは、大抵の場合、有名人より安上がりで、しかもオーディエンスの強い関心を集めやすいと思われます。マイクロインフルエンサーに正直な感想を述べてもらえるように、シューズを 1 足プレゼントしてください。気に入ってくれれば、本心からお勧めしてもらえるでしょう。

現地でポップアップストアやトランクショーを開催する

オンライン中心で事業を展開する場合は、小売店向けシェアスペースや現地の小規模専門店で週末にポップアップストアを開催することを検討してください。これは、顧客と直接接触し、商品を肌で感じてもらうための良い方法です。活気のあるイベントにするために、音楽、軽食、景品を取り入れて集客を増やしましょう。

ロイヤルティプログラムや紹介特典を設ける

既存の顧客に口コミを促し、着実な有機的成長につなげてください。新規のショッパーを獲得した顧客には割引やニューモデルの先行販売を提供し、単純なロイヤルティプログラムを展開します。複雑なポイント制よりシンプルな割引コードのほうを好む顧客も多いからです。

メールでニュースレターを送る

メールリストは、商品の再入荷、ニューデザイン、次回のセール情報といった最新情報を顧客に伝える効果的な手段です。親しみやすい文体で、商品をアピールする写真を添えましょう。

地域活動に参加する

地元スポーツチームのスポンサーになる、ブランドの焦点と関係のある慈善団体と連携するといった方法が考えられます。たとえば、ランニングシューズを販売しているのであれば、町の 5km マラソンを後援するとよいでしょう。ブランドの理念と一致する社会貢献活動を考えてマーケティングを展開してください。社会に貢献する企業を見た人たちは、好意を抱いてくれることでしょう。