買掛金 (AP) ソリューションは、ベンダーからの請求の受け取り、承認のルーティング、支払いなど、企業の買掛金プロセスを自動化するソフトウェアプラットフォームです。AP ソリューションは、PDF のフォルダー、共有スプレッドシート、印刷された小切手による処理を、請求データを自動的に取り込み、承認ルールを継続的に適用し、企業が設定した条件で支払いをスケジュールするシステムに置き換えます。
以下では、AP プラットフォームの機能全体、市場にあるツールのさまざまなカテゴリー、および買掛金ソリューションを提供する企業を選択する際の考慮事項について説明します。
この記事でわかること
AP プラットフォームにより、請求の取り込み、承認のルーティング、支払いの実行、照合が自動化されます。これにより、各請求の処理にかかるコストと所要時間が削減されます。
適切なタイプのソリューションは、主に、1 つのベンダーに買掛金プロセスのどの程度を任せるかによって異なります。
自動化により、手作業によるエラーや処理時間は削減されますが、重複支払いや、照合データの不備による請求の例外発生率の上昇など、独自のリスクが生じる可能性があります。
買掛金ソリューションとは
買掛金 (AP) ソリューションは、ベンダーからの請求の受け取り、承認のルーティング、支払いを自動化するソフトウェアプラットフォームです。この自動化により、手作業が減り、支払いの正確性が向上し、企業の AP 部門全体の可視性が維持されます。
買掛金プラットフォームはどのように機能しますか?
AP プラットフォームは、順番に機能する複数の小規模なシステムの連鎖です。ここでは、AP 管理に関わるさまざまな機能について説明します。
請求の取り込みと照合
通常、AP プラットフォームは光学式文字認識 (OCR) を使用して請求を読み取ります。システムはベンダー名、請求番号、商品やサービス、税金、合計を抽出し、確実に解析できないものには担当者が確認できるようにフラグを付けます。
その後、請求を発注書と照合して請求額が注文内容と一致していることを確認する 2 点照合か、それに入庫記録を加えて到着したものが請求内容や注文内容と一致していることを確認する 3 点照合を実行します。支払いが実行される前に数量の不一致や水増しされた単価が検出されるため、多くの請求エラーや請求に関する詐欺はこの段階で発見されます。
承認と支払い
請求の照合が完了すると、プラットフォームは承認のためにその請求をルーティングします。企業は、システムで自動的に適用できるしきい値を設定します。たとえば、500 ドル未満の請求は自動承認され、1 万ドル以上の請求には 2 人の承認が必要であり、新しいベンダーはまず調達部門にルーティングされる、といった具合です。
支払いが承認されると、プラットフォームは該当する決済手段 (口座振替、電信送金、バーチャルカードなど) を通じて送金を行い、決済が完了するまでそのステータスを追跡します。
ベンダーの記録と会計の同期
ベンダー管理の面では、プラットフォームに銀行口座情報、税務書類、支払い履歴が保存されるため、サプライヤーに支払いを行うたびにプロフィールを最初から作成し直す必要はありません。完了した取引は会計システムに反映され、総勘定元帳が最新の状態に保たれます。
買掛金ソリューションにはどのような種類がありますか?
AP ソリューションは、大きく 4 つのカテゴリーに分類できます。ビジネスに適したソリューションは、買掛金プロセスのどの程度を 1 つのベンダーに任せるかによって異なります。
主なオプションは以下のとおりです。
スタンドアロンの AP ソフトウェア: 請求から支払いまでのワークフロー専用に構築されたプラットフォームであり、通常は既存の会計システムを置き換えることなく高度な AP 機能を求める企業に選ばれています。
企業資源計画 (ERP) 統合型 AP モジュール: 大規模な ERP システムに組み込まれた AP 機能であり、すでにその ERP で財務を管理していて、同じ環境で AP を利用したい企業に役立ちます。
決済対応プラットフォーム: 支払いの実行機能が組み込まれた会計または経費管理ソフトウェアであり、請求の承認と実際の送金が 1 つのインターフェイス内で行われます。
インフラストラクチャーレベルの決済ツール: 企業が直接ログインする完成品の AP プロダクトではなく、他のソフトウェア企業がその上に支払い機能を構築するためのアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) や決済ネットワークです。Stripe はこれに該当します。プラットフォームやマーケットプレイスは Stripe Connect を使用して、売り手、請負業者、サプライヤーに対して大規模な入金を行います。これは、多様な受取人に支払いを行うあらゆるビジネスに適しています。
買掛金ソリューションのリスクと制限事項
請求に関する詐欺は、AP ソリューションで常に軽減できるとは限らない一般的な脅威です。たとえば、ベンダーになりすました悪意のある人物が (多くの場合、メールアカウントの不正アクセスやなりすましによって)、銀行口座情報を更新した本物に見える請求を送信し、そのベンダー名に慣れている承認者が変更に気づかずに支払ってしまう可能性があります。AP プラットフォームでは、照合手順やベンダーの確認手順によってこのリスクを軽減できますが、承認ルールが緩すぎる場合や、既知の連絡先への電話など、別の手段による銀行口座情報の変更確認を省略した場合、リスクを完全に排除することはできません。
重複支払いもよくある失敗の 1 つです。特に、手作業のプロセスから移行した直後は、過去の請求データが新しいシステムにきれいにマッピングされないことが多いためです。照合ロジックへの過度な依存も問題を引き起こす可能性があります。発注書データが不完全または古く、3 点照合によって正当な請求が例外としてフラグ付けされ続けると、チームは実際に確認することなく、習慣的にそれらのフラグを無視するようになる可能性があります。
導入には実務上の混乱も伴います。ベンダーの記録、銀行口座情報、承認階層を新しいプラットフォームに移行するには時間がかかります。また、小切手の受け取りに慣れている小規模なサプライヤーを中心に、ベンダー自身が電子決済プログラムへの登録に難色を示すこともあります。こうしたリスクや制限事項があるからといって、AP の自動化が企業にとって投資価値が低いわけではありませんが、移行期間については慎重に計画する必要があります。
買掛金ソリューションは事業形態によってどのように異なりますか?
AP ソリューションの主要な機能 (取り込み、承認、支払い、照合) は変わりません。しかし、それぞれの機能の重要度は事業形態によって変化します。
小規模事業者
中小企業では、通常はシンプルさが優先されます。基本的な請求の取り込み、1 ~ 2 階層の承認、すでに使用している会計ソフトウェアとのスムーズな連携などです。複雑な承認階層や複数法人のサポートは、実際に抱えている問題を解決しないまま、コストと設定時間を増やすだけです。
エンタープライズ
エンタープライズは、これとは逆の圧力に直面する傾向があります。複数の法人からなる構造では、請求が属する子会社に応じて、同じプラットフォームで異なる承認ルールやコストセンターを適用する必要があります。また、企業の財務スタックがすでに ERP ソフトウェアで運用されている場合、ERP との連携は必須になります。この規模になると、監査目的だけでなく、承認者の数が増えると非公式な監視を維持することが難しくなるため、職務の分離もより重要になります。
プラットフォームとマーケットプレイス
プラットフォームやマーケットプレイスは独自のカテゴリーに属します。固定のベンダーに支払いを行うのではなく、何百、何千という売り手、ドライバー、請負業者に対して、多くの場合、定期的に、ときには国境を越えて支払いを行います。これは従来の AP の問題というよりは、入金インフラストラクチャーの問題と言えます。ここで Stripe Connect などのツールが役立ちます。これらのツールは、1 つの企業が多数の受取人に大規模な支払いを行うために構築されています。
ビジネスに適した買掛金ソリューションを選ぶには
特定の製品を検討する前に、処理量と構造から始めます。毎月処理している請求の数、個別の承認ルールが必要な法人やコストセンターの数、自国以外のベンダーの数を把握します。現在の状況だけでなく、2 年後の請求の処理量や地理的範囲についても考慮してください。
現在と将来のニーズを明確に把握したら、以下の機能を評価します。
請求自動化の正確性: スキャンした画像や非標準フォーマットなど、きれいに読み取れない請求をプラットフォームがどのように処理するかを確認します。エラー率が高いと、手作業がチームに戻ってしまいます。
承認ワークフローの柔軟性: 多層的な承認の構築、不在時の承認の委任、部門やベンダーごとの異なるルールの設定を、開発者の設定なしで実行できることを確認します。
決済手段の対応範囲: 口座振替、電信送金、バーチャルカードなど、プラットフォームがサポートしている決済手段を確認し、ベンダーが希望の手段を選択できるか、または企業が 1 つの手段に固定されているかを確認します。
グローバルな支払いのサポート: 国外のベンダーに支払いを行う場合は、プラットフォームがその地域の多通貨決済と国内主要決済手段をサポートしていることを確認します。
照合と総勘定元帳コード: すべての請求に手動で割り当てるのではなく、ルールに従って正しいアカウントコーディングが適用され、総勘定元帳と自動的に照合される機能を探します。
連携オプション: サポートされている連携機能またはオープン API を介して、プラットフォームが会計システムまたは ERP システムに直接接続することを確認します。手動でのエクスポートとインポートが必要なツールは、本来の目的の多くを損ないます。移行時に過去のデータが連携機能によってどのように処理されるかを具体的に質問してください。
導入のスケジュールと社内の混乱について率直に検討してください。設定に 3 カ月かかり、すべてのベンダーが再登録しなければならないプラットフォームには、機能の比較には表れないコストがかかります。こうした潜在的なマイナス面を、数週間でチームが本番環境を利用できるよりシンプルなツールと比較検討する価値はあります。
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この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。