欧州連合での請求書作成のベストプラクティス

EU での請求書発行のベストプラクティスと、ビジネスレポートの要件を満たすために必要な内容をご紹介します。

Invoicing
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  1. はじめに
  2. 請求書が必要な状況
  3. 請求書に含める必要がある内容
    1. 情報フィールド
    2. 簡易請求書
    3. 言語
    4. 通貨
    5. 支払い期日
    6. 請求書の形式

EU 加盟国内で事業運営する企業にとって、請求に関する要件を理解することは重要です。請求書は、売り手が買い手に発行する商取引に関する文書です。提供される商品またはサービスの詳細を説明し、支払いの義務を確立します。EU 内では、請求書は付加価値税 (VAT) の会計処理と規制遵守のために重要です。

請求書の内容と発行を概説する主要な法的枠組みは、一般に VAT 指令と呼ばれる理事会指令 2006/112/EC (英語) です。この指令は、すべての加盟国に適用される統一された請求書発行規則を定めています。ただし、詳細な請求要件は国ごとに大きく異なる可能性があります。したがって、各国の特定の規制を確認することが重要です。請求書は、商品またはサービスの販売が行われるとみなされる国の規則を遵守している必要があります。このガイドでは、請求書の内容要件、簡易請求書発行のオプション、通貨に関する考慮事項、EU VAT 指令に基づいて許容される形式の概要を説明します。

請求書が必要な状況

EU VAT の規則では、ほとんどの企業間 (B2B) 取引について請求書の発行が義務付けられています。EU に所在の企業は、他の企業への商品またはサービスの供給について請求書を発行する必要があります。ただし、加盟国によっては、特定の免税サービス (金融および保険取引、教育サービスなど) の供給について、請求書の発行が必須ではありません。

法人以外の顧客への請求書の発行は、一般的には義務付けられていませんが、EU の企業の場合は、連合のワンストップショップ (OSS) スキームを使用しない場合、他の EU 加盟国の個人への商品販売について請求書を発行する必要があります。連合の OSS スキームでは、企業が、他の EU 加盟国内の個人に対する商品やサービスの EU 域内販売を、すべて 1 つの EU 加盟国で登録できます。

請求書に含める必要がある内容

情報フィールド

EU VAT 法では、請求書に最低限含める内容の要件が定められています。ただし、個々の EU 加盟国が、含める必要のある追加の詳細を指定している場合があります。EU VAT 法に基づき、規制を遵守するため、請求書には次の情報を含める必要があります。

  • 発行日: 請求書が発行された日付。
  • 連番の請求書番号: 請求書の一意の連続した識別子。
  • サプライヤーの VAT 識別番号: サプライヤーが供給を行ったときの VAT 番号。
  • 顧客の VAT 識別番号: 域内供給や、顧客が VAT の納税義務を負うときには必須です。
  • 氏名と住所: サプライヤーと顧客の両方の氏名と住所。
  • 商品またはサービスの説明: 提供される商品またはサービスの数量と性質の明確な説明。
  • 供給日: 供給が行われた日付、または内金を受領した日付 (請求書の日付と異なる場合)。
  • 税率または免税ごとの課税対象額: 適用される各 VAT 税率または免税の課税対象額。
  • 単価と割引: VAT を除いた単価と、適用される割引またはキックバック。
  • 適用される VAT税率: 提供される商品またはサービスに適用される VAT 税率。
  • VAT の支払い額: 支払う対象の VAT の合計額。
  • 自己請求の明記: 顧客が売り手に代わって請求書を発行する場合、請求書に「自己請求」という文言を含める必要があります。
  • 免税またはリバースチャージの明記: 供給について VAT が免除されているか、リバースチャージメカニズムの対象であることを示す注記 (該当する場合)。
  • 特別な方式の明記: マージン課税や現金主義会計などの特別な方式の明示 (該当する場合)。
  • 税務代理人情報: 税務代理人が VAT の支払いを担当する場合は、VAT 識別番号、氏名、住所を含める必要があります。

2030 年 7 月 1 日以降は、規制遵守を確保するために、請求書に追加の詳細を含める必要があります。修正請求書の場合、修正する元の請求書を識別する連番を含める必要があります。さらに、支払いに対して指定されたサプライヤーの銀行口座番号も請求書に明記する必要があります。

簡易請求書

EU VAT 指令では、請求金額が 100 ユーロを超えないときなどの特定の状況で簡易請求書を使用できます。この請求書では、完全な請求書よりも必要な詳細が少なくなりますが、正確な要件は加盟国によって異なる場合があります。通常、簡易請求書には次の項目が含まれます。

  • 発行日: 請求書が発行された日付。
  • サプライヤーの識別情報: 商品またはサービスを供給する課税対象者の名前と住所。
  • 商品またはサービスの説明: 供給された商品または提供されたサービスの種類と数量の識別情報。
  • VAT の支払い額: 支払う VAT の金額、またはその計算に必要な情報。
  • 最初の請求書の明記: クレジットノートの場合、最初の請求書と修正される詳細を特定する明確な情報。

言語

EU VAT の規則では、請求書の発行言語に関する具体的な要件はありません。ただし、個々の EU 加盟国には、請求書を公用語で発行することを義務付ける独自の規制がある場合があります。

通貨

請求書は任意の通貨で発行できます。ただし、VAT の金額は、供給が行われるとみなされる加盟国の自国通貨で示す必要があります。

支払い期日

EU VAT の規則では、支払い期日の指定は VAT の必須要件ではありません。ただし、支払い期日を含めることは、最良の慣行だと考えられています。支払い条件が明確になり、適時の取引が促進されるためです。

請求書の形式

EU VAT 法では、請求書を紙の形式または電子形式で発行できます。電子請求書は、その真正性、内容の整合性、可読性が保証されている限り、紙の請求書と同等に扱われます。電子請求書の使用は、受取人の承諾が条件になります。

ただし、これは予期されているデジタル時代の VAT 指令によって変わります。国内に電子請求書制度が導入された場合、新しい規則では、電子請求書の発行に顧客の同意が不要になり、企業には電子請求書の承諾が義務付けられます。2030 年 7 月 1 日以降、「電子請求書」という用語は、自動処理を可能にする構造化された電子形式で発行、送信、および処理される請求書を限定して指すことになります。電子請求は、EU での請求書発行のデフォルトシステムになります。EU のすべての企業は、他の EU 加盟国の顧客への商品またはサービスの B2B 販売について、電子請求書を発行するこが必要になります。

EU では、企業対政府間 (B2G) の取引について電子請求書の作成がすでに義務付けられていて、行政機関は構造化された電子請求書を承諾する必要があります。イタリアやルーマニアなどの一部の加盟国では、この義務を国内の B2B 販売にまで拡大しています。他の多くの加盟国も近い将来、これに続くことを計画しています。

Stripe Invoicing について、詳細は当社のドキュメントをご覧ください。電子請求書をサポートする Stripe App ストアのサードパーティプロバイダーについて、詳細はこちらのガイドをご覧ください。請求書の送付と支払いの受け付けをすぐに開始するには、営業チームにお問い合わせください。

2025 年 1 月 1 日現在の情報です。この記事の内容は、一般的な情報および研修のみを目的に記載されています。法律上または税務上の助言として解釈しないでください。Stripe は、ガイド内の情報の正確性、完全性、妥当性、現行性を保証しません。特定の状況に関する助言については、管轄区域で開業する資格を持つ有能な弁護士または会計士に求める必要があります。

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