フランス全国銀行連盟 (FBF) によると、フランスには、330 社の銀行 (または信用機関) があります。ご自身のビジネスに合わせて、どの銀行を選ぶべきでしょうか?口座開設にあたり、最適な銀行を選ぶにはどうすればよいでしょうか?また、危機の際に最も安全なのはどの銀行でしょうか?フランスの銀行に関するこの記事では、2023年に最高の評価を得た従来型銀行、協同組合銀行、オンライン銀行を紹介します。
この記事の内容
- フランスにおける銀行の種類
- フランスで最高の従来型銀行
- フランスで最高の協同組合銀行
- フランスで最高のオンライン銀行
- 代替的なバンキングサービス
フランスにおける銀行の種類
フランスの銀行システムには、従来型銀行、協同組合銀行、オンライン銀行、ネオバンク、公的銀行など、さまざまな種類の信用機関があります。各銀行は、実際の支店またはオンライン端末 (あるいは両方) を所有しています。
実店舗を持つ銀行
BNP Paribas や Société Générale のような従来型銀行は上場しており、株主に所有されています。
一方、協同組合銀行の所有権はその会員 (多くの場合、銀行の顧客) にあり、協同組合の原則に従って業務を運営し、会員の利益を高める民主的な環境を提供します。フランスの相互貯蓄銀行および協同組合銀行には、Crédit Agricole、Crédit Mutuel、Banque Populaire、Caisse d’Épargne などがあります。
La Banque Postale (La Poste の完全所有子会社) および Caisses de Crédit Municipal は公的な (つまり国有の) 銀行です。
オンライン銀行
フランスではオンライン銀行も広く普及しています。多くの場合、オンライン銀行は従来型銀行の子会社であり、バンキングサービスの提供はすべて電子的に行われますが、サービス内容は従来型銀行が提供するものと同等です。オンライン銀行は実際の支店を持たないため、ブラウザーまたはモバイルアプリを介してオンラインでのみ利用可能です。このような銀行には、Boursorama Banque、Monabanq、Fortuneo、BforBank などがあります。
「ネオバンク」とは、フランス健全性監督破綻処理機構 (ACPR) により銀行業務の運営を承認された信用機関のことを指します。ネオバンクのサービスはモバイルアプリからしか利用できないこと、また、現金や小切手の預け入れができるとは限らないことにご注意ください。ネオバンクの承認ステータスを確認するには、銀行・金融業務の運営を ACPR から承認された金融機関リストをご覧ください。
フランスで最高の従来型銀行
では、フランスで最高の従来型銀行について見ていきましょう。ここでは、国際的に事業を展開し、世界中で高い評価を得ている 2 社、BNP Paribas と Société Générale を紹介します。この分類は主に、世界的な事業運営、国際的、地域的な信頼性、幅広い商品の提供という基準に基づいています。
BNP Paribas
BNP Paribas は 2023 年に Euromoney 紙により、サステナブルファイナンスと金融事業全般で世界最高の銀行に選ばれたほか、IFR 紙 (International Financing Review) からも表彰を受けました。同社はフランスで最も信頼できる銀行の 1 つであり、200 年にわたり個人顧客と企業にサービスを提供してきました。同社は世界的に事業を展開しているため、同社の顧客は世界市場と連携した銀行モデルを利用することができます。
また、BNP は、企業融資、ブローカー業務、合併・買収の助言、資産管理・運用など、あらゆるサービスを提供しています。同社は、投資銀行サービスと、エネルギー転換に関する融資で高く評価されています。この融資は、環境に責任を持つ持続可能な投資を行うインセンティブを企業に与えることを目指すものです。2023 年の同社の時価総額は 718 億 2,000 万ユーロでした。
Société Générale
Société Générale は、フランスで 150 年以上にわたり事業を行っている広く知られた銀行です。BNP Paribas と同様、Société Générale も、投資銀行業務と金融業務を含む幅広い金融サービスを提供しており、フランスをはじめ世界各地で高い評価を得ています。資産基盤の面では、同社は BNP Paribas (顧客数 6,000 万人) 、Crédit Agricole (5,300 万人) に次いでフランスの銀行で第 3 位 (2,500 万人) となっています。Société Générale のサービスは、零細企業から多国籍企業まであらゆる企業のニーズに対応しています。
フランスで最高の協同組合銀行
Crédit Agricole、BPCE (Banque Populaire、Caisse d’Epargne Group)、Crédit Mutuel は、フランスの顧客が最もよく利用する銀行です。これらの銀行は、地域内での地位や、個人顧客と企業の両方のニーズに対応する強固な協同組合モデルという点で、競合する他の銀行とは一線を画しています。
Crédit Agricole
Crédit Agricole は、フランス国内で 39 社以上の地域事業体を運営する協同組合銀行です。同社は、自社の地域銀行ネットワークにより、現地の顧客と安定的かつ持続的な関係を確保する立場を築いています。また、46 カ国で協同組合・相互貯蓄銀行業務を運営する一方で、企業のニーズに応じたあらゆるサービスを提供しています。2024 年 1 月時点で、同社の時価総額は 405 億 3,000 万ユーロと、Société Générale の時価総額 188 億 3,000 万ユーロを上回っています。
BPCE Group
BPCE Group の Banque Populaire は、各地域での事業展開や、顧客への誠実な尽力の継続により、長年をかけてフランス企業の信頼できるパートナーとなりました。現在、零細企業や中小企業を中心とするフランス企業の 30% 近くが、デジタル化やエネルギー転換、社会的な移行にあたり、Banque Populaire にサポートを求めています。
Crédit Mutuel
Crédit Mutuel は高い顧客満足度を維持しています。民主的な銀行である同社は、フランスで人気が高く、2023 年 11 月の Posternak Ifop バロメーターによると、最もイメージが良いフランス企業の第 13 位に入っています。Crédit Mutuel の協同組合モデルにより、顧客と会員は、銀行運営や効率的な顧客サービスの開発に関与しているという実感を得られます。
フランスで最高のオンライン銀行
2023 年の最高のオンライン銀行を選ぶにあたっては、従来型銀行と同じ規制に従っているオンライン銀行 (すなわち、ACPR の承認を受け、従来型銀行のサポートを得ている銀行) を対象とする必要があります。Boursorama Banque、Monabanq、Fortuneo の 3 社は安全なオンライン銀行であり、決済保険付きの低コストのバンキングサービスを提供しているという点で、一般の利用者にとって非常に魅力的です。
Boursorama Banque
Boursorama Banque は Société Générale の子会社であり、2023 年には、Statista が実施した独立調査に基づき、アメリカの Forbes 紙でフランスの優良銀行の第 2 位に選ばれました (次いで同じくオンライン銀行の Monabanq と Fortuneo がランクイン)。同社は、Bourso Protect Pro という企業向け保険や、ユーザーの評価が高い高機能のモバイル決済端末を提供しています。同社のオンラインバンキングサービスは、零細企業のニーズとよく合っています。
Monabanq と Fortuneo
一方、Monabanq (Crédit Mutuel Alliance Fédérale の子会社) と Fortuneo (Crédit Mutuel Arkéa の子会社) は、無料同然のサービス (Fortuneo に関しては完全に無料のサービス) を提供していることから、個人顧客や自営業者に人気があります。両社の顧客は、従来型銀行で課される標準的な銀行手数料を節約することができます。信用機関の銀行手数料を比較する際は、フランス金融部門諮問委員会 (CCSF) が提供するツールを利用できます。
代替的なバンキングサービス
企業金融の確保という点で、銀行の代替となるサービスがいくつかあります。インキュベーターやエンジェル投資家に支援を求めたり、Association pour le Droit à l’Initiative Économique (Adie) など、マイクロクレジットやローンを提供する任意団体を利用したりすることが可能です。また、投資ファンドを活用すれば、パートナーシップを通じて 25 万ユーロ以上 (上限は 500 万ユーロ) を確保することもできます。
Stripe も、さまざまな企業向けバンキングサービスを提供しています。事業者は、Stripe Issuing の高機能のアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) を使用して、顧客に合わせた支払いカードを作成、発行、配布するためのサービスを受けられます。また、個別の利用限度額を設定したり、カードデザインをカスタマイズしたりすることで、ブランド提携した銀行カードの管理に関与することもできます。Stripe が提供するすべてのバンキングサービスについては、当社の担当部署にお問い合わせください。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。