背景
シンガポールの決済サービス法 (Payment Services Act 2019) は、「シンガポールにおける決済システムおよび決済サービスプロバイダーを規制するための前向きかつ柔軟な枠組み」として施行されました。以前の決済システム監督法 (Payment Systems Oversight Act) および両替送金事業法 (Money-Changing and Remittance Businesses Act) に代わる PSA は、「決済サービスとフィンテックの革新と成長を促進しながら、規制を明確で確実なものにし、消費者を保護する」ことを目的としています。
さらに、シンガポール金融管理局 (MAS) が PSA に準拠して発行した通知 PS-N01 (マネーロンダリングの防止およびテロリズムに対する資金供与への対策 - 特定の決済サービス) では、規制対象の決済サービスプロバイダー (Stripe を含む) に対して、マネーロンダリングの防止 (AML)、およびテロリズムへの資金供与への対策 (CFT) に関する要件が導入されています。
Stripe ユーザーへの影響
PSA および通知 PS-N01 (具体的には第 7 項「顧客のデューデリジェンス」) によって義務付けられた AML/CFT 対策に準拠するために、Stripe はユーザー登録プロセスに特定の変更を加え、新規ユーザーと既存ユーザーの両方に適用される以下の追加措置を導入しました。
- 本人確認の強化
- 追加の本人確認 (KYC) 情報の収集
- アカウントを開設する権限の確認
本人確認の強化
PSA および Notice PS-N01 の規定により、Stripe は特定のユーザーを対象に、本人確認の強化プロセスを実行する必要があります。この要件への準拠を維持するために、Stripe はお客様に対して、Singapore Myinfo による (Singpass アプリを使用) 本人確認、または Stripe がコンピューターまたはモバイルデバイスのカメラを使用して撮影したお客様の写真付きの有効な身分証明書の提出を求める場合があります。
追加の KYC 情報の収集
PSA および Notice PS-N01 に準拠するため、Stripe は、国籍、会社の取締役の詳細などの追加情報をお客様から収集します。Stripe が収集する必要がある追加情報の範囲は、特にお客様の Stripe アカウントの種類によって異なり、適用される規制を遵守するために必要な情報のみを要求します。
関係者:弊社は、すべての取締役 (会社の場合)、パートナーおよびマネージャー (パートナーシップの場合)、および上級管理職 / 役職者 (協会、クラブなどの法人化されていない団体の場合) の詳細を確認する必要があります。
受益者:また、弊社は、お客様の事業の株式保有、議決権、および / または執行権限によって設立された、お客様の事業の重要な所有権および / または支配権を有する個人の身元を特定し、確認する必要があります。この要件の詳細と満たす方法については、シンガポールの最終的な受益所有権の要件に関するサポートページをご覧ください。
アカウントを開設する権限の確認
PSA および Notice PS-N01 に準拠するため、Stripe は、Stripe アカウントを開設する個人がビジネスを代表して開設する権限を有していることを確認する必要があります。Stripe がこの情報を確認できるようにするために、お客様がビジネスの所有者または取締役である場合にのみ、アカウント開設の手続きを行ってください。この要件に関する追加情報と要件を満たす方法について、詳細は代表者の権限の確認に関するサポートページをご覧ください。
アカウントの閉鎖
確認が完了しない場合、PSA および通知 PS-N01 の規定により、Stripe は以下を行う必要があります。
- Stripe SSA の規約に同意後、30 営業日が経過してもユーザー確認が完了していない場合は、支払い処理と銀行口座への入金を一時停止する。
- Stripe SSA の規約に同意後、120 営業日が経過してもユーザー確認が完了していない場合は、Stripe の支払いアカウントの機能を終了し、永久に閉鎖する。
Stripe の決済サービスを再度使用する場合、Stripe アカウントを新たに開設する必要があります。
おわりに
Stripe のアカウント開設要件は、PSA おyび MAS の通知 PS-N01 によって導入された新しい要件を含め、ユーザーが新機能や規制の変更に関する最新情報を常に把握できるように設計されています。ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。
よくあるご質問
取締役や主要な幹部全員について、個人を特定できる情報の提供を求められるのはなぜですか?
MAS Notice PS-N01 第 7 項を含むシンガポールの既存の マネーロンダリング防止 / KYC 規制に準拠するために、Stripe は Stripe ユーザーのすべての関係者を特定して本人確認を行う必要があります。
Stripe は、関係者の名前、生年月日、ID 番号、住所などを収集して照合し、関係者の身元を確認します。
関係者とは、取締役 (会社の場合)、パートナー(パートナーシップビジネスの場合)、または、社長、会長、財務部長などの主要幹部 (その他の法人の場合) を指します。
所有者の個人を特定できる情報の提供を求められるのはなぜですか?
MAS Notice PS-N01 第 7 項を含む既存の マネーロンダリング防止 / KYC 規制に準拠するために、Stripe は法人である Stripe ユーザーの実際の会社代表者 (UBO) を特定して確認する必要があります。
Stripe は、UBO の名前、生年月日、ID 番号、住所などを収集して照合し、UBO のリストが正確かつ完全であることを確認することにより、UBO の身元確認を試みます。
UBO とは、お客様のビジネスを実質的に所有または管理する個人、またはその代理として取引が行われる個人を指し、お客様のビジネスを最終的かつ実質的に管理する個人が含まれます。これは一般的に、ビジネスの 25% 以上を実質的に所有している人物、または取締役を指します。
所有者のいない NPO 法人です。それでも UBO 情報を提供する必要がありますか?
はい。NPO には所有者がいないため、実質的に組織を支配したり、大きな影響力を行使したりする個人が UBO となります。これには、会長、議長、会計、書記などの個人が含まれます。
個人を特定できる情報 (PII) は Stripe で安全に扱われますか?
はい。マネーロンダリング防止 / KYC 規制を遵守するために収集される情報を含め、Stripe が PII を取り扱う方法については、Stripe のプライバシーセンターを参照してください。