課題
Luxury Escapes はオンラインの旅行代理店としてサービスを提供するプラットフォームです。新しい旅先を開拓したり、航空券やホテル、レンタカーを予約したり、旅行保険やツアー、小旅行を手配したりと、旅行計画にまつわるさまざまな面をサポートしています。2021 年初頭、新型コロナウイルス感染症の流行が依然として続くなか、同社はキャンセルや日程変更の急増に見舞われ、また購入完了率も低下しました。
旅行に関する不確定要素があまりにも多い状況下では数千ドルの前払いは避けたいという顧客の心情を察知し、Luxury Escapes はビジネスモデルを顧客のニーズにうまく適合させていく方法を模索しました。Luxury Escapes の製品管理ディレクターである Robert Preswick 氏は次のように述べています。「コロナ禍を機に、ビジネスモデルの改善と、お客様により満足してもらえる旅行商品の創出に対して投資を行いました」
グローバル展開を見据え、Luxury Escapes はお客様がより自由かつ安心して予約を管理できるよう、柔軟な分割払いを提供し、旅行が中断した場合や旅程が変更された場合には簡単に返金ができる決済プロバイダーを探していました。加えて、社内の開発チームを強化するために、自動決済プロセスを備え、複数の地域をカバーする不正防止ソリューションも必要としていました。
解決策
先行きが不透明な状況下でも顧客が安心して旅行を予約できるようなソリューションの創出に注力する Luxury Escapes は、Stripe Billing を財務インフラに導入しました。経常収益型のビジネスモデルに適した Billing により、同社では頭金の決済や分割払いを受け付けられるようになり、お客様はすぐに全額を支払わなくても予約が可能になりました。
新たに導入された支払い方法に関して、A/B テストが実施されました。実験群の顧客には半額を頭金として支払う選択肢が用意された一方で、対照群は予約時に全額を支払うように求められました。このテストでは、全額を予約時に支払う顧客よりも、半額を選択した顧客のほうが購入完了率も平均注文額も高いという結果が出ました。
また、ウェブサイト、アプリ、コールセンターを通した、キャンセルや一部返金を含む同社のオンライン取引の大半では Stripe Payments が利用されています。Payments は自動的にメタデータを Stripe Radar に送信し、不正利用を検知・防止します。Radar は Stripe の膨大なネットワーク上にある数千億にのぼるデータポイントに基づいてリスクを測定します。リスクの高い決済は自動的にブロックされ、Luxury Escapes とその顧客の両方の保護に役立っています。
Stripe が提供するこれらのソリューションはいずれも Luxury Escapes が求めていた決済プロセスの自動化に寄与するものであり、手作業の削減と組織全体の効率化につながっています。
結果
Luxury Escapes と Stripe の連携により、お客様自身が予約を自由に管理できるセルフサービス型システムが実現しました。これにより、購入完了率の最大化、不正利用の未然防止、社内チームの負担軽減化が可能になりました。
立ち上げ時の購入完了率が 20% 増、平均注文額が 10% ~ 15% 増
Stripe Billing の導入に伴い Luxury Escapes が実施した A/B テストでは、顧客が抱える大きな不満を解決するシンプルな方法が実証されました。支払い方法に柔軟性をもたせたことで、頭金を支払う顧客に関しては購入完了率が 20% 増加しました。さらに、客室の予約に合わせて客室のランクアップを選ぶ傾向が高まったため、平均注文額も 10% 増加しています。
また、Preswick 氏は決済ページでの購入完了率が増加したのは、Stripe の差別化されたエラーメッセージのおかげだと分析します。決済が失敗した場合、Stripe は該当するメッセージを表示し、顧客が注文を完了できるよう特定の操作を促します。たとえば、顧客が航空券を予約しようとしてカードの限度額を超えた場合、Luxury Escapes のプラットフォームは代わりの方法として自動的に分割払いを推奨します。Preswick 氏は次のように述べています。「通常ならカゴ落ちになりますが、こうしたエラーメッセージを表示することで、お客様の注文手続きを完了までサポートでき、最終的には購入完了率の向上につながります」
Radar ルールと 3DS が先を見越した不正防止を実現
Radar for Fraud Teams の導入により、不正防止の自動化と発生の大幅削減が叶いました。その結果、不正防止に費やされていた技術および開発のリソースを新製品や新機能の開発に投入できるようになりました。Radar は Stripe の全プロダクトにすでに実装されているため、Luxury Escapes では Radar ルールや 3D セキュア (3DS) といった不正防止向け機能を簡単に導入できました。
Preswick 氏は次のように述べています。「不正利用者は常に進化し、新しい技術を取り入れています。それゆえ、スピーディーに対応し、できる限り先手を打つことが重要です。Radar ルールと 3DS を使うことで、事前に定義した基準に基づいてブロック、審査、許可といった決済に関する判断ができ、当社のプラットフォームでは不正利用が激減しています」
セルフサービス式プラットフォームにより、四半期に数百時間の電話対応を削減
操作性に優れ、あらゆる機能を備えた Stripe の導入により、Luxury Escapes は日程の変更、返金、プランのアップグレードなどの操作を顧客自身が行える完全セルフサービス式のプラットフォームを実現しました。今ではほとんどの顧客が自分自身で旅行を管理するほうを選ぶため、電話による問い合わせ件数が 40% 減少し、電話の待ち時間も短縮されました。すべてのタッチポイントでより快適で、スピーディーな顧客体験を提供できるようになりました。
市場には有力な決済プロバイダーが多数存在しますが、当社が Stripe を採用したのは、すべてを至ってシンプルにしてくれるからです。Radar を使用すれば、不正利用に関する複雑なルールを説明したり、開発サイクルを待ったりする必要はなく、メタデータにルールを追加するだけで完了します。