2022 年、James Clift 氏は、技術やマーケティングの専門知識がなくても、個人事業所有者がビジネスを迅速に立ち上げ、成長させることができるように、Durable を設立しました。現在、同社は世界中で 300 万を超える事業者にサービスを提供しており、その範囲は造園、パーソナルトレーニング、カーディテーリングなどの従来型の業種から、競走馬向けのクライオセラピーや季節に応じたポーチの装飾などユニークでニッチな業種まで多岐にわたります。
2026 年、Durable はプラットフォームの大規模アップデートを実施しました。この新たな完全なエージェンティックプラットフォームは、事業所有者がウェブサイトを構築し、AI アシスタントを通じて認知度を向上させ、状況に応じて適切に見込み客に対応し、顧客から売上を回収できるよう支援します。
「Durable がビジネス運営を担うことで、事業所有者は自身の仕事に専念できるようになります」と Durable の CPTO である Osama Khan 氏は述べています。「利用を開始してわずか数分で、SEO や GEO から請求の支払い督促に至るまで、あらゆる作業を複数のエージェントが実行する、マーケティングと財務のバックオフィス運用体制が完成します」
長期的なパートナーシップを基盤とした構築
エンジニア 2 名、プロダクトマネージャー 2 名、デザイナー 2 名のわずか 6 名のエンジニアリングチームにとって、新バージョンのプラットフォームの立ち上げは野心的な試みでした。同社は、すべての機能を自社で構築して管理するのではなく、実現したい機能を提供するパートナー企業と連携することにしました。決済、請求、ビジネスアカウント機能を提供する「マネーエージェント」の構築に向けて、同社が採用したのが Stripe でした。
Durable は数年前、複数のベンダーを検討した末、決済代行業者として Stripe と契約していました。「決め手となったのは開発者体験でした」と Khan 氏は語ります。そして、Stripe の柔軟な API と充実したドキュメントによって、Durable の小規模なエンジニアリングチームでも、決済ワークフローの構築や管理の負担が最小限に抑えられる点を評価したと語っています。
Durable は Stripe Payments と、マーケットプレイスやプラットフォーム向けの Stripe のインフラである Stripe Connect を導入しました。このサービスにより、世界各地の Durable の加盟店は、195 カ国以上から 125 種類以上の決済手段を通じてオンライン決済を受け付けることができるようになりました。
AI ネイティブな組み込み型金融へのアプローチ
Durable が自社のビジネスアカウント製品の構築に向けたパートナーを探し始めたのとまさに同じ時期に、Stripe は Treasury for platforms の提供を開始しました。Treasury for platforms は、プラットフォームやマーケットプレイスが加盟店に対して、ビジネスアカウント、資金移動、決済カードの機能を提供できるようにするサービスです。
Durable は、製品の機能にとどまらず、アーキテクチャやエンジニアリングへのアプローチが自社と一致しているパートナーを求めていました。「当社は AI ネイティブな企業です」と Khan 氏は述べています。「これを理解していないパートナーと提携することはできませんでした。Stripe のチームが当社と同じように AI ネイティブであったことを、大変心強く感じました」
実績のある金融インフラプロバイダーとしての Stripe の信頼性も、Durable が Stripe を選んだ理由の 1 つでした。「知名度の低い金融機関と提携すると言うよりも、Stripe のサービスを利用してビジネスアカウントを提供すると言う方が、はるかに信頼性が高まります」と Khan 氏は述べています。「Stripe が十分な資金処理の実績を積み重ねてきたという事実は、顧客に長期的に信頼できるパートナーだと認識してもらう上で、大きな安心材料になります」
Durable のチームは、Vercel の eve フレームワークを利用してエージェンティックプラットフォームを構築していましたが、他のベンダーの製品では API が古く、eve とのスムーズな統合に苦戦していました。「その点、Stripe は、スキルやコネクターを非常に簡単に構築できました」と Khan 氏は述べています。
さらに、Stripe の AI ネイティブな考え方により、両社のチーム間の連携もスムーズになりました。長文の製品要件文書を共有する代わりに、Durable と Stripe は AI を活用したバイブコーディングツールを使用して、本番環境のプロトタイプやホワイトボードのスケッチを作成し、実際のソリューションをより容易に繰り返して改善できるようになりました。また、Stripe はフィードバックへの対応も迅速でした。特に、時間やイベントに基づくトリガー (請求書の受領から 30 日後に支払いをスケジュールするなど) の実装を可能にする API の変更や、エージェントの活動に関するガードレールについて、Durable からの要求にすばやく応じました。
「エージェントが自動でタスクを実行する場合でも、資金を扱う前には人間に確認するようにする必要がありました」と Khan 氏は述べています。「Stripe のアトミックな API により、エージェントの動作に適切なガードレールを設けることができました」
3 日間、1 FTE で、実用的な製品を 1 つ開発
3 日間にわたり、エンジニア 1 名、プロダクトマネージャー 1 名、デザイナー 1 名がそれぞれパートタイムで作業しました。その稼働時間は合計でフルタイム従業員 1 名分に相当しました。チームは Treasury for platforms を使用し、Durable の組み込み型ビジネスアカウントサービスの機能するプロトタイプを構築しました。その後、2 週間以内に、チームはこのプロトタイプを新しいプラットフォームに統合し、2026 年 10 月に一般公開しました。
パートナーを活用したことで、Durable は時間とコストの両方を節約できました。「以前のスタートアップでの経験から、コンプライアンスプログラムを正しく構築しようとすると年間 100 万から 200 万ドルのコストがかかります」と、Khan 氏は述べています。「Stripe を利用すれば、年間 200 万ドルを費やすことなく、完全にコンプライアンスに準拠した製品を手に入れることができます」
Durable は AI を活用したビジネス構築プラットフォームを成長させ続けており、加盟店へのバリュープロポジションを強化するために Stripe に期待を寄せています。Khan 氏は、短期的には、Stripe Tax などの製品を導入して事業者向けの機能を拡充する機会があると考えています。また、ステーブルコインを使用して事業者のカード手数料をなくしたり、海外の事業者が米ドルで資金を保有できるように支援したりするなど、より大きな可能性も視野に入れています。
製品のビジョンを実現するには、AI ネイティブであることの意味を理解し、当社のペースに合わせて対応できるベンダーが必要でした。Stripe はまさにそのようなパートナーであり、真のエージェンティック AI ビジネス構築プラットフォームを構築するために必要なレベルの設定と使いやすさを提供してくれました。