課題
オールコネクトでは、通信回線のWeb販売代理業「Net Navi」、MVNO事業「Broad WiMAX」など、新しい通信インフラ販売の形を提供してきました。ユーザーとキャリアをつなげた多くの実績をもとに、通信業界における革新的なサービスの実現に挑戦し続けています。新規サービスも次々にリリースするなか、初期開発に時間をかけるのではなく、できるだけ小さく始めたいと考えていました。しかし、既存の環境・体制では、どうしても開発期間は半年、コストは2,000~3,000万円かかってしまう状況でした。
「新規ビジネスのスモールスタートには何度かチャレンジしていました。しかし、システムの再構築・機能追加・カスタマイズの発生などで、大きな投資に積み上がってしまうことを繰り返していました。この状況から脱却するには、発想をドラスティックに変える必要がありました。そのため、『新規ビジネスのシステムは1週間で構築する』ことを目標に掲げ、その範囲でできる機能に絞ると方針を決めました」(株式会社ALL CONNECT 前田知也氏)
新規ビジネスのサブスクサービスの立ち上げにあたり、これまでとは違った料金計算や未収金管理などの、決済関連のシステムの複雑さが大きなハードルでした。そこで決済システムとして注目したのが、Stripe です。必要な機能が揃っていることはもちろん、他製品では2ヵ月ほどかかるクレジットカード決済の申請が、数日で完了するスピード感が魅力的でした。
ソリューション
システムの検証、サンプル・プロトタイプの作成、ビジネスサイドとの調整を経て、Stripe を正式採用。開発は順調に進みました。
「私自身もStripe 導入に関わりましたが、必要なドキュメント・開発環境が揃っており、開発体系が非常によくできていると感じました。既存システムの開発では非常に苦労してきたこともあり、これほど簡単にサブスクに必要な仕組みを実装できるのか、と衝撃を受けました」(株式会社ALL CONNECT 前田知也氏)
ビジネス上不可欠な機能の実装もあり、1週間でのシステム構築は達成できなかったものの、通常の開発と比較し、1/3の開発期間にあたるわずか2ヵ月でのリリースに成功しました。
結果
サブスクリプション管理をおこなう「Stripe Billing」の導入により、毎月の請求、未払い時の対処、返金などをすべて自動化し、現場オペレーションの省力化を実現しました。既存システムでは、請求データをCSVファイルで出力・加工し、別システムに投入することや、管理画面で1件ずつチェックする、などの手作業での対応が必要でしたが、Stripe の導入により、作業の大半が自動化されました。
「現場のオペレーションは、“お金”に紐づく作業が多いです。これまでは事業ごとに4名の担当者が対応していましたが、新システムでは月40時間ほどと1名未満の作業量に抑えられました」(株式会社ALL CONNECT 前田知也氏)
このほか、経理部から売上や売掛金残高などの必要なデータの提示が導入要件として提示されていましたが、「Stripe Sigma」および「Stripe Revenue Recognition」で対応できました。他製品では、出力したデータを自社データベースに取り込んで、別途レポートを実装する必要があるものも多く、経理観点でのレポート・可視化まで、機能が揃う点もStripe のメリットでした。
「今後は、さらなる運用の省力化を目指します。弊社のサービスはWeb集客が中心ですが、現場が対処しきれなくなることを懸念し、広告費の投入を制限することもありました。運用が自動化されれば、現場の負担を気にせず、市場の状況にあわせて柔軟に広告費を調整できます。Stripe の導入は事業成長や拡販に対するアプローチとしても有効だと考えます」(株式会社ALL CONNECT 前田知也氏)
エンジニアの1人として見ても、Stripe はオブジェクト構造やプロパティまで納得度の高い設計になっており、自分はこういうプロダクトを作りたかったのだと感動するレベルでした