付加価値税 (VAT) の控除の対象となるのは特定の業務用車両のみですが、対象となる車両を判別するにはどうすればよいでしょうか。対象となる条件や、VAT における社用車と乗用車の違いについて疑問に思われるかもしれません。この記事では、こうした一般的な質問などについて説明します。社用車の控除対象の VAT について、以下をご覧ください。

この記事の内容

• VAT 控除の対象となる車両の種類
  
• VAT 控除のルール
  
• VAT 控除の対象となる購入
  
• 燃料に対する VAT は常に還付可能か
  
• 業務用車両に対する VAT の還付方法
  

VAT 控除の対象となる車両の種類

フランスでは、特定の業務用車両の購入に対する VAT の還付を受けることができます。

商用車に対する VAT

商品の輸送に使用されるトラックやバンなどの商用車に対する VAT を控除できます。また、これらの車両のメンテナンスおよび修理の費用を控除することもできます。

社用車に対する VAT

また、商品の輸送に使用される特定の社用車に対する VAT を控除することもできます。これらは多くの場合、後部座席を取り外して社用車に改造された自家用車です。VAT 控除の対象にするには、車両に次のものを含めることはできません。

• 2 席を超える助手席
  
• 追加座席用のリア固定ポイント
  

税金の観点からは、これらの条件を満たす社用車は商用車のカテゴリーに分類されるため、購入に対する VAT の還付を受けることができます。

乗用車に対する VAT

通常、旅客輸送または混合使用のために購入した車両に対する VAT の還付を受けることはできません。自家用車は乗用車とも呼ばれ、会社が購入した場合でも、商用車や社用車と同じ税制上の優遇措置は受けられません。

ただし、旅客輸送用に車両を購入する会社や、レンタカーや自動車教習所の車両として使用する車両を購入する会社は、購入に対する VAT の還付を受けることができます。

VAT 控除のルール

VAT 控除の対象にするには、会社は事業用の車両を購入している必要があります。購入には、会社が控除する予定の VAT を示す書類 (請求書など) が含まれている必要があります。さらに、会社は VAT 控除の対象となる目的のために車両を使用する必要があります。

車両の購入者が VATの対象でなければならないことに注意することが重要です。基本 VAT 免除システムの対象となっているビジネス、または VAT 免除のアクティビティーを行っているビジネスは、車両に対する VAT の還付を受けることはできません。

ビジネスが VAT の納税義務を負っている場合は、税金計算を自動化し、VAT 申告を迅速化する高度なツールである Stripe Tax を使用して、税務プロセス全体を簡素化できます。

VAT 控除の対象となる購入

以下に対して VAT の還付を受けることができます。

• 対象となる業務用車両の購入
  
• 対象となる車両に対する融資または長期リース
  
• 対象となる車両のメンテナンスと修理
  
• 燃料
  

燃料に対する VAT は常に還付可能か

事業目的で使用される商用車または社用車の燃料に対する VAT は、全額控除可能です。燃料は、ガソリン、ディーゼル、液化石油ガス (LPG)、または電気のいずれでも構いません。

ただし、事業目的で使用される自家用車の燃料に対する VAT は、部分的にしか控除できません。VAT を控除できる割合は、燃料の種類によって異なります。

• ガソリンとディーゼルはどちらも 80% 控除可能です。
  
• LPG と電気は 100% 控除可能です。
  

業務用車両に対する VAT の還付方法

対象となる事業用車両に対する VAT の還付を受けるには、選択した税制に基づいて VAT 申告書に記入し、最寄りの法人税務署 (service des impôts des entreprises (SIE)) に提出します。関連記事の VAT の申告方法 もご覧ください。VAT 申告書には、必要な監査に役立てるために、裏付けとなる請求書の写しを含める必要があります。

売上に対して徴収された VAT が事業経費に対して控除可能な VAT を下回っている場合、VAT 控除を受けることになり、一部または全額が返金または控除されます。VAT 計算、控除可能な VAT、VAT 控除の詳細については、関連記事をご覧ください。