10 年前、Hans Ober 氏がオランダ最大のロック・フェスティバル「Dutch Lowlands Festival」のチケットを販売しようとした際、信頼できる売買の場がないことに気づきました。当時は彼以外のチケット販売者および購入者も、詐欺や不当廉売に翻弄されていたのです。このような状況から、P2P のチケット販売サイト「TicketSwap」が生まれました。

信頼を競争力に

独自のセキュリティと顧客保護対策を導入した TicketSwapは、約 600 万人の顧客が、大規模なコンサート、フェス、スポーツイベントに参加するためのサービスを提供しています。チケット詐欺は業界でも深刻な問題であり、コンサートに参加する人の 12％ が経験したことがあると回答しています。詐欺師が同じチケットを繰り返し販売できないようにするために TicketSwap が開発した SecureSwap システムは購入時に新規の固有チケットを作成します。

購入者と販売者を保護するための適切なテクノロジーの構築とは別に、チケット販売プラットフォームが双方の信頼を得る必要がありました。決済の設定に少しでも違和感があると、顧客はサイトが偽物だと考えてしまいます。偽サイトのように見えるチェックアウトフォーム、支払い手続きの不履行、購入完了までの複雑な操作など、顧客が離れていく理由は様々です。

TicketSwap の最高財務責任者である Mark Jager 氏は次のように述べています。「Stripe は、信頼性が高く素晴らしいソフトウェアをユーザーに提供することを重視しているパートナーです。両社の考え方は非常に類似しており、TicketSwap でもテクノロジーを特に重視しています。私たちは信頼性が高く安全なプラットフォームと素晴らしいユーザー体験を提供するために尽力しており、TicketSwap がパートナーに求めるのは、優れたテクノロジーに他なりません」

肝心なのはバックステージ、そして優れたソフトウェア

TicketSwap は毎年、36 カ国で開催される 6,000 以上のイベント参加社にサービスを提供しています。Amsterdam Dance Event や King’s Day 等のイベントでは、世界中の数千ものユーザーが同時にチケットの売買を行います。

Jager 氏は、コンサート参加者にとって、チケットの購入体験がいかに重要であるかについて次のように述べています。「チケットの購入はどこからでも簡単にできる必要があります。オランダの iDEAL やベルギーの Bancontact 等、現地の決済手段に対応することも、シームレスな体験を提供する上で極めて重要です。当社の事業、イベント、そして当社のサービスを利用するユーザーもすべてグローバルであり、決済手段もグローバルな対応が必要です」

2020 年に Stripe がハンガリーに進出した際、TicketSwap はハンガリーのビジネスにおいても Stripe を採用しました。現在では、ハンガリーは TicketSwap が最も成功している市場の 1 つであり、ユーザーも 16 万を超えるまでに成長しました。TicketSwap は、ブダペストで開催される欧州最大級の音楽と文化の祭典である Sziget Festival の独占パートナーとなっています。

グローバル展開を支援

決済手段は地域特有ですが、TicketSwap はグローバル展開に意欲を示しています。急成長する TicketSwap は、Stripe API を基盤にしたことで、中核事業に専念して迅速に事業を拡大させています。

Jager 氏は次のように述べています。「最近、新たに StripePayment Element を導入しました。これは汎用翻訳機能に似ています。1 行のコードで新しい決済手段を追加できるので、運用に余裕ができました。2021 年にブラジル、イタリア、スウェーデン、ドイツにて本格的な展開を開始した際、事業の展開は大変な作業でしたが、決済面はスムーズで簡単でした。国際展開は継続しており、今後もさらに多くの国に拡大していく予定です。Stripe は今後も重要なパートナーとして、世界中のコンサートファンに TicketSwap のサービスを提供するための取り組みを支援してくれると確信しています」