日本におけるサブスクリプションコマースとは?始め方と事例を紹介

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  1. はじめに
  2. サブスクリプションコマースとは?
    1. 従来の定期購入サービスとの違い
    2. 日本国内のサブスクリプションビジネスの市場規模
  3. サブスクリプションコマースのモデル
    1. キュレーション型
    2. コンビニエンス型
    3. トライアル型
  4. 事業者がサブスクリプションコマースを導入するメリット・デメリット
    1. メリット - 将来性と安定した売り上げ
    2. デメリット - 初期費用と収益化までの時間
  5. 消費者がサブスクリプションコマースを利用するメリット・デメリット
    1. メリット - 時間と手間の削減
    2. デメリット - 値上がりと無駄の発生
  6. サブスクリプションコマースの始め方
    1. 1. サブスクリプションのモデルを考える
    2. 2. 商品を選ぶ
    3. 3. 価格を設定する
    4. 4. 消費者心理を理解し収益化を考える
    5. 5. EC サイトの作成
    6. 6. その他のシステムの導入
    7. 7. 商品やサービスの宣伝
  7. 日本国内のサブスクリプションコマースの事例
    1. キッズラボラトリー
    2. ヨシケイ
    3. Laxus
    4. subsc
    5. snaq.me
  8. 海外のサブスクリプションコマースの事例
    1. Skin Authority
    2. ButcherBox
    3. Toy Box Monthly
    4. Japanese Crate
    5. Birchbox
  9. サブスクリプションコマースを開始する

サブスクリプションコマースは、利便性やパーソナライズされた体験が顧客に好まれる定期配送型サービスです。EC サイトでの活用が増えており、食品や美容など多くの業界で人気が高まっています。顧客との長期的な関係を築くことで、安定した収益を期待できるメリットもあります。

本記事では、国内外の事例と共に、今後も市場規模の成長が予測されるサブスクリプションコマースの始め方をわかりやすく解説します。

目次

  • サブスクリプションコマースとは?
  • サブスクリプションコマースのモデル
  • 事業者がサブスクリプションコマースを導入するメリット・デメリット
  • 消費者がサブスクリプションコマースを利用するメリット・デメリット
  • サブスクリプションコマースの始め方
  • 日本国内のサブスクリプションコマースの事例
  • 海外のサブスクリプションコマースの事例
  • サブスクリプションコマースを開始する

サブスクリプションコマースとは?

サブスクリプションコマースとは、顧客が定額料金を支払い、その対価として販売事業者が選定した商品を定期的に購入するサービスのことで EC サイトでよく提供されています。アメリカからブームが始まり、現在では日本でも多くの企業で取り入れられるようになりました。今後も市場規模の拡大が予想される注目のビジネスモデルです。

従来の定期購入サービスとの違い

サブスクリプションコマースは、定期的に商品を顧客に配送するサービスという部分では定期購入サービスと似ています。大きな違いは、消費者が商品を選ぶのではなく、事業者が商品を選び、定期的に消費者に届けるという点です。会員ユーザーに毎回異なる商品を届ける、従来からある「頒布会」というサービスに似ていますが、頒布会が食品を主に取り扱うのに対して、サブスクリプションコマースは食品にとどまらず、様々なカテゴリーの商品を取り扱います。

日本国内のサブスクリプションビジネスの市場規模

2023 年に、定期宅配系を除く主要 7 分野 (ファッション分野、飲食店サービス・テイクアウト分野、ライフスタイル分野、レジャー・エンタメ分野、情報コンテンツ分野、教育分野、メディカル・ヘルス分野) を対象に実施された矢野経済研究所の調査によると、2022 年の日本国内におけるサブスクリプションサービスの市場規模は、消費者支払額ベースで 8,965 億 6000 万円となっており、2023 年は前年比 5.2% 増の約 9,430 億円、2024 年は前年比 4.2% 増の約 9,831 億円が見込まれています。

最近の物価高騰に伴い、サブスクリプションサービスにも多少の変化が見られ、分野により伸び率に増減が出ることが予想されるものの、サブスクリプションビジネス自体は成長市場であることから、今後も順調に成長することが期待されています。

サブスクリプションコマースのモデル

キュレーション型

インターネット上に溢れている大量の情報の中から自分の好みにあった商品やサービスを探すのは至難の業です。そこで、著名人や専門家が特定のテーマに基づきキュレート (厳選) した商品を届けるキュレーション型のサービスが生まれました。質の高い商品に興味はあるけれども、何を選んだら良いのかわからないという顧客に向いています。たとえば、パティシエが丹精込めて作ったこだわりスイーツ、美容家おすすめのコスメ、医師が選んだ健康食品など、その分野の専門家が選んだ商品を届けてもらえるので、自分だけでは到底たどり着けなかった良品を、選ぶ手間をかけずに楽しむことができます。

コンビニエンス型

日常的に使用する比較的低価格の生活必需品を取り扱う場合に向いているサービスです。対象となる顧客は買い物に行くのが面倒、もしくは忙しくて時間がないため、誰かに代わりに買い物に行ってほしいと考える消費者です。下着や靴下など比較的早いサイクルで必要となる衣料品、男性用グルーミングキット、日用品など、厳選された商品が一定間隔で届きます。

トライアル型

トライアル型に向くのは、化粧品や食品などの消耗品です。フルサイズの商品を購入する前に、試供品サイズの商品を試したい人をターゲットにしています。

化粧品や入浴製品などを例に挙げると、顧客は申し込む際に、自分の肌タイプ、髪質などの情報を提供し、事業者はその要望に沿った試供品を届けることで、ランダムにサンプルを配布するよりも、商品購入につながりやすくなります。

事業者がサブスクリプションコマースを導入するメリット・デメリット

メリット - 将来性と安定した売り上げ

サブスクリプションコマースは、すでに社会的に身近なサービスになっており、今後も拡大が予想されるため、市場としての将来性があります。

そして、顧客を確保し、定期的に商品を届けるビジネスモデルのため、比較的安定した売り上げを見込むことができます。

販売する商品の数が膨大で、消費者が好みのものを選ぶのが難しい EC サイトの場合は、購入前に離脱 (カゴ落ち) することがあります。

しかし、サブスクリプションコマースを導入している企業であれば、「商品に興味はあるけれども、どれを購入したら良いのかわからない」と悩む消費者を取り込むことができます。

また、継続的に利用してもらうことで、顧客データが蓄積されるため、データ分析を通じて市場が求めているものを把握し、商品開発につなげることができます。

デメリット - 初期費用と収益化までの時間

顧客に商品を定期的に届ける際に一番重要なことは、顧客の好みに合った商品を提供することです。そのためには、あらかじめ顧客の好みや興味に関する情報を収集しなければなりません。また、新しくサブスクリプションコマースを始める場合は、商品やサービスの開発、広告費、システム導入などの初期費が生じます。収益化には時間がかかることを認識し、余裕を持って資金計画を立てる必要があります。

消費者がサブスクリプションコマースを利用するメリット・デメリット

メリット - 時間と手間の削減

現代社会ではものや情報が溢れており、インターネット上には誤った情報が多く存在するため、確かな製品やサービスを選ぶまでに時間がかかります。サブスクリプションコマースを利用すれば、商品を選ぶ必要がなく、買い物に出かける面倒もなくなります。

デメリット - 値上がりと無駄の発生

サービスの利用期間中は定期的に費用が発生します。また、利用頻度によっては必要以上に商品が届き、無駄になってしまうことがあります。特別キャンペーンなどで開始時は低価格でも、回数を重ねるにつれて定額料金が徐々に上がる可能性もあります。

サブスクリプションコマースの始め方

1. サブスクリプションのモデルを考える

現在すでにビジネスを行っている方は、サブスクリプションコマースを始めることができます。その際は、どのサブスクリプションコマースのモデルが相応しいかを考えましょう。

これから全く新しいサブスクリプションビジネスを始める場合は、EC モール型に入って店舗を展開するのか、独自の自社サイトを構築して始めるのかなどを検討する必要があります。

また、事業者が商品やサービスを選ぶ形式のサブスクリプションコマースだけでなく、顧客がカスタマイズできる従来の定期配送のサービスも同時に導入するかなども検討しましょう。

2. 商品を選ぶ

サブスクリプションコマースで毎月何を提供するかを考えます。たとえば、食品の場合は、提供する商品をオーガニックとノンオーガニックに分ける、複数の商品サイズを用意するなど、他店とどのように差別化を図るのかを考慮しながら商品を選択しましょう。

3. 価格を設定する

商品が決まったら、価格を設定します。

4. 消費者心理を理解し収益化を考える

商品と価格が決まったら、どのように集客して、継続利用を促し、収益を上げていくかを考えます。

たとえば、お試し期間を設けて新規登録をしやすくしたり、継続利用につなげるためにロイヤルティプログラムなどの付加価値を提供してもよいでしょう。

また、購入オプションを複数用意することは、消費者の購入意欲を高める上で非常に有効です。たとえば、3 千円相当の商品を 2,280 円と 5 千円相当の商品を 2,980 円で販売した場合、多くの人がより割引率の高い方 (この場合は 5 千円相当の商品を 2,980 円) を選択します。

価格を設定する際には、仕入れ価格やコストから利益率を計算し、商品価格を決定することはもちろん重要ですが、消費者心理を理解することも大切です。

5. EC サイトの作成

まだ、EC サイトを運営していない場合は、サブスクリプションコマースで販売する商品と価格が決まったら、EC サイトを作成します。その際、利用するプラットフォームがサブスクリプションモデルをサポートしているかどうか導入前に確認しましょう。

6. その他のシステムの導入

定期的な支払いを処理するために、信頼できる決済サービスを導入します。

たとえば、Stripe Billing は、サブスクリプションベースのビジネスモデルを運営するために必要な多くの機能を標準サポートしています。定期請求、顧客管理、レポート作成など、サブスクリプションビジネスに必要な機能をオールインワンで提供します。

また、サブスクリプション管理ソフト、配送と在庫管理、CRM、マーケティングコミュニケーション、分析、カスタマサポートなどのツールを統合すれば、業務効率の向上に役立ちます。

7. 商品やサービスの宣伝

新しく EC サイトを立ち上げた場合は、まずどのように自社を消費者に認識してもらうかを考える必要があります。SNS や有料広告の活用、ASP (アフィリエイトサービスプロバイダー) との提携を検討しましょう。

日本国内のサブスクリプションコマースの事例

キッズラボラトリー

子供の発達や興味に合わせた知育玩具のサブスクリプションを提供しています。おもちゃは 8 歳までの子供が対象で、登録すると年齢に合ったおもちゃがサブスク・レンタルで届きます。

ヨシケイ

全国で約 50 万世帯が利用している夕食材料宅配サービスで、当日玄関先まで食材を届けてくれます。メニューはバラエティに富み、日々の料理を簡単にしたい、栄養バランスをとりながら多彩な食事を楽しみたいというニーズに応えています。

Laxus

月額定額制でブランドバッグを無制限で使用できます。シーンに合わせてブランドバッグをレンタルできるのが特徴です。

subsc

毎月 1 回、定額で、全国の注目ショップが厳選した商品が届きます。顧客はカテゴリや価格を基に自分に合ったサブスクリプションを選びます。

snaq.me

毎月変わる 100 種類以上のおやつから食べ切りサイズ (約 20 ~ 30 g) が 8 つ届くキュレーション型のお菓子のサブスクリプションサービスです。

海外のサブスクリプションコマースの事例

Skin Authority

個々の肌の健康的な美しさの実現を目指す同社の Facial Club (フェイシャルクラブ) に登録すると、スキンケアの専門家と個別相談が受けられ、毎日の肌のお手入れに必要なスキンケアが年に 3 回送られてきます。その他にも専門家によるスキントリートメントや同社が販売する他の商品を割引価格で購入できるなどの特典があります。

ButcherBox

高品質の肉やシーフードを顧客に届けるサブスクリプションビジネスです。顧客が好きな商品を選べるカスタムプランか、専門家にお任せするスタイルのキュレートプランのどちらかを選ぶことができます。

Toy Box Monthly

4 歳から 8 歳を対象にしたおもちゃのサブスクリプションコマースです。様々な予算や興味に合わせたプランを提供しています。

Japanese Crate

日本のお菓子を海外に住む人に届けるキュレート型ビジネスです。頻度により 1 回 あたりの価格が変わります。顧客が選べるのは頻度のみです。

Birchbox

トライアルサイズ、フルサイズなど商品のサイズが選べるサブスクリプションボックスを提供しています。 顧客からあらかじめ提供された肌タイプ、髪質、メイクのスタイルに基づき、専門家が最適な商品を選んで届けます。

サブスクリプションコマースを開始する

サブスクリプションコマースは、顧客に利便性、新しい商品との出会い、割安感を提供すると同時に、事業者に継続的で安定した収益源をもたらします。市場規模は今後さらに拡大が見込まれており、日本国内でも多くの業界で注目されています。

今後、サブスクリプションサービスを取り入れた EC サイトの構築を検討されている方は、ぜひ本記事で紹介したサブスクリプションコマースの始め方や事例を参考にしてみてください。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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