個人同士が商品やサービスを売買する CtoC (Consumer to consumer) ビジネスは、日本で順調に拡大を続けています。実際に、私たちの周りでも、個人が気軽に出品・購入できるサービスが増え、CtoC は日常的な取引形態のひとつになりつつあります。
その一方で、CtoC プラットフォームにはどのような強みや課題があり、ビジネスとして本当に成り立つのかと疑問に感じたことはありませんか?
本記事では、CtoC プラットフォームの仕組みをはじめ、メリット・デメリットや構築方法、成功のポイントについて、日本の事例を交えながら分かりやすく解説します。
目次
- CtoC とは
- CtoC ビジネスの市場規模
- CtoC プラットフォームとは
- CtoC プラットフォームの具体例
- CtoC プラットフォームビジネスのメリット
- CtoC プラットフォームビジネスのデメリット
- CtoC プラットフォームの構築方法
- CtoC プラットフォームビジネスを成功させるポイント
- Stripe Connect でできること
CtoC とは
CtoC とは、消費者同士が直接、商品やサービスを売買する取引形態を指します。具体的には、フリマアプリでの中古品の売買や、SNS を介した個人間の販売などが CtoC ビジネスの例として挙げられます。
その他のビジネスモデルとの違い
CtoC と似た言葉に、BtoB (Business to Business) と BtoC (Business to Consumer) があります。
BtoB は、企業同士が商品やサービスを取引する形態を指します。たとえば、飲食店が業務用食材を仕入れたり、企業がデザイン会社にホームページ制作を依頼したりするケースが該当します。
BtoC は、「企業が一般消費者に商品やサービスを提供する」取引形態のことです。日常生活で広くみられる形態で、たとえば、「個人が EC サイトや店舗で商品を購入する」などです。
CtoC ビジネスの市場規模
経済産業省の 2024 年 (令和 6 年) に行われた市場調査によると、個人同士が商品やサービスを売買する CtoC の日本国内市場規模は、約 2 兆 5,269 億円と推計されています。前年と比べると約 1.82% の増加となっており、伸び率は大きくはないものの、市場規模は引き続き拡大しており、CtoC は日本において安定した成長を続けている分野と言えます。
CtoC プラットフォームとは
CtoC プラットフォームとは、個人同士が商品やサービスを売買する CtoC 取引を、オンライン上で安全かつ円滑に行うためのサービスです。日本では、メルカリをはじめとするフリマアプリやネットオークションなどがあります。
CtoC プラットフォームでは、出品者・購入者はいずれも個人で、プラットフォーム運営者は在庫を持たないという特徴があります。
CtoC プラットフォームの運営側は、取引成立時に発生する手数料を主な収益源としています。また、プラットフォームが軌道に乗ってからは、検索結果の上位表示などを活用した広告によるマネタイズも行われています。
CtoC プラットフォームの具体例
代表的な CtoC サービスの一覧としてよく挙げられるものに、メルカリや楽天ラクマ、Yahoo!フリマなどがあります。
メルカリ
日本最大級の CtoC プラットフォームで、フリマアプリの代表的存在です。メルカリは、「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」という考えを掲げ、個人が不要になったものを次の人へと循環させる仕組みを提供しています。
また、個人間取引における不安を軽減するため、エスクロー決済システムや本人確認、取引の監視、評価・レビュー機能など、安全性を重視した仕組みを整えています。
このような安心して取引できる環境づくりが、CtoC 取引を日常的な行動として定着させてきた要因のひとつと言えるでしょう。
楽天ラクマ
楽天ラクマは、楽天グループが運営する CtoC プラットフォームです。2012 年に日本で最初のフリマアプリを開設した「フリル」が楽天が運営していた「ラクマ」と2018 年に統合、リブランディングされました。出品は、商品をスマートフォンで撮影して投稿するだけというシンプルさで個人でも始めやすい仕様になっています。さらに、楽天 ID や楽天ポイントとも連携しているので、楽天の各種サービスを利用しているユーザーにとって、とても使いやすい点が特徴です。
Yahoo! フリマ
Yahoo!フリマは、LINEヤフーが運営するフリマ形式の CtoC プラットフォームです。Yahoo!フリマは、入札方式ではなく、即決価格によるシンプルな取引を特徴としています。こちらも商品をスマホで撮影して出品するだけで手軽に販売を始められる設計となっています。
CtoC プラットフォームビジネスのメリット
CtoC プラットフォームビジネスには、運営する事業者と利用するユーザーの双方にメリットがあります。それぞれどのようなメリットがあるか詳しく見ていきましょう。
事業者側のメリット
CtoC プラットフォームを運営する立場から見たメリットには次のようなものがあります。
在庫を持つ必要がない
CtoC プラットフォームでは、商品は個人が出品するため、仕入れや在庫管理も不要です。在庫を持たずに事業を展開できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
マネタイズ手法を段階的に拡張可能
運営初期は手数料中心で運営し、プラットフォームが軌道になってからは、広告や有料オプションなどを追加することで、段階的に事業を拡張することができます。
利用者側のメリット
次に CtoC プラットフォームを利用する個人から見たメリットについて整理します。
EC モールへの出店よりもコストを抑えやすい
CtoC プラットフォームでは、出品にあたって初期費用や月額費用がかからない場合が多く、Eモールに出店するよりもコストを抑えて販売を始められます。売れた時に手数料が発生する仕組みのため、個人でも気軽に利用しやすい点が特徴です。
個人間の取引を安全に行える
CtoC プラットフォームでは、決済の仲介や評価制度、不正利用対策などの仕組みが整えられています。個人的なやり取りをプラットフォームを介さずに行う場合に比べてトラブルが起きにくく、初めて個人間取引を行う人でも利用しやすいのが特徴です。
CtoC プラットフォームビジネスのデメリット
CtoC プラットフォームビジネスにはいくつか注意すべき点もあります。事業者側・利用者側からみたデメリットをあらかじめ理解しておきましょう。
事業者側のデメリット
CtoC プラットフォームを運営する立場では、管理の難しさが課題となりがちです。
取引の管理がしにくい
出品や発送は利用者が行うため、商品の状態や取引の品質にはばらつきが生じやすくなります。プラットフォームを運営する側で、規制やルールを作り、間接的に管理を行いますが、細部までは目が届きにくいのが難点です。
構築・運営コストが高くなりやすい
CtoC プラットフォームは、個人間取引を前提としたうえでの決済環境の構築や不正利用対策などが必要となります。そのため、自社運営の ECサイトの構築・運営よりもコストが高くなりやすい特徴があります。特に取引量が十分に確保できない中での運営となる立ち上げ初期は、手数料からの収益も必然的に少なくなるため、ユーザー数を拡大する努力とその他の収益源を確保する計画を前もって立てることが重要になります。
利用者側のデメリット
利用者にとって CtoC ビジネスは手軽さが魅力的である一方、いくつかの注意点もあります。
トラブルが発生する可能性
CtoC プラットフォームでは安全対策は整っているものの、個人間の取引の際に配送遅延や認識違いなど、トラブルが起こる可能性はゼロではありません。これは、CtoC ビジネスだけのデメリットではありませんが、トラブル時の対応はすべて自身で行わなければならないことを忘れてはいけません。
正規品がどうかを判断しにくい
CtoC プラットフォームでは、出品者が個人であるため、購入する側から見ると正規品がどうかを見極めにくい場合があります。出品者の評価や過去の取引実績などから出品者の信頼性を測る仕組みはありますが、最終的には購入者自身が判断しなければなりません。
CtoC プラットフォームの構築方法
CtoC プラットフォームの主な構築方法は以下の通りです。目的や予算に合わせて最適な方法を選びましょう。
フルスクラッチ開発
フルスクラッチ開発は、既存のソフトウェアに頼らず、CtoC プラットフォームを一から設計・開発する方法です。自社でエンジニアを抱えて設計から開発まで行うか、開発会社に依頼して構築してもらうやり方があります。
自由度が高く、独自の機能や UI を実現しやすい一方で、コストや時間は大きくなります。ゼロから事業を立ち上げる場合で資金と時間に余裕がない状況では、この選択肢を選ぶのは難しいと言えるでしょう。
パッケージ利用 (SaaS・ノーコードなど)
パッケージ利用は、既存の SaaS (software as a service) やノーコードツールを活用して CtoC プラットフォームを構築する方法です。自社にエンジニアがいる場合、設定や軽微なカスタマイズを社内で行うことで、比較的スピーディーにサービスを開始することができます。一方で、エンジニアがいない、または人手が不足している場合でも、外部の開発会社に依頼することで導入が可能です。
外注する場合でも、フルスクラッチで一から開発するケースと比べると、既存の仕組みを活用できる分、構築費用を抑えやすい傾向があります。その反面、カスタマイズの自由度には一定の制限があり、独自機能や細かな仕様については妥協が必要になるかもしれません。
CtoC プラットフォームビジネスを成功させるポイント
CtoC プラットフォームビジネスでは、取引の安全性を確保しつつ、利用者獲得からマネタイズまでを段階的に回していけるかが成功を左右します。
新規利用者を増やす対策
CtoC プラットフォームは、利用者数が増えるほど価値が高まるビジネスモデルです。そのため、出品しやすさや購入までの分かりやすさを重視し、最初の利用体験でつまずかない設計を意識するようにしましょう。
特に立ち上げ当初は、一定数の利用者を集めることが最優先です。実際の出品例や取引の様子などを SNS を活用して発信するなどし、新規ユーザーの獲得に努めましょう。
マーケティング施策
取引が一定数発生してからは、蓄積されたデータを活用しながら集客施策の幅を広げていくことができます。
どのカテゴリの商品がよく取引されているのか、どの流入経路から来た利用者が出品・購入につながっているのかといったデータを分析し、それぞれに見合うマーケティング施策を選びましょう。
たとえば、検索ニーズが明確なカテゴリについては、リスティング広告を活用することで、出品・購入意欲の高い利用者を効率的に獲得できます。また、利用データから「ユーザーのつまずきやすいポイント」が見えてきた場合には、動画配信などでその箇所を分かりやすく解説するなどの対策を取ることができます。
さらに、CtoC プラットフォームの特性によっては、アフィリエイト施策を取り入れることも有効です。たとえば、特定ジャンルに強いメディアやブロガーに対して、会員登録や取引成立をコンバージョンとした成果報酬型アフィリエイトを用意することで、レビュー記事や比較記事を通じた集客が期待できます。
取引の安全性と信頼性の提供
売り手・買い手共に個人である CtoC プラットフォームビジネスでは、取引の安全性と信頼性をきちんと提供できない限り、サービスを継続して利用してもらうことは難しいでしょう。決済の仲介や評価、レビュー機能、不正対策などに加え、利用規約やガイドラインを明確に定めておくことが重要になります。
たとえば、「出品できる商品の条件」「禁止行為」「取引が成立しなかった場合の対応の仕方」などを具体化することで、利用者間の認識のずれや不要なトラブルを防ぎやすくなります。また、トラブルが発生した場合に備えて、返金対応や取引キャンセル時の流れ、問い合わせ対応の手順をマニュアル化しておくことも忘れないようにしましょう。
オンライン決済機能を実装する
決済フローが分かりにくいと、取引の途中で離脱されやすく、結果として取引数や利用継続率の低下につながります。そのため、CtoC プラットフォームでは、事業者として決済の仲介や支払いのタイミングを明確に設計し、取引が滞りなく完了する環境を整えることが重要です。
こうした決済設計においては、マーケットプレイス向けのオンライン決済サービスを活用することで、個人間取引に必要な資金の流れや支払いを整理しやすくなります。
Stripe Connect でできること
Stripe Connect は、ソフトウェアプラットフォームやマーケットプレイスにおける複数者間での資金移動を可能にするツールです。スムーズなアカウント登録、組み込みコンポーネント、グローバル決済などの機能を備えています。
Connect の特徴
数週間でローンチ: Stripe 上の機能、または組み込み機能を活用して本番環境にスピーディーに移行できます。ペイメントファシリテーションに必要な初期費用や開発時間を軽減できます。
大量の決済取引を管理: Stripe のツールやサービスを利用することで、専任の人材がいなくても、マージンレポート、納税申告書、リスク管理、世界各国の決済手段、アカウント登録の法規制などに対応できます。
グローバルに成長: 地域固有の決済手段や、売上税、VAT、GST を簡単に計算する機能を活用することで、ユーザーが世界中のより多くの顧客にリーチできるよう支援します。
新しい収益源を構築: 各取引ごとに手数料を徴収して決済収益を最適化します。プラットフォーム上で対面決済、即時入金、消費税徴収、融資、経費用カードなどの機能を有効にして、Stripe ツールを収益化できます。
Stripe Connect について詳しくはこちらをご覧ください。今すぐ開始する場合はこちら。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。