課題
ベルリンに拠点を置く sofatutor は、幼稚園から高校生までを対象に、チュートリアルビデオや学習ゲーム、インタラクティブな演習といった多彩な学習ツールを提供するオンライン教育のリーディングカンパニーです。2009 年の創業以来、B2C 向けのサブスクリプションモデルでサービスを展開しており、その課金システムは社内で独自に開発・運用してきました。
創業から約 15 年が経過し、同社が提供する教材はビデオが 9,000 本以上、演習問題は 44,000 件を超え、ドイツ、オーストリア、スイス、イギリス、アメリカの 160 万人以上の生徒に利用されるまでに成長しました。しかしその過程で、従来の自社開発の請求管理システムでは限界を迎えるようになりました。新しい決済手段の追加に時間がかかり、ユーザーの嗜好の変化にも柔軟に対応できず、新たなサブスクリプションモデルの導入も困難でした。さらに、そのレガシーシステムを維持するには多大な社内リソースが必要となり、sofatutor の中核である教材開発やプロダクトの革新に注力することが難しくなっていたのです。
マネージングディレクター兼共同 CEO (最高経営責任者) の Colin Schlüter 氏は次のように述べています。「非常に柔軟なサブスクリプション管理機能を構築するという、当社の本来の事業とは直接関係のない領域でも、何か新しいアイデアや機能が出るたびに、自社で開発しなければなりませんでした」
そんな中、sofatutor は 2 歳から 6 歳までの子どもを対象とした、幼児教育向けのまったく新しいプロダクト「sofatutor KIDS」のリリースを計画していました。この構想を実現するには、複数のプロダクト、多様な価格帯、さまざまな決済手段、そしてグローバル市場に対応できる新しい請求プラットフォームが必要でした。あわせて、不正利用を抑止できる堅牢なセキュリティ機能も求めており、同社は新たな決済・課金基盤を本格的に模索し始めたのです。
解決策
新しい幼児向け学習プロダクトを立ち上げるにあたり、sofatutor は複数のサブスクリプション管理ソリューションを徹底的に検討しました。その結果、これまで決済処理で利用していた Stripe の活用範囲を広げることを決断しました。
sofatutor は Stripe Billing を導入することで、柔軟かつ使いやすいサブスクリプション管理機能を手に入れました。これにより、40 種類以上の地域特有の決済手段に対応し、130 種類以上の通貨も利用可能となったことで、購入完了率が向上し、グローバル展開にも大きく貢献しました。Billing のノーコード機能を活用することで、新たなサブスクリプションサービスや複数のプロダクトプランを短期間で市場に投入でき、さまざまな料金モデルのテストや調整も容易になりました。市場の変化に即応できる体制を整え、柔軟な価格設定、クーポンの発行、無料トライアル、日割り・秒割りのような精密な比例課金にも対応可能です。
さらに、PayPal (特にドイツで人気)、Apple Pay、Amazon Pay、SEPA ダイレクトデビット (継続支払いにヨーロッパで広く利用される決済手段) など、複数の決済手段を Stripe を通じて有効化し、購入完了率と顧客体験の改善を実現しました。
Billing の柔軟な機能は既存システムとの統合も容易で、sofatutor の技術チームは請求インフラの構築・保守ではなく、基幹プロダクトの開発に注力できるようになりました。
結果
Billing をわずか 2 週間で導入し、数万件のアカウントをスムーズに移行
sofatutor は、新しい幼児向け学習プロダクトを迅速に立ち上げるため、Stripe Billing をわずか 2 週間で導入しました。その後、メインプラットフォームの請求機能を段階的に移行し、1 年かけて全面展開を実施。これまでに移行したアカウントは数万件にのぼりますが、移行に伴うトラブルや顧客への影響は一切発生していません。
Billing のノーコードツールにより社内リソースの負担を大幅に軽減
Stripe Billing の使いやすく柔軟な機能により、社内のメンテナンス負担が大幅に軽減され、従来のように技術チームの多くのリソースを費やす必要がなくなりました。
Colin Schlüter 氏はこう語ります。「Stripe Billing のおかげで、新しい機能やオプションを、これまでにないスピードで開発できるようになりました。サブスクリプション関連の新しい施策を、すぐに試せるようになったことも大きな変化です」
Stripe の決済プロセスの導入により購入完了率が向上
長年、社内で最適化を重ねてきた決済システムでしたが、Billing と連携した新しい決済プロセスに切り替えたことで、購入完了率が 2.7% 向上しました。
Stripe Billing の導入を決めた最大の理由は、将来的な成長への期待でした。自社開発のサブスクリプションシステムでは長年、柔軟な対応が難しく、このままでは今のようなスピードで事業を拡大することは不可能だったと思います。